2016/11/11(金) - 15:58
市民から国際レーサーまでが沖縄に集う、国内最大規模のワンデイロードレース「ツール・ド・おきなわ」が今週末に開催される。「ホビーレーサーの甲子園」と形容されるほどの高いステイタスをもつレースを制するのは果たして誰だ? 国際&市民レースの展望をお伝えする。
男子チャンピオンレース 見どころ
国際レースであるUCI1.2クラスの男子チャンピオンレースは、日本国内11チーム、海外6チーム、合計17チームが出場する。3月から始まった国内ロードシーズンの最終レースにあたるが、ツール・ド・おきなわにはこのレースに調子を合わせてくる選手も多い。昨年は15人の先頭集団から終盤の「イオン坂」で抜け出した3人によるスプリント勝負に持ち込まれた。2014年はラスト10kmからの単独逃げ切りで、いずれも国内チームが活躍している。
■男子チャンピオンレース 出場チーム
国内 11チーム
シマノレーシング
マトリックスパワータグ
ブリヂストンアンカーサイクリングチーム
宇都宮ブリッツェン
チーム右京
愛三工業レーシングチーム
那須ブラーゼン
キナンサイクリングチーム
EQADS
鹿屋体育大学
チームおきなわ
海外 6チーム
(出場キャンセル)ピシュガマン・ジャイアントチーム(イラン)
ベイビーダンプサイクリングチーム(オランダ)
台湾ナショナルチーム(台湾)
チームサワーランド(ドイツ)
アクションサイクリングチーム(台湾)
タイナショナルチーム(タイ)
・合計17チーム(コンチネンタルチーム12、ナショナルチーム2、クラブチーム等3)
ピシュガマンジャイアントチームは出場キャンセルとなりました(11日23時追記)。
今年のチャンピオンレースはイランから初参加となる強豪ピシュガマン・ジャイアントチームが台風の目となるだろう(※)。2015年ツアー・オブ・ジャパン総合2位のラヒーム・エマミ、2016年ジェラジャ・マレーシア総合優勝のアルヴィン・モアゼミ、2016年ツール・ド・シンカラ総合優勝のアミール・コラドゥーズハグら強豪がそろう。他の2名もそれらのレースで上位に来ている。好調を維持していればレースの中心になることは間違いない。
※ピシュガマン・ジャイアントチームの出場はキャンセルされました。(12日)
ランプレ・メリダに所属するフェン・チュン・カイは台湾ナショナルチームから出場する。単騎出場した1月のアジア選手権では優勝争いを演じた。またオランダのベイビーダンプサイクリングチームには、以前に神宮外苑クリテやツール・ド・生口島、おきなわ等に出場したクース・ヤーレンカースとラース・ファンデヴァールが出場。2013年大会では2人とも初山翔(ブリヂストンアンカー)が優勝した際のスプリント勝負に絡んでいる。
今年も国内チーム陣に期待だ。まずは2014年3位、2015年2位の入部正太朗(シマノレーシング)が今年こそは優勝を狙う。今シーズンはまえばしクリテリウムで優勝しており、その後も好調を維持している。チームとしては全日本ロード2位の木村圭佑も狙える位置にある。
2014年にラスト10kmを劇的逃げ切りで優勝した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は9月のツール・ド・北海道で逃げ切りのすえ個人総合優勝を果たした。おきなわに向けて現在国内チームで最も強い選手といえるだろう。
ブリヂストンアンカーからは全日本チャンピオンの初山翔と西薗良太、地元の内間康平、スプリンターの鈴木龍、そしてこのレースで引退する井上和郎の誰が勝ってもおかしくない最強メンバーで臨む。チーム右京からは昨年3位のベンジャミ・プラデス、そして勝負強い畑中勇介が出場。マトリックスパワータグからは2014年2位のホセ・ビセンテ・トリビオが出場する。
愛三工業レーシングチームからは来シーズンにプロコンのNIPPOヴィーニファンティーニへ移籍する中根英登らが、那須ブラーゼンからは昨年山岳賞を獲得し成長著しい吉岡直哉が出場。キナンサイクリングチームからはツアー・オブ・ジャパン総合2位のマルコス・ガルシアや野中竜馬らが出場。
EQADSからは沖縄出身の2名やジャパンカップ31位と健闘の石上優大、フランスで勝利している津村翔平らが参戦。鹿屋体育大学はインカレ2勝の徳田優、昨年に羽地ダムまでの10kmを独走した山本大喜らで臨む。そしてチームおきなわからは普久原奨そしてスピードに長ける日本大学の岡本隼らが出場する。
