2016/09/08(木) - 08:52
ブエルタ初登場の激坂マス・デラ・コスタの頂上フィニッシュで、IAMのマティアス・フランクが逃げ切り勝利。メイン集団でも激しい登坂勝負が掛かったものの、最終的に総合上位4選手はタイム差無しでフィニッシュしている。
休息日明けの第17ステージは地中海沿いのカステリョンをスタート後、峠道をつなぎながら内陸に向かい、最後は1級山岳カミンス・デル・ペニャゴロサを駆け上がってゴールする177.5km。大会最後の休息日を終えたこの日、スタートラインには開幕時から33名少ない、165名が並んだ。
リアルスタートからは激しいアタック合戦が掛かり、アタックと吸収を繰り返したことでなかなか逃げが決まらない展開に。そのまま2級山岳デシエルト・デラス・パルマス(7.3km/平均5.1%)山頂に達すると山岳ポイント2位に付けるオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)が先頭通過を果たし、5ポイントを加算してケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)の3ポイント差に迫ってプレッシャーを掛ける。
やがて50kmを通過した時点でようやく逃げが決まり、第14ステージで逃げ切ったロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)やレオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)を含む27名という大集団が先行。IAMサイクリングはマティアス・フランク(スイス)を筆頭に3名を送り込み、逃げ切り勝利に向けて順調に駒を進めていく。
総合に影響しないメンバーが逃げたことでメイン集団はスピードを落とし、マイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア)擁するモビスターが5〜6分差でコントロールを開始する。体調を崩していたBMCレーシングのエース、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)はレース途中でバイクを降りた。
メイン集団からは単独でマキシム・ブエ(フランス)が先行し、暫しの追走の後に逃げグループへの合流に成功。82.5km地点の2級山岳セラテーリャ峠(14.5km/平均3.6%)と109.2km地点の3級山岳ベナサル峠(11.2km/平均3%)はいずれもクリスティアン・ズバラーリ(イタリア、ディメンションデータ)が先着している。
モビスターがマイペース牽引をしたことでタイム差が8分に近づくと、チーム総合成績首位を守りたいBMCレーシングがモビスターに代わって逃げグループとの差を詰めに掛かる。第16ステージで優勝したジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク)やダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)がその責を担った。
徐々にタイム差が詰まりだすと、先頭グループ内では残り30kmでのブエのアタックを皮切りに活性化。ブエが吸収されるとカウンターでダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)とフランクが抜け出し、26名に対して10秒、20秒とリードを得ていく。
アップダウンを経てブエルタ初登場の1級山岳マス・デラ・コスタ(3.8km/平均12.5%)に突入する頃には、カタルドとフランクのリードは追走に対して20秒、メイン集団に5分。逃げ切りが確定的となったことで、追走グループ内でもズバラーリやヘーシンク、ケーニッヒ、ホセ・ヘラーダ(スペイン、モビスター)らが積極的にペースを上げていく。
先頭ではフランクがカタルドを千切り、常に勾配が15%を刻み、つづら折れが続く激坂でステージ優勝に向けて踏み続ける。フランクは大声援に後押しされながら、すぐ後ろに迫ったケーニッヒやヘーシンクを最後まで抑えてフィニッシュ。「カタルドと逃げた時にはゴールまで行けると思わなかった」と語るIAMのチームリーダーが、第7ステージのヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー)に続くチーム2勝目を挙げてみせた。
5分差で激坂区間に突入したメイン集団でも積極的なペースアップが行われ、みるみる内に総合上位勢のみに絞り込まれる。真っ先に総合4位アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)が仕掛けたことで集団は崩壊し、やがてキンタナ、総合3位エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)のみに。総合2位クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)は遅れながらも3名に追いつき、以降も激坂で遅れ、勾配が緩んだ区間で追いつく苦しい走りに。
しかし急勾配だったことで最後まで4名の中から抜け出しは掛からず、ダンシングで踏むコンタドールを先頭にフィニッシュ。フルームは残り50mで遅れていたものの、最後は猛然と追い込みタイム差無しでフィニッシュ。唯一表情を崩さなかったキンタナの余裕ぶりが印象に残るステージとなった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2016第17ステージ
マイヨロホ(個人総合成績)
マイヨプントス(ポイント賞)
マイヨモンターニャ(山岳賞)
マイヨコンビナーダ(複合賞)
チーム総合成績
敢闘賞
ハイメ・ローソン(スペイン)
text:So.Isobe
休息日明けの第17ステージは地中海沿いのカステリョンをスタート後、峠道をつなぎながら内陸に向かい、最後は1級山岳カミンス・デル・ペニャゴロサを駆け上がってゴールする177.5km。大会最後の休息日を終えたこの日、スタートラインには開幕時から33名少ない、165名が並んだ。
リアルスタートからは激しいアタック合戦が掛かり、アタックと吸収を繰り返したことでなかなか逃げが決まらない展開に。そのまま2級山岳デシエルト・デラス・パルマス(7.3km/平均5.1%)山頂に達すると山岳ポイント2位に付けるオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)が先頭通過を果たし、5ポイントを加算してケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)の3ポイント差に迫ってプレッシャーを掛ける。
やがて50kmを通過した時点でようやく逃げが決まり、第14ステージで逃げ切ったロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)やレオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)を含む27名という大集団が先行。IAMサイクリングはマティアス・フランク(スイス)を筆頭に3名を送り込み、逃げ切り勝利に向けて順調に駒を進めていく。
総合に影響しないメンバーが逃げたことでメイン集団はスピードを落とし、マイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア)擁するモビスターが5〜6分差でコントロールを開始する。体調を崩していたBMCレーシングのエース、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)はレース途中でバイクを降りた。
メイン集団からは単独でマキシム・ブエ(フランス)が先行し、暫しの追走の後に逃げグループへの合流に成功。82.5km地点の2級山岳セラテーリャ峠(14.5km/平均3.6%)と109.2km地点の3級山岳ベナサル峠(11.2km/平均3%)はいずれもクリスティアン・ズバラーリ(イタリア、ディメンションデータ)が先着している。
モビスターがマイペース牽引をしたことでタイム差が8分に近づくと、チーム総合成績首位を守りたいBMCレーシングがモビスターに代わって逃げグループとの差を詰めに掛かる。第16ステージで優勝したジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク)やダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)がその責を担った。
