2014/06/06(金) - 15:53
連載でお届けするプロバイクレポート。今回は5月17日~25日にかけて開催されたツアー・オブ・ジャパンを走ったヴィーニファンティーニ・NIPPO、シマノレーシング、ブリヂストン・アンカー、マトリックスパワータグ、Team UKYOという5チームのバイクを紹介する。
ヴィーニファンティーニ・NIPPO 【デローザ PROTOS】
この春にチームに加入したばかりのグレガ・ボーレ(スロベニア)がポイント賞を獲得し、ピエルパオロ・デネグリ(イタリア)が昨年に続く南信州ステージ2連覇を果たすなど存在感を見せたヴィーニファンティーニ・NIPPO。今シーズンも引き続きデローザのサポートを受け、ハイエンドモデル「PROTOS」を使用する。パーツアッセンブルなども昨年とほぼ変わらない。
コンポーネントは電子式のカンパニョーロ RECORD EPSを使用し、純正のアダプターを用いてBB30規格のボトムブラケットにクランクを装着している。ホイールも同じくカンパニョーロで、50mmハイトのBORA2 ULTRAをメインに使用した。タイヤにはミシュラン PRO4 TUBULARを組み合わせている。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで、トップレンジのK-Forceシリーズを中心とした組み合わせだ。ペダルはルックからタイムにスイッチしており、これが唯一昨年から変更されたポイント。ミドルグレードの「xpresso 6」を使っているのはチームカラーと同じカラーリングであるためだろう。
国内正規代理店を務めるいいよねっとがスポンサードを行っているため、選手の国籍を問わずサイクルコンピューターはガーミン Edge510 J(日本語版)を使用していた。その他、サドルはセライタリア、ボトルゲージはデローザのロゴが入ったエリート CUSTUMをアッセンブル。
シマノレーシング 【ジャイアント TCR ADVANCED SL】
フェルトからジャイアントへとスイッチしたシマノレーシングは、全メンバーがチームカラーを纏うオールラウンドモデル「TCR ADVANCED SL」を使用しツアー・オブ・ジャパンを戦った。なお昨年発表され、国内では湘南ベルマーレがメインで使用するエアロモデルのPROPELは供給されていない模様だ。
コンポーネントはシマノ9070系デュラエースDi2。クランクには4アームタイプのSRMを組み合わせる。ホイールはコンポーネントと同じく9000系デュラエースで、組み合わせるタイヤはトラディショナルなアメサイドのヴィットリア CORSA SC。太さは25cで統一している。
ハンドルはシマノがプロデュースするPROで、フォークコラムが通常よりも太いことからジャイアント製のステム「CONTACT OD2」組み合わせる。ただ、畑中勇介のバイクにはハンドルの位置を下げるためにリッチーがキャニオン用に製造する73度のWCS 4Axisが装着されていた。
ブリヂストン・アンカー 【アンカー RIS9、RMZ】
ブリヂストン・アンカーは昨年に引き続き、レディメイドモデルのRIS9とオーダーメイドモデルのRMZというハイエンドモデル2種類を選手の好みで使い分け。昨年よりもRMZの割合が高いように見受けられた。
パーツアッセンブルは昨年からほぼ変更無く、コンポーネントはシマノ9070系デュラエースDi2をメインとし、東京ステージでは初山翔のバイクにのみ7900系のSRMが組み込まれていた。ホイールはコンポーネントと同じく9000系デュラエースで、C35をメインとしながらもC50をチョイスした選手も。タイヤはヴィットリアを基本としながらも、スペアバイクに装着されていたクリンチャーホイールにはブリヂストンのEXTENZAがアッセンブルされていた。
ハンドル周りはPROで、清水都貴と伊丹健治はドロップ部分を大きく送った独特のセッティングを継続。サドルにはセライタリアやフィジークの他、アンカーの完成車に装着されるロゴ入りのオリジナルモデルをチョイスする選手もいた。その他、サイクルコンピューターには日本語版のガーミン Edge510 J、ボトルケージやバーテープにはカブト製品がアッセンブルされる。
マトリックスパワータグ 【フォーカス IZALCO TEAM】
2人の日本人に加え、3人のスペイン人選手を擁しツアー・オブ・ジャパンを戦ったマトリックスパワータグ。国内開幕戦のJBCF宇都宮クリテリウムのプロバイクレポートでお伝えした様に使用するバイクはフォーカス IZALCO TEAMだが、TOJを走ったバイクにはさらに多くのチームメカニックの工夫が多く盛り込まれた。
