2015/09/25(金) - 13:44
降雨が予想されるロード世界選手権のロードレース。コース試走を終えたエリート男子3名(新城幸也、別府史之、内間康平)に自身のコンディションやコースの印象について聞いた。
新城幸也(ユーロップカー)
シンプルですが、位置取りにミスすると(一旦集団の後ろに下がると)前に上がるのが大変なコースです。かと言って日本チームは3人なので、風を受けて集団の先頭をキープできるわけじゃない。集団の中に隠れながらの走りになると思います。そういうコースなので、逃げに乗って前で待つ作戦も有りでしょうね。
コースは全体的に広いんですが、きつくて大事なところに限って道が狭い。特に2つめの登り(23番通りの登り)が鍵になると思います。道が狭いので横に並ぶのは3人が限界。登りの麓まで先頭を引いて仕事を終えた選手が邪魔になるはず。集団が分かれるとすればそこですね。
アシストがいなくなる展開にはならないと思うので、登りで抜け出しても集団は追いつけます。ですが、仮に最後の登りで8人ぐらいが飛び出して、そのチームメイトが登りで集団の前を蓋すると決まってしまう。スプリントに持ち込みたくないチームはその作戦を取ってくると思います。雨が降ると石畳のコーナーもそうですが、直角コーナーが続く下りが怖いですね。晴れていても3人しか並んで走れないので、濡れていれば確実に1列になる。
今日はコースの試走60kmを含めて200km乗りました。身体の反応は良いです。ブエルタでは毎日3000mほど登ってましたが、総合争いをしていたわけではないのでそこまで疲れていないですね。もちろん疲れてはいたんですが、2週間しっかり休めたし、月曜日からマッサージを受けさせてもらって復活しました。
今シーズンは55日間ほどしかレースを走っていません。90レースを走った昨シーズンと比べるとずっと少ない。ブエルタを走ってから世界選手権を走るのは初めてですが、今日走った感触は良いですね。ここまでフレッシュな状態は珍しいのでチャンスを生かしたいです。
別府史之(トレックファクトリーレーシング)
世界選手権のためにレースプログラムを組んできました。世界選手権の準備レースとして、アップダウンがあって石畳があるベルギーの3レースに出場。コンディションは良かったんですが、1戦目はマシントラブルでリタイアして、2戦目は落車でリタイア。少し発熱の兆候があったので、アメリカ出国前日の3戦目は大事をとってDNSにしました。
落車のダメージはないですし、テストライドとして集団の先頭を引いて調子の良さは確認出来ました。結果は残せませんでしたが、世界選手権に向けてコンディショニングはうまく出来ています。(日本代表チームの)浅田監督のコーディネートのおかげで選手にストレスのない環境でここまで来ました。
もっと長い石畳を予想していたんですが、このレースのために用意したパヴェ用のタイヤ(パリ〜ルーベ)は必要無いと思うほどです。空気圧もそこまで重要ではなく、普段よりも少し下げる程度。それよりも下りのコーナーが危険です。U23やジュニアのレースを見てどこが滑りやすいのかチェックしたいです。
ユキヤにも自分にも向いているコースだと思いますが、結局は集団の位置取りが重要になる。広い道が急に細くなる登りまでの位置取りが特に重要ですね。1つめの登り(リビーヒルパーク)で集団が1列になったまま2つめの登りへ。でもその後の下りで集団はまとまるので、見た目以上に勾配のある残り1kmからの登りで勝負が決まるかもしれない。
どちらかと言うとオランダ・ヴァルケンベルグで開催された世界選手権のコースに似ている。そこまで登っていないしテクニカルではないけど、タフなコースだという印象。登りだけではなく色々な要素が含まれているコースです。ジルベールやクリストフ、マシューズのようなタイプの選手が勝負に絡むんじゃないかと。勝負に持ち込みたいチームが最後までコントロールすると予想しています。
過去の世界選手権では終盤のアタックに反応したことが何回かありましたけど、結局は決まらなかった。ジルベールのようなアタックを繰り出せるわけじゃないし、実際に逃げは決まっていない。しっかりと勝負どころに残ることでチャンスが回ってくるはずです。
内間康平(ブリヂストンアンカー)
(日本との時差13時間は)最初の2日間は違和感がありましたが、3日目からは大丈夫です。今回が初めてのエリートレースですが、過去にジュニアとU23で走った世界選手権よりも難易度は高くない。ただ距離は長くなりますし、レースをきつくするのはコースではなく選手たち自身。世界選手権はどのチームも優勝を狙ってくるので、レベルの高い厳しいレースになることが予想されます。
石畳は雨で濡れると大変なことになると思います。自分は大丈夫でも前の選手が詰まると渋滞でバイクを降りる必要も出てくる。それだけに集団内の位置取りが大事になります。
今回ブエルタを終えた状態の幸也さんと一緒に走って、アジア選手権前のタイ合宿の時よりもさらに強くなっていると感じました。かなり調子が良さそうです。メカトラやパンクなどのトラブルが起こる可能性があるので、常に2人の近くで走るのが自分の役目です。トラブルが起こった時になるべく脚を使わせないように集団に復帰させること。個人的には逃げに乗りたいという気持ちもありますが、チームの作戦は前日のミーティングで決まることになります。
世界選手権のメンバーに選ばれるかも知れないと頭に入れながら、この9月にコンディションのピークを持ってくるようにシーズンを過ごしてきました。選ばれてからは、長距離のレースに対応するために持久力を強化するトレーニングをしっかりと行ってきました。26歳で初めてのエリート代表は自分の中で遅すぎると思っていますし、今後のためにも非常に重要なレースになると思います。
