2016/05/22(日) - 12:07
今年のジロ最難関とされる第14ステージ。総合争いに大きな影響を与えたクイーンステージを制したエステバン・シャベスや、総合トップに立ったステフェン・クルイスウィクらのコメントを紹介します。
クイーンステージを制したエステバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
5000mを登って、これ以上ないほど疲れているのだけれど、最高に幸せな気分だ。ジロのクイーンステージを勝ち取ることほど素晴らしい経験はないだろう。この勝利は僕だけのものじゃなくて、最高の仕事を果たしてくれたチームメイトみんなのもの。大きな家族のようなオリカ・グリーンエッジのみんなに感謝を捧げたい。
最後のヴァルパローラでは皆が限界まで力を出し切っていた。とても急なこう配の区間でクルイスウィクのアタックについていった。すると、ニーバリが遅れていくのが分かったから、クルイスウィクと協力して走ることにしたんだ。まだ多くのステージが残っているけれど、まずは明日の山岳TTで様子を見ていきたい。
マリアローザを手にしたステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
これまでのステージ、とても調子の良さを感じていたんだ。昨日のステージを終えた後、今日が僕にとってぴったりのコースだと考えていた。結果的に、今日僕はアタックを成功させることができた。シャベスが合流して、協調しながら登っていくことができた。
ステージ優勝のためには彼も倒さなければいけないライバルだということは分かっていたけれど、彼もまた総合争いをしている選手たちに対してタイム差を得たいと考えていたし、僕はマリアローザのために走っていたから、協調することができたよ。
明日は山岳ステージ3連戦の最終日。きっとTTではいい結果を出せると信じているよ。山岳TTは普通のTTとはまったく異なるレースだけど、調子はとても良いからね。
序盤から逃げ続け、3位に入ったゲオルグ・プレイドラー(オーストリア、ジャイアント・アルペシン)
ジロのクイーンステージでの優勝にとても近い場所にいたということを喜んでいいのか、それとも失望するべきなのか、分からない。とても複雑な気持ちなんだ。少なくとも、今日の逃げグループの中で僕が一番強いライダーだったと証明されたことは嬉しいね。でも、最終的なリザルトについては失望もあるよ。もう少しもがけたんじゃないかって考えてしまう。
登りで差をつけられ、41秒差の総合2位となったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
最後の3kmで力尽き、諦めてしまった。僕がアタックを試みて、脚を使った瞬間にシャベスとクルイスウィクがペースアップした。ライバルたちのマークが厳しくてかなり難しい一日だったよ。
今日マリアローザを奪い取るつもりだったのが成し遂げられなかったことをとても残念に思う。クルイスウィクはとても強いライダーだよ。明日のタイムトライアルを楽しみにしていてほしい。
単独で逃げ続けたダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
正直に言って、今日のステージで何が起こったのか消化するのに時間が必要だと思う。今日のようなステージで勝利が直ぐそこまで迫っていたというのは、とても素晴らしいことだった。レース全体を通して、脚も良く回っていたし、感覚も研ぎ澄まされていた。完璧な状態だったんだ。最後の登りでアタックした時、僕の全てを注ぎこんだ。もし下りに入る前にタイム差を獲得していれば、ラスト1kmを耐えきれると思っていたんだ。
肉体的にも精神的にも、出し切ったと思う。でも僕のキャリアの中でもっとも輝かしい勝利になると思い、捕まらないことを期待して踏み続けていったんだ。でも、今日のようなステージで計画通りにいくことは難しかったね。来週のステージでもっと多くのチャンスが訪れることに期待しているよ。
マリアローザを失ったアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
まずは昨日のように良い日も、今日のように悪い日も僕らを支え続けてくれたファンたちの感謝を。今日は僕らにとってタフな一日だった。チームは完璧に素晴らしい働きをしてくれた。ジャウ峠で集団のペースについていくために苦しみ、なんとかダウンヒル区間で復帰することができた。
ヴァルパローラで集団についていくために必要な力は僕に残っていなかった。できるだけ一定のペースを保って、タイムロスを最小限に抑えるために走ったんだ。僕にとってもバルベルデにとっても、とても辛い登りだったけれど、おかげで何とか総合争いに絡める位置にとどまることができた。
