2015/09/13(日) - 12:02
「チームメイトの助けがあったからこそ結果に繋げられた。僕じゃない。チームの勝利だ」と語るのは、歴史的な大逆転劇を演じたファビオ・アル。その他総合上位陣や、大逃げ勝利を果たしたルーベン・プラサらのコメントを紹介します。
大逃げを勝利に繋げたルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)
独走でゴールに飛び来むルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)。115kmを逃げ切っての勝利 photo:CorVos
単独で逃げ続けるルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ) photo:A.S.O.110km以上もゴールまで距離を残してアタックするなんてバカげていると思った。でもフィーリングは非常に良かったし、コースも知り尽くしていた。だから今あるエネルギーの全てを尽くして勝利を掴もうと思ったんだ。序盤の逃げグループが不安定になり、これ以上協調体制を敷けないことは分かっていたので、ゴールまで距離こそ合ったけれど、行くなら今しかないと思っていた。そして一気に差が開いたので、自分の調子と慎重に相談しながら崩れないように気を付けたんだ。山岳と山岳の繋ぎ区間もうまくこなすことができた。
こんな勝利をもぎ取るまで頑張ってくれた脚に感謝したいね。今シーズンは自分にとって完璧だった。チームメイト、そして全てのファンのみんな、ありがとう。暫く自宅に帰っていないので、ブエルタが終わったらゆっくりと過ごしたいと思う。
ステージ3位のアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)
今朝のミーティングで、アマエル(モワナール)と自分が逃げに乗るのにうってつけな状態になると話していた。レース全体がハードな展開になるだろうから、逃げが決まりやすいステージになると考えたんだ。アマエルと逃げに乗ることができ、最後2つの山岳はなるべく力を消費しないよう心掛けていた。山岳ではアマエルも良い走りをしていたし、その流れで勝負に打って出たモビスターに追随したんだ。でも(その時既に逃げていた)プラサを追うには遅すぎた。あまりにも強すぎて追いつけやしなかった。でも自分にとっては良いレースになった。BMCはどのステージでも勝利を狙ってきたし、その流れの中で動くことができてハッピーだよ。
マイヨロホを獲得したファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)が再びマイヨロホに袖を通す photo:CorVos
マイヨロホを手中に収めるガッツポーズでフィニッシュするファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:CorVos今日の勝利は僕だけではなく、チームの勝利だ。ランダ、ローザ、カタルド、ゼイツらの協力が最後にあったからこそマイヨロホを獲得できた。信じられない結果をもたらすことができて嬉しいし、感謝しているよ。かなり自分の立ち位置にストレスを感じることもあったけれど、今はこのマイヨロホを着用できていることが本当に嬉しい。
峠の下見をしていたことが役に立ったし、ミケーレの素晴しい働き、そして逃げから降りてサポートしてくれた二人の働きもありがたかった。序盤にはニーバリとティラロンゴが残念な事態になってしまったが、彼らの闘志が僕のモチベーションに繋がっていたんだ。ドゥムランは本当に強かったし、まだお互いに24歳だ。本当にこれから未来のある選手だと思う。
総合順位を2位に上げたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
総合2位、マイヨプントスとマイヨコンビナーダも手に入れたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:A.S.O.何と歴史的な一日だっただろう。最初はジャイアント・アルペシンがコントロールを担っていたが、次いでアスタナがレースを掌握した。彼らが成し遂げた結果を祝福したいと思う。恐らく今日のアルは最強では無かったが、チーム力で見れば間違いなく最強だったし、本当に苦しめられた。僕は今日も含め、最終週はずっと苦しい戦いを強いられてしまったが、結果的に確保できた順位に喜んでいる。
マイカとキンタナがアタックした時は突然すぎて上手く対応できなかったが、表彰台から追い落とそうとする彼らの動きを冷静に見る必要があった。パニックに陥らないようこころがけたこと、そしてロサダがサポートしてくれたことで凌ぎ切ることができた。明日このままの順位でフィニッシュできれば、それは全てチームメイトのおかげだよ。コチェトコフやスムクリス、ヴィシオソの働きはなかなか中継に映らないけれど、彼らの助けは本当に大きなものだった。3週間を終えて2位になるとは、なんて美しい結果だろう。これ以上の結果は無い。アルは本当によくやった。
