2014/02/12(水) - 09:13
巨大な資本力と開発力を持つメリダが、ランプレ・メリダのリクエストに応えて作ったフレーム。それがRIDE(ライド)である。パル〜ルーベをはじめとする北のクラシック戦線で投入されたエンデュランスロードバイクの実力とは。
メリダ RIDE CF 97 (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp
同じく台湾に拠点を持つジャイアントに次ぎ、世界第2の規模を誇るメリダにとって、2013年は飛躍の年となった。従来マルチバン・メリダバイキングチームを擁しMTBの世界では絶対的な信頼度を得ていたが、2013シーズンからはイタリア唯一のUCIプロツアーチーム・ランプレの共同スポンサーとなったことで一気にロードレース界にもその名を轟かせた。
メリダの強みは、数々のブランドのOEM生産を請け負うほどの高い技術力と開発力にある。生産を台湾で行っているのに対し開発拠点であるR&Dセンターはドイツに置かれ、工業立国ならではの先進テクノロジーと、コストを抑えて生産できるという、自転車にとって理想的な製造形態がとられているのだ。
ヘッドコラム径は上1-1/8、下1-1/2インチの上下テーパーだ
フロントフォークは内部にリブが設けられ、捻り剛性を上げている
特殊なフォルムを魅せるフロントフォーク
従来MTBモデルに注力していたメリダであるが、ランプレチームへのスポンサードが決まるやいなや、エアロロードのREACTO(リアクト)、タイムトライアルバイクのWARP(ワープ)TT、そして今回テストを行うエンデュランスロードバイクのRIDEという3車種を一気に市場投入。従来のオールラウンドレーシングマシンであるスクラトゥーラと合わせ、鉄壁の布陣を短期間で構築したことは、優れた開発力無くしては成し得なかったことだろう。
そうした経緯で誕生したRIDEが目指したのは、北の地獄(=パリ〜ルーベ)を含むクラシックレースを戦うための新生代エンデュランスロードバイク。スクルトゥーラの走行性能をそのままに、まっすぐに走ることもままならないような荒れた石畳、20%を越える激坂、そして未舗装路が連続して現れる過酷な春のクラシックレースを戦うための快適性と衝撃吸収能力の両立が追い求められた。
スクルトゥーラと比較して若干長めに設定されたヘッドチューブ
トップチューブは緩い曲線を描くことで振動吸収性を高めている
ダウンチューブ内部にはフォーク同様のリブが設けられ、高い剛性を確保する
大口径のダウンチューブからそのままのボリュームを持ってチェーンステーへと接続する
ライドのフォルムで特徴的なのは、非常に細く薄いシートチューブ、そして専用設計された「ダブルチャンバー」フロントフォークだろう。
サドルへの突き上げをカットする役割を与えられたシートステーの厚みはUCI規定ジャストの10mmに設定(ブレーキ取り付け部周辺は制動力確保のため厚くなっている)され、構造的な柔軟性を与えるためにシートチューブとの交点を下に下げている。更にスクルトゥーラでも定評のある植物性由来の繊維をカーボン積層中に織り込むことで、フレーム素材自体での振動吸収能力を高めている。
また、目に見えて振動吸収性を狙った先細り&ベンド形状のフロントフォークだが、ただ柔らかいだけではコーナリング中のブレに繋がってしまう。これを回避するため、ブレード内部にはリブ(隔壁)を設けた「ダブルチャンバーテクノロジー」を採用しており、捻り剛性と快適性の両立を可能に。もちろんコラムまでフルカーボン製であり、ヘッドベアリング径は上1-1/8、下1-1/2インチとされている。
スプロケットは12-30T。ロングライドに最適な歯数構成だ
BB周辺から急激に細くなるチェーンステー
これらの工夫に加え、ライドではスクルトゥーラと比較して長めのヘッドチューブとチェーンステー、若干短めのトップチューブを組み合わせたジオメトリーを採用しており、長時間の過酷なレースを走るプロライダーはもとより、週末のロングライドを楽しむホビーライダーにも大きなメリットがあるのだ。
フォークとリアバックが振動吸収性能に振っている一方で、フロント三角はほぼスクルトゥーラと同様のフォルムとし、ダウンチューブ内部にはフォーク同様のリブが設けられており、プロの脚力を受け止める高い剛性を生み出している。フレーム重量は54サイズで980gだ。
柔軟性に寄与するシートステーは厚さ10mmと非常に薄く、積極的にしなることで突き上げをカットする
扁平なモノステー形式とされたシートステー上部
シフトワイヤーはフレーム内蔵式となる
数種類のモデルがラインナップされているライドだが、今回のテストバイクはプロも使う最上級フレームに、6800系アルテグラとフルクラムのRacing3ホイールを組み合わせた「RIDE CF 97」完成車だ。その実力とは如何に。
