2016/05/31(火) - 00:15
ツアー・オブ・ジャパン2日目の京都ステージが行われ、集団スプリントを制したランプレ・メリダのダヴィデ・チモライが優勝。僅差の2位となったNIPPOのピエールパオロ・デネグリが総合首位に立った。
新城幸也(ランプレメリダ)の回りには報道陣とファンが集まる photo:Satoru.Kato
京都ステージのバナーには、精華町広報キャラクターの京町セイカが描かれる photo:Satoru.Katoツアー・オブ・ジャパン2日目。今年初開催となる京都ステージから、マスドスタートのロードレースが始まる。
1周目 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)が飛び出す photo:Satoru.Katoコースは京都市内から車で南へ約1時間ほどの距離に位置する京田辺市と精華町にまたがる1周16.8km。短いながらも急勾配の登りあり、道幅が急激に狭くなる箇所あり、曲がりくねったテクニカルな下りありと、日本のレースコースとは思えないようなレイアウトを持つ。レース前の評価は、「面白いコース」と「とんでもないコース」に二分された事からも、このコースの特異性が理解できる。
この日の天気は曇り。前夜から降り続いた雨が朝方まで残ったが、レースがスタートする午前9時頃までにはやんだ。路面はほぼ乾いたものの、雨の影響で砂が浮いた箇所があり、落車やパンクが頻発した。
平日にも関わらず、主催者発表で5万人という大勢の観客が集まった。特にゴールのけいはんなプラザ前の大通りは観客が鈴なりになり、海外チームの選手も驚くほどだった。
多くの観客が集まったヘアピンの登りを行く集団 photo:Satoru.Kato
チームカーが通るのもやっとな道幅のコース photo:Satoru.Kato
2周目 京都が地元の小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)を先頭に行く逃げ集団 photo:Satoru.Kato
普賢寺ふれあいの駅をパレードスタートし、周回コースに入ってリアルスタートが切られると、早速レースが動く。大久保陣(宇都宮ブリッツェン)が飛び出し、これに小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)と安原大貴(マトリックスパワータグ)、ベナム・マレキ(タブリーズ・シャハルダリ)が追いついて4人の逃げ集団が形成される。
3周目 ユナイテッドヘルスケアがメイン集団をコントロール photo:Satoru.Katoメイン集団はユナイテッドヘルスケアと、リーダージャージのアンソニー・ジャコッポ擁するアヴァンティ・アイソウェイスポーツがコントロールし、最大で3分40秒の差をつける。
ベナム・マレキ(タブリーズ・シャルハルダリ)は2回ある山岳賞を全て獲得 photo:Satoru.Kato途中2回ずつあった山岳賞とスプリントポイントは全てマレキが獲得。特に山岳賞ではマレキが他の3人を振り切るような加速を見せ、その都度大久保と安原が遅れるものの、その後の下りで追いつくことを繰り返す。
レースが後半に入ると、逃げ集団とメイン集団の差は徐々に縮まり、5周目には1分以内の差に詰まる。そして逃げる4人を吸収して最終周回の6周目へ。残り10kmを切って、オスカル・プジョル(チーム右京)が単独アタックするも決定打とならず。勝負は集団スプリントに持ち込まれた。
最後のスプリント勝負、中央にリーダージャージ、右からデネグリ、左からチモライ、その後ろに窪木がつける photo:Satoru.Katoけいはんなプラザ前の長いストレート、中央でリーダージャージのジャコッポが、チームメイトのリードアウトからスプリントに入る。その右からピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)、左からダヴィデ・チモライ(ランプレ・メリダ)、その後ろに窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)がつけてジャコッポの前に出てくる。
最後はチモライのスピードが伸び、残り10mで後ろを確認する余裕を見せてゴール。その後ろで、3位の窪木が悔しさを露わにした。
レース後の記者会見でチモライは「まだ時差ボケも抜けていないので、今日よりも明日の美濃ステージにかけていた。1ヶ月くらい走っていなかったので不安もあったけれど、今日の結果は勇気づけられた。明日のレースには良い状態で臨めると思う」と語った。
ダヴィデ・チモライ(ランプレ・メリダ)がスプリント勝負を制する photo:Satoru.Kato
第2ステージ優勝のダヴィデ・チモライ(ランプレ・メリダ) photo:Satoru.Kato個人総合順位は、僅差でステージ2位のデネグリが首位となり、リーダージャージに袖を通した。
「今日の結果は、チームとしては良い出来だったと思うが、チモライが上回っていた。チーム全員にとって、このレースに出場することは、スポンサーのNIPPOのためにも重要なことなので、ベストを尽くしたいと考えている。明日の美濃ステージは、シンプルな展開になるだろうと考えている。窪木をはじめとしてスプリントに強い選手を揃えているので、良い結果を出したい。」と話す。
リーダージャージを獲得したピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Satoru.Kato一方、ステージ3位の窪木は、記者会見が終わった後も悔しさを滲ませる。「優勝したチモライは登りできつそうなフリをしていたけれど、大門監督に「イタリア人は料理の仕方を知ってるから」と言われていたのでずっとマークしていた。最後はチモライの番手につけてスプリントに入ったけど、反対サイドからデネグリが伸びてきて、邪魔しそうになったので譲った」と、ゴールの瞬間を振り返る。
囲んだ報道陣から、2位だったらリーダージャージの可能性もあった事を聞かれると改めて悔しそうな表情を見せ、「明日もチャンスがあるので、頑張りたい」と、気持ちを切り替えた。
新人賞 クリス・ハミルトン(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ) photo:Satoru.Kato
山岳賞 ベナム・マレキ(タブリーズ・シャルハルダリ) photo:Satoru.Kato
ツアー・オブ・ジャパン2016第2ステージ結果
1位 ダヴィデ・チモライ(ランプレ・メリダ) 2時間49分08秒 37.2km/h
2位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +0秒
3位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
4位 ジョン・アベラストゥリイザガ(チーム右京)
5位 アンソニー・ジャコッポ(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ)
6位 ロビー・ハッカー(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ)
7位 ジョナサン・クラーク(ユナイテッドヘルスケア)
8位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
9位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京)
10位 メヘディ・ソフラビ(タブリーズ・シャハルダリ)
個人総合成績
1位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 2時間52分26秒
2位 アンソニー・ジャコッポ(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ) +01秒
3位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +03秒
5位 ジョン・アベラストゥリイザガ(チーム右京) +04秒
6位 ロビー・ハッカー(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ) +05秒
7位 クリス・ハミルトン(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ)
8位 オスカル・プジョル(チーム右京)
9位 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チームグスト) +06秒
10位 ダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(ユナイテッドヘルスケア)
ポイント賞
1位 ダヴィデ・チモライ(ランプレ・メリダ) 25p
2位 アンソニー・ジャコッポ(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ) 22p
3位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 20p
山岳賞
1位 ベナム・マレキ(タブリーズ・シャルハルダリ) 10p
2位 小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ) 6p
3位 安原大貴(マトリックスパワータグ) 2p
チーム総合成績
1位 アヴァンティ・アイソウェイスポーツ 8時間37分29秒
2位 チーム右京 +05秒
3位 宇都宮ブリッツェン
photo&text:加藤智/Satoru.Kato



