2014/05/12(月) - 04:07
アイルランドの首都ダブリンにフィニッシュするジロ・デ・イタリア第3ステージで、マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)が優勝。後方から驚異的な加速力で追い上げたキッテルが2連勝を飾ってみせた。
ジロは北アイルランドからアイルランドへ。第3ステージは内陸部のアーマーからアイルランド共和国の首都ダブリンに向かって南下する。
フィニッシュ地点はダブリンの街のど真ん中。市民の憩いの場であるメリオンスクエアの横を駆け抜け、共和国の政府機関がひしめくように立ち並ぶメリオン通りでフィニッシュを迎える。前日同様2つの4級山岳が組み込まれた平坦ステージで、スプリンターの勢いを止めるようなハードルは設定されていない。
このスプリンター向きステージの大部分を、マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)、ヨンデル・ゴドイ(ベネズエラ、アンドローニジョカトリ)、ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア)、バルト・ドックス(ベルギー、ロット・ベリソル)、ジョルジョ・チェッキネル(イタリア、ネーリソットリ)の5名が逃げた。
マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るチャリンギが2日連続の逃げ。当然のように2つの4級山岳を先頭通過したチャリンギが、イタリア行きを前に山岳賞争いにおけるリードを築き上げた。
最大6分まで広がったリードを削るべく、初日のチームタイムトライアルでマリアローザを獲得したスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)が長時間にわたってメイン集団を牽引する。レース中盤にかけてタイム差は3〜4分を推移した。
雨によって完全にウェットな状態となったアイルランドの路面は、この日もプロトンに牙を剥いた。マリアローザを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)も被害者の一人。その他にもミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)やエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)が落車したが、幸い196名の選手全員がダブリンにたどり着いている。
逃げグループの健闘も虚しく、残り10kmの時点でそのリードは15秒に。2011年のツール・ド・北海道総合優勝者で、現コロンビアチャンピオンのルビアーノが独走に持ち込んだものの、残り6kmで吸収される。時を同じくしてニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)がパンクしたものの、チームメイトの力を得てフィニッシュまでに集団に復帰している。
キャノンデールを中心に、スプリンターチームが集団先頭で競り合いながらダブリンの街中へ。エーススプリンターのためにイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)も集団を牽引。残り2kmに差し掛かったところでジャイアント・シマノとチームスカイ、FDJ.frも先頭に出た。
連続コーナーで各チームの隊列が崩れ、人数を残したキャノンデール先頭で残り1km。残り300mの最終コーナーを抜けてエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)が最後のリードアウトを見せ、その後ろからエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)とベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)が同時にスプリントを開始した。
緩斜面&向かい風の中を突き進むスウィフトとヴィヴィアーニ。しかしその後ろからマリアロッサを着る大柄なマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)が迫ってくる。スプリンターを一人ずつ抜き、残り数十メートルでスウィフトを捉えたキッテルが、そのままの勢いでフィニッシュラインまで踏み抜いた。
かなり後方からのロングスプリントでステージ2連勝を飾ったキッテル。26歳の誕生日に勝利を飾ったジャーマンは、苦しいスプリントをこう振り返る。
「コーナーの手前で(発射台の)フィーラースから離れてしまい、30番手あたりまでポジションを下げてしまった。でも『諦めるわけにはいかない』と言い聞かせた。残り300〜400mの時点でまだポジションを下げたままだったので、いつもよりかなり長めのスプリントに出た。スプリントというよりもアタックだった。エネルギーを使い切ったので、フィニッシュ後に倒れ込んでしまったぐらいだ」。
リードアウトトレインを失いながらも、持ち前のスピードと爆発力でジロのゴール前を支配しているキッテル。マリアローザを着てスプリントしたマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)も「彼は世界最速のスプリンターだと証明した。平坦ステージでは手が出せない」とお手上げ状態。イタリア移動後もキッテルフィーバーが続きそうだ。
ジロ・デ・イタリア2014第3ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
マリアアッズーラ 山岳賞
マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text&photo:Kei Tsuji in Dublin, Ireland
ジロは北アイルランドからアイルランドへ。第3ステージは内陸部のアーマーからアイルランド共和国の首都ダブリンに向かって南下する。
フィニッシュ地点はダブリンの街のど真ん中。市民の憩いの場であるメリオンスクエアの横を駆け抜け、共和国の政府機関がひしめくように立ち並ぶメリオン通りでフィニッシュを迎える。前日同様2つの4級山岳が組み込まれた平坦ステージで、スプリンターの勢いを止めるようなハードルは設定されていない。
このスプリンター向きステージの大部分を、マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)、ヨンデル・ゴドイ(ベネズエラ、アンドローニジョカトリ)、ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア)、バルト・ドックス(ベルギー、ロット・ベリソル)、ジョルジョ・チェッキネル(イタリア、ネーリソットリ)の5名が逃げた。
マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るチャリンギが2日連続の逃げ。当然のように2つの4級山岳を先頭通過したチャリンギが、イタリア行きを前に山岳賞争いにおけるリードを築き上げた。
最大6分まで広がったリードを削るべく、初日のチームタイムトライアルでマリアローザを獲得したスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)が長時間にわたってメイン集団を牽引する。レース中盤にかけてタイム差は3〜4分を推移した。