レースはピシュガマンジャイアント勢が好調であれば彼らを軸に進むだろう。そしてチームではブリヂストンアンカーと宇都宮ブリッツェン勢の動きがカギになる。個人では増田と入部さらにフェン・チュン・カイ、プラデス、ホセ・ビセンテらがこれら動きにどう対応するかだろう。
女子国際ロードレース
今年も100kmで争われる女子国際。注目はエレン・ファンダイク(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム)だ。UCIレースではボエルス・ドルマンスで出場している。この10月の世界選手権女子チームTTで優勝、同個人TTは5秒差2位、さらには2013年世界戦個人TT優勝、2014年ツール・デ・フランドル優勝など輝かしい戦歴を誇る。結果を出したカタール世界選手権から1カ月、好調さは維持しているとみていいだろう。焦点はどのような勝ち方をするかだ。ほか昨年大会優勝のファン・ティン・イン(台湾ナショナルチーム)、2位の金子広美(イナーメ信濃山形)らが出場する。
ジュニア国際ロードレース
ジュニア世代のレースはUCI上限の140km。昨年スプリント勝負をした3位の重満丈(北中城高校)と4位のヤン・ビン・ユー(アクションサイクリングチーム)が参加。重満は1週間前の全日本選手権ロードでもレースを主導しながらも4位と好調。オランダのモーリス・トゥーンはスピードに長ける。日野竜嘉(ボンシャンス)、成海大聖(普天間高)も全日本選手権で主導した選手。彼らの戦いに注目だ。
各クラスで熱戦が展開される市民レース
「ホビーレーサーの甲子園」の異名通り、市民レース最高のステイタスをもつツール・ド・おきなわ。とくに210、140、100kmの長距離ロードレースカテゴリーはレベルも高く、日々の鍛錬を積んできた猛者たちによる激戦区だ。
ホビーレース最高峰のステイタスを誇る市民210km。昨年の優勝者・高岡亮寛(イナーメ信濃山形)は過去2007、2011年とあわせ3度の優勝経験をもち、今年も4勝目となる連覇を狙う。
他に3勝の記録を持つのは1993、1995、2001年の3回の市民200km優勝経験を持つ高山忠志(フィッツ)。高岡はまだ誰も成し遂げていない4勝目を狙っていることを昨年の時点で表明している。かつて国際レースにも出場した経験を持つ高岡だが、サラリーマンレーサーの趣味として仕事と自転車、そして家庭を両立させ、競技を楽しむことをモットーとしている。11年連続出場の39歳は今年も最高の体調で沖縄入りしたようだ。
昨年2位の青木峻二(ウォークライド)、3位の井上 亮(Magellan Systems Japan)の表彰台トリオはもちろん出場。また、4位の田崎友康(F(t)麒麟山レーシング)、5位の小畑 郁(なるしまフレンド)も顔を揃える。
昨年パンクで勝機を逸し6位に終わった2度のチャンピオン白石真悟(シマノドリンキング)はリストに名前がないものの、市民210kmのエントリー数はじつに371人を数える。そのリストを見るだけでも強豪の顔ぶれが揃う。岩島啓太(MIVRO)、武井亨介(FORZA)、奈良浩(ウォークライド)、高橋義博(走ってコロコロ)、中尾峻(Team SHIDO)、中村龍太郎(チームコバリン千葉)、森本誠(GOKISO)、西谷雅史(オーベスト)、岩佐昭一(サイクルフリーダム店長)、寺﨑武郎(バルバレーシングクラブ)、橋本謙司など、ざっと見るだけで市民200/210km優勝経験者、元プロレーサー、全日本タイムトライアル優勝経験者、いわゆる”最速店長”と呼ばれる人々、ヒルクライム最速の「山の神」、そして長きに渡りこの市民最長距離で連続上位入賞を重ねている強豪たち…。その誰が勝ってもおかしくない。
高岡亮寛へのマークは当然厳しいものになるが、昨年は他とは一味違う地脚を見せつけて約30kmを独走、優勝した高岡。上位を狙う選手たちは「ストップ・高岡」を合言葉にするが、高岡が得意とする独走に持ち込めるかどうかが見ものだ。
市民140、100kmクラスも、その長距離とともにやんばるのアップダウンの厳しさにより上位争いは熾烈を極める。かつてエンデュランス系のレースだったおきなわも、近年各クラスの出場選手たちの実力が上がり、拮抗していることからロードレースらしい駆け引きと展開が繰り広げられるようになってきた。各市民クラスで栄冠を掴むのは果たして誰だろうか?
