2017/05/10(水) - 10:26
「疲れ切っていたけれど、全力で踏み切ろうと決めた。この上なく嬉しい」と語るのは、じりじりとした総合勢の登坂勝負を尻目に逃げ切ったヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)。マリアローザを着用したボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)や、リタイアを強いられたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)のコメントを紹介。
ステージを射止めたヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
ステージ優勝したヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)がマリアアッズーラを手にする photo:Kei Tsuji / TDWsport
この上なく嬉しくて幸せな気分。特にステージの大部分を逃げ集団で過ごした僕にとって、今日のステージはとても厳しくて、登りはチャレンジングだった。最後はもう本当に疲れ切っていたけれど、全力で踏み切ろうと決めたんだ。チームをはじめ、僕を支えてくれた全ての人に感謝したい。
3月と4月にこのエトナ山でトレーニングを行った時、とても良い手ごたえを掴んでいたんだ。マリアアッズーラに袖を通せることを誇りに思う。出来れば最後までこのジャージを着続けていたい。2015年のジロに続いて、最初の山岳ステージで優勝できるなんて本当に信じられないよ。
マリアローザのボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
マリアローザを着用したボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos
マリアビアンカもボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)の手に photo:CorVosフェルナンドからマリアローザを受け継ぐには運が必要だった。チームは良い仕事をしてくれたし、クレーバーに走ったんだ。昨年よりも長くこのマリアローザを着たいけど、日曜日のブロックハウスで再び総合争いが動く。ブロックハウスはエトナよりもキンタナのようなピュアクライマー向きなので、彼らに食らいつくことに力を尽くしたい。
自分自身、年々成長を感じているし、いつでも僕をサポートしてくれる強力なチームとともにあることがハッピーだ。チームにとってすでに成功を収めているジロだが、更にステージ優勝を狙っていければ良いと思う。
イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
今日はかなり良い結果になった。エトナ山への登りは向かい風が強くとても厳しいものだった。風の影響もあって、誰も積極的に動こうとはしなかったね。最終局面で少しでもタイムを取り返せればと思ってアタックしたんだ。
メイン集団を10秒引き離してフィニッシュするイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) photo:CorVos
無難にまとめたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
今日はライバルたちからタイムを失わないことが目標だった。コロンビアから戻ってきて初めての超級山岳だったこともあって、仕上がっているライバルたちと比べるとコンディションはまだ上がりきっていないように思う。もう少し様子見が必要だが、日曜日のブロックハウスまでには徐々に調子が上がっているはず。
ニーバリがアタックした時はペースが上がりきっていたし、モビスターとしてはアマドールが対処できていたので、集団の動きに合わせて走っているだけで済んだんだ。今に始まったことではないけれど、タフなステージをチームメイトの助けで乗り切ったことに感謝したいと思う。モビスターは最強の布陣だよ。
誰もが”キンタナが総合優勝筆頭”と言うけれど、世界ナンバーワンのスター選手たちがジロを目指して調子を整えているので、その中で抜きんでた選手は存在しない。今日は誰もが同等の力を持っているように見えた。ニーバリは自らペースを上げようとしていたし、トーマスとランダも強力だ。ザカリンは調子の良さを見せつけたし、今日の展開から自ら動くことは簡単じゃない。そしてユンゲルスだって目を離せない危険な存在だ。
ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
19秒差のザカリンに続いて29秒差の集団はゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)先頭 photo:Kei Tsuji / TDWsport今日はとてもうまく働いた。先頭集団はお互いの様子をうかがっていたし、向かい風のおかげでありえないほど速いペースにはならなかった。誰もアグレッシブに動きたがらなかったけど、僕は調子が良かったから少しのボーナスタイムを得ることが出来た。このジロはいいスタートを切ることができたと思っている。マリアローザは手の届くところにある。
ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)
今日は少しばかり不運に見舞われてしまった。(パンクによるロスの挽回で)最後の登りで余分な力を使うことになってしまったけれど、結果的にタイムを失うこともなくフィニッシュ出来てよかった。最終的には問題なくまとめることが出来た。このジロでの目標に向けてのプランは順調に進んでいる。
途中落車したステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)
精鋭グループに食らいついたステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVosかなり激しいクラッシュだった。最悪の瞬間だったよ、何が起こったのか分からなかった。後から知ったことだけど、コースミスによって集団が割れた。僕らは集団の先頭に位置取りしていたからかなり安心して走っていたのに、それでも落車してしまった。
出来るだけ早く復帰し、チームが助けてくれて集団に戻ることが出来た。大きなダメージは無くほとんど擦過傷で済んだのは不幸中の幸いだ。グランツールで勝つためには、トラブルを避けることが大切だ。どうにかこの悪い流れを変えたいね。
トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
調子がとても良くて良結果を残すことが出来た。向かい風はかなりレースを厳しいものにしたけれど、チームはとても強力で、僕自身も登りで良い感触を得た。6位という結果に満足しているよ。
リタイアに追い込まれたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
状態を好転させようとポジティブでいることに努めた。スタートから1時間くらい経った辺りだと思うけれど、チーム監督に「とりあえず全力を尽くして走ってみるけれど、補給所あたりで限界になるかもしれない。そこで様子を見たい」と伝えた。でもその前の登り(ポルテッラ・フェンミーナモルタ)では集団のイージーペースに付いていくことすらできなかった。第2チームカーを運転していたピーヴァ監督に「もう止めよう。これ以上無理をしても意味が無い」と言われてレースから降りた。
前々日に落車したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が途中リタイア
