2014/05/14(水) - 05:46
雨によってスリッピーな周回コースで争われたジロ・デ・イタリア第4ステージ。最終周回のタイムが総合成績に反映されないニュートラル措置が取られ、落車多発のゴールスプリントでナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が勝利した。
イタリア南部に位置するプーリヤ州の州都バーリでジロは本格的に動き出した。アイルランドからの長い長い旅路を終えた選手たちを待っていたのは大会最短の112kmコース。アイルランドでステージ2連勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)は発熱によってスタートしなかった。
ジョヴィナッツォから内陸のビトントの街を経てレースはバーリの中心部へ。後半にかけてバーリの街中と海岸通を組み合わせた8.3kmの周回コースを8周。残り400mの最終コーナーを抜けて、道幅のあるヴィットリオエマヌエーレ二世通りでフィニッシュを迎える。
しかし、このテクニカルな周回コースが雨で濡れたため、スタート前から選手やチームがレースディレクターのマウロ・ヴェーニ氏にその危険性を訴えた。
レースは時間通りスタートしたものの、降り出した雨に打たれながらプロトンはスローペースで走り続ける。カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)やアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)、ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、チームスカイ)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らが大会側と交渉しながらレースは進み、アタックも生まれないままバーリの周回コースへと入っていく。
ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)らがペースを作ったものの、レースはスケジュールよりかなり遅れて進行。プロトンがバーリの周回コースを進む中、最終的に主催者RCSスポルトとUCIコミッセールはフィニッシュ時のボーナスタイムをキャンセルし、最終周回突入時のタイム差を総合成績に反映することに決めた。
中間スプリントポイントでエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)が20ポイントを稼ぎ出した他に動きは生まれず、オリカ・グリーンエッジがリーダーチームとして集団を引き続けて最終周回へ。リスクを避けるためにスピードを弱める選手たちを尻目に、スプリンターたちの闘いが始まった。
オリカ・グリーンエッジに代わって集団先頭に立ったのは、スプリント狙いのキャノンデールとジャイアント・シマノ。タイミング悪く最終周回突入と同時に降り出した雨によって、集団の至るところで落車が発生する。
相次ぐ落車によって集団が割れ、ジャイアント・シマノがリードを保って残り1kmを切る。ジャイアント・シマノはキッテルに代わってルーカ・メスゲツ(スロベニア)でスプリントを狙う作戦だったが、残り400mの最終コーナーで肝心のメスゲツがバランスを崩してチェーントラブル。メスゲツのトラブルを察知した発射台役のトム・フィーラース(オランダ)が先頭でロングスプリントを開始した。
後続を大きく引き離して最終ストレートを駆け抜けたフィーラース。しかしその後ろからナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)とジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)が追撃する。
徐々に失速したフィーラースを抜いて、ブアニとニッツォロが先頭でフィニッシュ。先着したブアニが驚きの表情とともに両手を挙げた。
混乱の平坦ステージを制したブアニはこれがグランツール初勝利。ブアニは残り13kmでパンクに見舞われたものの、チームメイトの力を借りて集団に復帰。なんとかゴールスプリントに間に合わせた。
「パンクでバイクを交換して、1周かけて集団に追いついた。最終周回の落車を何とか避けた後、チームメイトの(セバスティアン)シャヴァネルに連れられて前のグループに追いついたんだ。最終コーナーを抜けてからは、前走者(フィーラース)との20m差を詰めるために全開でもがいたよ」と語るブアニ。表彰台でポイント賞トップの証であるマリアロッサを受け取った。
フィニッシュ時のタイム差がカウントされなかったため、マリアローザはマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がキープ。アイルランドから続いた3連続平坦ステージが終わり、翌日からは起伏のある中級山岳ステージが続く。
ジロ・デ・イタリア2014第4ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text&photo:Kei Tsuji in Bari, Italy
イタリア南部に位置するプーリヤ州の州都バーリでジロは本格的に動き出した。アイルランドからの長い長い旅路を終えた選手たちを待っていたのは大会最短の112kmコース。アイルランドでステージ2連勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)は発熱によってスタートしなかった。
ジョヴィナッツォから内陸のビトントの街を経てレースはバーリの中心部へ。後半にかけてバーリの街中と海岸通を組み合わせた8.3kmの周回コースを8周。残り400mの最終コーナーを抜けて、道幅のあるヴィットリオエマヌエーレ二世通りでフィニッシュを迎える。
しかし、このテクニカルな周回コースが雨で濡れたため、スタート前から選手やチームがレースディレクターのマウロ・ヴェーニ氏にその危険性を訴えた。
レースは時間通りスタートしたものの、降り出した雨に打たれながらプロトンはスローペースで走り続ける。カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)やアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)、ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、チームスカイ)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らが大会側と交渉しながらレースは進み、アタックも生まれないままバーリの周回コースへと入っていく。
ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)らがペースを作ったものの、レースはスケジュールよりかなり遅れて進行。プロトンがバーリの周回コースを進む中、最終的に主催者RCSスポルトとUCIコミッセールはフィニッシュ時のボーナスタイムをキャンセルし、最終周回突入時のタイム差を総合成績に反映することに決めた。
中間スプリントポイントでエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)が20ポイントを稼ぎ出した他に動きは生まれず、オリカ・グリーンエッジがリーダーチームとして集団を引き続けて最終周回へ。リスクを避けるためにスピードを弱める選手たちを尻目に、スプリンターたちの闘いが始まった。
オリカ・グリーンエッジに代わって集団先頭に立ったのは、スプリント狙いのキャノンデールとジャイアント・シマノ。タイミング悪く最終周回突入と同時に降り出した雨によって、集団の至るところで落車が発生する。
相次ぐ落車によって集団が割れ、ジャイアント・シマノがリードを保って残り1kmを切る。ジャイアント・シマノはキッテルに代わってルーカ・メスゲツ(スロベニア)でスプリントを狙う作戦だったが、残り400mの最終コーナーで肝心のメスゲツがバランスを崩してチェーントラブル。メスゲツのトラブルを察知した発射台役のトム・フィーラース(オランダ)が先頭でロングスプリントを開始した。
後続を大きく引き離して最終ストレートを駆け抜けたフィーラース。しかしその後ろからナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)とジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)が追撃する。
徐々に失速したフィーラースを抜いて、ブアニとニッツォロが先頭でフィニッシュ。先着したブアニが驚きの表情とともに両手を挙げた。
混乱の平坦ステージを制したブアニはこれがグランツール初勝利。ブアニは残り13kmでパンクに見舞われたものの、チームメイトの力を借りて集団に復帰。なんとかゴールスプリントに間に合わせた。
「パンクでバイクを交換して、1周かけて集団に追いついた。最終周回の落車を何とか避けた後、チームメイトの(セバスティアン)シャヴァネルに連れられて前のグループに追いついたんだ。最終コーナーを抜けてからは、前走者(フィーラース)との20m差を詰めるために全開でもがいたよ」と語るブアニ。表彰台でポイント賞トップの証であるマリアロッサを受け取った。
フィニッシュ時のタイム差がカウントされなかったため、マリアローザはマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がキープ。アイルランドから続いた3連続平坦ステージが終わり、翌日からは起伏のある中級山岳ステージが続く。
ジロ・デ・イタリア2014第4ステージ結果
1位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 トム・フィーラース(オランダ、ジャイアント・シマノ)
4位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
6位 マッテオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
9位 ベルト・デバッカー(ベルギー、ジャイアント・シマノ)
10位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)
25位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
112位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 トム・フィーラース(オランダ、ジャイアント・シマノ)
4位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
6位 マッテオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
9位 ベルト・デバッカー(ベルギー、ジャイアント・シマノ)
10位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)
25位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
112位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2h22'06"
マリアローザ 個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
4位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
7位 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
8位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
4位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
7位 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
8位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
12h28'43"
+08"
+10"
+14"
+19"
+08"
+10"
+14"
+19"
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text&photo:Kei Tsuji in Bari, Italy
フォトギャラリー
Amazon.co.jp