雨によって完全にウェットな状態となったアイルランドの路面は、この日もプロトンに牙を剥いた。マリアローザを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)も被害者の一人。その他にもミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)やエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)が落車したが、幸い196名の選手全員がダブリンにたどり着いている。
逃げグループの健闘も虚しく、残り10kmの時点でそのリードは15秒に。2011年のツール・ド・北海道総合優勝者で、現コロンビアチャンピオンのルビアーノが独走に持ち込んだものの、残り6kmで吸収される。時を同じくしてニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)がパンクしたものの、チームメイトの力を得てフィニッシュまでに集団に復帰している。
キャノンデールを中心に、スプリンターチームが集団先頭で競り合いながらダブリンの街中へ。エーススプリンターのためにイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)も集団を牽引。残り2kmに差し掛かったところでジャイアント・シマノとチームスカイ、FDJ.frも先頭に出た。
連続コーナーで各チームの隊列が崩れ、人数を残したキャノンデール先頭で残り1km。残り300mの最終コーナーを抜けてエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)が最後のリードアウトを見せ、その後ろからエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)とベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)が同時にスプリントを開始した。
緩斜面&向かい風の中を突き進むスウィフトとヴィヴィアーニ。しかしその後ろからマリアロッサを着る大柄なマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)が迫ってくる。スプリンターを一人ずつ抜き、残り数十メートルでスウィフトを捉えたキッテルが、そのままの勢いでフィニッシュラインまで踏み抜いた。
かなり後方からのロングスプリントでステージ2連勝を飾ったキッテル。26歳の誕生日に勝利を飾ったジャーマンは、苦しいスプリントをこう振り返る。
「コーナーの手前で(発射台の)フィーラースから離れてしまい、30番手あたりまでポジションを下げてしまった。でも『諦めるわけにはいかない』と言い聞かせた。残り300〜400mの時点でまだポジションを下げたままだったので、いつもよりかなり長めのスプリントに出た。スプリントというよりもアタックだった。エネルギーを使い切ったので、フィニッシュ後に倒れ込んでしまったぐらいだ」。
リードアウトトレインを失いながらも、持ち前のスピードと爆発力でジロのゴール前を支配しているキッテル。マリアローザを着てスプリントしたマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)も「彼は世界最速のスプリンターだと証明した。平坦ステージでは手が出せない」とお手上げ状態。イタリア移動後もキッテルフィーバーが続きそうだ。
ジロ・デ・イタリア2014第3ステージ結果
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
4位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
5位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 エドウィン・アビラベネガス(コロンビア、コロンビア)
9位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
10位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
30位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
75位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
4位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
5位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 エドウィン・アビラベネガス(コロンビア、コロンビア)
9位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
10位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
30位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
75位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
4h28'43"
+11"
+11"
マリアローザ 個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
4位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
5位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
7位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
8位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
4位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
5位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
7位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
8位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 セルジュ・パウエルス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
10h06'37"
+08"
+10"
+14"
+19"
+08"
+10"
+14"
+19"
マリアロッサ ポイント賞
マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
マリアアッズーラ 山岳賞
マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text&photo:Kei Tsuji in Dublin, Ireland
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