この日の天気は曇り。前夜から降り続いた雨が朝方まで残ったが、レースがスタートする午前9時頃までにはやんだ。路面はほぼ乾いたものの、雨の影響で砂が浮いた箇所があり、落車やパンクが頻発した。
平日にも関わらず、主催者発表で5万人という大勢の観客が集まった。特にゴールのけいはんなプラザ前の大通りは観客が鈴なりになり、海外チームの選手も驚くほどだった。



普賢寺ふれあいの駅をパレードスタートし、周回コースに入ってリアルスタートが切られると、早速レースが動く。大久保陣(宇都宮ブリッツェン)が飛び出し、これに小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ)と安原大貴(マトリックスパワータグ)、ベナム・マレキ(タブリーズ・シャハルダリ)が追いついて4人の逃げ集団が形成される。


レースが後半に入ると、逃げ集団とメイン集団の差は徐々に縮まり、5周目には1分以内の差に詰まる。そして逃げる4人を吸収して最終周回の6周目へ。残り10kmを切って、オスカル・プジョル(チーム右京)が単独アタックするも決定打とならず。勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

最後はチモライのスピードが伸び、残り10mで後ろを確認する余裕を見せてゴール。その後ろで、3位の窪木が悔しさを露わにした。
レース後の記者会見でチモライは「まだ時差ボケも抜けていないので、今日よりも明日の美濃ステージにかけていた。1ヶ月くらい走っていなかったので不安もあったけれど、今日の結果は勇気づけられた。明日のレースには良い状態で臨めると思う」と語った。


「今日の結果は、チームとしては良い出来だったと思うが、チモライが上回っていた。チーム全員にとって、このレースに出場することは、スポンサーのNIPPOのためにも重要なことなので、ベストを尽くしたいと考えている。明日の美濃ステージは、シンプルな展開になるだろうと考えている。窪木をはじめとしてスプリントに強い選手を揃えているので、良い結果を出したい。」と話す。

囲んだ報道陣から、2位だったらリーダージャージの可能性もあった事を聞かれると改めて悔しそうな表情を見せ、「明日もチャンスがあるので、頑張りたい」と、気持ちを切り替えた。


ツアー・オブ・ジャパン2016第2ステージ結果
1位 ダヴィデ・チモライ(ランプレ・メリダ) 2時間49分08秒 37.2km/h
2位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +0秒
3位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
4位 ジョン・アベラストゥリイザガ(チーム右京)
5位 アンソニー・ジャコッポ(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ)
6位 ロビー・ハッカー(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ)
7位 ジョナサン・クラーク(ユナイテッドヘルスケア)
8位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
9位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京)
10位 メヘディ・ソフラビ(タブリーズ・シャハルダリ)
個人総合成績
1位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 2時間52分26秒
2位 アンソニー・ジャコッポ(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ) +01秒
3位 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +03秒
5位 ジョン・アベラストゥリイザガ(チーム右京) +04秒
6位 ロビー・ハッカー(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ) +05秒
7位 クリス・ハミルトン(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ)
8位 オスカル・プジョル(チーム右京)
9位 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チームグスト) +06秒
10位 ダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(ユナイテッドヘルスケア)
ポイント賞
1位 ダヴィデ・チモライ(ランプレ・メリダ) 25p
2位 アンソニー・ジャコッポ(アヴァンティ・アイソウェイスポーツ) 22p
3位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 20p
山岳賞
1位 ベナム・マレキ(タブリーズ・シャルハルダリ) 10p
2位 小石祐馬(NIPPOヴィーニファンティーニ) 6p
3位 安原大貴(マトリックスパワータグ) 2p
チーム総合成績
1位 アヴァンティ・アイソウェイスポーツ 8時間37分29秒
2位 チーム右京 +05秒
3位 宇都宮ブリッツェン
photo&text:加藤智/Satoru.Kato
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