2016/03/09(水) - 12:15
パリ~ニース第2ステージは各チーム入り乱れる混戦に。先頭でフィニッシュしたものの、進路妨害によるペナルティを受けたナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)に代わり、マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がステージ2勝目を飾った。
今大会最長となるパリ~ニース第2ステージ photo:CorVos
マティアス・ブランドル(オーストリア、 IAMサイクリング)を先頭に4名が逃げる photo:CorVos
マルセル・キッテル(ドイツ)を守って走るエティックス・クイックステップ photo:CorVos
リーダージャージを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリー ンエッジ) photo:CorVos
今季すでに5勝を挙げているアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) photo:CorVos今大会最長距離のステージとなる、パリ~ニース第2ステージ。コントルからコメントリーへと南西に走る214kmのロングステージだ。
途中には3級山岳も登場し、完全な平坦ステージではないもののフィニッシュからの距離もあるため勝敗には影響しづらく、スプリンター向けのステージである。
むしろ勝負を左右するのはフィニッシュ直前の入り組んだレイアウト。ラウンドアバウトとコーナーが続くラスト3kmでの位置取りがスプリントに大きな影響を与えると予想された。
昨日は雪が降るまでの悪天候に見舞われたが、スタート前の気温は8度と天候は好転。ウォーマーをつける選手と、つけない選手が入り混じる集団がスタートラインを切っていく。
スタートして間もなく、4名の逃げが決まる。先頭を走るのは、ツガブ・グルメイ(エチオピア、ランプレ・メリダ)、マティアス・ブランドル(オーストリア、 IAMサイクリング)、アンソニー・デュラプラス(フランス、フォルチュネオ・ヴァイタルコンセプト)、イヴァルダス・シシュケヴィッツ(リトアニア、デルコマルセイユプロヴァンス)ら。
追いかけるメイン集団は、昨日に続きマイヨジョーヌのマイケル・マシューズ(オーストラリア)を擁するオリカ・グリーンエッジとエティックス・クイックステップが先頭に立ちコントロールを行う。
最大で10分ほどのリードを稼ぎ出した逃げ集団だが、徐々にメイン集団が差を詰め始め、山岳ポイントを超えるころには3分ほどにタイム差は縮小。その先の中間スプリントポイントとフィニッシュラインへと向けてさらに加速した集団に、一人また一人と逃げていた選手たちは吸収されていく。
ステージ優勝を狙うスプリンターチームと総合成績を狙うエースを守るために動くチームが前方へと集まり、明確にコントロールを握るチームが現れない混沌とした状態のまま、残り距離を減らしていくメイン集団。
いくつものラウンドアバウトと直角コーナーが次々に現れるコメントリー市街のコースがその混迷に拍車をかける。道いっぱいに広がり、主導権を奪いあう各チームのトレインが残り1.5km地点のクランクを通過することで一気にシャッフルされ、各チームが入り混じるなか最終コーナーへ。
後方では中切れが起こる中、ラスト200mで発射されたのは第1ステージで3位に入ったナセル・ブアニ。その番手に付けたマイケル・マシューズが左から徐々に差を埋めていく。残り20m、両者が並びかけた時に肘が接触。落車こそしなかったものの、大きく態勢を崩しブアニ先行のままフィニッシュラインを越えた。
肘が絡む白熱のスプリントとなったパリ~ニース第2ステージ photo:CorVos
フィニッシュ後に抗議のゼスチャーをするマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリー ンエッジ) photo:CorVos
ステージ2勝目を獲得し、リーダージャージを守ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリー ンエッジ) photo:CorVosフィニッシュした後、喜ぶことなくナーバスな表情を見せていたブアニだったが、その不安は現実のものに。速報に続き、改めて発表された正式なリザルトでは、進路妨害のペナルティをブアニに課し、同タイムの3位へと降格されることとなり、マシューズが繰り上げ優勝となった。
早くも2勝目を飾ったマシューズ。問題のスプリントについては、「正直、ブアニはスプリントのラインを変えたと思ってるし、危うく落車しかけたよ。でも、あんなに厳しいステージの最終盤にまっすぐスプリントするなんて難しいものさ。過去に僕だって彼をああやってパスしたかもしれないし、そうせざるをえない時だってある。でもどちらにせよ僕の方がスピードがあったし勝っていたと思う。もう2勝できたなんて信じられないような気分だし、今日は登りスプリントだから昨日のステージよりも自分に勝機があった。」と振り返った。
また、明日のステージについては「きっと誰にとってもハードな一日になると思うよ。2年前にモンブルイイには登ったことがあるけれど、あの時は下りゴールだった。僕に何ができるか、他のチームがどう反応してくるか、今から楽しみだよ。とにかく、明日もリーダージャージは着続けたいね」とコメントしている。
明日は5つの3級山岳をこなした後、2級山岳であるモンブルイイの頂上フィニッシュとなるアップダウンの激しいステージ。総合争いにも影響を及ぼす可能性がある重要な一日となるだろう。
パリ~ニース2016第2ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
山岳賞
ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
チーム総合成績
モビスター
text:Naoki.YASUOKA
photo:CorVos
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途中には3級山岳も登場し、完全な平坦ステージではないもののフィニッシュからの距離もあるため勝敗には影響しづらく、スプリンター向けのステージである。
むしろ勝負を左右するのはフィニッシュ直前の入り組んだレイアウト。ラウンドアバウトとコーナーが続くラスト3kmでの位置取りがスプリントに大きな影響を与えると予想された。
昨日は雪が降るまでの悪天候に見舞われたが、スタート前の気温は8度と天候は好転。ウォーマーをつける選手と、つけない選手が入り混じる集団がスタートラインを切っていく。
スタートして間もなく、4名の逃げが決まる。先頭を走るのは、ツガブ・グルメイ(エチオピア、ランプレ・メリダ)、マティアス・ブランドル(オーストリア、 IAMサイクリング)、アンソニー・デュラプラス(フランス、フォルチュネオ・ヴァイタルコンセプト)、イヴァルダス・シシュケヴィッツ(リトアニア、デルコマルセイユプロヴァンス)ら。
追いかけるメイン集団は、昨日に続きマイヨジョーヌのマイケル・マシューズ(オーストラリア)を擁するオリカ・グリーンエッジとエティックス・クイックステップが先頭に立ちコントロールを行う。
