2014/05/02(金) - 04:27
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)の4勝目を、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)が阻止。ツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)第5ステージで、ヴィヴィアーニがジロ・デ・イタリアに向けた手応えを掴んだ。
海沿いのリゾート地マルマリスをスタートし、内陸の山岳地帯を経由して海沿いのトゥルグトレス(当然ながらリゾート地)に至るツアー・オブ・ターキー第5ステージ。平坦ステージに位置づけられているものの、2つのカテゴリー山岳を含む獲得標高差2700mの起伏に富んだコースだ。
トルコ南部の平均気温は例年よりも低く、曇りがちな天候が続いている。177km、4時間半に及んだ第5ステージも雲の流れに合わせて天候がころころと変わる。レース序盤にはザザッと強めの雨が降り、選手たちが慌ててジャケットを着込むシーンも見られた。
山岳賞ジャージ奪回を狙うマルク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)やビューティーズオブターキースプリント賞のリードを広げたいマッティア・ポッツォ(イタリア、ネーリソットリ)を含む7名が飛び出すと、コフィディス率いる集団はすんなりとこの動きを見送った。
比較的大きな逃げグループが形成されたため、オメガファーマ・クイックステップは用心してレース序盤からローテーションに選手を送り込む。多くの観客と多くのトルコ国旗に見守られる中、逃げグループとメイン集団のタイム差は4分を上限に縮小した。
海からの向かい風が吹いたこともあり、残り25kmでタイム差は1分を割り込む。人数を減らしながらも逃げ続けた先頭グループは吸収される(デマールは山岳賞ジャージ奪回、ポッツォはスプリント賞リード拡大に成功)。
残り15kmを切ってから断続的に登場したアップダウンで総合5位メルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ)がサプライズアタックを仕掛けたものの、コフィディスが落ち着いてこれを封じ込める。スプリント4勝目を狙うオメガファーマ・クイックステップを先頭にフィニッシュへと向かった。
ここまでの平坦ステージで圧倒的な力を見せていたオメガファーマトレイン。この日もペタッキ=レンショー=カヴェンディッシュのオーダーでスプリントに突き進む。しかし、長時間の集団牽引の影響もあり、最終ストレートで集団先頭を支配するには至らなかった。
残り200mを切って先に仕掛けたのはヴィヴィアーニだった。カヴェンディッシュ同様、トラックレース出身者特有の低い体勢でヴィヴィアーニがスプリント。慌ててカヴェンディッシュが追撃したが、ヴィヴィアーニに並ぶことは出来ない。
オメガファーマ・クイックステップの牙城を崩したのは、ロット・ベリソルでもベルキンでもなく、キャノンデールだった。
「平坦ステージにしては厳しいコースだったことが有利に働いたよ。今日は残り400mでカヴの後ろについた。その時点でペタッキとレンショーが残っていたけど、カヴにとってはトレインが短すぎたと思う。スピードが上がりきらず、残り200mからスプリントが始まった。ここまでのステージではカヴのトレインに歯が立たなかったけど、今日は長くて起伏に富んだコースだったので、最後の最後に脚の差が出た。これまでカヴェンディッシュとは何度も闘っているけど、いつも彼が1位で自分が2位だった。ようやく夢が叶った気分だ」と、小指を突き上げる独特のポーズでフィニッシュしたヴィヴィアーニ。
「トップレースで初勝利を飾ったのがここトルコだったので、自分にとって特別なレースなんだ。2010年大会の第7ステージで優勝したことをよく覚えている。でもその時は大きな落車で集団が割れ、ヴィスコンティとのスプリントで勝った。今回は大集団でのスプリント勝利。この4年間で大きく成長したと感じるよ。シーズン最大の目標であるジロ・デ・イタリア前のタイミングなので、昨日のステージはリスクを負えなかった。この勝利はジロに向けた良い兆しだ」と、キャノンデールのエーススプリンターは良い感触を得た様子だ。
翌日の第6ステージには大会最後の山頂フィニッシュが設定されている。セルチュクにある「聖母マリアの家」に至る登りは、短いながらも急勾配。前日の危険な下りで落車した総合首位レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)は「右膝を打ったけど問題はない。チームは良い状態だし、ライバルたちの攻撃に応戦する準備は出来ている」と不敵な笑みを浮かべる。直接的なライバルである総合2位アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)とのタイム差は6秒。コフィディスとオリカ・グリーンエッジのバトルが繰り広げられることになりそうだ。
その他の写真はフォトギャラリーをご覧下さい。
ツアー・オブ・ターキー2014第5ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
マルク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
ビューティーズオブターキースプリント賞
マッティア・ポッツォ(イタリア、ネーリソットリ)
チーム総合成績
コフィディス
text&photo:Kei Tsuji in Bodrum, Turkey
海沿いのリゾート地マルマリスをスタートし、内陸の山岳地帯を経由して海沿いのトゥルグトレス(当然ながらリゾート地)に至るツアー・オブ・ターキー第5ステージ。平坦ステージに位置づけられているものの、2つのカテゴリー山岳を含む獲得標高差2700mの起伏に富んだコースだ。
トルコ南部の平均気温は例年よりも低く、曇りがちな天候が続いている。177km、4時間半に及んだ第5ステージも雲の流れに合わせて天候がころころと変わる。レース序盤にはザザッと強めの雨が降り、選手たちが慌ててジャケットを着込むシーンも見られた。
山岳賞ジャージ奪回を狙うマルク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)やビューティーズオブターキースプリント賞のリードを広げたいマッティア・ポッツォ(イタリア、ネーリソットリ)を含む7名が飛び出すと、コフィディス率いる集団はすんなりとこの動きを見送った。
比較的大きな逃げグループが形成されたため、オメガファーマ・クイックステップは用心してレース序盤からローテーションに選手を送り込む。多くの観客と多くのトルコ国旗に見守られる中、逃げグループとメイン集団のタイム差は4分を上限に縮小した。
海からの向かい風が吹いたこともあり、残り25kmでタイム差は1分を割り込む。人数を減らしながらも逃げ続けた先頭グループは吸収される(デマールは山岳賞ジャージ奪回、ポッツォはスプリント賞リード拡大に成功)。
残り15kmを切ってから断続的に登場したアップダウンで総合5位メルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ)がサプライズアタックを仕掛けたものの、コフィディスが落ち着いてこれを封じ込める。スプリント4勝目を狙うオメガファーマ・クイックステップを先頭にフィニッシュへと向かった。