今日のコースは僕にとって厳しすぎた。今日の結果を明日に引きずらないように、そして同じ過ちを繰り返さないように何が間違っていたかを学ぶ必要がある。明日も戦い続けていくために。
新人賞のボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)
調子は悪くない、というべきなんだろう。でも今日は信じられないほどハードな一日だった。これまで、こんなに辛いと感じた日はなかったよ。最後の2級山岳で、たまらず千切れてしまった。なんとか生き残ってゴールまでたどり着いて、新人賞ジャージを守れたことにホッとしている。出来ればステージ優勝を狙っていきたいね。
山岳賞を堅守するダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
今日は本当の意味で厳しいステージだった。マリアアズーラのためだけでなく、ステージ優勝を目指して走っていたけれど、リズムの変化が激しくてかなり厳しかったから、山岳ポイントを獲得することに集中することにした。僕の調子はとてもいいのだけれど、他の選手たちもそれは同じようで、かなりハイレベルな争いになったね。
最難関ステージをグルペットでフィニッシュした山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
そうとうキツイレースだった。何としても達成したいと思っていた完走を諦めそうになるくらいにキツイレースだった。しかし耐えきることができた。今日のレースを耐えることが出来たおかげで確実に強くなったと思う。完走がグッと近くなったと感じるが、油断せずに明日の登りのタイムトライアルに全力で挑みたい。
後半はグルペットのペースが落ちていたので多少回復させることができたみたいだが。疲労度は1日で半端無い。絶好調の極みと言えるレベルの調子で挑んでこれなのだから少しでも調子が悪ければ終わっていたと思う。今日のレースは走行時間6時間48分、走行距離210km、獲得標高5050m、最高スピード時速87.7km、頭おかしいと思う。昔に聞いた、ジロかツールが「キツ過ぎる」という理由で人権団体から訴えられているという噂の意味が分かった。もっとも、自分はジロが走れて幸せではあるが。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)
※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:Naoki YASUOKA
クイーンステージを制したエステバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
5000mを登って、これ以上ないほど疲れているのだけれど、最高に幸せな気分だ。ジロのクイーンステージを勝ち取ることほど素晴らしい経験はないだろう。この勝利は僕だけのものじゃなくて、最高の仕事を果たしてくれたチームメイトみんなのもの。大きな家族のようなオリカ・グリーンエッジのみんなに感謝を捧げたい。
最後のヴァルパローラでは皆が限界まで力を出し切っていた。とても急なこう配の区間でクルイスウィクのアタックについていった。すると、ニーバリが遅れていくのが分かったから、クルイスウィクと協力して走ることにしたんだ。まだ多くのステージが残っているけれど、まずは明日の山岳TTで様子を見ていきたい。
マリアローザを手にしたステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
これまでのステージ、とても調子の良さを感じていたんだ。昨日のステージを終えた後、今日が僕にとってぴったりのコースだと考えていた。結果的に、今日僕はアタックを成功させることができた。シャベスが合流して、協調しながら登っていくことができた。
ステージ優勝のためには彼も倒さなければいけないライバルだということは分かっていたけれど、彼もまた総合争いをしている選手たちに対してタイム差を得たいと考えていたし、僕はマリアローザのために走っていたから、協調することができたよ。
明日は山岳ステージ3連戦の最終日。きっとTTではいい結果を出せると信じているよ。山岳TTは普通のTTとはまったく異なるレースだけど、調子はとても良いからね。
序盤から逃げ続け、3位に入ったゲオルグ・プレイドラー(オーストリア、ジャイアント・アルペシン)
ジロのクイーンステージでの優勝にとても近い場所にいたということを喜んでいいのか、それとも失望するべきなのか、分からない。とても複雑な気持ちなんだ。少なくとも、今日の逃げグループの中で僕が一番強いライダーだったと証明されたことは嬉しいね。でも、最終的なリザルトについては失望もあるよ。もう少しもがけたんじゃないかって考えてしまう。
登りで差をつけられ、41秒差の総合2位となったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
