2015/07/06(月) - 20:04
常に先手でレースを支配したチーム右京。畑中勇介がゴールスプリントを制し、得意のコースで大会3連覇を達成。同時にマトリックスパワータグの連勝をストップさせた。
Jプロツアー第10、11戦は広島県中央森林公園でのレース。7月4日(土)と5日(日)の2日間で各クラスタが連戦。全日本選手権ロードから1週間後で、各クラスタともに調子を上げている選手たちの戦いが予想された。
中止となったチームタイムトライアル
初日に予定されていたP1クラスタのチームタイムトライアルは、「コース及び種目の特性上、雨天で実施すると安全確保が困難であると判断し、コミッセールパネルで協議の上レースキャンセル」された。次第に強まる雨脚のいっぽう、年度当初に発表されていたスケジュールとコースであったため、各チームの監督陣からは中止と続行の両方の意見が出されていた。今後は事前に対策の検討がさらになされてもよいだろう。
1日目 7月4日(土)
午後からのチームTTは中止となったが午前中のロードレースは予定通り行なわれた。E1クラスタは高校生たちが積極的な戦いを繰り広げ、3位までは高校生が独占。全日本TTジュニアチャンピオンの大町健斗(安芸府中高)と日野竜嘉(松山聖陵高)が抜け出して大町がスプリントで優勝。女子Fクラスタは金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)と合田祐美子(BH ASTIFO)が上りで仕掛けて集団が小さくなる展開で、ゴールスプリントを金子が制した。
2日目 7月5日(土)
第2回大会となったジュニア年代までの選手たちのユースクラスタ。松山聖陵高勢がレースをコントロール。次々と攻撃を繰り出して前日の覇者、大町の脚を削ぐ。最終的に7人となった集団でのスプリント勝負となり、中学3年の日野泰静(チームグロシャ)がこれを制した。
女子は前日に続いて、およそ全日本選手権の上位2人がいないだけの豪華メンバー。上りのたびに金子と合田が仕掛け人数を減らし、8人での勝負をラスト1km切ってから抜け出した中原恭恵(チェリージャパン)が制し優勝。中原は2013年都道府県ロード長崎の覇者。トライアスリートでもあり地元広島で2勝目を挙げた。
7人の逃げは8周目に吸収
P1クラスタは全日本選手権を終えて国内で主に活動するチームや、スペインなど海外選手もほぼすべて帰国して参戦。地元チームのヴィクトワール広島とその応援団は会場をチームカラーのオレンジ色に染め上げ、AAランクの歴史ある大会に彩を添えた。レースは全日本選手権で好調さを見せたチーム右京が、この大会でもチームの力を見せた。P1は12周147.6kmのレース。
1周目の下り区間で前に出た河賀雄大(ヴィクトワール広島)が抜け出して先行、ここにパブロ・ウルタスン(チーム右京)、大久保陣(宇都宮ブリッツェン)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、小坂光(那須ブラーゼン)、阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)が、そして最後に横山航太(シマノレーシング)が合流して7人の逃げができる。
主要チームが逃げに乗せ、さらにエース格のウルタスンを乗せたチーム右京がメイン集団の前方に出てペースダウンし、差は一気に7分以上にまで開いていく。差が広がりすぎるのを防ぐためメイン集団は4周目からマトリックスパワータグを中心にペースを上げていく。これに宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼンも加わり差を縮めていく。
いっぽうで差が縮まりかけた6周目に先頭からウルタスンが単独で先行、阿曽はメイン集団牽引のため下がり、先頭からウルタスン、逃げ5人、そしてメイン集団の順に。翌8周目に5人とさらにウルタスンまでもが吸収されレースは振り出しに。ここからチーム右京の攻撃が始まる。オスカル プジョル(チーム右京)がアタックしこれにベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)と増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が反応。
土井雪広が見せた走り
有力どころ3人の逃げは吸収され代わって平井栄一(チーム右京)らの動きで入部正太朗(シマノレーシング)ら5人が逃げるがこれも吸収。9周目にはさらに別メンバーで増田、木村圭佑(シマノレーシング)、湊諒(チーム右京)、鈴木龍(那須ブラーゼン)、雨澤毅明(那須ブラーゼン)、野中竜馬(キナンサイクリングチーム)の6人が逃げる。
