2月22日(日)、東京都新宿区の明治神宮外苑にて2008年度全日本学生ロードレースカップシリーズ最終戦でもある第3回明治神宮外苑学生自転車クリテリウム大会が行われた。東京の中心部で行われるクリテリウムとして今年で3年目、シリーズ戦の逆転のかかるレースとあって激しい戦いが繰り広げられた。

この日、好天とあいまって明治神宮外苑の一角は自転車とファンで埋め尽くされた。この大会は年間12戦ある大学生ロードレースシリーズ戦の最終戦であり、12戦の総合優勝者に門田杯が授与されるものだ。11戦までのリーダーは辻本翔太(順天堂大学)で218点、2位は西薗良太(東京大学)で182点、3位は福田高志(大阪経済大学)154点だ。最終戦の外苑クリテの1位は60点のため、逆転の可能性が十分にありうる状況だ。

男子学生グループ1、内間康平(鹿屋体育大学)1着ゴールで優勝。右は吉田隼人(同)男子学生グループ1、内間康平(鹿屋体育大学)1着ゴールで優勝。右は吉田隼人(同) photo:Hideaki.TAKAGI開会式に続いて小中学生&親子タイムトライアルが行われた。そしてレースではないオープンライドも行われた。これはコースを5周するものだ。

レースの1戦目、30歳以上のJCF登録者によるマスターズ・クリテリウムがスタートした。以降の今大会のクリテリウムはポイント制で、2周に1回のポイントと、ゴールポイントの合計で順位が決定される。レースが始まると、トラックレーサーの善波昭(フジ・パレンティーニ)、現役競輪選手の佐々木一昭(日本競輪選手会)、それに高岡亮寛(レガルスィ・イナーメ)ら有力どころが積極的にレース展開する。

Ready Go JAPANによるセーフティライド講習会が開かれる。もちろんこの直後にレースにも出走Ready Go JAPANによるセーフティライド講習会が開かれる。もちろんこの直後にレースにも出走 photo:Hideaki.TAKAGI中盤で高岡が抜け出すと10秒ほどの差を保ったまま結局ゴールへ。高岡は独走で1着ゴールとなったが、後の2月26日に学連から訂正リザルトが発表された。

昼の時間帯にはReady Go JAPANによるセーフティライド講習会が行われた。今回はこの後のレースに出場する選手6人の堀友紀代、武田和佳、吉井玲香、松田裕、下久保初菜、福本千佳とJ-BRAIN須藤むつみ会長の掛け合いで、頭文字R(リスペクト)、G(グッドマナー)、J(ジャスティス)を合言葉に楽しく行われた。

女子、1周目から早くも荻島美香(アライレーシング)が抜け出す女子、1周目から早くも荻島美香(アライレーシング)が抜け出す photo:Hideaki.TAKAGI女子レースはJCF女子登録者により行われた。3日前に帰国したという荻島美香(アライレーシング)をはじめ、鹿屋体育大学勢、Ready Go JAPAN勢らの戦いが注目された。

スタート後の1周目に早くも荻島が抜け出す。後続は協力して追えずに差が広がっていく。荻島は時速40km超をキープして結局後続に1分の大差を付けて優勝。後続はポイント争いとなり、08年4月アジア選手権ジュニアスプリント金メダリストの近藤美子(鹿屋体育大学)が2位に。3位はゴールでその近藤をかわした堀友紀代(Ready Go JAPAN)となった。

男子大学生は3ランク計4レースが行われた。

男子大学生グループ2、角令央奈(鹿屋体育大学)は中盤までポイント2番手男子大学生グループ2、角令央奈(鹿屋体育大学)は中盤までポイント2番手 photo:Hideaki.TAKAGIグループ2では中盤まで田仲康矢(名桜大学)がポイントでリードしたが後半に角令央奈(鹿屋体育大学)が追い上げ、さらに野中龍馬(鹿屋体育大学)が終盤で独走して逃げる。野中はそのまま1着ゴール、角は3着ゴールでこれによって角が優勝した。

