ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの開催を翌日に控えた10月23日、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)をはじめとするトップ選手が記者会見に出席。3回目の開催となる大会に向けて抱負を語りました。



ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム前日の記者会見ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム前日の記者会見 photo:Kei Tsuji


会見の最初に挨拶する清水勇人さいたま市長会見の最初に挨拶する清水勇人さいたま市長 photo:Kei Tsuji国内外のメディアが集まった記者会見の最初に挨拶した清水勇人さいたま市長は「自転車を活用した街づくりを目指しているさいたま市にとって、ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムはシンボル。これまでの2大会を通じて、ロードレースの魅力を広めることができたと自負しています」と、過去大会の功績と第3回大会の成功に自信を見せる。

A.S.O.のジャンエティエンヌ・アモリー氏A.S.O.のジャンエティエンヌ・アモリー氏 photo:Kei Tsuji今年もさいたまに駆けつけたA.S.O.のジャンエティエンヌ・アモリー氏は「世界中が注目する2016年ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーションが終わってから、選手たちとともに数時間後のフライトで日本に向かいました。前回、前々回と同じく、マイヨジョーヌを含む世界トップ選手が出場します」と挨拶。「回を重ねるごとにメディアへの露出が増え、今年は大会の様子が171カ国で放送されます。取材するメディアは200にのぼり、今年は女子選手やパラサイクリングの選手も出場するなど大会自体も進化しています。興奮の渦の中で、より多くの観客の方に声援を送っていただきたい」と盛り上がりを歓迎した。

ツール覇者クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が登場ツール覇者クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が登場 photo:Kei Tsuji記者会見にはツール総合優勝者フルームやホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)、マキシム・ブエ(フランス、エティックス・クイックステップ)、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)、そして日本の新城幸也(ユーロップカー)、別府史之(トレックファクトリーレーシング)、全日本TTチャンピオン中村龍太郎(イナーメ信濃山形)が出席。それぞれ翌日の大会に向けて意気込みを語った。

抱負を語る新城幸也(ユーロップカー)抱負を語る新城幸也(ユーロップカー) photo:Kei Tsuji3年連続出場となるツール覇者フルームは「いつも暖かく迎えてくれる日本のファンにとって、このさいたまクリテリウムはツールで活躍する選手に接するまたとないチャンス。再びこのさいたまに帰ってきて、ここでシーズンを終えることを嬉しく思う」とコメント。自身はブエルタ第11ステージで骨折リタイアしたが、リハビリを続けてこのさいたま出場にこぎつけた。

最注目スプリンターのジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)最注目スプリンターのジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン) photo:Kei Tsuji「過去3年の中で一番良いコンディション」と話すのはユーロップカージャージでラストレースとなる新城だ。「今年はツール出場を逃しましたが、ブエルタや世界選手権、ジャパンカップを連戦し、シーズン後半にかけてコンディション良く走れています。ツール本戦に出場できなかった分を明日のクリテリウムにぶつけたいと思います」と力強く語った。

小学生から質問を受ける選手たち小学生から質問を受ける選手たち photo:Kei Tsuji1週間前のジャパンカップクリテリウムで日本人選手初の優勝を果たした別府は「コンディション良く先週のクリテリウムで勝つことができたので、ここさいたまでも狙っていきたい」と話す。また、大会の知名度について「ヨーロッパから遠い日本という国で多くのファンが待っているということで、さいたまクリテリウムはヨーロッパでも知られた存在です」と証言した。

「ワタシはホアキン・プリート・ロドリゲスです」と滑らかな日本語で話し始めたロドリゲスは「まだコースは見ていないけど、日本人選手が強いと思うので、負けないように頑張らないと」と笑顔を振りまきながら話す。レースではスプリンターのマルコ・ハラーやジャコポ・グアルニエーリらがエースを担う。

「相変わらず暖かい歓迎を受けて、また日本という地で走ることを嬉しく思う」と、3年連続出場のバルデ。エティックス・クイックステップのブエは「明日はイヴ・ランパートとペトル・ヴァコッチで狙う」とコメント。大会最注目スプリンターのデゲンコルブは「ツールではステージ優勝できずに残念だったけど、チームメイトのゲシュケが勝ったし、悪いことばかりではなかった。今回はチームメイトたちと一緒に日本のファンの皆様に素晴らしいパフォーマンスを見せたいと思う」と意気込んだ。

第1回大会は観客として観戦していたという中村はビッグネームと並ぶことに少し恐縮しながら「昨日までパソコンの前で仕事をしていた自分が今日こうして凄まじい選手たちと並ぶことのギャップが大きくて、信じられない気持ちでいっぱいです。関係者への感謝を忘れずに明日は走りたい」と語っている。

また、記者会見の最後には小学生の質問コーナーも。さいたま市教育委員会の英語教育の一環として、地元さいたま市立下落合小学校の児童たちがレポーターとして英語で「もし勝ったら最初に誰に報告したい?」「ロードレースを始めようと思ったきっかけは?」などのストレートな質問を投げかけ、フルームやデゲンコルブが一つ一つ真剣な表情で答えていた。

記者会見後すぐ選手たちは大宮武道館に移動。地元のさいたま市内交流会の模様はのちほどお伝えします。



A.S.O.のジャンエティエンヌ・アモリー氏と清水勇人さいたま市長を囲んで記念撮影A.S.O.のジャンエティエンヌ・アモリー氏と清水勇人さいたま市長を囲んで記念撮影 photo:Kei Tsuji


text&photo:Kei Tsuji

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