2016/08/18(木) - 12:05
8月20日にスペイン北西部のガリシア州で開幕するブエルタ・ア・エスパーニャ。ガリシア州からカスティーリャ・イ・レオン州、アストゥリアス州の山岳地帯を走る前半ステージのコースを紹介します。
8月20日(土)第1ステージ → コースマップ
バルネアリオ・デ・ライラス〜パルケナウティコ・デ・カストレロ・デ・ミーニョ 27.8km(チームTT)
ロードレース初日はオウレンセをスタートする160.8kmのフラットステージ。前日のチームTTでも走った湖畔路を走り、ポルトガル国境の直ぐ近くを大西洋に向かって西進する。ちょうどコースの真ん中に位置する3級山岳フォンテフリア峠(8.2km/平均3.2%)は今大会最初のカテゴリー山岳であり、ここを先頭で通過すれば翌日の第3ステージで青い水玉ジャージを着る権利を得る。
スペイン最大の漁港があるビーゴに設置されたスプリントポイントを抜けるとバヨナのフィニッシュラインは近い。残り15km地点から始まる標高差150mほどの丘が最後の関所だが、まだまだフレッシュなスプリンターたちは問題なくクリアするだろう。海風に気を払いながら、大集団スプリントで締めくくられる可能性が高い。
8月22日(月)第3ステージ → コースマップ
マリン〜ドゥンブリア/ミラドル・デ・エサロ 176.4km(山頂)
「グランツール前半は平坦ステージが多い」という図式はブエルタに通用しない。第4ステージには2級山岳サンアンドレス・デ・テイシド(11.2km/4.8%)の山頂フィニッシュが登場する。前半の3級山岳ダ・セッラ・カペラ(6.5km/平均4.6%)と3級山岳モンテ・カサド(7.3km/平均4.5%)は逃げのための発射台だ。
ブエルタ初登場の2級山岳サンアンドレス・デ・テイシドは登坂距離が11kmを超える本格的な登りだが、平均勾配は5%以下。まだまだブエルタは序盤戦であり、積極的な動きは生まれないと思われるが、一方で総合争いから脱落選手は出てくるかもしれない。このガリシア2連続山頂フィニッシュで最終的なマイヨロホの姿がぼんやりと見える可能性も。また、フィニッシュラインが引かれたミラドル・ビクシア・デ・エルベイラ展望台からは大西洋を見下ろすヨーロッパで最も高い崖(高低差620m)を眺めることができる。
8月24日(水)第5ステージ → コースマップ
ビベイロ〜ルーゴ 171.3km
登場するカテゴリー山岳は一つだけ。しかし163.2kmのコースは起伏に富んでいる。特に後半は2級山岳アレンサ峠(10.9km/平均5.1%)を含むアップダウンの繰り返しで、しかもコースは曲がりくねっている。シル川に沿った急峻な渓谷「リベイラサクラ(ワインの産地として知られる)」を駆け抜け、開幕地オウレンセに近いルイントラでフィニッシュを迎える。
連続する登りで絞られた小集団によるスプリントも考えられるが、スプリンターチームがコントロールを放棄した場合は総合に関係しないアタッカーによる逃げ切りが決まる確率は高い。同時にマイヨロホ候補の選手たちにとってはタイムを失わないことが重要であり、ナーバスな1日になるだろう。主催者曰く、この日のフィニッシュ地点ルイントラに向けてのレース終盤は「2016年大会のフィニッシュの中で最も美しい風景」を走る。
8月26日(金)第7ステージ → コースマップ
マセダ〜プエブラ・デ・サナブリア 158.5km
181.5kmコースのおよそ95%は平坦路。そのため主催者は平坦ステージにカテゴリー分けしているものの、長い平坦路の先には今大会最初の1級山岳であるラ・カンペローナ(8.5km/平均7.4%)が待っている。カスティーリャ・イ・レオン州の内陸部を走る平坦区間では強風に注意が必要だ。
2014年大会に初登場した1級山岳ラ・カンペローナは全長8.5kmで、幹線道路を走る前半部と急峻な山道を走る後半部に分けられる。残り3kmを切ったところで急激に勾配が増し、そこからフィニッシュラインまでの平均勾配はなんと13%。最大勾配が24%に達するという激坂であり、総合上位陣の間にタイム差が生まれるのは間違い無いだろう。標高1,600mの峠で繰り広げられる今大会最初の本格的な登坂バトルに注目だ。
8月28日(日)第9ステージ → コースマップ
システィエルナ〜オビエド/アルト・デル・ナランコ 164.5km(山頂)
長い長い1週目の最後を飾るのが超級山岳ラゴス・デ・コバドンガ(12.2km/平均7.2%)の山頂フィニッシュだ。海岸線近くの緩いアップダウンをこなし、残り40km地点の1級山岳ミラドル・デル・フィト(6.2km/平均7.8%)を経て内陸に向かう。麓の町カンガス・デ・オニスのスプリントポイントを通過するといよいよコースは上昇を開始。残り12km地点からアストゥリアスを代表するラゴス・デ・コバドンガの登坂が始まる。
