計測精度に優れるハブ型パワーメーターでプロアマ問わず絶大な信頼を集めてきたパワータップが、これまでとは異なる計測方式のパワーメーターを発表。新たにチェーンリング式「C1」とペダル式「P1」をそのラインアップに加えた。共にハブ式に準ずる優れた計測の精度と安定性、耐久性を実現しているという。



パワータップ C1パワータップ C1 (c)キルシュベルク
パワータップ P1パワータップ P1 (c)キルシュベルク従来よりあらゆる計測方式のパワーメーターを研究してきたパワータップ社従来よりあらゆる計測方式のパワーメーターを研究してきたパワータップ社 photo:Yuya.Yamamoto昨今、多くの新規ブランドの参入によって活況を呈しているパワーメーター市場。新しいプロダクトが登場する度に低価格化や興味を引くギミックが話題となる中、計測の安定性と精度を最重要視し追求してきたのが、パワーメーターのパイオニアの1つ「パワータップ」である。

同社のパワーメーターの特徴は、ほとんどのライバルブランドがクランク周辺に計測装置を配置するのに対し、世界で唯一リアハブの中に計測装置を内蔵することにある。これによって自転車を前へ進めるうえで最も重要なリアタイヤと路面の接点で発生する推進力をほぼ直接的に検出。このユニークな構造により、パワータップはパワーメーターのベンチマークとして君臨してきた。

最新モデルのG3シリーズでは定評あるDTスイスのラチェットシステムやセラミックベアリングを導入しハブとしての高性能化を目指すと同時に大幅な軽量化にも成功。またストレートプルスポーク対応モデルをラインアップするなど、レーシングパーツとして進化を遂げてきた。

しかしながら、ホイールが制約されることを嫌って、パワータップを避けているというユーザーが少なくないのも事実。そういったユーザーのために今回発表されたのがチェーンリング式の「C1」とペダル式の「P1」という2モデルのパワーメーターだ。

パワーメーターの製造メーカーが片手で数えるほどしか無かった時代からクランク式、ペダル式、スポーク式、シューズ式、スプロケット式とあらゆる計測方式をテストしてきたパワータップ社。センサーの位置によって計測対象が異なり、ハブ式が推進力自体を検出するのに対し、C1及びP1はライダーからの出力を検出することが最大の特徴だ。またパワータップ製品共通の特徴である高い計測精度と安定性はそのままC1及びP1にも継承されている。。それでは、下記に「C1」と「P1」の詳細を説明しよう。なお、発売予定時期は2015年夏で、価格等の詳細は追って発表される。



パワータップ C1
パワータップ C1パワータップ C1 (c)キルシュベルク
クランクアームやスパイダーではなく、チェーンリング自体のひずみを検出し、パワーを計測するのが「C1」。専用チェーンリングとクランクアームの間にセンサーを挟み込むという独自の計測方式をとることが特徴だ。また、独自の計算プロトコルにより、出力の左右差も計測することができる。

クランクアーム自体は付属しないため別に用意する必要がある。BCDが110mmで、一般的な5アームであれば、どのモデルでも組み合わせることが可能。チェーンリングの歯数は50-36T、53-36T、53-39Tという3種類の組み合わせがラインアップされる。

C1の分解図C1の分解図 (c)キルシュベルクセンサーとチェーンリングを合わせた重量は288g。一般的なチェーンリングの重量(アウターとインナーの合計)は110~130g程度であり、パワーメーター化による重量増は160g未満に抑えられている。ANT+と Bluetooth SMARTの両方式に対応し、各社サイクルコンピューターやiPhoneと組み合わせて使用することが可能。バッテリーは入手性に優れるCR2032ボタン電池1個で、ランタイムは200時間だ。

スペック
対応クランクアーム:5 ボルト/BCD110mm
通信規格: ANT+ / Bluetooth SMART
歯数オプション:50-36T、53-36T、53-39T
重 量:288g
電池:CR2032 x 1
駆動時間:200 時間
保証期間:2 年
その他の特徴: ワイヤレスファームウェア更新機能



パワータップ P1
パワータップ P1パワータップ P1 (c)キルシュベルク
一方向のみに負荷のかかるハブ式とは異なり、あらゆる方向へトルクが発生し、それら全てを正確に検出することが求められるペダル式パワーメーター。「P1」では長年の研究開発期間を経て、ハブ式と同等の計測精度と安定性、耐久性を確保することに成功したことが特徴だ。クリートは入手性に優れるルックKeOと互換性をもつ。

P1の分解図P1の分解図 (c)キルシュベルクP1のサイドビュー。厚みを最小限に抑えることで路面とのクリアランスを確保したP1のサイドビュー。厚みを最小限に抑えることで路面とのクリアランスを確保した (c)キルシュベルクまた、他ブランドのペダル式パワーメーターにある取付時の煩わしさを徹底的に排除したこも特徴の1つ。締付トルク値やシャフトの取付角度の指定がなく、キャリブレーションを不必要としている。作業時間は一般的なペダルと変わらず、誰が取り付けを行っても確実な作動が得られるという。

このイージーインストールを実現したのが、センサーやバッテリー、トランスミッターなど全て踏み面の下に装備した1ピースデザイン。また通信用のトランスミッターを別体としないことで、破損のリスクを低減させている。ペア重量は398gで、シマノPD-9000からは150g、ルックKeO Classicからは118gと一般的なペダルからの重量増は最小限に留められている。ANT+と Bluetooth SMARTの両方式に対応し、各社サイクルコンピューターやiPhoneと組み合わせて使用することが可能。バッテリーは単4乾電池2本(左右分)で、ランタイムは60時間だ。

スペック
クリート:ルックKeO互換(スプリング調整機能有り)
通信規格: ANT+ / Bluetooth SMART
重 量:398g(左右ペア)
電 池:AAA(単四乾電池) x 2(左右各 1 本)
駆動時間: 60 時間超
保証期間: 2 年
その他特徴: ワイヤレスファームウェア更新機能


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