徐々にタイム差が詰まりだすと、先頭グループ内では残り30kmでのブエのアタックを皮切りに活性化。ブエが吸収されるとカウンターでダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)とフランクが抜け出し、26名に対して10秒、20秒とリードを得ていく。
アップダウンを経てブエルタ初登場の1級山岳マス・デラ・コスタ(3.8km/平均12.5%)に突入する頃には、カタルドとフランクのリードは追走に対して20秒、メイン集団に5分。逃げ切りが確定的となったことで、追走グループ内でもズバラーリやヘーシンク、ケーニッヒ、ホセ・ヘラーダ(スペイン、モビスター)らが積極的にペースを上げていく。
先頭ではフランクがカタルドを千切り、常に勾配が15%を刻み、つづら折れが続く激坂でステージ優勝に向けて踏み続ける。フランクは大声援に後押しされながら、すぐ後ろに迫ったケーニッヒやヘーシンクを最後まで抑えてフィニッシュ。「カタルドと逃げた時にはゴールまで行けると思わなかった」と語るIAMのチームリーダーが、第7ステージのヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー)に続くチーム2勝目を挙げてみせた。
5分差で激坂区間に突入したメイン集団でも積極的なペースアップが行われ、みるみる内に総合上位勢のみに絞り込まれる。真っ先に総合4位アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)が仕掛けたことで集団は崩壊し、やがてキンタナ、総合3位エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)のみに。総合2位クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)は遅れながらも3名に追いつき、以降も激坂で遅れ、勾配が緩んだ区間で追いつく苦しい走りに。
しかし急勾配だったことで最後まで4名の中から抜け出しは掛からず、ダンシングで踏むコンタドールを先頭にフィニッシュ。フルームは残り50mで遅れていたものの、最後は猛然と追い込みタイム差無しでフィニッシュ。唯一表情を崩さなかったキンタナの余裕ぶりが印象に残るステージとなった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2016第17ステージ
1位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
2位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)
3位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
4位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
5位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)
6位 ホセ・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
7位 アクセル・ドモン(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 クリスティアン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)
10位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレック・セガフレード)
2位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)
3位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
4位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
5位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)
6位 ホセ・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
7位 アクセル・ドモン(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル)
9位 クリスティアン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)
10位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレック・セガフレード)
4h34’38”
+06”
+11”
+14”
+16”
+29”
+48”
+57”
+1’02”
+1’04”
+06”
+11”
+14”
+16”
+29”
+48”
+57”
+1’02”
+1’04”
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
5位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)
6位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)
7位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
8位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
10位 ダヴィド・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ)
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
5位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)
6位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)
7位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
8位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
10位 ダヴィド・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ)
69h35’32”
+3’37”
+3’57”
+4’02”
+6’03”
+7’34”
+8’12”
+8’13”
+8’28”
+8’52”
+3’37”
+3’57”
+4’02”
+6’03”
+7’34”
+8’12”
+8’13”
+8’28”
+8’52”
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
93pts
86pts
76pts
86pts
76pts
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
2位 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)
3位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
2位 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)
3位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
56pts
53pts
34pts
53pts
34pts
マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
8pts
18pts
32pts
18pts
32pts
チーム総合成績
1位 BMCレーシング
2位 モビスター
3位 キャノンデール・ドラパック
2位 モビスター
3位 キャノンデール・ドラパック
207h42’14”
19’30”
+30’34”
19’30”
+30’34”
敢闘賞
ハイメ・ローソン(スペイン)
text:So.Isobe
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