最後の3kmで力尽き、諦めてしまった。僕がアタックを試みて、脚を使った瞬間にシャベスとクルイスウィクがペースアップした。ライバルたちのマークが厳しくてかなり難しい一日だったよ。
今日マリアローザを奪い取るつもりだったのが成し遂げられなかったことをとても残念に思う。クルイスウィクはとても強いライダーだよ。明日のタイムトライアルを楽しみにしていてほしい。
単独で逃げ続けたダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
正直に言って、今日のステージで何が起こったのか消化するのに時間が必要だと思う。今日のようなステージで勝利が直ぐそこまで迫っていたというのは、とても素晴らしいことだった。レース全体を通して、脚も良く回っていたし、感覚も研ぎ澄まされていた。完璧な状態だったんだ。最後の登りでアタックした時、僕の全てを注ぎこんだ。もし下りに入る前にタイム差を獲得していれば、ラスト1kmを耐えきれると思っていたんだ。
肉体的にも精神的にも、出し切ったと思う。でも僕のキャリアの中でもっとも輝かしい勝利になると思い、捕まらないことを期待して踏み続けていったんだ。でも、今日のようなステージで計画通りにいくことは難しかったね。来週のステージでもっと多くのチャンスが訪れることに期待しているよ。
マリアローザを失ったアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
まずは昨日のように良い日も、今日のように悪い日も僕らを支え続けてくれたファンたちの感謝を。今日は僕らにとってタフな一日だった。チームは完璧に素晴らしい働きをしてくれた。ジャウ峠で集団のペースについていくために苦しみ、なんとかダウンヒル区間で復帰することができた。
ヴァルパローラで集団についていくために必要な力は僕に残っていなかった。できるだけ一定のペースを保って、タイムロスを最小限に抑えるために走ったんだ。僕にとってもバルベルデにとっても、とても辛い登りだったけれど、おかげで何とか総合争いに絡める位置にとどまることができた。
今日のコースは僕にとって厳しすぎた。今日の結果を明日に引きずらないように、そして同じ過ちを繰り返さないように何が間違っていたかを学ぶ必要がある。明日も戦い続けていくために。
新人賞のボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)
調子は悪くない、というべきなんだろう。でも今日は信じられないほどハードな一日だった。これまで、こんなに辛いと感じた日はなかったよ。最後の2級山岳で、たまらず千切れてしまった。なんとか生き残ってゴールまでたどり着いて、新人賞ジャージを守れたことにホッとしている。出来ればステージ優勝を狙っていきたいね。
山岳賞を堅守するダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
今日は本当の意味で厳しいステージだった。マリアアズーラのためだけでなく、ステージ優勝を目指して走っていたけれど、リズムの変化が激しくてかなり厳しかったから、山岳ポイントを獲得することに集中することにした。僕の調子はとてもいいのだけれど、他の選手たちもそれは同じようで、かなりハイレベルな争いになったね。
最難関ステージをグルペットでフィニッシュした山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
そうとうキツイレースだった。何としても達成したいと思っていた完走を諦めそうになるくらいにキツイレースだった。しかし耐えきることができた。今日のレースを耐えることが出来たおかげで確実に強くなったと思う。完走がグッと近くなったと感じるが、油断せずに明日の登りのタイムトライアルに全力で挑みたい。
後半はグルペットのペースが落ちていたので多少回復させることができたみたいだが。疲労度は1日で半端無い。絶好調の極みと言えるレベルの調子で挑んでこれなのだから少しでも調子が悪ければ終わっていたと思う。今日のレースは走行時間6時間48分、走行距離210km、獲得標高5050m、最高スピード時速87.7km、頭おかしいと思う。昔に聞いた、ジロかツールが「キツ過ぎる」という理由で人権団体から訴えられているという噂の意味が分かった。もっとも、自分はジロが走れて幸せではあるが。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)
※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:Naoki YASUOKA
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