2015/03/29(日) - 07:46
スタイリッシュなデザインと高い機能性を兼ね備える、これまでにはないサイクルパーツを展開する新興ブランドが日本上陸を果たす。その名は「Fabric (ファブリック)」。都内で開催されたローンチパーティーの様子や、お披露目されたサドルを始めとするプロダクトラインアップのアウトラインを紹介しよう。
3月下旬に都内にて開催されたイギリスの新興サイクルパーツ&アクセサリーブランド「ファブリック」の国内ローンチパーティー。本国スタッフによる製品プレゼンテーションやテストライド、モデルのRENさんとモータージャーナリストの河口まなぶによるトークショーといったイベント、ブランドの世界観を表現したディスプレーなど華々しい雰囲気の中で行われた。
イギリスを拠点とする「Fabric」はサドルをメインプロダクトとするパーツ&アクセサリーブランド。創業者は幼い頃よりものづくりに親しみ、「パシュレー」「チャージ」といったアーバンバイクブランドで経験を積んだ工業デザイナーのニック・ラーセン氏である。
その始まりはラーセン氏がチャージ時代に、ブランドオリジナルのサドルを作成していた時のこと。「OEMメーカーに製造を依頼したら、製造コストに見合わない法外な料金を提示された。そのことに疑問を持ち、自らサドルの製造を始めたんだ」とはラーセン氏の談。
この事をきっかけに工業デザインナーの見地からあらゆるブランドのサドルを徹底的に研究し、適切な価格ながらも、より快適かつ軽量でスタイリッシュなデザインのサドルの開発に着手。そうして生み出されたチャージのサドルは、僅か3年でイギリス国内の売上No.1に上り詰めた。
そして、ラーセン氏はサドルを始めとしたパーツブランドとして新たにファブリックを創業。ブランドを通してのトピックスはプロダクトの開発に自転車以外の工業分野のテクノロジーや生産方法を積極的に取り入れていること。
ランニングシューズの大手メーカーや、3Dプリントのパイオニアであり大手旅客機メーカーとしてしられるエアバス・グループとのコラボレーションがその最たる例だ。
そんなファブリックのファーストプロダクトであり、他のアイテムに先駆けて国内展開が開始されるサドルが「Scoop(スクープ)」。接着剤やステッチ、ステープルを廃した新しい工法によってクリーンなルックスと、マイクロファイバー製のしっとりとした質感のアッパーによるスタイリッリュなデザインが特徴のモデルである。
そして高い快適性もScoopの大きな特徴で、柔軟性に優れたベースとなだらかな曲線をもつレール、低密度でやわらかく軽いポリウレタンフォームによって衝撃吸収性を追求。またフラットな「Flat」、Rの大きな「Radius」、その中間にあたる「Shallow」と、横方向の丸みが異なる3種類の座面形状が用意され、それぞれに最適な乗車姿勢にあわせてしなる位置が変えているという。幅は3種類共通で142mmだ。
ベースやレールの素材別に4種類がラインアップされる中で先行して国内展開が開始されるのがナイロン製ベースに、中空CrMoレールを組み合わせた「Scoop ELITE」。美しくクリーンなルックス、プロが満足する高い快適性と機能性、レーシングバイクにもピッタリな軽量性を兼ね備えながらも、価格は8,500円を実現。イタリアンブランドが多くのシェアを占めている現状にあって、ファブリックの登場はサドル業界の勢力図は大きく変えることになりそうだ。
Scoopの他にも「ALM」、「Cell」、「Line」という3種類のサドルをラインアップするファブリック。フラッグシップの「ALM」は昨年のユーロバイクでも話題となったフルカーボン製の超軽量サドル。エアバス社のとの協力関係から生まれたモデルで、Additve Layer Manufacturingという3Dプリンターを用いた工法によって製造されている。板バネの様に積極的にしなるベースとミニマムながら効果的なパッティングによって、フルカーボンサドルらしからぬ高い快適性を実現したことが特徴だ。
「Cell」はランニングシューズの大手メーカーと協力し、スニーカーに用いられているショック吸収構造を取り入れたコンフォートサドル。その特徴は頂点を切り落とした六角錐がセル状に並んだエアフィルムシェルとエアーを、表皮とべースの間に挟み込むことでショック吸収性を向上させたこと。また、ポップなルックスはファンライド系のMTBやクロスバイク、シングルスピード、小径車とあらゆるジャンルのバイクのドレスアップにピッタリだろう。
「Line」はデリケートゾーンへの圧力を緩和し、通気性を高める溝が特徴的なサドル。ベーシックモデルのScoopをベースとしている。幅は134mmとラインアップ中で最も狭く、コンペティショナルな用途に最適だという。
そして、サドル以外のパーツも国内展開が予定されており、フレームに取り付ける機構を一体化したケージレスのウォーターボトルや、作業性に優れるラチェットつきの携帯工具、3Dプリンター製タイヤレバー、バーテープ、グリップなどスタイリッシュかつ機能的なプロダクトが目白押し。この4月にScoop EliteとALMが先行して発売されるのを皮切りに、秋より本格展開が始まる。
また、創業者ニック・ラーセン氏へのインタビューや、インプレッションなど詳細を含むスペシャルコンテンツは追ってお届けする。
都内で行われたFabricローンチパーティーの様子