3位にポジションを上げたラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
攻撃を仕掛けるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)とラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) photo:A.S.O.本当に嬉しい。グランツールでの表彰台は夢だったんだ。チームメイトの助け無しでは成し得なかったことだし、彼らはもちろん僕の家族や妻にも感謝したい。モビスターとアスタナの牽きでは全員が限界に近かったし、だからキンタナと共に攻撃を仕掛けた。アスタナのドゥムラン陥落作戦が成功したし、自分の総合表彰台に乗るという夢も叶った。
キンタナとは限界を越えて協調できていたし、タイム差を削り取ることしか頭に無かった。加えて前から降りてきたジェイ・マッカーシーも僕のことを全力で牽き続けてくれた。総合2位まではたったの12秒届かず残念だけれど、そこは問題じゃないんだ。今は表彰台に乗れたことが嬉しくて仕方が無い。最後のチャンスをモノにできたんだ!個人TTでは遅れてしまったが、言い続けていたようにブエルタは終わってなんかいなかった。最高に幸せな気分だよ。
総合4位、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
ハッピーさ。もちろん勝つことができていればもっと喜べただろうけれど、アンドラのステージからかなりの不調に陥りリタイア寸前まで追い込まれたことを考えればすごく満足できるよ。もう一歩状態が悪ければ、今頃は間違いなく自宅のTVの前にいたことも考えられたほどだから。
今日のゴール前に控えていた山岳は自分にとってベストマッチなプロフィールだった。今日のために昨日は力をセーブしていたし、戦略的には成功したと捉えて良いはずだ。持てる全てを発揮したし、リザルトだって考えられる最上級さ。戦略的にもほぼレース前に話した通りに運んだ。アタック前に受けていたチームメイトからのサポートも完璧だったが、ただ唯一ライバルチームも人数を残していたことが予想と違った点。僕らの攻撃に耐えられるだけのチーム力があったので、そこを崩すのは不可能だった。
2014年大会で落車を重ね、リタイアに追い込まれてしまったのが本当に残念だったので、その分も込めてこのブエルタを全力で走った。優勝するチャンスも感じていたけれど、結果的には「ライバル勢」という結果に。でももう途中リタイアだけはできなかったし、総合4位という結果には本当に満足している。
総合5位のエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) photo:A.S.O.総合5位のエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
最高さ。20日間を終えて有力選手の間に割って入ることができた。僕自身はもちろん、チーム全体もこの結果を喜んでくれると思う。2年前にチームは僕を信じてチームに加入させてくれた。これはそのお返しだ。このブエルタでの目標はトップ10フィニッシュだったが、今は総合5位。チームとしてステージ3勝と、6日間のマイヨロホキープもできた。素晴しいブエルタになったよ。
総合首位から陥落したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
遅れを喫してしまったトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:CorVos僕にとってキツすぎた。最初にアルが攻撃を仕掛けた時には既に限界でカウンターアタックも距離を詰めることも難しかった。そして2度目の攻撃に対処することができず、頂上では距離を空けてしまった。最後の山岳前の下りではほとんど捕まえる寸前まで距離を詰めたのに、ぎりぎりで追いつかなかった。下りがもっとテクニカルであれば合流できたと思う。
その後アスタナが3人で牽いていることを知りもう打つ手が無いと気付いたんだ。これまでのステージであればカウンターを仕掛けることができたけれど、今日は不可能だった。それ以降も総合表彰台やトップ5に残れるよう戦い続けたけれど、もうガス欠だった。ゴールまでが長過ぎた。
「今日は逃げに入る役目を命じられたので、その役目を果たせてよかった」新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa.Iijima逃げに乗り、3大グランツアー完走を目前に控えた新城幸也(ユーロップカー)
今日は逃げに入る役目を命じられたので、その役目を果たせてよかった。予定通り3週目はコンディションも良く走れていたので、27日の世界選手権が楽しみだ。明日の最終ステージは順位を狙うことはもちろんだが、とにかく無事に走り切りたい。
