2015/10/03(土) - 11:47
最大勾配が27%に達する「ソルマーノの壁」が登場する第109回イル・ロンバルディアが10月4日に北イタリアで開催される。ニーバリやバルベルデ、マーティン、ジルベール、クヴィアトコウスキーらが優勝候補に挙がる「落ち葉のクラシック」の見どころをチェックしておこう。
最大勾配27%の「ソルマーノの壁」が復活
今年で開催109回目を迎えるイル・ロンバルディア(ジロ・ディ・ロンバルディア)。第1回大会が開催されたのは1905年のこと。ミラノ〜サンレモ(1907年〜)、ロンド・ファン・フラーンデレン(1913年〜)、パリ〜ルーベ(1896年〜)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(1892年〜)と並んで「モニュメント」と称される伝統の一戦だ。秋に開催されることから「落ち葉のクラシック(クラッシカ・デッレ・フォリエ・モルテ)」と呼び親しまれている。
レースの舞台となるのはレース名の通りイタリア北部のロンバルディア州。2015年はベルガモをスタートし、山岳地帯を抜けてコモでフィニッシュを迎える245kmコースが用意された。
レースが活性化するのは181.1km地点で登場する名物マドンナ・デル・ギザッロの登りから。サイクリストの聖地として知られるギザッロ教会に向かって、コモ湖畔から8.6kmかけて標高差532mを駆け上がる。平均勾配6.2%/最大勾配14%の登りを終えると、休む間もなく最注目の「ソルマーノの壁(ムーロ・ディ・ソルマーノ)」が登場する。
2012年に50年ぶりに復活し、2014年一旦コースから外れた「壁」が再び選手たちの前に立ちはだかる。登坂距離1.92kmで高低差304mを駆け上がる登りの平均勾配は何と15.8%。道は細く、中腹のヘアピンコーナーの部分は最大勾配が27%に達する。「ソルマーノの壁」通過後のテクニカルなダウンヒルも要注意だ。
コモ湖沿いの平坦路を走った後、残り17km地点でチヴィリオ(登坂距離4.2km/平均勾配9.7%)、残り5km地点でサンフェルモ・デッラ・バッターリア(登坂距離1.9km/平均勾配7.8%)をクリア。例年よりも難易度の高い登りが組み合わされていると言える。
これらの登りでアタックが繰り返され、数名もしくは単独の選手がコモにフィニッシュすることになるだろう。
ニーバリ、バルベルデ、マーティンらがシーズン終盤のタイトルを狙う
18あるUCIワールドチームにワイルドカードを獲得した8つのUCIプロコンチネンタルチームを加えた25チーム。優勝候補の筆頭はブエルタ・ア・エスパーニャを不甲斐ない形でリタイアしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)だろう。ブエルタ覇者ファビオ・アルは欠場するが、ミケル・ランダやミケーレ・スカルポーニ、ディエゴ・ローザらが強力にニーバリをバックアップ。意外にもニーバリにはロンバルディアの優勝どころか表彰台の経験がない。
ロード世界選手権で5位に入ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)は2013年から2年連続2位。シーズンを通して好調を維持するバルベルデは初優勝なるか。2009年と2010年大会の覇者フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)は3勝目を狙う。
ディフェンディングチャンピオンのダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)はブエルタでの落車リタイアから復活。同チームで走る最後のレースで連覇を狙う。一方、2012年と2013年大会の覇者ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)はトレーニング中に標識と接触し、膝を負傷したため直前で出場をキャンセルしている。
元世界チャンピオンのミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)やルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)も優勝争いに絡んでくるだろう。過去に3度優勝しているダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)のチームメイトとして山本元喜も出場予定だ。
ブエルタで総合表彰台に登ったラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)や、イェーツ兄弟とともに出場するサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、バウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング)、セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)らも入賞候補者。
フランス勢のワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)、ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)らも登坂力を発揮するはずだ。
text:Kei Tsuji
最大勾配27%の「ソルマーノの壁」が復活
今年で開催109回目を迎えるイル・ロンバルディア(ジロ・ディ・ロンバルディア)。第1回大会が開催されたのは1905年のこと。ミラノ〜サンレモ(1907年〜)、ロンド・ファン・フラーンデレン(1913年〜)、パリ〜ルーベ(1896年〜)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(1892年〜)と並んで「モニュメント」と称される伝統の一戦だ。秋に開催されることから「落ち葉のクラシック(クラッシカ・デッレ・フォリエ・モルテ)」と呼び親しまれている。
レースの舞台となるのはレース名の通りイタリア北部のロンバルディア州。2015年はベルガモをスタートし、山岳地帯を抜けてコモでフィニッシュを迎える245kmコースが用意された。
レースが活性化するのは181.1km地点で登場する名物マドンナ・デル・ギザッロの登りから。サイクリストの聖地として知られるギザッロ教会に向かって、コモ湖畔から8.6kmかけて標高差532mを駆け上がる。平均勾配6.2%/最大勾配14%の登りを終えると、休む間もなく最注目の「ソルマーノの壁(ムーロ・ディ・ソルマーノ)」が登場する。
2012年に50年ぶりに復活し、2014年一旦コースから外れた「壁」が再び選手たちの前に立ちはだかる。登坂距離1.92kmで高低差304mを駆け上がる登りの平均勾配は何と15.8%。道は細く、中腹のヘアピンコーナーの部分は最大勾配が27%に達する。「ソルマーノの壁」通過後のテクニカルなダウンヒルも要注意だ。
コモ湖沿いの平坦路を走った後、残り17km地点でチヴィリオ(登坂距離4.2km/平均勾配9.7%)、残り5km地点でサンフェルモ・デッラ・バッターリア(登坂距離1.9km/平均勾配7.8%)をクリア。例年よりも難易度の高い登りが組み合わされていると言える。
これらの登りでアタックが繰り返され、数名もしくは単独の選手がコモにフィニッシュすることになるだろう。
ニーバリ、バルベルデ、マーティンらがシーズン終盤のタイトルを狙う
18あるUCIワールドチームにワイルドカードを獲得した8つのUCIプロコンチネンタルチームを加えた25チーム。優勝候補の筆頭はブエルタ・ア・エスパーニャを不甲斐ない形でリタイアしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)だろう。ブエルタ覇者ファビオ・アルは欠場するが、ミケル・ランダやミケーレ・スカルポーニ、ディエゴ・ローザらが強力にニーバリをバックアップ。意外にもニーバリにはロンバルディアの優勝どころか表彰台の経験がない。
ロード世界選手権で5位に入ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)は2013年から2年連続2位。シーズンを通して好調を維持するバルベルデは初優勝なるか。2009年と2010年大会の覇者フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)は3勝目を狙う。
ディフェンディングチャンピオンのダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)はブエルタでの落車リタイアから復活。同チームで走る最後のレースで連覇を狙う。一方、2012年と2013年大会の覇者ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)はトレーニング中に標識と接触し、膝を負傷したため直前で出場をキャンセルしている。
元世界チャンピオンのミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)やルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)も優勝争いに絡んでくるだろう。過去に3度優勝しているダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)のチームメイトとして山本元喜も出場予定だ。
ブエルタで総合表彰台に登ったラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)や、イェーツ兄弟とともに出場するサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、バウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング)、セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)らも入賞候補者。
フランス勢のワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)、ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)らも登坂力を発揮するはずだ。
text:Kei Tsuji
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