ーインプレッション
「完成度の高さはさすが巨大ブランド。どんな路面でも走行性能が高い」江下健太郎(じてんしゃPit)
ビッグブランドであるメリダが初めて作ったロングライドモデルですが、完成度はかなり高く仕上げられています。快適性が生み出す乗り心地はもちろんのこと、反応性や、曲がる止まるといった、ロードレーサーに必要なものがすべて兼ね揃えられていると感じました。
最も強く印象に残ったのは、やはりフォークやリアバックのしなりによる突き上げのカットでしょう。柔軟と言うとヤワなイメージを持つかもしれませんが、ソフトさは縦方向の振動吸収のみに働いており、ダンシングやスプリントのようにパワーをかけても力が逃げず、目立つパワーロスや剛性不足はありません。
「完成度の高さはさすが巨大ブランド。どんな路面でも走行性能が高い」江下健太郎(じてんしゃPit)
細かく説明すると、リアバックが振動吸収のためのしなりを生み出す一方で、前三角はかなりの剛性があると感じます。特にプレスフィットのBB周りや、リブで補強されたダウンチューブがしっかりとしており、ペダリングパワーが逃げず素早い反応を見せてくれました。一般的なホビーレーサーには十分な剛性と反応性を有していると思いますね。
ロングライドや快適性を追求したバイクですから、トータルとして見た場合、ピュアレーシングバイクのようなダイレクトな剛性感ではなく、マックスパワーよりも少し弱いレベルでペダリングした際に気持ちよく進む性格があるようです。全体的な走行性能がは高く、トッププロがパリ〜ルーベで実戦使用するほどのフレーム性能であることを感じます。荒れた路面でしっかりと進んでくれるフレームでした。
今回試乗させていただいたバイクはSサイズで、ヘッドが72度と若干寝ています。ホイールベースも長いため、直進性重視なのかな?と思っていました。しかしハンドリング性能は鈍っておらず、しっかりと機敏なコーナリングができるあたりは、さすが巨大ブランド・メリダと言えるのかもしれません。ステアリングコラム径も上下テーパーであり、フォークのクラウン部分が剛性を確保している一方で、独特な形状のフォークはブレード全体で振動吸収を行っている印象を受けました。このバランス感が優秀で、ハードブレーキングをした場合にも嫌なたわみはありません。
日本ではヨーロッパのような荒れたパヴェこそありませんが、レースではマンホールや道路補修の跡、橋の継ぎ目など予期せぬギャップが次々に現れてきます。実業団レースでは公道サーキットも多いですから、そうした場面では最適でしょう。
振動吸収してくれるフレームに反応性の高いフルクラムのレーシング3、しなやかでありつつもコシがあるコンチネンタルの25cタイヤなど、トータルパッケージとしても良く考えられた組み合わせだと思います。プロロゴのサドルも快適性を増す役割を果たしていて、長い時間座っていても疲れが少ないと思います。特定のライダーしか受け入れてくれないバイクもありますが、このライドに関しては誰でもマッチするはずです。
軽量な日本人でもフレーム性能を発揮できるバイクで、ダボ穴なども含めてさまざまな用途への可能性があります。レース志向の方から、ロングライド志向の方、誰にでもピッタリくる一台だと思います。
「長い距離を走るライダーに、是非乗ってみてほしい」小西裕介(なるしまフレンド)
まさに、長距離用エンデュランスロードバイクという印象です。軽快さを損なわずに、全体的に安定感を出しているので、気持ち良く長い距離走りきれると思います。フレーム自体も振動吸収と剛性感を両立させた面白い作りですね。
「長い距離を走るライダーに、是非乗ってみてほしい」小西裕介(なるしまフレンド) 用途は長距離向けだけに快適性を重視していますが、非常に高い剛性を感じました。ダウンチューブからBB周りまではとてもマッシブなルックスで、スプリントのようにハイパワーでペダルを踏んでもよじれない剛性がありました。
フロントとリアバックもエンデュランスバイクにしてはしっかりしている印象ですが、キチンと振動をカットしてくれるという興味深いフィーリングを受けました。
ダンシングで軽快に進んでいくというよりは、シッティングで緩やかにスピードを増していく場合に気持ちよい進み具合を味わうことができました。登りの場面ではインナーギアを選択して、シッティングでケイデンスを出したほうが、スピードの伸びがよく気持ちよく登ってくれますね。
エンデュランスバイクに良く見受けられる先細りのフロントフォークが振動をカットしていますが、たわみなど不安定な要素は目立ちません。ヘッド周りの高い剛性とも相まって、ハードブレーキング時や荒れた路面でもフォークが弾かれてしまうことありませんでした。これならば誰でも安心してダウンヒルを楽しめるはずです。