優勝候補の増田らの逃げを、メイン集団は土井雪広(チーム右京)が9周目から10周目まで先頭固定で走ってこれを吸収。ひとつになった集団から11周目の後半に土井が単独抜け出して逃げる。土井は逃げ続け、メイン集団はラスト3.5kmの上り頂上でようやく土井を吸収してフィニッシュ地点へ向かう。ラストの直線で先行したのは入部。これをあと50mの地点でかわしたのは畑中勇介(チーム右京)。畑中は相性のいいコースで大会3連覇を達成。1周目から最終周回までレースを支配したのはチーム右京。ゴールは勝負勘鋭い畑中が制し、完全勝利と言ってよいレース内容に。
結果
1日目
Fクラスタ 49.2km
1位 金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)1時間28分47秒
2位 樫木祥子(Neilpryde - Nanshin Subaru Cycling 駒澤大学)
3位 中原恭恵(チェリージャパン)
4位 合田祐美子(BH ASTIFO)
5位 上田順子(BC.ANELLO)+14秒
6位 ドス・サントス・サンドラ(Neilpryde - Nanshin Subaru Cycling 駒澤大学)+3分44秒
E1クラスタ 49.2km
1位 大町健斗(安芸府中高)1時間12分18秒
2位 日野竜嘉(松山聖陵高)+02秒
3位 近藤翔馬(松山聖陵高)+08秒
4位 松木健治(クラブシルベスト)
5位 米内蒼馬(TOKYO VENTOS)
6位 柳瀬慶明(コラッジョ カワニシ サイクリング チーム)
E2クラスタ 36.9km
1位 西崎太郎(TEAM SKYROCKETS)56分49秒
2位 市来俊介(チーム ロンボクリアン)
3位 藤川淳(Team Kermis Cross)
4位 二戸康寛(TOKYO VENTOS)
5位 萩原啓(エルドラード・エスペランサ)+01秒
6位 齋藤憲幸(竹芝サイクルレーシング)
E3クラスタ 36.9km
1位 河内一晟(VICTOIREしまなみ)57分00秒
2位 今井章雄(FREESPEED)+01秒
3位 横塚浩平(チームオーベスト)
4位 川辺史朗(Life Ride)
5位 高橋叶平(Team UKYO Reve)+02秒
6位 桂慶浩(Pinazou Test Team)
2日目 7月5日(土)
P1クラスタ 147.6km
1位 畑中勇介(チーム右京)3時間48分18秒
2位 入部正太朗(シマノレーシング)
3位 鈴木龍(那須ブラーゼン)
4位 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
5位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)
6位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
7位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
8位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
9位 湊諒(チーム右京)+01秒
10位 平井栄一(チーム右京)
Fクラスタ 49.2km
1位 中原恭恵(チェリージャパン)1時間27分59秒
2位 ドス・サントス・サンドラ(Neilpryde - Nanshin Subaru Cycling 駒澤大学)+01秒
3位 金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)+03秒
4位 ジル・パターソン(ASAHI MUUR ZERO)+03秒
5位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)+04秒
6位 合田祐美子(BH ASTIFO)+05秒
Yクラスタ 49.2km
1位 日野泰静(チームグロシャ)1時間17分23秒
2位 近藤翔馬(松山聖陵高等学校)
3位 平林楓輝(松山聖陵高等学校)
4位 大町健斗(安芸府中高)
5位 黒澤虎南(VC Fukuoka)+01秒
6位 津田悠義(JBCF J-Youth)+10秒
E1クラスタ 61.5km
1位 柳瀬慶明(コラッジョ カワニシ サイクリング チーム)1時間32分02秒
2位 松木健治(クラブシルベスト)+01秒
3位 佐藤信哉(VC Fukuoka)
4位 星野将宏(Y'sRoad)
5位 平野真一(TOKYO VENTOS)+02秒
6位 坂大恵太(チームオーベスト)+04秒
E2クラスタ 49.2km
1位 横塚浩平(チームオーベスト)1時間18分39秒
2位 萩原啓(エルドラード・エスペランサ)+01秒
3位 成毛千尋(チーム GSエバーウィン)
4位 山科竜一郎(モジュマ エリアゼロナナゴ)
5位 萬谷和志(SAUCE DEVELOPMENT)
6位 岡理裕(SPADE・ACE)
E3クラスタ 36.9km
1位 北見涼(TOKYO VENTOS)57分16秒
2位 田村陽(Team UKYO Reve)+01秒
3位 川辺史朗(Life Ride)
4位 関根啓総(Y'sRoad)
5位 村上凌伍(なるしまフレンド)
6位 津末浩平(津末レーシング)