text&photo:Kei.TSUJI in Richmond USA
新城幸也(ユーロップカー)
シンプルですが、位置取りにミスすると(一旦集団の後ろに下がると)前に上がるのが大変なコースです。かと言って日本チームは3人なので、風を受けて集団の先頭をキープできるわけじゃない。集団の中に隠れながらの走りになると思います。そういうコースなので、逃げに乗って前で待つ作戦も有りでしょうね。
コースは全体的に広いんですが、きつくて大事なところに限って道が狭い。特に2つめの登り(23番通りの登り)が鍵になると思います。道が狭いので横に並ぶのは3人が限界。登りの麓まで先頭を引いて仕事を終えた選手が邪魔になるはず。集団が分かれるとすればそこですね。
アシストがいなくなる展開にはならないと思うので、登りで抜け出しても集団は追いつけます。ですが、仮に最後の登りで8人ぐらいが飛び出して、そのチームメイトが登りで集団の前を蓋すると決まってしまう。スプリントに持ち込みたくないチームはその作戦を取ってくると思います。雨が降ると石畳のコーナーもそうですが、直角コーナーが続く下りが怖いですね。晴れていても3人しか並んで走れないので、濡れていれば確実に1列になる。
今日はコースの試走60kmを含めて200km乗りました。身体の反応は良いです。ブエルタでは毎日3000mほど登ってましたが、総合争いをしていたわけではないのでそこまで疲れていないですね。もちろん疲れてはいたんですが、2週間しっかり休めたし、月曜日からマッサージを受けさせてもらって復活しました。
今シーズンは55日間ほどしかレースを走っていません。90レースを走った昨シーズンと比べるとずっと少ない。ブエルタを走ってから世界選手権を走るのは初めてですが、今日走った感触は良いですね。ここまでフレッシュな状態は珍しいのでチャンスを生かしたいです。
別府史之(トレックファクトリーレーシング)
世界選手権のためにレースプログラムを組んできました。世界選手権の準備レースとして、アップダウンがあって石畳があるベルギーの3レースに出場。コンディションは良かったんですが、1戦目はマシントラブルでリタイアして、2戦目は落車でリタイア。少し発熱の兆候があったので、アメリカ出国前日の3戦目は大事をとってDNSにしました。
落車のダメージはないですし、テストライドとして集団の先頭を引いて調子の良さは確認出来ました。結果は残せませんでしたが、世界選手権に向けてコンディショニングはうまく出来ています。(日本代表チームの)浅田監督のコーディネートのおかげで選手にストレスのない環境でここまで来ました。
もっと長い石畳を予想していたんですが、このレースのために用意したパヴェ用のタイヤ(パリ〜ルーベ)は必要無いと思うほどです。空気圧もそこまで重要ではなく、普段よりも少し下げる程度。それよりも下りのコーナーが危険です。U23やジュニアのレースを見てどこが滑りやすいのかチェックしたいです。
ユキヤにも自分にも向いているコースだと思いますが、結局は集団の位置取りが重要になる。広い道が急に細くなる登りまでの位置取りが特に重要ですね。1つめの登り(リビーヒルパーク)で集団が1列になったまま2つめの登りへ。でもその後の下りで集団はまとまるので、見た目以上に勾配のある残り1kmからの登りで勝負が決まるかもしれない。
どちらかと言うとオランダ・ヴァルケンベルグで開催された世界選手権のコースに似ている。そこまで登っていないしテクニカルではないけど、タフなコースだという印象。登りだけではなく色々な要素が含まれているコースです。ジルベールやクリストフ、マシューズのようなタイプの選手が勝負に絡むんじゃないかと。勝負に持ち込みたいチームが最後までコントロールすると予想しています。
過去の世界選手権では終盤のアタックに反応したことが何回かありましたけど、結局は決まらなかった。ジルベールのようなアタックを繰り出せるわけじゃないし、実際に逃げは決まっていない。しっかりと勝負どころに残ることでチャンスが回ってくるはずです。
内間康平(ブリヂストンアンカー)
(日本との時差13時間は)最初の2日間は違和感がありましたが、3日目からは大丈夫です。今回が初めてのエリートレースですが、過去にジュニアとU23で走った世界選手権よりも難易度は高くない。ただ距離は長くなりますし、レースをきつくするのはコースではなく選手たち自身。世界選手権はどのチームも優勝を狙ってくるので、レベルの高い厳しいレースになることが予想されます。
石畳は雨で濡れると大変なことになると思います。自分は大丈夫でも前の選手が詰まると渋滞でバイクを降りる必要も出てくる。それだけに集団内の位置取りが大事になります。
今回ブエルタを終えた状態の幸也さんと一緒に走って、アジア選手権前のタイ合宿の時よりもさらに強くなっていると感じました。かなり調子が良さそうです。メカトラやパンクなどのトラブルが起こる可能性があるので、常に2人の近くで走るのが自分の役目です。トラブルが起こった時になるべく脚を使わせないように集団に復帰させること。個人的には逃げに乗りたいという気持ちもありますが、チームの作戦は前日のミーティングで決まることになります。
世界選手権のメンバーに選ばれるかも知れないと頭に入れながら、この9月にコンディションのピークを持ってくるようにシーズンを過ごしてきました。選ばれてからは、長距離のレースに対応するために持久力を強化するトレーニングをしっかりと行ってきました。26歳で初めてのエリート代表は自分の中で遅すぎると思っていますし、今後のためにも非常に重要なレースになると思います。
text&photo:Kei.TSUJI in Richmond USA
Amazon.co.jp