本部半島を一周する50kmの各クラスは平坦基調のため例年激しいゴールスプリント争いで決着することが多いが、稀に逃げ切りも決まっている。勇気を持って仕掛ければ小グループの勝負に持ち込むことは可能だ。いずれのクラスも年間を通して鍛錬を積み、入念に準備してこなければ勝利に絡むことはできない。どのクラスにもそれぞれのドラマがある。
今年もシクロワイアードはモト随行撮影でフルカバーレポート
シクロワイアードでは今年も、チャンピオンレース、そして市民レース各クラスそれぞれで2台のオートバイによる随行撮影を行います。撮影&レポートを担当するのはツール・ド・フランスなどのレポートでもお馴染みのフォトグラファー&シクロワイアード編集長・綾野 真、そしてJプロツアーのオフィシャルフォトグラファーなどをつとめる国内レース報道の第一人者である高木秀彰のふたり。熱戦の模様を万全の取材体制によりフルカバーしてお届けします。
ツール・ド・おきなわ2015のリザルトより
市民210km トップ10
1位 高岡 亮寛(イナーメ信濃山形)5:28:07.604
2位 青木 峻二(ウォークライド) +1分55秒11
3位 井上 亮(VCフクオカ)+1分55秒95
4位 田崎 友康(F(t)麒麟山レーシング)+8分48秒64
5位 小畑 郁(なるしまフレンド)+8分48秒96
6位 白石 真悟(シマノドリンキング)+8分51秒97
7位 簑原 大介(VCフクオカ)+9分43秒96
8位 Caputo Paolo(Allied World-CCN)+9分44秒18
9位 岩島 啓太(MIVRO)+9分44秒24
10位 奈良 浩(なるしまフレンド)+9分44秒59
2015年市民レースのトップ3
市民レース140km
1位 横塚 浩平(オーベスト)4:07:43.617
2位 鈴木 達朗
3位 伊藤 寿
市民レース100km アンダー39
1位 齋藤 和輝(多摩ポタ)3:06:04.182
2位 岩田 靖往
3位 中地 義一
市民レース100km オーバー40
1位 岩瀬 一憲(しげるん)3:08:31.492
2位 小原 好人
3位 戸田 慎吾
市民レディースレース50km
1位 白崎 美由紀(バルバ) 1:30:16.778
2位 金井 由美
3位 谷江 史帆
市民レース50km アンダー29
1位 湧川 将樹 1:15:47.871
2位 森田 裕紀
3位 高良 和郎
市民レース50kmサーティー
1位 遠藤 優(bicicletta SHIDO)1:15:06.461
2位 西 真也
3位 宇野 祐造
市民レース50kmフォーティー
1位 白鳥 興寛 1:18:26.897
2位 安藤 貴史
3位 Chen Chih Hao
市民レース50km オーバー50
1位 坂本 祥一(CYCLE PLUS)1:27:44.468
2位 福島 雄二
3位 遠山 良夫
text&photo:Makoto.AYANO(綾野真),Hideaki.TAKAGI(高木秀彰)
男子チャンピオンレース 見どころ
国際レースであるUCI1.2クラスの男子チャンピオンレースは、日本国内11チーム、海外6チーム、合計17チームが出場する。3月から始まった国内ロードシーズンの最終レースにあたるが、ツール・ド・おきなわにはこのレースに調子を合わせてくる選手も多い。昨年は15人の先頭集団から終盤の「イオン坂」で抜け出した3人によるスプリント勝負に持ち込まれた。2014年はラスト10kmからの単独逃げ切りで、いずれも国内チームが活躍している。
■男子チャンピオンレース 出場チーム
国内 11チーム
シマノレーシング
マトリックスパワータグ
ブリヂストンアンカーサイクリングチーム
宇都宮ブリッツェン
チーム右京
愛三工業レーシングチーム
那須ブラーゼン
キナンサイクリングチーム