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
Movie:Makoto.Ayano
3月下旬に都内にて開催されたイギリスの新興サイクルパーツ&アクセサリーブランド「ファブリック」の国内ローンチパーティー。本国スタッフによる製品プレゼンテーションやテストライド、モデルのRENさんとモータージャーナリストの河口まなぶによるトークショーといったイベント、ブランドの世界観を表現したディスプレーなど華々しい雰囲気の中で行われた。
イギリスを拠点とする「Fabric」はサドルをメインプロダクトとするパーツ&アクセサリーブランド。創業者は幼い頃よりものづくりに親しみ、「パシュレー」「チャージ」といったアーバンバイクブランドで経験を積んだ工業デザイナーのニック・ラーセン氏である。
その始まりはラーセン氏がチャージ時代に、ブランドオリジナルのサドルを作成していた時のこと。「OEMメーカーに製造を依頼したら、製造コストに見合わない法外な料金を提示された。そのことに疑問を持ち、自らサドルの製造を始めたんだ」とはラーセン氏の談。
この事をきっかけに工業デザインナーの見地からあらゆるブランドのサドルを徹底的に研究し、適切な価格ながらも、より快適かつ軽量でスタイリッシュなデザインのサドルの開発に着手。そうして生み出されたチャージのサドルは、僅か3年でイギリス国内の売上No.1に上り詰めた。
そして、ラーセン氏はサドルを始めとしたパーツブランドとして新たにファブリックを創業。ブランドを通してのトピックスはプロダクトの開発に自転車以外の工業分野のテクノロジーや生産方法を積極的に取り入れていること。
ランニングシューズの大手メーカーや、3Dプリントのパイオニアであり大手旅客機メーカーとしてしられるエアバス・グループとのコラボレーションがその最たる例だ。
そんなファブリックのファーストプロダクトであり、他のアイテムに先駆けて国内展開が開始されるサドルが「Scoop(スクープ)」。接着剤やステッチ、ステープルを廃した新しい工法によってクリーンなルックスと、マイクロファイバー製のしっとりとした質感のアッパーによるスタイリッリュなデザインが特徴のモデルである。
そして高い快適性もScoopの大きな特徴で、柔軟性に優れたベースとなだらかな曲線をもつレール、低密度でやわらかく軽いポリウレタンフォームによって衝撃吸収性を追求。またフラットな「Flat」、Rの大きな「Radius」、その中間にあたる「Shallow」と、横方向の丸みが異なる3種類の座面形状が用意され、それぞれに最適な乗車姿勢にあわせてしなる位置が変えているという。幅は3種類共通で142mmだ。
ベースやレールの素材別に4種類がラインアップされる中で先行して国内展開が開始されるのがナイロン製ベースに、中空CrMoレールを組み合わせた「Scoop ELITE」。美しくクリーンなルックス、プロが満足する高い快適性と機能性、レーシングバイクにもピッタリな軽量性を兼ね備えながらも、価格は8,500円を実現。イタリアンブランドが多くのシェアを占めている現状にあって、ファブリックの登場はサドル業界の勢力図は大きく変えることになりそうだ。
Scoopの他にも「ALM」、「Cell」、「Line」という3種類のサドルをラインアップするファブリック。フラッグシップの「ALM」は昨年のユーロバイクでも話題となったフルカーボン製の超軽量サドル。エアバス社のとの協力関係から生まれたモデルで、Additve Layer Manufacturingという3Dプリンターを用いた工法によって製造されている。板バネの様に積極的にしなるベースとミニマムながら効果的なパッティングによって、フルカーボンサドルらしからぬ高い快適性を実現したことが特徴だ。
「Cell」はランニングシューズの大手メーカーと協力し、スニーカーに用いられているショック吸収構造を取り入れたコンフォートサドル。その特徴は頂点を切り落とした六角錐がセル状に並んだエアフィルムシェルとエアーを、表皮とべースの間に挟み込むことでショック吸収性を向上させたこと。また、ポップなルックスはファンライド系のMTBやクロスバイク、シングルスピード、小径車とあらゆるジャンルのバイクのドレスアップにピッタリだろう。
「Line」はデリケートゾーンへの圧力を緩和し、通気性を高める溝が特徴的なサドル。ベーシックモデルのScoopをベースとしている。幅は134mmとラインアップ中で最も狭く、コンペティショナルな用途に最適だという。
そして、サドル以外のパーツも国内展開が予定されており、フレームに取り付ける機構を一体化したケージレスのウォーターボトルや、作業性に優れるラチェットつきの携帯工具、3Dプリンター製タイヤレバー、バーテープ、グリップなどスタイリッシュかつ機能的なプロダクトが目白押し。この4月にScoop EliteとALMが先行して発売されるのを皮切りに、秋より本格展開が始まる。
また、創業者ニック・ラーセン氏へのインタビューや、インプレッションなど詳細を含むスペシャルコンテンツは追ってお届けする。
都内で行われたFabricローンチパーティーの様子
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
Movie:Makoto.Ayano
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