photo&text:高木秀彰
Jプロツアー第10、11戦は広島県中央森林公園でのレース。7月4日(土)と5日(日)の2日間で各クラスタが連戦。全日本選手権ロードから1週間後で、各クラスタともに調子を上げている選手たちの戦いが予想された。
中止となったチームタイムトライアル
初日に予定されていたP1クラスタのチームタイムトライアルは、「コース及び種目の特性上、雨天で実施すると安全確保が困難であると判断し、コミッセールパネルで協議の上レースキャンセル」された。次第に強まる雨脚のいっぽう、年度当初に発表されていたスケジュールとコースであったため、各チームの監督陣からは中止と続行の両方の意見が出されていた。今後は事前に対策の検討がさらになされてもよいだろう。
1日目 7月4日(土)
午後からのチームTTは中止となったが午前中のロードレースは予定通り行なわれた。E1クラスタは高校生たちが積極的な戦いを繰り広げ、3位までは高校生が独占。全日本TTジュニアチャンピオンの大町健斗(安芸府中高)と日野竜嘉(松山聖陵高)が抜け出して大町がスプリントで優勝。女子Fクラスタは金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)と合田祐美子(BH ASTIFO)が上りで仕掛けて集団が小さくなる展開で、ゴールスプリントを金子が制した。
2日目 7月5日(土)
第2回大会となったジュニア年代までの選手たちのユースクラスタ。松山聖陵高勢がレースをコントロール。次々と攻撃を繰り出して前日の覇者、大町の脚を削ぐ。最終的に7人となった集団でのスプリント勝負となり、中学3年の日野泰静(チームグロシャ)がこれを制した。
女子は前日に続いて、およそ全日本選手権の上位2人がいないだけの豪華メンバー。上りのたびに金子と合田が仕掛け人数を減らし、8人での勝負をラスト1km切ってから抜け出した中原恭恵(チェリージャパン)が制し優勝。中原は2013年都道府県ロード長崎の覇者。トライアスリートでもあり地元広島で2勝目を挙げた。
7人の逃げは8周目に吸収
P1クラスタは全日本選手権を終えて国内で主に活動するチームや、スペインなど海外選手もほぼすべて帰国して参戦。地元チームのヴィクトワール広島とその応援団は会場をチームカラーのオレンジ色に染め上げ、AAランクの歴史ある大会に彩を添えた。レースは全日本選手権で好調さを見せたチーム右京が、この大会でもチームの力を見せた。P1は12周147.6kmのレース。
1周目の下り区間で前に出た河賀雄大(ヴィクトワール広島)が抜け出して先行、ここにパブロ・ウルタスン(チーム右京)、大久保陣(宇都宮ブリッツェン)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、小坂光(那須ブラーゼン)、阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)が、そして最後に横山航太(シマノレーシング)が合流して7人の逃げができる。
主要チームが逃げに乗せ、さらにエース格のウルタスンを乗せたチーム右京がメイン集団の前方に出てペースダウンし、差は一気に7分以上にまで開いていく。差が広がりすぎるのを防ぐためメイン集団は4周目からマトリックスパワータグを中心にペースを上げていく。これに宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼンも加わり差を縮めていく。
いっぽうで差が縮まりかけた6周目に先頭からウルタスンが単独で先行、阿曽はメイン集団牽引のため下がり、先頭からウルタスン、逃げ5人、そしてメイン集団の順に。翌8周目に5人とさらにウルタスンまでもが吸収されレースは振り出しに。ここからチーム右京の攻撃が始まる。オスカル プジョル(チーム右京)がアタックしこれにベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)と増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が反応。
土井雪広が見せた走り
有力どころ3人の逃げは吸収され代わって平井栄一(チーム右京)らの動きで入部正太朗(シマノレーシング)ら5人が逃げるがこれも吸収。9周目にはさらに別メンバーで増田、木村圭佑(シマノレーシング)、湊諒(チーム右京)、鈴木龍(那須ブラーゼン)、雨澤毅明(那須ブラーゼン)、野中竜馬(キナンサイクリングチーム)の6人が逃げる。
優勝候補の増田らの逃げを、メイン集団は土井雪広(チーム右京)が9周目から10周目まで先頭固定で走ってこれを吸収。ひとつになった集団から11周目の後半に土井が単独抜け出して逃げる。土井は逃げ続け、メイン集団はラスト3.5kmの上り頂上でようやく土井を吸収してフィニッシュ地点へ向かう。ラストの直線で先行したのは入部。これをあと50mの地点でかわしたのは畑中勇介(チーム右京)。畑中は相性のいいコースで大会3連覇を達成。1周目から最終周回までレースを支配したのはチーム右京。ゴールは勝負勘鋭い畑中が制し、完全勝利と言ってよいレース内容に。