EQADS
鹿屋体育大学
チームおきなわ
海外 6チーム
(出場キャンセル)ピシュガマン・ジャイアントチーム(イラン)
ベイビーダンプサイクリングチーム(オランダ)
台湾ナショナルチーム(台湾)
チームサワーランド(ドイツ)
アクションサイクリングチーム(台湾)
タイナショナルチーム(タイ)
・合計17チーム(コンチネンタルチーム12、ナショナルチーム2、クラブチーム等3)
ピシュガマンジャイアントチームは出場キャンセルとなりました(11日23時追記)。
今年のチャンピオンレースはイランから初参加となる強豪ピシュガマン・ジャイアントチームが台風の目となるだろう(※)。2015年ツアー・オブ・ジャパン総合2位のラヒーム・エマミ、2016年ジェラジャ・マレーシア総合優勝のアルヴィン・モアゼミ、2016年ツール・ド・シンカラ総合優勝のアミール・コラドゥーズハグら強豪がそろう。他の2名もそれらのレースで上位に来ている。好調を維持していればレースの中心になることは間違いない。
※ピシュガマン・ジャイアントチームの出場はキャンセルされました。(12日)
ランプレ・メリダに所属するフェン・チュン・カイは台湾ナショナルチームから出場する。単騎出場した1月のアジア選手権では優勝争いを演じた。またオランダのベイビーダンプサイクリングチームには、以前に神宮外苑クリテやツール・ド・生口島、おきなわ等に出場したクース・ヤーレンカースとラース・ファンデヴァールが出場。2013年大会では2人とも初山翔(ブリヂストンアンカー)が優勝した際のスプリント勝負に絡んでいる。
今年も国内チーム陣に期待だ。まずは2014年3位、2015年2位の入部正太朗(シマノレーシング)が今年こそは優勝を狙う。今シーズンはまえばしクリテリウムで優勝しており、その後も好調を維持している。チームとしては全日本ロード2位の木村圭佑も狙える位置にある。
2014年にラスト10kmを劇的逃げ切りで優勝した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は9月のツール・ド・北海道で逃げ切りのすえ個人総合優勝を果たした。おきなわに向けて現在国内チームで最も強い選手といえるだろう。
ブリヂストンアンカーからは全日本チャンピオンの初山翔と西薗良太、地元の内間康平、スプリンターの鈴木龍、そしてこのレースで引退する井上和郎の誰が勝ってもおかしくない最強メンバーで臨む。チーム右京からは昨年3位のベンジャミ・プラデス、そして勝負強い畑中勇介が出場。マトリックスパワータグからは2014年2位のホセ・ビセンテ・トリビオが出場する。
愛三工業レーシングチームからは来シーズンにプロコンのNIPPOヴィーニファンティーニへ移籍する中根英登らが、那須ブラーゼンからは昨年山岳賞を獲得し成長著しい吉岡直哉が出場。キナンサイクリングチームからはツアー・オブ・ジャパン総合2位のマルコス・ガルシアや野中竜馬らが出場。
EQADSからは沖縄出身の2名やジャパンカップ31位と健闘の石上優大、フランスで勝利している津村翔平らが参戦。鹿屋体育大学はインカレ2勝の徳田優、昨年に羽地ダムまでの10kmを独走した山本大喜らで臨む。そしてチームおきなわからは普久原奨そしてスピードに長ける日本大学の岡本隼らが出場する。
レースはピシュガマンジャイアント勢が好調であれば彼らを軸に進むだろう。そしてチームではブリヂストンアンカーと宇都宮ブリッツェン勢の動きがカギになる。個人では増田と入部さらにフェン・チュン・カイ、プラデス、ホセ・ビセンテらがこれら動きにどう対応するかだろう。
女子国際ロードレース