(第3ステージでの落車による)傷自体が問題ではなくて、吐き気やだるさ、そしてどこか力が入らない感じがあったんだ。ずっと頭痛も出ていて、心拍を上げれば改善されるかと思っていたけれど、逆に悪くなる一方だった。残念に思うけれど、ここまで僕のサポートをしてくれた皆に申し訳なく思う。ツアー・オブ・アルプス前に僕のコーチはわざわざ家族のいるアメリカからやってきてくれて、1週間以上の合宿に付き合ってくれたんだ。まったく自分で状況をコントロールできなかったことが残念だし、どこかぽっかり穴が空いた気分。これから大切なことは回復して健康な状態に戻すこと。これからのシーズンに向けて体調を整えていきたい。
ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)を転倒させ、レースから除外されたハビエル・モレノ(スペイン、バーレーン・メリダ)
最後の山岳に向かって隊列を組んでいる際にチームスカイが左側から上がってきて、僕の前にローザが割り込もうとしてきた。嫌がっていることに彼は気付いたけれど、僕が彼を押しのけたことで彼を落車させてしまった。自分の取った行動に対して謝りたい。そして最初から彼を転倒させようとしたわけではないことを説明しておきたい。ローザとチームスカイ、そして自分のチームメイトとスポンサーに申し訳なく思っている。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
ステージを射止めたヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
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この上なく嬉しくて幸せな気分。特にステージの大部分を逃げ集団で過ごした僕にとって、今日のステージはとても厳しくて、登りはチャレンジングだった。最後はもう本当に疲れ切っていたけれど、全力で踏み切ろうと決めたんだ。チームをはじめ、僕を支えてくれた全ての人に感謝したい。
3月と4月にこのエトナ山でトレーニングを行った時、とても良い手ごたえを掴んでいたんだ。マリアアッズーラに袖を通せることを誇りに思う。出来れば最後までこのジャージを着続けていたい。2015年のジロに続いて、最初の山岳ステージで優勝できるなんて本当に信じられないよ。
マリアローザのボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
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自分自身、年々成長を感じているし、いつでも僕をサポートしてくれる強力なチームとともにあることがハッピーだ。チームにとってすでに成功を収めているジロだが、更にステージ優勝を狙っていければ良いと思う。
イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
今日はかなり良い結果になった。エトナ山への登りは向かい風が強くとても厳しいものだった。風の影響もあって、誰も積極的に動こうとはしなかったね。最終局面で少しでもタイムを取り返せればと思ってアタックしたんだ。
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ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
今日はライバルたちからタイムを失わないことが目標だった。コロンビアから戻ってきて初めての超級山岳だったこともあって、仕上がっているライバルたちと比べるとコンディションはまだ上がりきっていないように思う。もう少し様子見が必要だが、日曜日のブロックハウスまでには徐々に調子が上がっているはず。
ニーバリがアタックした時はペースが上がりきっていたし、モビスターとしてはアマドールが対処できていたので、集団の動きに合わせて走っているだけで済んだんだ。今に始まったことではないけれど、タフなステージをチームメイトの助けで乗り切ったことに感謝したいと思う。モビスターは最強の布陣だよ。
誰もが”キンタナが総合優勝筆頭”と言うけれど、世界ナンバーワンのスター選手たちがジロを目指して調子を整えているので、その中で抜きんでた選手は存在しない。今日は誰もが同等の力を持っているように見えた。ニーバリは自らペースを上げようとしていたし、トーマスとランダも強力だ。ザカリンは調子の良さを見せつけたし、今日の展開から自ら動くことは簡単じゃない。そしてユンゲルスだって目を離せない危険な存在だ。
ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
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途中落車したステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)
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トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
調子がとても良くて良結果を残すことが出来た。向かい風はかなりレースを厳しいものにしたけれど、チームはとても強力で、僕自身も登りで良い感触を得た。6位という結果に満足しているよ。
リタイアに追い込まれたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
状態を好転させようとポジティブでいることに努めた。スタートから1時間くらい経った辺りだと思うけれど、チーム監督に「とりあえず全力を尽くして走ってみるけれど、補給所あたりで限界になるかもしれない。そこで様子を見たい」と伝えた。でもその前の登り(ポルテッラ・フェンミーナモルタ)では集団のイージーペースに付いていくことすらできなかった。第2チームカーを運転していたピーヴァ監督に「もう止めよう。これ以上無理をしても意味が無い」と言われてレースから降りた。
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(第3ステージでの落車による)傷自体が問題ではなくて、吐き気やだるさ、そしてどこか力が入らない感じがあったんだ。ずっと頭痛も出ていて、心拍を上げれば改善されるかと思っていたけれど、逆に悪くなる一方だった。残念に思うけれど、ここまで僕のサポートをしてくれた皆に申し訳なく思う。ツアー・オブ・アルプス前に僕のコーチはわざわざ家族のいるアメリカからやってきてくれて、1週間以上の合宿に付き合ってくれたんだ。まったく自分で状況をコントロールできなかったことが残念だし、どこかぽっかり穴が空いた気分。これから大切なことは回復して健康な状態に戻すこと。これからのシーズンに向けて体調を整えていきたい。
ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)を転倒させ、レースから除外されたハビエル・モレノ(スペイン、バーレーン・メリダ)
最後の山岳に向かって隊列を組んでいる際にチームスカイが左側から上がってきて、僕の前にローザが割り込もうとしてきた。嫌がっていることに彼は気付いたけれど、僕が彼を押しのけたことで彼を落車させてしまった。自分の取った行動に対して謝りたい。そして最初から彼を転倒させようとしたわけではないことを説明しておきたい。ローザとチームスカイ、そして自分のチームメイトとスポンサーに申し訳なく思っている。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
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