2014/10/04(土) - 22:22
UCIワールドツアーのヨーロッパ最終戦イル・ロンバルディアが、10月5日、秋深まる北イタリアを舞台に開催される。コースを大幅に変更した今年は世界チャンピオンやUCIワールドツアートップライダーを始め、豪華な出場メンバーが揃った。
ベルガモにフィニッシュする第108回ロンバルディア
今年で開催108回目を迎えるイル・ロンバルディア(ジロ・ディ・ロンバルディア)。第1回大会が開催されたのは1905年のこと。ミラノ〜サンレモ(1907年〜)、ロンド・ファン・フラーンデレン(1913年〜)、パリ〜ルーベ(1896年〜)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(1892年〜)と並んで「モニュメント」と称される伝統の一戦だ。
10月中旬に開催されることから長年「落ち葉のクラシック(クラッシカ・デッレ・フォリエ・モルテ)」と呼ばれてきた。レースの舞台となるのはレース名の通りイタリア北部のロンバルディア州。1905年から1960年まではミラノを発着するコースで行なわれ、それ以降はフィニッシュ地点がコモ、モンツァ、ベルガモ、レッコを転々とした。
今年は1995年〜2003年まで9年間フィニッシュ地点に設定されていたベルガモが復活。コモをスタートし、前半に名物マドンナ・デル・ギザッロ(登坂距離8.6km/平均勾配6.2%)をクリアする。260kmコースの中でレースが活性化するのは147km地点のコッレ・デイ・パスタからだ。
169km地点のコッレ・ガッロ(登坂距離7.4km/平均勾配6.0%)と196km地点のパッソ・ディ・ガンダ(登坂距離9.2km/平均勾配7.3%)、そして224km地点のベルベンノ(登坂距離5.5km/平均勾配5.3%)で集団は人数を減らしていく。目を覆いたくなるような急勾配の登りは設定されていないが、登りの合計距離が長いのは相変わらずだ。
ベルガモ市街地のマッテオッティ広場に至る道のりは決して平坦ではなく、残り3.4km地点のベルガモ・アルタが最後の難所となる。ベルガモの街を見下ろす旧市街に向かって、石畳が敷かれた最大勾配12%・平均勾配7.9%の旧道を駆け上がる。
城壁に囲まれた旧市街を通過するとそこからはフィニッシュラインまでは高速ダウンヒルでまっしぐら。平坦区間がほぼ無いため、集団が追い上げる展開にはなりにくい。コースに大幅な変更が加えられながらも「山岳で絞り込まれた集団の中からフィニッシュ直前の登りでアタックが掛かり、登りか下りで飛び出した1名ないし数名の選手が逃げ切る」というシナリオは変わらない。
世界チャンピオンがデビュー UCIワールドツアー首位争いは加熱
1週間前に開催されたロード世界選手権で優勝したミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)がアルカンシェルでのデビュー戦を迎える。ジャージばかりに目が奪われがちだが、調子が良いことは間違いない。アルカンシェルによるアタックに期待したい。
現在大会2連覇中のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)はもちろん優勝候補の筆頭だ。直前のミラノ〜トリノを制したジャンパオロ・カルーゾ(イタリア)やダニエル・モレーノ(スペイン)を従えてシーズン最後のタイトル獲得を目指す。
14ポイント差でUCIワールドツアーランキングの首位を争っているアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)も揃って出場する。バルベルデは昨年大会2位。脚質的にはバルベルデに分があるだろう。
注目したいのがフィリップ・ジルベール(ベルギー)率いるBMCレーシングだ。ロード世界選手権でアシストに徹したジルベールはエースとして2009年と2010年に続く3度目の勝利を狙っている。ジルベールを支えるのは2度の2位経験者サムエル・サンチェス(スペイン)や、引退前のヨーロッパ最終戦カデル・エヴァンス(オーストラリア)、そしてティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)という屈強なメンバーだ。
ロメン・バルデ(フランス)とジャンクリストフ・ペロー(フランス)のAG2Rコンビやティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)、トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)、ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)らフランス勢も上位に絡んでくるだろう。
元世界チャンピオンのルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)やダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)、バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)ら、アウトサイダーと呼ぶには豪華な面々が揃う。集団でのスプリントに持ち込まれればベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)らもチャンスがあるだろう。