グループ1には韓国から安東大学の3人が参加し日韓双方選手の競技力向上が期待された。スタート後からアタックの応酬が続く。各大学ともにアシストからエースまで入り乱れる。序盤は得点がばらつく。辻本や青柳憲輝(法政大学)らはアタックするが思うように抜け出せない。中盤からはおもに鹿屋を中心に動き、とくに内間康平が毎回ポイントに絡む。

終盤にアタックする青柳憲輝(法政大学)と、付ける伊藤雅和(鹿屋体育大学)、窪木一茂(日本大学)終盤にアタックする青柳憲輝(法政大学)と、付ける伊藤雅和(鹿屋体育大学)、窪木一茂(日本大学) photo:Hideaki.TAKAGI終盤に西薗が起死回生のアタックをかけるがこれも決まらず、ゴールは鹿屋の連携で内間、吉田隼人でワン・ツーフィニッシュ。3着には辻本が入りシリーズチャンピオンを決めた。成績でも内間、吉田が1位2位、3位には4着ゴールの窪木一茂(日本大学)が入った。大学対抗成績では鹿屋がもちろん優勝だ。年間シリーズ戦のチャンピオンは辻本がこれを守りきり、以下に西薗、福田と続いた。

グループ2優勝の角は「江夏にはずっとアタックを、野中には2回本気のアタックを、あとは俺が処理する、と言ってレースに臨んだ。予定通りに動けてそして勝ててうれしいです」と語る。

終盤、なかなか抜け出せない西薗良太(東京大学)終盤、なかなか抜け出せない西薗良太(東京大学) photo:Hideaki.TAKAGIグループ1優勝の内間は「自分は最初捨て身の攻撃でいたが状況が変わってきて、途中から自分がエースで走ることにした。伊藤、吉田と3人でうまくできた。今年はナショナルチームとしてUCIレースで優勝したい。でも怪我が無いように走ることが一番です」と語る。

シリーズ戦優勝の辻本は「ライバルの西薗君が中盤までコンスタントに点を取っていたので、彼に負けないよう焦りながらハラハラの展開だった。途中何度かポイントを取ろうと思ったがキレが悪くて着外。今日はリーダージャージをまずは守ることだった。結果オーライだが。この一年間、前半中盤と大きくポイント稼げたことが大きい。4月からは松戸市役所勤務で自転車の普及活動と千葉国体に向けて頑張ります」と語る。

シリーズ戦チャンピオンの辻本翔太(順天堂大学)。全12戦のうち、序盤の6連勝で圧勝だシリーズ戦チャンピオンの辻本翔太(順天堂大学)。全12戦のうち、序盤の6連勝で圧勝だ photo:Hideaki.TAKAGI結果
グループ1
1位 内間康平(鹿屋体育大学)42P
2位 吉田隼人(鹿屋体育大学)23P
3位 窪木一茂(日本大学)19P
4位 西薗良太(東京大学)12P
5位 辻本翔太(順天堂大学)11P
5位 飯野智行(中央大学)11P

シリーズ総合成績(門田杯)
1位 辻本翔太(順天堂大学)250P
2位 西薗良太(東京大学)218p
3位 福田高志(大阪経済大学)178P

グループ2
1位 角令央奈(鹿屋体育大学)16P
2位 田仲康矢(名桜大学)14P
3位 大久保陣(法政大学)13P

グループ3A
1位 川本琢也(法政大学)18P
2位 棚原憲崇(名桜大学)15P
3位 小山真太朗(日本大学)13P

女子
1位 荻島美香(アライレーシング)37P
2位 近藤美子(鹿屋体育大学)20P
3位 堀友紀代(Ready Go JAPAN)17P

マスターズ
1位 佐々木一昭(日本競輪選手会)15P
1位 善波昭(フジ・パレンティーニ)15P
3位 小畑郁(なるしまフレンド)10P

2月26日の日本学生自転車競技連盟によるリザルト訂正により、一部記事を訂正しました。

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