2016/09/06(火) - 12:13
暑さや横風の危険をはらみながらも平穏な1日に終わったブエルタ第16ステージ。スプリントに絡んだ各選手や、休息日を前にした総合勢のコメントを紹介します。
ステージ優勝を飾ったジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
ここ数日、特にオービスク峠が登場した第14ステージはとても厳しかったけれど、スプリントステージを考えてなんとか耐え抜いてきた。前哨戦のブエルタ・ア・ブルゴスではとても調子が良く、このブエルタでもスプリントに向けて集中できていたんだ。スプリントでは誰の番手に付くかに掛かっているが、今日はダニーロ・ウィスが完璧な働きをしてくれた。タイミングを待ち続けてスプリントを始め、完璧に上手くいった。グランツアーの優勝者リストに名前を刻めるなんて最高の気分だ。
残り10kmは市街地やロータリーを次々と通過したのでかなり混沌とした状況だったが、ウィスが助けてくれたのでトラブルとは無縁だった。最終盤は追い風だったから早めのスプリント向きで、少し後ろから一気に先頭に立とうと考えていたんだ。メールスマンが先行したので、最後は彼のスリップを使って先頭に上がったんだ。
これから休息日が待っているけれど、すぐに厳しいステージがやってくる。だからまだブエルタのゴールは遠いように感じるよ。BMCレーシングとしてもまだ動こうと考えている。
2位に食い込んだリュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
チームのパーフェクトな働きによって、残り2kmで万全なポジションに構えることができた。そこから最後のロータリーで(アレハンドロ)バルベルデがエティックストレインに割り込んで中切れを起こし、トレインを崩しに掛かったんだ。メールスマンがその差を詰めたけれど、隊列が乱れてスプリンターたちが早すぎるタイミングで前に出てしまった。自分にとっては初めてのグランツールだし、ここまで厳しい山岳を乗り越えてきた。その中でのステージ2位には満足しているよ。
ステージ3位のニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
残り20kmから前に位置するという作戦はとても上手くいったけれど、アシスト役を最終盤までに使い果たしてしまった。エティックストレインの後ろに付けたけれど、彼らは僕のリードアウトを嫌っていた。残り500mで集団前方に抜け出てしまい、少しだけためらってしまった所で各選手がスプリントを開始。なんとか食らいついたが、抜くまでには至らなかった。残念だが、チームとして全力は尽くした。
逃げに乗ったシルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
序盤はかなり風が強く、数名が先行しているのが見えたのでジャンプしたら逃げが決まった。メイン集団にとってはここ数日のカオスな状況と違ってあっさりと逃げが決まったので良かっただろうし、僕らとしても追走が掛からなくて良かった。ただ一度も大きなタイム差を稼ぐことはできなかったので、逃げ切りは難しいと考えていたよ。でもメイン集団が近づいてもできるだけ粘り、その結果チームの力を温存してステージ優勝に繋げることができた。
逃げたスヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ)
逃げに乗ってチームをアピールできた1日になった。けれどノルウェー出身の僕にとって、35℃という気温は暑すぎる。ずっとスポットライトを浴びて良い気分だったが、最終的に集団に捕まってしまった。一度も十分なタイム差を得ることができなかったが、風が強く集団内に横風分断の危険があったことも理由の一つだったと思う。逃げ切りのチャンスが限りなく低かったけれど、キャッチされるまでは全力を尽くしたよ。
マイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
昨晩はチームでカヴァ(スパークリングワイン)を楽しんだ。今は冷静にレースを進めることが大切で、今日も暑さで簡単ではない1日だった。フルームだけではなくコンタドールやチャベスもライバルに捉えているし、今日のようにレース以外にも暑さなど状況を乱してくる要因はいくらでもあるんだ。
総合6位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
とても暑い1日だった。下りでは90km/hも出ていたのに尚暑さを感じていたんだ。汗をかいてすぐに蒸発してしまうほどだった。ステージの平均速度も速く自分の走りに集中していたが、脚の様子も良かったし、大成功に終わった難関ステージを終えて気も楽だった。これから2度目の休息日がやってくる。最終週に向けて何がどうなるか見極めていかないといけない。ライバルとの差は小さく、今後はより混沌とした展開になると思う。各ステージを慎重にこなし、身体と相談しながら総合順位を上げていきたい。
オリカ・バイクエクスチェンジのニール・ステファンス監督
今日はフィジカル的には難しくなかったが、ストレスレベルは依然として高かった。昨日の混沌とした状況が選手たちに影響を及ぼしていたんだと思う。加えて横風が強く、どこかのチームが分断作戦を仕掛けるかもしれないという精神的なプレッシャーもあった。
サイモンとサムはよくありがちな落車に巻き込まれてしまったが、どちらも問題無くて良かった。サムは止まっただけで済み、サイモンは路面に投げ出されてしまったものの大丈夫。休息日には冷静に状況を見極め、どこまで総合順位を上げられるか検討していきたい。
ゴールを狙った新城幸也(ランプレ・メリダ)
スプリントを狙って1日過ごしたんだけど、自分が単独でゴールスプリントしてもうまくいくわけもなく、、、残念だ。狙っていたステージだったし、(日本代表チーム監督の)浅田さんやU23の選手たちも見に来てくれていたので、結果を残したかった。また次のチャンスを狙ってそこに集中します。 しっかりと休んで、第17ステージに備える
