日本人にあったフィッティングのヘルメットやアイウエアを開発するカブト。先日開催されたサイクルモードにて、アイウエアの新フラグシップモデル「プリマト・アルファ」が発表された。独自の機構で使用者自身が装着感をフィットさせることが可能となった意欲作だ。



ARASHIROカラーのプリマト・アルファを装着する新城選手ARASHIROカラーのプリマト・アルファを装着する新城選手
プリマト・アルファ700 ARASHIROプリマト・アルファ700 ARASHIRO (c)カブトプリマト・アルファ700 マットブラックプリマト・アルファ700 マットブラック (c)カブト長年、新城幸也とパートナーシップを結んできたオージーケーカブト。これまでのフラッグシップモデルであったプリマトは、新城のフィードバックを最も重要視して作り上げた、いわば「ユキヤモデル」であったという。

しかし、人の顔の形は千差万別であり、ライディングスタイルによってもアイウエアに求める装着感は異なるもの。ある人にとっての最適解が他の人にとっては全く当てはまらないということがある。

これまで、その幅を埋めるためにユーザーが簡単にできたのは、ノーズパッドの高さを変えることぐらい。飽くまでフィッティングを追求する人たちはカスタムショップにて自分に合うように調整を施してもらう必要があった。

そこに一石を投じたのがカブトが今回発表したプリマト・アルファだ。「カブトカスタムロジック」と名付けられた独自のフィッティングシステムを搭載したサングラスは、24通りの組合せの中から自分に最もしっくりくるフィッティングを選べることが最大の特徴だ。

カブトロジカルフィッティングシステムカブトロジカルフィッティングシステム (c)カブト
テンプルにチタンプレートを着脱することで剛性感を調整できるテンプルにチタンプレートを着脱することで剛性感を調整できる PRIMATO-αのテンプル開度はこれだけの幅で調節可能PRIMATO-αのテンプル開度はこれだけの幅で調節可能 カスタムできる箇所は、眼とレンズの位置を調節するノーズパッド、テンプルの開度を調整するアジャスタブルスペーサー、テンプルの剛性を調整するパワープレートの3つ。

プリマトアルファのロジカルノーズパッドは、レンズと目の距離を調節するために高さの異なる2種類のパッドが用意される。それだけであれば、他のサングラスメーカーにもオプションとして用意されているが、ロジカルノーズパッドは、左右を入れ替えることで鼻梁への当たり方を変化させ、レンズの高さを調整可能としているのだ。

ヒンジの根元に取り付けられたアジャスタブルスペーサーと呼ばれる新しいパーツによって、テンプルの開度を調整することができる。顔の幅によって、最適なテンプルの幅が違うのは当然のこと。幅が狭ければキツく感じるし、広すぎればずれやすくなってしまう。それぞれ角度が異なるS,M,Lという3種類のスペーサーが付属し、自分にあった幅を選択することができる。

テンプル自体の柔軟性もフィット感に大きく影響してくるファクターである。プリマト・アルファではテンプルに着脱可能なチタン製のパワープレートを装備することにより、テンプルのしなり具合を選択することができる。カッチリとしたフィーリングが好きな人はパワープレートを装着し、しなやかなフィット感が好きな人はパワープレートを外すことで好みに合わせることができるのだ。

これらの「カブトカスタムロジック」により、パーソナルなフィッティングをユーザーの手で行うことができるようになったことは、使用する環境に応じてひとつのアイウェアで対応可能であるということ。例えば、レースではしっかりとしたホールド感が欲しいけれど、普段はもう少しゆったりしたフィットが良いという人や、前傾の深いロードレーサーとアップライトなポジションのMTBのどちらにも乗る人などにとっても1つのアイウェアで最適な装着感を得られるのだ。

高い精度が必要となるこれらの機構を実現するために、サングラスの製造をメガネの聖地である鯖江市で行う企画から製造に至るまでメイドインジャパンのモデルとなっている。また、繰り返しの分解に耐えられるよう、チタン製のナットをインサートしているなど、細やかな部分にも手を抜いていない。

また、アイウェアとして重要なレンズについても手抜かりはない。ロジカルレンズバリエーションとして、新城選手のフィードバックを得た実戦的なレンズラインアップが用意され、あらゆるシチュエーションに対応する。

「プリマト・アルファは多くの人にフィットすると思うので、ぜひ一度試してほしい」と語る新城。一つのモデルで様々なフィッティングを試せるというのはこれまでのアイウエアに無かった試みだ。「プリマト・アルファは多くの人にフィットすると思うので、ぜひ一度試してほしい」と語る新城。一つのモデルで様々なフィッティングを試せるというのはこれまでのアイウエアに無かった試みだ。
この新モデルについて、「やはりサングラスはフィッティングが本当に大切です。以前のモデルは、僕に近い顔の人にしか合わなかったですけれど、プリマト・アルファは多くの人にフィットすると思うので、ぜひ一度試してほしいですね。」とは開発パートナーとして大きな役割を果たしてきた新城選手。

カブトのアイウエア開発の歴史からしても、投入した期間、コスト共に前例のない規模のプロジェクトとなったというプリマト・アルファ。これまでフィッティングという側面について、真正面から取り組んだプロダクトが少なかったアイウェアという製品に、新たなムーブメントを起こしてくれる、画期的なプロダクツとして注目だ。

ラインアップは調光レンズバージョンのプリマト・アルファ700と、ノーマルレンズのプリマト・アルファ350の2種類。カラーは7種の予定となっている。



カブト プリマト・アルファ
発売予定時期:2016年春
価格:未定
カラー:ホワイト、マットブラック、クリアブラック、メタルシルバー、クールグレー、フロスティブルー、ARASHIRO (カラー名は全て仮称)
レンズ:プリマト・アルファ700 調光レンズ
プリマト・アルファ350 ノーマルレンズ
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