南魚沼初日は早々に10人の逃げが決まり、そこから最終周回に抜け出したロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)が優勝。女子の個人TTは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が圧勝した。



Two In One対象大会として新潟県南魚沼市三国川(さぐりがわ)ダム周辺で行われた連戦の初日は10月15日の南魚沼ロード。コースは三国川(さぐりがわ)ダム堰堤とダム湖を巡る1周12kmで、距離2km標高差140mの上りが1か所あり、ほかはおよそ平坦なもの。フィニッシュ地点は上り頂上にある。

三国川ダム湖周回コース三国川ダム湖周回コース photo:Hideaki TAKAGI南魚沼は一日中快晴南魚沼は一日中快晴 photo:Hideaki TAKAGI

初日は74kmのロードレース

P1クラスタはレースレイティングAで6周74kmのショートロードレース。それ以外のクラスタは14kmの個人タイムトライアルで行われた。コースのポイントは2kmの上りだが、頂上の後のダム湖北岸の道はアップダウンがあり休める区間のない厳しいものだ。個人タイムトライアルは2回上ることになる。

スタート後の上りでオスカル・プジョル(チーム右京)がアタック。1週間前の輪島大会をほうふつとさせる鋭いアタックだったが、後続の各チームが追い吸収する。1周目後半に15人の逃げができたが上り区間で吸収される。

7月に大腿骨骨折した中山卓士(ヴィクトワール広島)が復帰7月に大腿骨骨折した中山卓士(ヴィクトワール広島)が復帰 photo:Hideaki TAKAGI1周目からオスカル・プジョル(チーム右京)が逃げる1周目からオスカル・プジョル(チーム右京)が逃げる photo:Hideaki TAKAGI

2周目に10人が逃げる

2周目中盤にアタック合戦の中からロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)が抜け出し、これに堀孝明(宇都宮ブリッツェン)と入部正太郎(シマノレーシング)が合流。さらに7人が追いつき10人の逃げが完成。メンバーはほかにサルバドール・グアルディオラ・畑中勇介(チーム右京)、ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)、飯野智行・阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、井上和郎(ブリヂストンアンカー)、岸崇仁(シエルヴォ奈良ミヤタメリダレーシングチーム)。

この10人は協調して逃げ続け、一方のメイン集団は組織だって追うチームが現れずタイム差が拡大する。途中でメイン集団から初山翔(ブリヂストンアンカー)そしてジョン・アベラストゥリ(チーム右京)が抜け出すも戻り10人の逃げとメイン集団の構図は変わらない。差は最大4分にまで達し逃げ切りが濃厚となる。

先頭10人ではデリアクが上りのたびにペースを上げる。そして5周目、逃げ切りが確定的になった先頭10人の動きが活発に。入部と阿部、堀単独、そしてふたたび入部と阿部が抜け出すも吸収。後半の上りでホセ・ビセンテそしてデリアクがアタックするが吸収される。

2周目中盤、ロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)がアタック2周目中盤、ロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)がアタック photo:Hideaki TAKAGI2周目中盤、10人の逃げが形成される2周目中盤、10人の逃げが形成される photo:Hideaki TAKAGI

4周目、メイン集団はタイム差が拡大する4周目、メイン集団はタイム差が拡大する photo:Hideaki TAKAGI5周目後半、難所の坂を上る5周目後半、難所の坂を上る photo:Hideaki TAKAGI

最終周回に入部とデリアクが逃げる

最終周回の6周目に入り入部が単独アタック。中盤過ぎてからデリアクが合流し2人で逃げる。このままフィニッシュまでの上りへ突入し、デリアクが入部を離して優勝。これにグアルディオラ、ホセ・ビセンテと続き、ホセ・ビセンテはルビーレッドジャージをキープした。

10人の逃げにはマトリックスとブリヂストンアンカーは1人のみ、チーム右京はプジョルが乗っていなかったが、メイン集団は追走をやめた。ショートロードレースのため次の展開が打てなかったことが大きい。翌日は同じコースでAAランクの東日本ロードだが展開は全く異なるだろう。

6周目後半、入部正太郎(シマノレーシング)にロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)が追いつく6周目後半、入部正太郎(シマノレーシング)にロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)が追いつく photo:Hideaki TAKAGIロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)が優勝ロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI

結果 P1クラスタ 74km

P1クラスタ 表彰P1クラスタ 表彰 photo:Hideaki TAKAGIFクラスタ 1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)26分23秒Fクラスタ 1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)26分23秒 photo:Hideaki TAKAGI1位 ロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)1時間54分38秒
2位 入部正太郎(シマノレーシング)+12秒
3位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+17秒
4位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)+18秒
5位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)+23秒
6位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)
7位 井上和郎(ブリヂストンアンカー)
8位 畑中勇介(チーム右京)
9位 岸崇仁(シエルヴォ奈良ミヤタメリダレーシングチーム)
10位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)

Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)

結果 Fクラスタ 14km 個人タイムトライアル
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)26分23秒
2位 福田咲絵(慶応義塾大学自転車競技部)+1分00秒
3位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)+2分32秒

Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)

E1クラスタ 14km個人TT
1位 藤田康祐(SPADE・ACE)24分19秒8
2位 宮本賢一(LinkTOHOKU)+04秒
3位 山藤祐輔(アーティファクトレーシングチーム)+08秒
4位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)+09秒
5位 長塚寿生(弱虫ペダルサイクリングチーム)+23秒
6位 中村俊介(SEKIYA)+31秒

Jエリートツアーリーダー 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)

E2クラスタ 14km個人TT
1位 淵田祐(F(t)麒麟山 Racing)25分02秒5
2位 尾鷲猛(Squadra di LAVORANTE)+20秒
3位 岩本克也(フィールズ・オン・アース山口)+25秒
4位 梅林康典(Y's Road)+47秒
5位 土屋幸生(湾岸サイクリング・ユナイテッド)+1分00秒
6位 國分俊幸(じてんしゃの杜)+1分09秒

E3クラスタ 14km個人TT
1位 新村穣(CS Slinger)25分13秒1
2位 松島拓人(MIVRO)+14秒
3位 松田健太(PHANTOM湘南)+16秒
4位 斉藤侑生(エルドラード・エスペランサ)+24秒
5位 三浦雅人(ブラウ・ブリッツェン)+32秒
6位 森拓也(TEAM SPORTS KID)+35秒

photo&text:高木秀彰

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