昨年投入されたリアタイヤのゴミ取り用チェーンが復活したことや、ノーマルクランクのインナーリング(39T)にあわせて短く切られたチェーンキャッチャーがTOJを前に新たに追加されたポイント。その他、大阪でハンドメイドサドルを製造する「アティーク」のカーボン製ゼッケンプレート台座や、ブレーキの引きを軽くするためにジャバラ式のアウターワイヤーを使用する点は宇都宮クリテリウムの際と変更はない。
コンポーネントはシマノで9070系デュラエースDi2や6800系アルテグラなど選手によって異なる。ホイールはマヴィックで、「うちの選手は目立ちたがり屋が多いから」(メカニック談)と東京ステージにはリムハイトの高いCXR80Tを持ち込んだ。その他はハンドル周りのパーツはチネリ、シートポストはConcept CXP、ボトルケージはカブト、サイクルコンピューターはキャットアイ。サドルはサンマルコの各モデルを選手の好みによって使用する。
Team UKYO 【クォータ KOM】
ホセ・ビセンテ(スペイン)が総合4位でフィニッシュしたTeam UKYO。シーズン序盤では選手によってバイクが異なっていたが、ツアー・オブ・ジャパンでは山本隼がミドルグレードのKURAROに乗る以外はハイエンドモデルのKOMで統一されていた。なお、KOMは通常マット仕上げとなっているが、Team UKYOにはグロスカラーが数台供給されている。
TOJではバーテープとボトルを変更し、サイクリングチームと同様に片山右京氏が監督を務め、モータースポーツのスーパーGTに参戦中のグッドスマイルレーシングのマスコットキャラクター「初音ミク」仕様で出走。スパカズのバーテープは水色とピンクの2色巻きで、メカニック曰く「とても大変だった」とのこと。ボトルには初音ミクが描かれていた。
コンポーネントはシマノ9070系デュラエースDi2で統一。足まわりはホイールがTOKEN、タイヤがヴィットリア CORSA CXの23cという組み合わせ。ハンドルまわりはデダ・エレメンティで固められている。その他、サドルはアスチュート、ボトルケージはTOKEN、ペダルはスピードプレイだ。
text&photo:Yuya.Yamamoto
ヴィーニファンティーニ・NIPPO 【デローザ PROTOS】
この春にチームに加入したばかりのグレガ・ボーレ(スロベニア)がポイント賞を獲得し、ピエルパオロ・デネグリ(イタリア)が昨年に続く南信州ステージ2連覇を果たすなど存在感を見せたヴィーニファンティーニ・NIPPO。今シーズンも引き続きデローザのサポートを受け、ハイエンドモデル「PROTOS」を使用する。パーツアッセンブルなども昨年とほぼ変わらない。
コンポーネントは電子式のカンパニョーロ RECORD EPSを使用し、純正のアダプターを用いてBB30規格のボトムブラケットにクランクを装着している。ホイールも同じくカンパニョーロで、50mmハイトのBORA2 ULTRAをメインに使用した。タイヤにはミシュラン PRO4 TUBULARを組み合わせている。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで、トップレンジのK-Forceシリーズを中心とした組み合わせだ。ペダルはルックからタイムにスイッチしており、これが唯一昨年から変更されたポイント。ミドルグレードの「xpresso 6」を使っているのはチームカラーと同じカラーリングであるためだろう。
国内正規代理店を務めるいいよねっとがスポンサードを行っているため、選手の国籍を問わずサイクルコンピューターはガーミン Edge510 J(日本語版)を使用していた。その他、サドルはセライタリア、ボトルゲージはデローザのロゴが入ったエリート CUSTUMをアッセンブル。
シマノレーシング 【ジャイアント TCR ADVANCED SL】
フェルトからジャイアントへとスイッチしたシマノレーシングは、全メンバーがチームカラーを纏うオールラウンドモデル「TCR ADVANCED SL」を使用しツアー・オブ・ジャパンを戦った。なお昨年発表され、国内では湘南ベルマーレがメインで使用するエアロモデルのPROPELは供給されていない模様だ。
コンポーネントはシマノ9070系デュラエースDi2。クランクには4アームタイプのSRMを組み合わせる。ホイールはコンポーネントと同じく9000系デュラエースで、組み合わせるタイヤはトラディショナルなアメサイドのヴィットリア CORSA SC。太さは25cで統一している。