平均勾配は7.2%だが、山頂近くに何ヶ所か下り区間が登場することから実質的な勾配は10%近いイメージ。登りの中盤にかけては12%前後の勾配が続く。勾配が小刻みに変動するリズムが取りにくい登りであり、残り1.5kmからのハイスピードダウンヒルを経て最後は17.5%の激坂フィニッシュ。1983年の初登場以来、実に19回もフィニッシュを迎えてきた標高1110mの超級山岳でのバトルを経て、ブエルタは最初の休息日を迎える。
8月30日(火)休息日
text:Kei Tsuji
8月20日(土)第1ステージ → コースマップ
バルネアリオ・デ・ライラス〜パルケナウティコ・デ・カストレロ・デ・ミーニョ 27.8km(チームTT)
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スペイン最大の漁港があるビーゴに設置されたスプリントポイントを抜けるとバヨナのフィニッシュラインは近い。残り15km地点から始まる標高差150mほどの丘が最後の関所だが、まだまだフレッシュなスプリンターたちは問題なくクリアするだろう。海風に気を払いながら、大集団スプリントで締めくくられる可能性が高い。
8月22日(月)第3ステージ → コースマップ
マリン〜ドゥンブリア/ミラドル・デ・エサロ 176.4km(山頂)
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ブエルタ初登場の2級山岳サンアンドレス・デ・テイシドは登坂距離が11kmを超える本格的な登りだが、平均勾配は5%以下。まだまだブエルタは序盤戦であり、積極的な動きは生まれないと思われるが、一方で総合争いから脱落選手は出てくるかもしれない。このガリシア2連続山頂フィニッシュで最終的なマイヨロホの姿がぼんやりと見える可能性も。また、フィニッシュラインが引かれたミラドル・ビクシア・デ・エルベイラ展望台からは大西洋を見下ろすヨーロッパで最も高い崖(高低差620m)を眺めることができる。
8月24日(水)第5ステージ → コースマップ
ビベイロ〜ルーゴ 171.3km
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連続する登りで絞られた小集団によるスプリントも考えられるが、スプリンターチームがコントロールを放棄した場合は総合に関係しないアタッカーによる逃げ切りが決まる確率は高い。同時にマイヨロホ候補の選手たちにとってはタイムを失わないことが重要であり、ナーバスな1日になるだろう。主催者曰く、この日のフィニッシュ地点ルイントラに向けてのレース終盤は「2016年大会のフィニッシュの中で最も美しい風景」を走る。
8月26日(金)第7ステージ → コースマップ
マセダ〜プエブラ・デ・サナブリア 158.5km
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2014年大会に初登場した1級山岳ラ・カンペローナは全長8.5kmで、幹線道路を走る前半部と急峻な山道を走る後半部に分けられる。残り3kmを切ったところで急激に勾配が増し、そこからフィニッシュラインまでの平均勾配はなんと13%。最大勾配が24%に達するという激坂であり、総合上位陣の間にタイム差が生まれるのは間違い無いだろう。標高1,600mの峠で繰り広げられる今大会最初の本格的な登坂バトルに注目だ。
8月28日(日)第9ステージ → コースマップ
システィエルナ〜オビエド/アルト・デル・ナランコ 164.5km(山頂)
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平均勾配は7.2%だが、山頂近くに何ヶ所か下り区間が登場することから実質的な勾配は10%近いイメージ。登りの中盤にかけては12%前後の勾配が続く。勾配が小刻みに変動するリズムが取りにくい登りであり、残り1.5kmからのハイスピードダウンヒルを経て最後は17.5%の激坂フィニッシュ。1983年の初登場以来、実に19回もフィニッシュを迎えてきた標高1110mの超級山岳でのバトルを経て、ブエルタは最初の休息日を迎える。
8月30日(火)休息日
text:Kei Tsuji
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