今年も100kmで争われる女子国際。注目はエレン・ファンダイク(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム)だ。UCIレースではボエルス・ドルマンスで出場している。この10月の世界選手権女子チームTTで優勝、同個人TTは5秒差2位、さらには2013年世界戦個人TT優勝、2014年ツール・デ・フランドル優勝など輝かしい戦歴を誇る。結果を出したカタール世界選手権から1カ月、好調さは維持しているとみていいだろう。焦点はどのような勝ち方をするかだ。ほか昨年大会優勝のファン・ティン・イン(台湾ナショナルチーム)、2位の金子広美(イナーメ信濃山形)らが出場する。
ジュニア国際ロードレース
ジュニア世代のレースはUCI上限の140km。昨年スプリント勝負をした3位の重満丈(北中城高校)と4位のヤン・ビン・ユー(アクションサイクリングチーム)が参加。重満は1週間前の全日本選手権ロードでもレースを主導しながらも4位と好調。オランダのモーリス・トゥーンはスピードに長ける。日野竜嘉(ボンシャンス)、成海大聖(普天間高)も全日本選手権で主導した選手。彼らの戦いに注目だ。
各クラスで熱戦が展開される市民レース
「ホビーレーサーの甲子園」の異名通り、市民レース最高のステイタスをもつツール・ド・おきなわ。とくに210、140、100kmの長距離ロードレースカテゴリーはレベルも高く、日々の鍛錬を積んできた猛者たちによる激戦区だ。
ホビーレース最高峰のステイタスを誇る市民210km。昨年の優勝者・高岡亮寛(イナーメ信濃山形)は過去2007、2011年とあわせ3度の優勝経験をもち、今年も4勝目となる連覇を狙う。
他に3勝の記録を持つのは1993、1995、2001年の3回の市民200km優勝経験を持つ高山忠志(フィッツ)。高岡はまだ誰も成し遂げていない4勝目を狙っていることを昨年の時点で表明している。かつて国際レースにも出場した経験を持つ高岡だが、サラリーマンレーサーの趣味として仕事と自転車、そして家庭を両立させ、競技を楽しむことをモットーとしている。11年連続出場の39歳は今年も最高の体調で沖縄入りしたようだ。
昨年2位の青木峻二(ウォークライド)、3位の井上 亮(Magellan Systems Japan)の表彰台トリオはもちろん出場。また、4位の田崎友康(F(t)麒麟山レーシング)、5位の小畑 郁(なるしまフレンド)も顔を揃える。
昨年パンクで勝機を逸し6位に終わった2度のチャンピオン白石真悟(シマノドリンキング)はリストに名前がないものの、市民210kmのエントリー数はじつに371人を数える。そのリストを見るだけでも強豪の顔ぶれが揃う。岩島啓太(MIVRO)、武井亨介(FORZA)、奈良浩(ウォークライド)、高橋義博(走ってコロコロ)、中尾峻(Team SHIDO)、中村龍太郎(チームコバリン千葉)、森本誠(GOKISO)、西谷雅史(オーベスト)、岩佐昭一(サイクルフリーダム店長)、寺﨑武郎(バルバレーシングクラブ)、橋本謙司など、ざっと見るだけで市民200/210km優勝経験者、元プロレーサー、全日本タイムトライアル優勝経験者、いわゆる”最速店長”と呼ばれる人々、ヒルクライム最速の「山の神」、そして長きに渡りこの市民最長距離で連続上位入賞を重ねている強豪たち…。その誰が勝ってもおかしくない。
高岡亮寛へのマークは当然厳しいものになるが、昨年は他とは一味違う地脚を見せつけて約30kmを独走、優勝した高岡。上位を狙う選手たちは「ストップ・高岡」を合言葉にするが、高岡が得意とする独走に持ち込めるかどうかが見ものだ。
市民140、100kmクラスも、その長距離とともにやんばるのアップダウンの厳しさにより上位争いは熾烈を極める。かつてエンデュランス系のレースだったおきなわも、近年各クラスの出場選手たちの実力が上がり、拮抗していることからロードレースらしい駆け引きと展開が繰り広げられるようになってきた。各市民クラスで栄冠を掴むのは果たして誰だろうか?