結果
1日目
Fクラスタ 49.2km
1位 金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)1時間28分47秒
2位 樫木祥子(Neilpryde - Nanshin Subaru Cycling 駒澤大学)
3位 中原恭恵(チェリージャパン)
4位 合田祐美子(BH ASTIFO)
5位 上田順子(BC.ANELLO)+14秒
6位 ドス・サントス・サンドラ(Neilpryde - Nanshin Subaru Cycling 駒澤大学)+3分44秒
E1クラスタ 49.2km
1位 大町健斗(安芸府中高)1時間12分18秒
2位 日野竜嘉(松山聖陵高)+02秒
3位 近藤翔馬(松山聖陵高)+08秒
4位 松木健治(クラブシルベスト)
5位 米内蒼馬(TOKYO VENTOS)
6位 柳瀬慶明(コラッジョ カワニシ サイクリング チーム)
E2クラスタ 36.9km
1位 西崎太郎(TEAM SKYROCKETS)56分49秒
2位 市来俊介(チーム ロンボクリアン)
3位 藤川淳(Team Kermis Cross)
4位 二戸康寛(TOKYO VENTOS)
5位 萩原啓(エルドラード・エスペランサ)+01秒
6位 齋藤憲幸(竹芝サイクルレーシング)
E3クラスタ 36.9km
1位 河内一晟(VICTOIREしまなみ)57分00秒
2位 今井章雄(FREESPEED)+01秒
3位 横塚浩平(チームオーベスト)
4位 川辺史朗(Life Ride)
5位 高橋叶平(Team UKYO Reve)+02秒
6位 桂慶浩(Pinazou Test Team)
2日目 7月5日(土)
P1クラスタ 147.6km
1位 畑中勇介(チーム右京)3時間48分18秒
2位 入部正太朗(シマノレーシング)
3位 鈴木龍(那須ブラーゼン)
4位 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
5位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)
6位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
7位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
8位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
9位 湊諒(チーム右京)+01秒
10位 平井栄一(チーム右京)
Fクラスタ 49.2km
1位 中原恭恵(チェリージャパン)1時間27分59秒
2位 ドス・サントス・サンドラ(Neilpryde - Nanshin Subaru Cycling 駒澤大学)+01秒
3位 金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)+03秒
4位 ジル・パターソン(ASAHI MUUR ZERO)+03秒
5位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)+04秒
6位 合田祐美子(BH ASTIFO)+05秒
Yクラスタ 49.2km
1位 日野泰静(チームグロシャ)1時間17分23秒
2位 近藤翔馬(松山聖陵高等学校)
3位 平林楓輝(松山聖陵高等学校)
4位 大町健斗(安芸府中高)
5位 黒澤虎南(VC Fukuoka)+01秒
6位 津田悠義(JBCF J-Youth)+10秒
E1クラスタ 61.5km
1位 柳瀬慶明(コラッジョ カワニシ サイクリング チーム)1時間32分02秒
2位 松木健治(クラブシルベスト)+01秒
3位 佐藤信哉(VC Fukuoka)
4位 星野将宏(Y'sRoad)
5位 平野真一(TOKYO VENTOS)+02秒
6位 坂大恵太(チームオーベスト)+04秒
E2クラスタ 49.2km
1位 横塚浩平(チームオーベスト)1時間18分39秒
2位 萩原啓(エルドラード・エスペランサ)+01秒
3位 成毛千尋(チーム GSエバーウィン)
4位 山科竜一郎(モジュマ エリアゼロナナゴ)
5位 萬谷和志(SAUCE DEVELOPMENT)
6位 岡理裕(SPADE・ACE)
E3クラスタ 36.9km
1位 北見涼(TOKYO VENTOS)57分16秒
2位 田村陽(Team UKYO Reve)+01秒
3位 川辺史朗(Life Ride)
4位 関根啓総(Y'sRoad)
5位 村上凌伍(なるしまフレンド)
6位 津末浩平(津末レーシング)
photo&text:高木秀彰
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