ジオメトリーはヘッドが長くアップライトポジションを可能にするエンデュランス系である一方、チェーンステーなどはオーソドックスな長さですから、どんな乗り心地なのだろうと思っていました。ですがしっかりと乗り心地を高めている裏側には、造形の工夫やカーボン素材そのものの工夫があるのでしょう。
このバイクはトッププロ選手が使うフレームに、ロングライドを目的にしたパーツアッセンブルが行われています。脚に優しく、舗装が良好な路面では普段よりも1枚重いギアを使っても足にストレスがかかることがありません。ロングライドに挑む場合には、乗り心地が良く巡航性能も上がるようにディープリムのカーボンホイールを合わせたら良いでしょう。
ベストな使用用途は、グランフォンドや上り下り、悪路ありのロングライドでしょう。レースで使う場合には、短距離の周回サーキットレースよりも、ツール・ド・おきなわや耐久レースのようなロングレースが適しています。その場合はクランク長の変更や、より硬めなタイヤに替えてみるとメリハリのついた乗り方ができると思います。是非長い距離を走るライダーに乗ってほしいバイクです。
メリダ RIDE CF 97 (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp
メリダ RIDE CF 97
フレーム:Ride Carbon Pro-E
サイズ:47、50、52、54
カラー:ランプレ・チームモデル(EWG6)
フォーク:Ride Carbon Superlight
ヘッドセット:Big Conoid A-bearing neck pro
コンポーネント:シマノ 6800系アルテグラ
ホイール:フルクラム Racing 3
完成車重量:7.4kg
価 格:469,000円
インプレライダーのプロフィール
江下健太郎(じてんしゃPit) 江下健太郎(じてんしゃPit)
ロード、MTB、シクロクロスとジャンルを問わず活躍する現役ライダー。かつては愛三工業レーシングに所属し、2005年の実業団チームランキング1位に貢献。1999年MTB&シクロクロスU23世界選手権日本代表。ロードでは2002年ツール・ド・台湾日本代表を経験し、また、ツール・ド・ブルギナファソで敢闘賞を獲得。埼玉県日高市の「じてんしゃPit」店主としてレースの現場から得たノウハウを提供している。愛称は「えしけん」。
じてんしゃPit
小西裕介(なるしまフレンド) 小西裕介(なるしまフレンド)
なるしまフレンド立川店店長。登録レーサーを経験し、メカニックの知識も豊富で走ることからメカのことまでアドバイスできるノウハウを持つ。レース歴は19年。過去ツール・ド・台湾などの国際レースにも出場するなど、トップレベルのロードサイクリストとして活躍した経歴を持つ。脚質はサーキットコースを得意とするスピードマンだ。
なるしまフレンド
ウェア協力:ビエンメ
text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO

同じく台湾に拠点を持つジャイアントに次ぎ、世界第2の規模を誇るメリダにとって、2013年は飛躍の年となった。従来マルチバン・メリダバイキングチームを擁しMTBの世界では絶対的な信頼度を得ていたが、2013シーズンからはイタリア唯一のUCIプロツアーチーム・ランプレの共同スポンサーとなったことで一気にロードレース界にもその名を轟かせた。
メリダの強みは、数々のブランドのOEM生産を請け負うほどの高い技術力と開発力にある。生産を台湾で行っているのに対し開発拠点であるR&Dセンターはドイツに置かれ、工業立国ならではの先進テクノロジーと、コストを抑えて生産できるという、自転車にとって理想的な製造形態がとられているのだ。



従来MTBモデルに注力していたメリダであるが、ランプレチームへのスポンサードが決まるやいなや、エアロロードのREACTO(リアクト)、タイムトライアルバイクのWARP(ワープ)TT、そして今回テストを行うエンデュランスロードバイクのRIDEという3車種を一気に市場投入。従来のオールラウンドレーシングマシンであるスクラトゥーラと合わせ、鉄壁の布陣を短期間で構築したことは、優れた開発力無くしては成し得なかったことだろう。
そうした経緯で誕生したRIDEが目指したのは、北の地獄(=パリ〜ルーベ)を含むクラシックレースを戦うための新生代エンデュランスロードバイク。スクルトゥーラの走行性能をそのままに、まっすぐに走ることもままならないような荒れた石畳、20%を越える激坂、そして未舗装路が連続して現れる過酷な春のクラシックレースを戦うための快適性と衝撃吸収能力の両立が追い求められた。




ライドのフォルムで特徴的なのは、非常に細く薄いシートチューブ、そして専用設計された「ダブルチャンバー」フロントフォークだろう。