ハンドルはシマノがプロデュースするPROで、フォークコラムが通常よりも太いことからジャイアント製のステム「CONTACT OD2」組み合わせる。ただ、畑中勇介のバイクにはハンドルの位置を下げるためにリッチーがキャニオン用に製造する73度のWCS 4Axisが装着されていた。
ブリヂストン・アンカー 【アンカー RIS9、RMZ】
ブリヂストン・アンカーは昨年に引き続き、レディメイドモデルのRIS9とオーダーメイドモデルのRMZというハイエンドモデル2種類を選手の好みで使い分け。昨年よりもRMZの割合が高いように見受けられた。
パーツアッセンブルは昨年からほぼ変更無く、コンポーネントはシマノ9070系デュラエースDi2をメインとし、東京ステージでは初山翔のバイクにのみ7900系のSRMが組み込まれていた。ホイールはコンポーネントと同じく9000系デュラエースで、C35をメインとしながらもC50をチョイスした選手も。タイヤはヴィットリアを基本としながらも、スペアバイクに装着されていたクリンチャーホイールにはブリヂストンのEXTENZAがアッセンブルされていた。
ハンドル周りはPROで、清水都貴と伊丹健治はドロップ部分を大きく送った独特のセッティングを継続。サドルにはセライタリアやフィジークの他、アンカーの完成車に装着されるロゴ入りのオリジナルモデルをチョイスする選手もいた。その他、サイクルコンピューターには日本語版のガーミン Edge510 J、ボトルケージやバーテープにはカブト製品がアッセンブルされる。
マトリックスパワータグ 【フォーカス IZALCO TEAM】
2人の日本人に加え、3人のスペイン人選手を擁しツアー・オブ・ジャパンを戦ったマトリックスパワータグ。国内開幕戦のJBCF宇都宮クリテリウムのプロバイクレポートでお伝えした様に使用するバイクはフォーカス IZALCO TEAMだが、TOJを走ったバイクにはさらに多くのチームメカニックの工夫が多く盛り込まれた。
昨年投入されたリアタイヤのゴミ取り用チェーンが復活したことや、ノーマルクランクのインナーリング(39T)にあわせて短く切られたチェーンキャッチャーがTOJを前に新たに追加されたポイント。その他、大阪でハンドメイドサドルを製造する「アティーク」のカーボン製ゼッケンプレート台座や、ブレーキの引きを軽くするためにジャバラ式のアウターワイヤーを使用する点は宇都宮クリテリウムの際と変更はない。
コンポーネントはシマノで9070系デュラエースDi2や6800系アルテグラなど選手によって異なる。ホイールはマヴィックで、「うちの選手は目立ちたがり屋が多いから」(メカニック談)と東京ステージにはリムハイトの高いCXR80Tを持ち込んだ。その他はハンドル周りのパーツはチネリ、シートポストはConcept CXP、ボトルケージはカブト、サイクルコンピューターはキャットアイ。サドルはサンマルコの各モデルを選手の好みによって使用する。
Team UKYO 【クォータ KOM】
ホセ・ビセンテ(スペイン)が総合4位でフィニッシュしたTeam UKYO。シーズン序盤では選手によってバイクが異なっていたが、ツアー・オブ・ジャパンでは山本隼がミドルグレードのKURAROに乗る以外はハイエンドモデルのKOMで統一されていた。なお、KOMは通常マット仕上げとなっているが、Team UKYOにはグロスカラーが数台供給されている。
TOJではバーテープとボトルを変更し、サイクリングチームと同様に片山右京氏が監督を務め、モータースポーツのスーパーGTに参戦中のグッドスマイルレーシングのマスコットキャラクター「初音ミク」仕様で出走。スパカズのバーテープは水色とピンクの2色巻きで、メカニック曰く「とても大変だった」とのこと。ボトルには初音ミクが描かれていた。
コンポーネントはシマノ9070系デュラエースDi2で統一。足まわりはホイールがTOKEN、タイヤがヴィットリア CORSA CXの23cという組み合わせ。ハンドルまわりはデダ・エレメンティで固められている。その他、サドルはアスチュート、ボトルケージはTOKEN、ペダルはスピードプレイだ。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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