選手コメントは各チーム公式サイト、TVインタビュー、ならびにTeamユキヤ通信より。
text:So.Isobe
大逃げを勝利に繋げたルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)
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こんな勝利をもぎ取るまで頑張ってくれた脚に感謝したいね。今シーズンは自分にとって完璧だった。チームメイト、そして全てのファンのみんな、ありがとう。暫く自宅に帰っていないので、ブエルタが終わったらゆっくりと過ごしたいと思う。
ステージ3位のアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)
今朝のミーティングで、アマエル(モワナール)と自分が逃げに乗るのにうってつけな状態になると話していた。レース全体がハードな展開になるだろうから、逃げが決まりやすいステージになると考えたんだ。アマエルと逃げに乗ることができ、最後2つの山岳はなるべく力を消費しないよう心掛けていた。山岳ではアマエルも良い走りをしていたし、その流れで勝負に打って出たモビスターに追随したんだ。でも(その時既に逃げていた)プラサを追うには遅すぎた。あまりにも強すぎて追いつけやしなかった。でも自分にとっては良いレースになった。BMCはどのステージでも勝利を狙ってきたし、その流れの中で動くことができてハッピーだよ。
マイヨロホを獲得したファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
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総合順位を2位に上げたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
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3位にポジションを上げたラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
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キンタナとは限界を越えて協調できていたし、タイム差を削り取ることしか頭に無かった。加えて前から降りてきたジェイ・マッカーシーも僕のことを全力で牽き続けてくれた。総合2位まではたったの12秒届かず残念だけれど、そこは問題じゃないんだ。今は表彰台に乗れたことが嬉しくて仕方が無い。最後のチャンスをモノにできたんだ!個人TTでは遅れてしまったが、言い続けていたようにブエルタは終わってなんかいなかった。最高に幸せな気分だよ。
総合4位、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
ハッピーさ。もちろん勝つことができていればもっと喜べただろうけれど、アンドラのステージからかなりの不調に陥りリタイア寸前まで追い込まれたことを考えればすごく満足できるよ。もう一歩状態が悪ければ、今頃は間違いなく自宅のTVの前にいたことも考えられたほどだから。
今日のゴール前に控えていた山岳は自分にとってベストマッチなプロフィールだった。今日のために昨日は力をセーブしていたし、戦略的には成功したと捉えて良いはずだ。持てる全てを発揮したし、リザルトだって考えられる最上級さ。戦略的にもほぼレース前に話した通りに運んだ。アタック前に受けていたチームメイトからのサポートも完璧だったが、ただ唯一ライバルチームも人数を残していたことが予想と違った点。僕らの攻撃に耐えられるだけのチーム力があったので、そこを崩すのは不可能だった。
2014年大会で落車を重ね、リタイアに追い込まれてしまったのが本当に残念だったので、その分も込めてこのブエルタを全力で走った。優勝するチャンスも感じていたけれど、結果的には「ライバル勢」という結果に。でももう途中リタイアだけはできなかったし、総合4位という結果には本当に満足している。
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総合首位から陥落したトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
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今日は逃げに入る役目を命じられたので、その役目を果たせてよかった。予定通り3週目はコンディションも良く走れていたので、27日の世界選手権が楽しみだ。明日の最終ステージは順位を狙うことはもちろんだが、とにかく無事に走り切りたい。
選手コメントは各チーム公式サイト、TVインタビュー、ならびにTeamユキヤ通信より。
text:So.Isobe