2014/02/19(水) - 11:40
2月18日、中東オマーンでツアー・オブ・オマーン(UCI2.HC)が開幕。トップオールラウンダーが集う大会で最高のスタートを切ったのは、ドイツチャンピオンジャージを着るアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)だった。
メイン集団をコントロールするロット・ベリソル photo:Tim de Waele
ツアー・オブ・オマーン2014第1ステージ image:A.S.O.ツアー・オブ・カタールと同じA.S.O.(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)が主催するツアー・オブ・オマーン。ドバイツアーの初開催で注目を集める中東3連戦の締めくくりだ。
並んで走るフランク・シュレクとアンディ・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waele開催は今年で5回目。真っ平らなカタールとは異なり、山がちな地形を利用した山岳コースが組み込まれているのが特徴で、カタールよりも登坂力に長けたオールラウンダーたちの出場が目立つ。
モスクの前を通過する逃げグループ photo:Tim de Waele2013年大会覇者のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)や、2011年の覇者ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)、ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)ら、グランツールでの活躍が期待されるオールラウンダーが集結。
オマーン内陸の山岳地帯に向かうプロトン photo:Tim de Waele2010年の初回大会を制したファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)はシュレク兄弟(ルクセンブルク)とともに出場。トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)やペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)ら、スプリンターも豪華な面子が揃う。
第1ステージはオマーン湾に面した2都市を結ぶ164.5km。前半に標高349mのKOMが登場し、後半は風に警戒しながらオマーン湾を目指す。なお、オマーンには第5ステージの標高1235mグリーンマウンテン山頂フィニッシュを含めて9つのKOMが登場するが、山岳賞ジャージは設定されていない。
スタート後しばらくして形成されたUCIプロコンチネンタルチーム所属の4名(ファンヘッケ、ワレイス、ボエム、バッツァーナ)の逃げは、最大5分35秒のリードで前半のKOMをクリアする。メイン集団を牽引したのはロット・ベリソル。レース後半に差し掛かって向かい風と横風が拭き始めると、オメガファーマ・クイックステップやオリカ・グリーンエッジのペースアップが始まった。
残り22km地点で逃げを飲み込んだメイン集団は、その後もハイペースを維持。すると中切れが発生し、グライペルやロドリゲスが第2集団に取り残されてしまう。ロット・ベリソルは懸命に第2集団を牽引し、残り10km地点で集団を一つに戻した。
オメガファーマ・クイックステップやオリカ・グリーンエッジが積極的な走りを見せたまま残り1km。レース後半にかけて防戦一方だったロット・ベリソルがタイミング良く先頭に出る。シーベルグとルーランズに完璧に発射されたグライペルを止める者は現れなかった。
ゴールスプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) photo:Tim de Waele
今シーズン4勝目を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) photo:Tim de Waele一時は集団脱落の危機に見舞われながらも、チームメイトのサポートを受けて落ち着いて復帰し、勝ちパターンに持ち込んだグライペル。
「最初の90kmはバクとドックスが集団を牽き続け、逃げとのタイム差をコントロールしていた。終盤に集団が割れた時も、向かい風だったので問題はなく、チームメイトと固まって走ることが重要だった。バク、ギャロパン、ファンデンブロックの3人が、リヒハルト、シーベルグ、ルーランズ、そして自分を集団の前方に引き上げ、そこからタイミング抜群のリードアウトに発射されたんだ。勝利に値する走りをしたチームを誇りに思うよ」とコメントしている。ツアー・ダウンアンダーでのステージ2勝とツアー・オブ・カタールでの1勝に続く勝利で、現在シーズン最多勝(4勝)だ。
選手コメントはロット・ベリソル公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2014第1ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 4h03'31"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 ニコラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4位 ナセル・ブアニ(イタリア、FDJ.fr)
5位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
7位 バリー・マルクス(オランダ、ベルキン)
8位 ストゥヴ・シェネル(フランス、AG2Rラモンディアール)
9位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
10位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 4h03'21"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +04"
3位 ニコラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +06"
4位 プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
5位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ) +07"
6位 ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF)
7位 ステイン・デヴォルデル(ベルギー、トレックファクトリーレーシング) +09"
8位 アレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
9位 ナセル・ブアニ(イタリア、FDJ.fr) +10"
10位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
総合敢闘賞
プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
ヤングライダー賞
リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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第1ステージはオマーン湾に面した2都市を結ぶ164.5km。前半に標高349mのKOMが登場し、後半は風に警戒しながらオマーン湾を目指す。なお、オマーンには第5ステージの標高1235mグリーンマウンテン山頂フィニッシュを含めて9つのKOMが登場するが、山岳賞ジャージは設定されていない。
スタート後しばらくして形成されたUCIプロコンチネンタルチーム所属の4名(ファンヘッケ、ワレイス、ボエム、バッツァーナ)の逃げは、最大5分35秒のリードで前半のKOMをクリアする。メイン集団を牽引したのはロット・ベリソル。レース後半に差し掛かって向かい風と横風が拭き始めると、オメガファーマ・クイックステップやオリカ・グリーンエッジのペースアップが始まった。
残り22km地点で逃げを飲み込んだメイン集団は、その後もハイペースを維持。すると中切れが発生し、グライペルやロドリゲスが第2集団に取り残されてしまう。ロット・ベリソルは懸命に第2集団を牽引し、残り10km地点で集団を一つに戻した。
オメガファーマ・クイックステップやオリカ・グリーンエッジが積極的な走りを見せたまま残り1km。レース後半にかけて防戦一方だったロット・ベリソルがタイミング良く先頭に出る。シーベルグとルーランズに完璧に発射されたグライペルを止める者は現れなかった。
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「最初の90kmはバクとドックスが集団を牽き続け、逃げとのタイム差をコントロールしていた。終盤に集団が割れた時も、向かい風だったので問題はなく、チームメイトと固まって走ることが重要だった。バク、ギャロパン、ファンデンブロックの3人が、リヒハルト、シーベルグ、ルーランズ、そして自分を集団の前方に引き上げ、そこからタイミング抜群のリードアウトに発射されたんだ。勝利に値する走りをしたチームを誇りに思うよ」とコメントしている。ツアー・ダウンアンダーでのステージ2勝とツアー・オブ・カタールでの1勝に続く勝利で、現在シーズン最多勝(4勝)だ。
選手コメントはロット・ベリソル公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2014第1ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 4h03'31"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 ニコラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4位 ナセル・ブアニ(イタリア、FDJ.fr)
5位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
7位 バリー・マルクス(オランダ、ベルキン)
8位 ストゥヴ・シェネル(フランス、AG2Rラモンディアール)
9位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
10位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 4h03'21"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +04"
3位 ニコラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +06"
4位 プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
5位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ) +07"
6位 ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF)
7位 ステイン・デヴォルデル(ベルギー、トレックファクトリーレーシング) +09"
8位 アレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
9位 ナセル・ブアニ(イタリア、FDJ.fr) +10"
10位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
総合敢闘賞
プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
ヤングライダー賞
リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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