ここまでの平坦ステージで圧倒的な力を見せていたオメガファーマトレイン。この日もペタッキ=レンショー=カヴェンディッシュのオーダーでスプリントに突き進む。しかし、長時間の集団牽引の影響もあり、最終ストレートで集団先頭を支配するには至らなかった。
残り200mを切って先に仕掛けたのはヴィヴィアーニだった。カヴェンディッシュ同様、トラックレース出身者特有の低い体勢でヴィヴィアーニがスプリント。慌ててカヴェンディッシュが追撃したが、ヴィヴィアーニに並ぶことは出来ない。
オメガファーマ・クイックステップの牙城を崩したのは、ロット・ベリソルでもベルキンでもなく、キャノンデールだった。
「平坦ステージにしては厳しいコースだったことが有利に働いたよ。今日は残り400mでカヴの後ろについた。その時点でペタッキとレンショーが残っていたけど、カヴにとってはトレインが短すぎたと思う。スピードが上がりきらず、残り200mからスプリントが始まった。ここまでのステージではカヴのトレインに歯が立たなかったけど、今日は長くて起伏に富んだコースだったので、最後の最後に脚の差が出た。これまでカヴェンディッシュとは何度も闘っているけど、いつも彼が1位で自分が2位だった。ようやく夢が叶った気分だ」と、小指を突き上げる独特のポーズでフィニッシュしたヴィヴィアーニ。
「トップレースで初勝利を飾ったのがここトルコだったので、自分にとって特別なレースなんだ。2010年大会の第7ステージで優勝したことをよく覚えている。でもその時は大きな落車で集団が割れ、ヴィスコンティとのスプリントで勝った。今回は大集団でのスプリント勝利。この4年間で大きく成長したと感じるよ。シーズン最大の目標であるジロ・デ・イタリア前のタイミングなので、昨日のステージはリスクを負えなかった。この勝利はジロに向けた良い兆しだ」と、キャノンデールのエーススプリンターは良い感触を得た様子だ。
翌日の第6ステージには大会最後の山頂フィニッシュが設定されている。セルチュクにある「聖母マリアの家」に至る登りは、短いながらも急勾配。前日の危険な下りで落車した総合首位レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)は「右膝を打ったけど問題はない。チームは良い状態だし、ライバルたちの攻撃に応戦する準備は出来ている」と不敵な笑みを浮かべる。直接的なライバルである総合2位アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)とのタイム差は6秒。コフィディスとオリカ・グリーンエッジのバトルが繰り広げられることになりそうだ。
その他の写真はフォトギャラリーをご覧下さい。
ツアー・オブ・ターキー2014第5ステージ結果
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)
4位 アンドレア・フェーディ(イタリア、ネーリソットリ)
5位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
6位 ラファエル・アンドリアート(ブラジル、ネーリソットリ)
7位 バリー・マルクス(オランダ、ベルキン)
8位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
9位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
10位 アダム・フェラン(オーストラリア、ドラパック)
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)
4位 アンドレア・フェーディ(イタリア、ネーリソットリ)
5位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
6位 ラファエル・アンドリアート(ブラジル、ネーリソットリ)
7位 バリー・マルクス(オランダ、ベルキン)
8位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
9位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
10位 アダム・フェラン(オーストラリア、ドラパック)
4h34'11"
個人総合成績
1位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)
2位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
3位 ロメン・アルディ(フランス、コフィディス)
4位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ)
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)
6位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
7位 ファンホセ・コーボ(スペイン、トルク・セケルスポール)
8位 エンリコ・バルディン(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
10位 アレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ)
2位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
3位 ロメン・アルディ(フランス、コフィディス)
4位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ)
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)
6位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
7位 ファンホセ・コーボ(スペイン、トルク・セケルスポール)
8位 エンリコ・バルディン(イタリア、バルディアーニCSF)
9位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
10位 アレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ)
20h35'05"
+06"
+38"
+43"
+44"
+06"
+38"
+43"
+44"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
マルク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
ビューティーズオブターキースプリント賞
マッティア・ポッツォ(イタリア、ネーリソットリ)
チーム総合成績
コフィディス
text&photo:Kei Tsuji in Bodrum, Turkey
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