最大で10分ほどのリードを稼ぎ出した逃げ集団だが、徐々にメイン集団が差を詰め始め、山岳ポイントを超えるころには3分ほどにタイム差は縮小。その先の中間スプリントポイントとフィニッシュラインへと向けてさらに加速した集団に、一人また一人と逃げていた選手たちは吸収されていく。
ステージ優勝を狙うスプリンターチームと総合成績を狙うエースを守るために動くチームが前方へと集まり、明確にコントロールを握るチームが現れない混沌とした状態のまま、残り距離を減らしていくメイン集団。
いくつものラウンドアバウトと直角コーナーが次々に現れるコメントリー市街のコースがその混迷に拍車をかける。道いっぱいに広がり、主導権を奪いあう各チームのトレインが残り1.5km地点のクランクを通過することで一気にシャッフルされ、各チームが入り混じるなか最終コーナーへ。
後方では中切れが起こる中、ラスト200mで発射されたのは第1ステージで3位に入ったナセル・ブアニ。その番手に付けたマイケル・マシューズが左から徐々に差を埋めていく。残り20m、両者が並びかけた時に肘が接触。落車こそしなかったものの、大きく態勢を崩しブアニ先行のままフィニッシュラインを越えた。
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早くも2勝目を飾ったマシューズ。問題のスプリントについては、「正直、ブアニはスプリントのラインを変えたと思ってるし、危うく落車しかけたよ。でも、あんなに厳しいステージの最終盤にまっすぐスプリントするなんて難しいものさ。過去に僕だって彼をああやってパスしたかもしれないし、そうせざるをえない時だってある。でもどちらにせよ僕の方がスピードがあったし勝っていたと思う。もう2勝できたなんて信じられないような気分だし、今日は登りスプリントだから昨日のステージよりも自分に勝機があった。」と振り返った。
また、明日のステージについては「きっと誰にとってもハードな一日になると思うよ。2年前にモンブルイイには登ったことがあるけれど、あの時は下りゴールだった。僕に何ができるか、他のチームがどう反応してくるか、今から楽しみだよ。とにかく、明日もリーダージャージは着続けたいね」とコメントしている。
明日は5つの3級山岳をこなした後、2級山岳であるモンブルイイの頂上フィニッシュとなるアップダウンの激しいステージ。総合争いにも影響を及ぼす可能性がある重要な一日となるだろう。
パリ~ニース2016第2ステージ結果
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリアトレック・セガフレード)
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
4位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
5位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
6位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロットソウダル)
8位 ワウテル・ウィッパート(オランダ、キャノンデールプロサイクリング)
9位 アドリアン・プティ(フランス、ディレクトエネルジー)
10位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
2位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリアトレック・セガフレード)
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
4位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
5位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
6位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロットソウダル)
8位 ワウテル・ウィッパート(オランダ、キャノンデールプロサイクリング)
9位 アドリアン・プティ(フランス、ディレクトエネルジー)
10位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
5h04'26"
+01"
+01"
個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
3位 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール)
4位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
6位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)
7位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、IAMサイクリング)
8位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
9位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)
10位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
3位 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール)
4位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
6位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)
7位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、IAMサイクリング)
8位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
9位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)
10位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
9h41'46"
+14"
+19"
+24"
+25"
+27"
+14"
+19"
+24"
+25"
+27"
ポイント賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
山岳賞
ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
チーム総合成績
モビスター
text:Naoki.YASUOKA
photo:CorVos
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