2016/07/18(月) - 11:22
牽制から抜け出した堀孝明(宇都宮ブリッツェン)をフィニッシュ手前10mでかわしたのはベンジャミ・プラデス(チーム右京)。女子とE1は弱虫ペダルサイクリングチームが、Y/ジュニア男子は會田陸人(学法石川)が制した。
名コースの石川ロードは学法石川からスタート
7月17日に行われた石川ロードは、レースレイティングが2番目に高いAAランクで行われる公道レース。適度な起伏とロケーションそして温泉と温かい声援が迎えるこの大会は人気が高い。加えて男女ユースには東北を中心とする高校生たちも参加する規模の大きなレースだ。
灼熱地獄で知られる石川ロードも、今年は気温が25度から27度どまりと湿度は高いもののそれほどには暑くない。午前のスタート地点は自転車競技の名門校、学校法人石川高等学校前。リオオリンピック代表で昨年のロード全日本チャンピオンである窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)の出身校だ。ここで子どもたちによるランニングバイクのレースがあり記念撮影してからパレードスタート。
コースは福島県石川町と浅川町にまたがる1周13.6km。P1は7周半する102.2kmで、アップダウンに富むもの。序盤からアタックの応酬で安定しない集団は、2周目に4人が逃げて動きは収まる。メンバーはベンジャミ・プラデス(チーム右京)、木村圭佑(シマノレーシング)、阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)、吉岡直哉(ナスブラーゼン)。この4人とメイン集団の差は1分10秒を超える。
ラスト2周で集団は一つ、宇都宮ブリッツェンが主導
しかし4周目に「逃げ切りできないと判断した」プラデスがメイン集団へ戻り、残る3人はタイム差をキープしたまま逃げ続ける。タイム差も縮まり始め、宇都宮ブリッツェンを中心に追うメイン集団から畑中勇介(チーム右京)が先頭に合流するがこの先頭集団は6周目後半に吸収され、集団は一つとなって最終周回へ向かう。
集団の前方は宇都宮ブリッツェン勢が固め、小野寺玲、雨澤毅明がハイペースで引いて他チームのアタックを許さない。ラスト5kmからの上りで佐野淳哉(マトリックスパワータグ)と続いて雨澤がペースを上げると一列棒状に。さらに増田成幸(宇都宮ブリッツェン)がアタックするとラスト3kmで有力どころ7名の先頭集団ができる。
フィニッシュライン手前10mで逆転
しかし先頭を引いていた増田がペースを落とすと7人は牽制状態に。ここに後方から堀らが合流し鈴木譲そして堀が単独抜け出す。これをサルバドール・グアルディオラ(チーム右京)がその差を詰めてフィニッシュ地点までの上りへ。堀が先行するがライン手前10mでプラデスそしてホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がかわしてプラデスが優勝。
宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグそしてチーム右京のおもに3チームがレースを動かした。特に宇都宮ブリッツェンは小野寺、雨澤、堀の若手が機能したことが大きい。ラスト3kmの詰めの部分でチーム右京そしてマトリックスパワータグの動きが勝った展開となった。リーダージャージはホセ・ビセンテがキープし、チーム総合ではチーム右京が首位に返り咲いた。
唐見実世子が圧倒した女子、自転車歴5カ月の福田咲絵が健闘
Fクラスタとジュニア女子が同レースで行われた女子は34人がエントリー。序盤はニールプライド南信スバルサイクリングチームが交互に攻撃するが落車もあり、1周目後半から先頭は早くも4人に絞られる。メンバーは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、福田咲絵(フィッツ)、西加南子(LUMINARIA)、針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)。それまでも唐見が半分以上を引く展開だったがしだいにその割合が高くなる。
2周目も積極的に先頭を引く唐見が交代を促しても他選手は前に出ない。レース後に各選手は「引けなくて前に出られなかった」と唐見の強さを評する。2周目後半で福田をアタックで千切ってからは単独となった唐見は、下ハンドルを握り深い前傾姿勢でフィニッシュへ向かいこのまま優勝。2位には西が、そして僅差の3位には自転車競技歴わずか5カ月の福田が入った。この福田の今後は大いに期待される。
地元学法石川の會田陸人が優勝
Yクラスタと東北を中心とする高校生のジュニア男子が同じレースとして95人がエントリーして行われた。序盤からアタックが続くが決定的な逃げにならない。序盤からペースを上げるのは會田陸人(学校法人石川高等学校)と小野寺慶(栃木県立真岡工業高等学校自転車競技部)ら。大きく崩れないまま終盤を迎え、ラスト8kmから伊藤奎(平工業高等学校)が先行し小野寺が合流するが、これを會田がかわして優勝した。
結果
P1クラスタ 102.2km
1位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京)2時間40分12秒
2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
3位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
4位 ロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6位 山下貴宏(シエルヴォ奈良 ミヤタメリダ レーシングチーム)+01秒
7位 ハビエル・サラダ・ペレス(ヴィクトワール広島)
8位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+02秒
10位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)+03秒
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
F/ジュニア女子 40.8km
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)1時間10分54秒
2位 西加南子(LUMINARIA)+2分21秒
3位 福田咲絵(フィッツ)+2分23秒
Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
Y/ジュニア男子 61.4km
1位 會田陸人(学校法人石川高等学校)1時間45分01秒
2位 八代隆靖(学校法人石川高等学校)+07秒
3位 伊藤奎(平工業高等学校)+09秒
Jユースツアーリーダー 福田圭晃(横浜高校自転車競技部)
E1クラスタ 75.0km
1位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)2時間04分40秒
2位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)+14秒
3位 渡邊友一(LinkTOHOKU)+56秒
4位 河合宏樹(オッティモ)+58秒
5位 半澤雄高(LinkTOHOKU)+1分03秒
