「これは夢かもしれない。今は色々な感情で満たされている」とは、チームの解散発表から2日後、自身、そしてチーム初のグランツアーステージ優勝を遂げたロジェ・クルーゲ。その他ゴールを狙ったスプリンターたちのコメントを紹介します。



チームにグランツアー初勝利を届けたロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)

表彰台に上がるロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)表彰台に上がるロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング) photo:Kei Tsuji
集団を振り切ってフィニッシュするロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)集団を振り切ってフィニッシュするロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング) photo:Kei Tsujiステージ初優勝を飾ったロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)ステージ初優勝を飾ったロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング) photo:Kei Tsujiこれは夢かもしれない。今は色々な感情で満たされている。数日前にはタイムアウトの恐怖になんとか打ち勝ち、2日前はチーム解散という残念なニュースを聞き、今日はステージ優勝。どこか信じられないような自分がいる。

プロ入りして6年目にようやく大きな勝利を手にすることが出来た。残り1kmからのスパートは予定していたものではなく、本来はハウッスラーのリードアウト役だったんだ。彼のために逃げとのタイム差を詰めていくうちに逃げ切るチャンスが生まれた。

ゴール前ではハウッスラーとの連携を失ってしまったものの、ポッツァートを追いながら2番手でフラムルージュ先のコーナーを抜けた時に、不意に後ろとの間隔が空いたんだ。残り500mという距離が開いていたけれどためらいはなかった。ポッツァートを抜いた後、世界の全てはスローモーションで動いていた。

今シーズンをもってチームが解散するというニュースを聞いた時は失望した。でも残りのシーズンを力を合わせて戦い続けようとチームで一致。失望を忘れさせるような勝利を飾ることが出来た。今回の勝利でチーム解散という決定が覆ることはないと思うけれど、ずっとグランツールでの勝利を待ち望んでいたテタスGMに恩返しができた。本来であれば最終ステージのスプリントで勝利のチャンスがあると思っていたけれど、今日の勝利は本当に信じられない。

ステージ2位、ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)

悔しさを露わにするジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)悔しさを露わにするジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsujiこれ以上、僕に何かできることがあっただろうか?集団スプリントの頭を獲ること以上のことが。今日のレースで、できることは全てやった。正直、何が悪かったのか分からない。でも、今日のステージは人生でも相当に良くないレースの1つだった。

チームメートたちは、スタートした瞬間から多くの仕事を成し遂げてくれた。ポイント賞ジャージを持つチームとしての責任を最後まで果たしたんだ。結果として、いくらか脚を消耗してしまったけれど、それは想定の範囲内。もし僕らが引かなければ、6人の逃げを捕まえることが出来なかったかもしれない。だから、今日の結果はチームとしても僕個人としても、後悔していない。この2度目の2位という結果を受け入れるべきなんだろう。明日も前を向いて進んでいく。

ステージ4位、サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)

残念な結果に終わった。特にチームメイトは素晴らしい働きでポジションを確保してくれたのに、ステージ優勝をつかむことができなかった。最終盤の展開は予測不能なほどに混沌としていて、クルーゲにブリッジするために自ら動くしかなかった。でもその時クルーゲは全速走行に入っていて距離が遠かった。そこで他の選手たちのスプリントを待ち、2番手で踏み始めた。スプリントの前に力を使ってしまってはトップリザルトは望めない。

序盤から逃げたダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)

逃げるパヴェル・ブラット(ロシア、ティンコフ)ら3名逃げるパヴェル・ブラット(ロシア、ティンコフ)ら3名 photo:Kei Tsujiマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)らが合流して先頭は6名にマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)らが合流して先頭は6名に photo:Kei Tsuji今日の目標は逃げに乗ってゴールまで到達すること。今日はスプリント勝負になると予想されていたので抜け出しも簡単だった。逃げている最中は中間スプリントでポイントを稼ごうと考え、それもうまくいった。

後方から3人(ベルコフ、バク、コノヴァロヴァス)が追いついてきてからは逃げ切りを視野に入れて、そこからの5kmは全力で踏み倒したよ。フレッシュなメンバーが入りタイム差も広がったため、もうしばらくはこのまま距離を消化できると思った。

でも逃げグループ内でゴール勝負が現実味を帯びるとペースが落ちる。この2つのバランスをいかに取るかが逃げには重要なんだ。フレッシュな3名と疲れ切った3名は背後に迫った集団から全力で逃げた。結局スプリンターが勝てなかったのは、僕ら逃げを潰すためにアシスト陣が消耗しきったからだ。だから明日もスプリントステージだが、再び逃げ切りにチャンスがあるはずだ。

終盤に逃げに合流したマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)

残り30km地点で監督からアタックがかかる可能性があると伝えられた。その時集団前方に位置していたのでバクが逃げようとしている姿が見えた。残り25kmで前の3人を捕まえると、すぐさま協調体制を組むことができた。

普通だったらスプリントステージとなる今日、このようなアクションを起こすことができて良かったと思う。最後までチャンスがあったけれど、残り1.5kmで捕まってしまい残念だが、とにかく今日動けたことはモチベーションに繋がる。

マリアローザのステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)

マリアローザを守ったステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)マリアローザを守ったステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji
今日はこのジロで休める最後の機会だった。出来る限り力を温存して走ることに徹していたよ。明日は240kmと非常に長く、そして終盤に厳しい登りが現れる。最後の登りでタイムを失わないように気をつけて走りたい。

今朝、とても有名な選手を含めて、多くの選手から昨日のステージでの走りを祝福された。きっと、僕のレース運びを気に入ってくれたんだと思っている。でも、彼らが祝ってくれたのは、昨日のレースについてであって、僕がマリアローザをトリノまでキープすることに対してではない。僕自身、このジロを制しただなんて全く考えていない。ただ、できることはこの2週間半を走ってきたように全力を尽くすことだけ。今はウィークポイントが無いから、自信を持って走るだけだ。

集団から離れてゴールした山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)

出走サインを済ませた山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)出走サインを済ませた山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
基本的に楽なステージだった。ローテーションに加わっていた姿もテレビに映っていたようで嬉しかった。自分の感覚的にレースが続く毎に調子が上がって行く気がする。ようはコンディション的に休息日開けが一番つらい。明日は240kmの前半平坦ステージなので指示に従いつつ無理し過ぎないように気を付けたい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)

※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。

text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka


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