text:So.Isobe
ステージ優勝を飾ったジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
ここ数日、特にオービスク峠が登場した第14ステージはとても厳しかったけれど、スプリントステージを考えてなんとか耐え抜いてきた。前哨戦のブエルタ・ア・ブルゴスではとても調子が良く、このブエルタでもスプリントに向けて集中できていたんだ。スプリントでは誰の番手に付くかに掛かっているが、今日はダニーロ・ウィスが完璧な働きをしてくれた。タイミングを待ち続けてスプリントを始め、完璧に上手くいった。グランツアーの優勝者リストに名前を刻めるなんて最高の気分だ。
残り10kmは市街地やロータリーを次々と通過したのでかなり混沌とした状況だったが、ウィスが助けてくれたのでトラブルとは無縁だった。最終盤は追い風だったから早めのスプリント向きで、少し後ろから一気に先頭に立とうと考えていたんだ。メールスマンが先行したので、最後は彼のスリップを使って先頭に上がったんだ。
これから休息日が待っているけれど、すぐに厳しいステージがやってくる。だからまだブエルタのゴールは遠いように感じるよ。BMCレーシングとしてもまだ動こうと考えている。
2位に食い込んだリュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
チームのパーフェクトな働きによって、残り2kmで万全なポジションに構えることができた。そこから最後のロータリーで(アレハンドロ)バルベルデがエティックストレインに割り込んで中切れを起こし、トレインを崩しに掛かったんだ。メールスマンがその差を詰めたけれど、隊列が乱れてスプリンターたちが早すぎるタイミングで前に出てしまった。自分にとっては初めてのグランツールだし、ここまで厳しい山岳を乗り越えてきた。その中でのステージ2位には満足しているよ。
ステージ3位のニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
残り20kmから前に位置するという作戦はとても上手くいったけれど、アシスト役を最終盤までに使い果たしてしまった。エティックストレインの後ろに付けたけれど、彼らは僕のリードアウトを嫌っていた。残り500mで集団前方に抜け出てしまい、少しだけためらってしまった所で各選手がスプリントを開始。なんとか食らいついたが、抜くまでには至らなかった。残念だが、チームとして全力は尽くした。
逃げに乗ったシルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
序盤はかなり風が強く、数名が先行しているのが見えたのでジャンプしたら逃げが決まった。メイン集団にとってはここ数日のカオスな状況と違ってあっさりと逃げが決まったので良かっただろうし、僕らとしても追走が掛からなくて良かった。ただ一度も大きなタイム差を稼ぐことはできなかったので、逃げ切りは難しいと考えていたよ。でもメイン集団が近づいてもできるだけ粘り、その結果チームの力を温存してステージ優勝に繋げることができた。
逃げたスヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ)
逃げに乗ってチームをアピールできた1日になった。けれどノルウェー出身の僕にとって、35℃という気温は暑すぎる。ずっとスポットライトを浴びて良い気分だったが、最終的に集団に捕まってしまった。一度も十分なタイム差を得ることができなかったが、風が強く集団内に横風分断の危険があったことも理由の一つだったと思う。逃げ切りのチャンスが限りなく低かったけれど、キャッチされるまでは全力を尽くしたよ。
マイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
昨晩はチームでカヴァ(スパークリングワイン)を楽しんだ。今は冷静にレースを進めることが大切で、今日も暑さで簡単ではない1日だった。フルームだけではなくコンタドールやチャベスもライバルに捉えているし、今日のようにレース以外にも暑さなど状況を乱してくる要因はいくらでもあるんだ。
総合6位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
とても暑い1日だった。下りでは90km/hも出ていたのに尚暑さを感じていたんだ。汗をかいてすぐに蒸発してしまうほどだった。ステージの平均速度も速く自分の走りに集中していたが、脚の様子も良かったし、大成功に終わった難関ステージを終えて気も楽だった。これから2度目の休息日がやってくる。最終週に向けて何がどうなるか見極めていかないといけない。ライバルとの差は小さく、今後はより混沌とした展開になると思う。各ステージを慎重にこなし、身体と相談しながら総合順位を上げていきたい。
オリカ・バイクエクスチェンジのニール・ステファンス監督
今日はフィジカル的には難しくなかったが、ストレスレベルは依然として高かった。昨日の混沌とした状況が選手たちに影響を及ぼしていたんだと思う。加えて横風が強く、どこかのチームが分断作戦を仕掛けるかもしれないという精神的なプレッシャーもあった。
サイモンとサムはよくありがちな落車に巻き込まれてしまったが、どちらも問題無くて良かった。サムは止まっただけで済み、サイモンは路面に投げ出されてしまったものの大丈夫。休息日には冷静に状況を見極め、どこまで総合順位を上げられるか検討していきたい。
ゴールを狙った新城幸也(ランプレ・メリダ)
スプリントを狙って1日過ごしたんだけど、自分が単独でゴールスプリントしてもうまくいくわけもなく、、、残念だ。狙っていたステージだったし、(日本代表チーム監督の)浅田さんやU23の選手たちも見に来てくれていたので、結果を残したかった。また次のチャンスを狙ってそこに集中します。 しっかりと休んで、第17ステージに備える
text:So.Isobe
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