6位 津村翔平(EQADS)+1分04秒
photo&text:高木秀彰
名コースの石川ロードは学法石川からスタート
7月17日に行われた石川ロードは、レースレイティングが2番目に高いAAランクで行われる公道レース。適度な起伏とロケーションそして温泉と温かい声援が迎えるこの大会は人気が高い。加えて男女ユースには東北を中心とする高校生たちも参加する規模の大きなレースだ。
灼熱地獄で知られる石川ロードも、今年は気温が25度から27度どまりと湿度は高いもののそれほどには暑くない。午前のスタート地点は自転車競技の名門校、学校法人石川高等学校前。リオオリンピック代表で昨年のロード全日本チャンピオンである窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)の出身校だ。ここで子どもたちによるランニングバイクのレースがあり記念撮影してからパレードスタート。
コースは福島県石川町と浅川町にまたがる1周13.6km。P1は7周半する102.2kmで、アップダウンに富むもの。序盤からアタックの応酬で安定しない集団は、2周目に4人が逃げて動きは収まる。メンバーはベンジャミ・プラデス(チーム右京)、木村圭佑(シマノレーシング)、阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)、吉岡直哉(ナスブラーゼン)。この4人とメイン集団の差は1分10秒を超える。
ラスト2周で集団は一つ、宇都宮ブリッツェンが主導
しかし4周目に「逃げ切りできないと判断した」プラデスがメイン集団へ戻り、残る3人はタイム差をキープしたまま逃げ続ける。タイム差も縮まり始め、宇都宮ブリッツェンを中心に追うメイン集団から畑中勇介(チーム右京)が先頭に合流するがこの先頭集団は6周目後半に吸収され、集団は一つとなって最終周回へ向かう。
集団の前方は宇都宮ブリッツェン勢が固め、小野寺玲、雨澤毅明がハイペースで引いて他チームのアタックを許さない。ラスト5kmからの上りで佐野淳哉(マトリックスパワータグ)と続いて雨澤がペースを上げると一列棒状に。さらに増田成幸(宇都宮ブリッツェン)がアタックするとラスト3kmで有力どころ7名の先頭集団ができる。
フィニッシュライン手前10mで逆転
しかし先頭を引いていた増田がペースを落とすと7人は牽制状態に。ここに後方から堀らが合流し鈴木譲そして堀が単独抜け出す。これをサルバドール・グアルディオラ(チーム右京)がその差を詰めてフィニッシュ地点までの上りへ。堀が先行するがライン手前10mでプラデスそしてホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がかわしてプラデスが優勝。
宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグそしてチーム右京のおもに3チームがレースを動かした。特に宇都宮ブリッツェンは小野寺、雨澤、堀の若手が機能したことが大きい。ラスト3kmの詰めの部分でチーム右京そしてマトリックスパワータグの動きが勝った展開となった。リーダージャージはホセ・ビセンテがキープし、チーム総合ではチーム右京が首位に返り咲いた。
唐見実世子が圧倒した女子、自転車歴5カ月の福田咲絵が健闘
Fクラスタとジュニア女子が同レースで行われた女子は34人がエントリー。序盤はニールプライド南信スバルサイクリングチームが交互に攻撃するが落車もあり、1周目後半から先頭は早くも4人に絞られる。メンバーは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、福田咲絵(フィッツ)、西加南子(LUMINARIA)、針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)。それまでも唐見が半分以上を引く展開だったがしだいにその割合が高くなる。
2周目も積極的に先頭を引く唐見が交代を促しても他選手は前に出ない。レース後に各選手は「引けなくて前に出られなかった」と唐見の強さを評する。2周目後半で福田をアタックで千切ってからは単独となった唐見は、下ハンドルを握り深い前傾姿勢でフィニッシュへ向かいこのまま優勝。2位には西が、そして僅差の3位には自転車競技歴わずか5カ月の福田が入った。この福田の今後は大いに期待される。
地元学法石川の會田陸人が優勝
Yクラスタと東北を中心とする高校生のジュニア男子が同じレースとして95人がエントリーして行われた。序盤からアタックが続くが決定的な逃げにならない。序盤からペースを上げるのは會田陸人(学校法人石川高等学校)と小野寺慶(栃木県立真岡工業高等学校自転車競技部)ら。大きく崩れないまま終盤を迎え、ラスト8kmから伊藤奎(平工業高等学校)が先行し小野寺が合流するが、これを會田がかわして優勝した。
結果
P1クラスタ 102.2km
1位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京)2時間40分12秒
2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
3位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
4位 ロイック・デリアク(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6位 山下貴宏(シエルヴォ奈良 ミヤタメリダ レーシングチーム)+01秒
7位 ハビエル・サラダ・ペレス(ヴィクトワール広島)
8位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+02秒
10位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)+03秒
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
F/ジュニア女子 40.8km
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)1時間10分54秒
2位 西加南子(LUMINARIA)+2分21秒
3位 福田咲絵(フィッツ)+2分23秒
Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
Y/ジュニア男子 61.4km
1位 會田陸人(学校法人石川高等学校)1時間45分01秒
2位 八代隆靖(学校法人石川高等学校)+07秒
3位 伊藤奎(平工業高等学校)+09秒
Jユースツアーリーダー 福田圭晃(横浜高校自転車競技部)
E1クラスタ 75.0km
1位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)2時間04分40秒
2位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)+14秒
3位 渡邊友一(LinkTOHOKU)+56秒
4位 河合宏樹(オッティモ)+58秒
5位 半澤雄高(LinkTOHOKU)+1分03秒
6位 津村翔平(EQADS)+1分04秒
photo&text:高木秀彰
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