本部半島を一周する50kmの各クラスは平坦基調のため例年激しいゴールスプリント争いで決着することが多いが、稀に逃げ切りも決まっている。勇気を持って仕掛ければ小グループの勝負に持ち込むことは可能だ。いずれのクラスも年間を通して鍛錬を積み、入念に準備してこなければ勝利に絡むことはできない。どのクラスにもそれぞれのドラマがある。
今年もシクロワイアードはモト随行撮影でフルカバーレポート
シクロワイアードでは今年も、チャンピオンレース、そして市民レース各クラスそれぞれで2台のオートバイによる随行撮影を行います。撮影&レポートを担当するのはツール・ド・フランスなどのレポートでもお馴染みのフォトグラファー&シクロワイアード編集長・綾野 真、そしてJプロツアーのオフィシャルフォトグラファーなどをつとめる国内レース報道の第一人者である高木秀彰のふたり。熱戦の模様を万全の取材体制によりフルカバーしてお届けします。
ツール・ド・おきなわ2015のリザルトより
市民210km トップ10
1位 高岡 亮寛(イナーメ信濃山形)5:28:07.604
2位 青木 峻二(ウォークライド) +1分55秒11
3位 井上 亮(VCフクオカ)+1分55秒95
4位 田崎 友康(F(t)麒麟山レーシング)+8分48秒64
5位 小畑 郁(なるしまフレンド)+8分48秒96
6位 白石 真悟(シマノドリンキング)+8分51秒97
7位 簑原 大介(VCフクオカ)+9分43秒96
8位 Caputo Paolo(Allied World-CCN)+9分44秒18
9位 岩島 啓太(MIVRO)+9分44秒24
10位 奈良 浩(なるしまフレンド)+9分44秒59
2015年市民レースのトップ3
市民レース140km
1位 横塚 浩平(オーベスト)4:07:43.617
2位 鈴木 達朗
3位 伊藤 寿
市民レース100km アンダー39
1位 齋藤 和輝(多摩ポタ)3:06:04.182
2位 岩田 靖往
3位 中地 義一
市民レース100km オーバー40
1位 岩瀬 一憲(しげるん)3:08:31.492
2位 小原 好人
3位 戸田 慎吾
市民レディースレース50km
1位 白崎 美由紀(バルバ) 1:30:16.778
2位 金井 由美
3位 谷江 史帆
市民レース50km アンダー29
1位 湧川 将樹 1:15:47.871
2位 森田 裕紀
3位 高良 和郎
市民レース50kmサーティー
1位 遠藤 優(bicicletta SHIDO)1:15:06.461
2位 西 真也
3位 宇野 祐造
市民レース50kmフォーティー
1位 白鳥 興寛 1:18:26.897
2位 安藤 貴史
3位 Chen Chih Hao
市民レース50km オーバー50
1位 坂本 祥一(CYCLE PLUS)1:27:44.468
2位 福島 雄二
3位 遠山 良夫
text&photo:Makoto.AYANO(綾野真),Hideaki.TAKAGI(高木秀彰)
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