text:Kei Tsuji
ベルガモにフィニッシュする第108回ロンバルディア
今年で開催108回目を迎えるイル・ロンバルディア(ジロ・ディ・ロンバルディア)。第1回大会が開催されたのは1905年のこと。ミラノ〜サンレモ(1907年〜)、ロンド・ファン・フラーンデレン(1913年〜)、パリ〜ルーベ(1896年〜)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(1892年〜)と並んで「モニュメント」と称される伝統の一戦だ。
10月中旬に開催されることから長年「落ち葉のクラシック(クラッシカ・デッレ・フォリエ・モルテ)」と呼ばれてきた。レースの舞台となるのはレース名の通りイタリア北部のロンバルディア州。1905年から1960年まではミラノを発着するコースで行なわれ、それ以降はフィニッシュ地点がコモ、モンツァ、ベルガモ、レッコを転々とした。
今年は1995年〜2003年まで9年間フィニッシュ地点に設定されていたベルガモが復活。コモをスタートし、前半に名物マドンナ・デル・ギザッロ(登坂距離8.6km/平均勾配6.2%)をクリアする。260kmコースの中でレースが活性化するのは147km地点のコッレ・デイ・パスタからだ。
169km地点のコッレ・ガッロ(登坂距離7.4km/平均勾配6.0%)と196km地点のパッソ・ディ・ガンダ(登坂距離9.2km/平均勾配7.3%)、そして224km地点のベルベンノ(登坂距離5.5km/平均勾配5.3%)で集団は人数を減らしていく。目を覆いたくなるような急勾配の登りは設定されていないが、登りの合計距離が長いのは相変わらずだ。
ベルガモ市街地のマッテオッティ広場に至る道のりは決して平坦ではなく、残り3.4km地点のベルガモ・アルタが最後の難所となる。ベルガモの街を見下ろす旧市街に向かって、石畳が敷かれた最大勾配12%・平均勾配7.9%の旧道を駆け上がる。
城壁に囲まれた旧市街を通過するとそこからはフィニッシュラインまでは高速ダウンヒルでまっしぐら。平坦区間がほぼ無いため、集団が追い上げる展開にはなりにくい。コースに大幅な変更が加えられながらも「山岳で絞り込まれた集団の中からフィニッシュ直前の登りでアタックが掛かり、登りか下りで飛び出した1名ないし数名の選手が逃げ切る」というシナリオは変わらない。
世界チャンピオンがデビュー UCIワールドツアー首位争いは加熱
1週間前に開催されたロード世界選手権で優勝したミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)がアルカンシェルでのデビュー戦を迎える。ジャージばかりに目が奪われがちだが、調子が良いことは間違いない。アルカンシェルによるアタックに期待したい。
現在大会2連覇中のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)はもちろん優勝候補の筆頭だ。直前のミラノ〜トリノを制したジャンパオロ・カルーゾ(イタリア)やダニエル・モレーノ(スペイン)を従えてシーズン最後のタイトル獲得を目指す。
14ポイント差でUCIワールドツアーランキングの首位を争っているアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)も揃って出場する。バルベルデは昨年大会2位。脚質的にはバルベルデに分があるだろう。
注目したいのがフィリップ・ジルベール(ベルギー)率いるBMCレーシングだ。ロード世界選手権でアシストに徹したジルベールはエースとして2009年と2010年に続く3度目の勝利を狙っている。ジルベールを支えるのは2度の2位経験者サムエル・サンチェス(スペイン)や、引退前のヨーロッパ最終戦カデル・エヴァンス(オーストラリア)、そしてティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)という屈強なメンバーだ。
ロメン・バルデ(フランス)とジャンクリストフ・ペロー(フランス)のAG2Rコンビやティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)、トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)、ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)らフランス勢も上位に絡んでくるだろう。
元世界チャンピオンのルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)やダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)、バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)ら、アウトサイダーと呼ぶには豪華な面々が揃う。集団でのスプリントに持ち込まれればベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)らもチャンスがあるだろう。
text:Kei Tsuji
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