2017/05/02(火) - 06:22
5月5日の開幕を前に、ジロ・デ・イタリアに新たな特別賞が設定されることが明らかとなった。その名も「ベストダウンヒラー賞」。指定された10カ所の下りタイムを争うもので、選手からは批判の声が上がっている。
ジロ主催者RCSスポルトが公開した第100回大会のルールブックに、見慣れない特別賞「プレミオ・ミリオール・ディセンシスタ」が登場した。英語に訳すと「ベスト・ダウンヒラー・アワード」。つまり下りの能力を問う特別賞が新設される。賞スポンサーは自動車タイヤメーカーのピレリ社。
下り区間の計測対象となるのは以下の合計10つの峠。その多くはステージ優勝争いに影響しないステージ前半に設定されているが、モンテ・フマイオーロやセルヴィーノ、チーマコッピのステルヴィオ峠など勝負がかかったステージ後半に登場するものもある。
ベストダウンヒラー賞対象峠
第8ステージ モンテ・サンタンジェロ
第9ステージ キエーティ
第11ステージ モンテ・フマイオーロ
第12ステージ カザーリア峠
第15ステージ セルヴィーノ
第16ステージ ステルヴィオ峠
第17ステージ トナーレ峠
第18ステージ ポルドイ峠
第19ステージ セッラ・キアンズタン
第20ステージ モンテ・グラッパ
対象となるのは、これらの峠を最初に下りきった選手ではなく、頂上から麓までの最も短い時間で下りきった選手。つまりグルペットの中で走る選手にもチャンスがあり、選手たちはバーチャルで同賞争いを繰り広げることに。計測方法は明らかにされていないが、特別なGPS機器などは使用せず、バイクに装着された通常の計測チップを使用すると見られる。
それぞれトップタイムを記録した選手には賞金500ユーロ(約61,000円)とポイント(1位8p、2位5p、3位3p、4位2p、5位1p)が与えられ、その合計ポイントによって最終的な総合ベストダウンヒラー賞も争われる。最終日ミラノで総合ベストダウンヒラー賞1位の選手に与えられる5,000ユーロ(約61万円)という賞金は山岳賞と同額だ。
ベストダウンヒラー賞の新設に対し、選手側からは否定的な声が相次いでいる。ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)は自身のツイッターで「果たして本気なのか?これがもし真実なら、恥ずべきことだ。ただでさえレース中には落車が多発するというのに。主催者はレースがセンセーショナルになればそれでいいのか」と批判。危険増加の要因になり得るベストダウンヒラー賞に対して好意的な意見は少ない。
下りタイムを争う賞はロードレース史上初ではなく、1968年のパリ〜ニースに同様のベストダウンヒラー賞が登場。しかしすぐに取りやめになっている。仮に同賞が争われるに至っても、選手たちが安全に下りを走ることを願うばかりだ。
text:Kei Tsuji
ジロ主催者RCSスポルトが公開した第100回大会のルールブックに、見慣れない特別賞「プレミオ・ミリオール・ディセンシスタ」が登場した。英語に訳すと「ベスト・ダウンヒラー・アワード」。つまり下りの能力を問う特別賞が新設される。賞スポンサーは自動車タイヤメーカーのピレリ社。
下り区間の計測対象となるのは以下の合計10つの峠。その多くはステージ優勝争いに影響しないステージ前半に設定されているが、モンテ・フマイオーロやセルヴィーノ、チーマコッピのステルヴィオ峠など勝負がかかったステージ後半に登場するものもある。
ベストダウンヒラー賞対象峠
第8ステージ モンテ・サンタンジェロ
第9ステージ キエーティ
第11ステージ モンテ・フマイオーロ
第12ステージ カザーリア峠
第15ステージ セルヴィーノ
第16ステージ ステルヴィオ峠
第17ステージ トナーレ峠
第18ステージ ポルドイ峠
第19ステージ セッラ・キアンズタン
第20ステージ モンテ・グラッパ
対象となるのは、これらの峠を最初に下りきった選手ではなく、頂上から麓までの最も短い時間で下りきった選手。つまりグルペットの中で走る選手にもチャンスがあり、選手たちはバーチャルで同賞争いを繰り広げることに。計測方法は明らかにされていないが、特別なGPS機器などは使用せず、バイクに装着された通常の計測チップを使用すると見られる。
それぞれトップタイムを記録した選手には賞金500ユーロ(約61,000円)とポイント(1位8p、2位5p、3位3p、4位2p、5位1p)が与えられ、その合計ポイントによって最終的な総合ベストダウンヒラー賞も争われる。最終日ミラノで総合ベストダウンヒラー賞1位の選手に与えられる5,000ユーロ(約61万円)という賞金は山岳賞と同額だ。
ベストダウンヒラー賞の新設に対し、選手側からは否定的な声が相次いでいる。ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)は自身のツイッターで「果たして本気なのか?これがもし真実なら、恥ずべきことだ。ただでさえレース中には落車が多発するというのに。主催者はレースがセンセーショナルになればそれでいいのか」と批判。危険増加の要因になり得るベストダウンヒラー賞に対して好意的な意見は少ない。
下りタイムを争う賞はロードレース史上初ではなく、1968年のパリ〜ニースに同様のベストダウンヒラー賞が登場。しかしすぐに取りやめになっている。仮に同賞が争われるに至っても、選手たちが安全に下りを走ることを願うばかりだ。
text:Kei Tsuji
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