サドルへの突き上げをカットする役割を与えられたシートステーの厚みはUCI規定ジャストの10mmに設定(ブレーキ取り付け部周辺は制動力確保のため厚くなっている)され、構造的な柔軟性を与えるためにシートチューブとの交点を下に下げている。更にスクルトゥーラでも定評のある植物性由来の繊維をカーボン積層中に織り込むことで、フレーム素材自体での振動吸収能力を高めている。
また、目に見えて振動吸収性を狙った先細り&ベンド形状のフロントフォークだが、ただ柔らかいだけではコーナリング中のブレに繋がってしまう。これを回避するため、ブレード内部にはリブ(隔壁)を設けた「ダブルチャンバーテクノロジー」を採用しており、捻り剛性と快適性の両立を可能に。もちろんコラムまでフルカーボン製であり、ヘッドベアリング径は上1-1/8、下1-1/2インチとされている。


これらの工夫に加え、ライドではスクルトゥーラと比較して長めのヘッドチューブとチェーンステー、若干短めのトップチューブを組み合わせたジオメトリーを採用しており、長時間の過酷なレースを走るプロライダーはもとより、週末のロングライドを楽しむホビーライダーにも大きなメリットがあるのだ。
フォークとリアバックが振動吸収性能に振っている一方で、フロント三角はほぼスクルトゥーラと同様のフォルムとし、ダウンチューブ内部にはフォーク同様のリブが設けられており、プロの脚力を受け止める高い剛性を生み出している。フレーム重量は54サイズで980gだ。



数種類のモデルがラインナップされているライドだが、今回のテストバイクはプロも使う最上級フレームに、6800系アルテグラとフルクラムのRacing3ホイールを組み合わせた「RIDE CF 97」完成車だ。その実力とは如何に。
ーインプレッション
「完成度の高さはさすが巨大ブランド。どんな路面でも走行性能が高い」江下健太郎(じてんしゃPit)
ビッグブランドであるメリダが初めて作ったロングライドモデルですが、完成度はかなり高く仕上げられています。快適性が生み出す乗り心地はもちろんのこと、反応性や、曲がる止まるといった、ロードレーサーに必要なものがすべて兼ね揃えられていると感じました。
最も強く印象に残ったのは、やはりフォークやリアバックのしなりによる突き上げのカットでしょう。柔軟と言うとヤワなイメージを持つかもしれませんが、ソフトさは縦方向の振動吸収のみに働いており、ダンシングやスプリントのようにパワーをかけても力が逃げず、目立つパワーロスや剛性不足はありません。

細かく説明すると、リアバックが振動吸収のためのしなりを生み出す一方で、前三角はかなりの剛性があると感じます。特にプレスフィットのBB周りや、リブで補強されたダウンチューブがしっかりとしており、ペダリングパワーが逃げず素早い反応を見せてくれました。一般的なホビーレーサーには十分な剛性と反応性を有していると思いますね。
ロングライドや快適性を追求したバイクですから、トータルとして見た場合、ピュアレーシングバイクのようなダイレクトな剛性感ではなく、マックスパワーよりも少し弱いレベルでペダリングした際に気持ちよく進む性格があるようです。全体的な走行性能がは高く、トッププロがパリ〜ルーベで実戦使用するほどのフレーム性能であることを感じます。荒れた路面でしっかりと進んでくれるフレームでした。
今回試乗させていただいたバイクはSサイズで、ヘッドが72度と若干寝ています。ホイールベースも長いため、直進性重視なのかな?と思っていました。しかしハンドリング性能は鈍っておらず、しっかりと機敏なコーナリングができるあたりは、さすが巨大ブランド・メリダと言えるのかもしれません。ステアリングコラム径も上下テーパーであり、フォークのクラウン部分が剛性を確保している一方で、独特な形状のフォークはブレード全体で振動吸収を行っている印象を受けました。このバランス感が優秀で、ハードブレーキングをした場合にも嫌なたわみはありません。
日本ではヨーロッパのような荒れたパヴェこそありませんが、レースではマンホールや道路補修の跡、橋の継ぎ目など予期せぬギャップが次々に現れてきます。実業団レースでは公道サーキットも多いですから、そうした場面では最適でしょう。
振動吸収してくれるフレームに反応性の高いフルクラムのレーシング3、しなやかでありつつもコシがあるコンチネンタルの25cタイヤなど、トータルパッケージとしても良く考えられた組み合わせだと思います。プロロゴのサドルも快適性を増す役割を果たしていて、長い時間座っていても疲れが少ないと思います。特定のライダーしか受け入れてくれないバイクもありますが、このライドに関しては誰でもマッチするはずです。
軽量な日本人でもフレーム性能を発揮できるバイクで、ダボ穴なども含めてさまざまな用途への可能性があります。レース志向の方から、ロングライド志向の方、誰にでもピッタリくる一台だと思います。
「長い距離を走るライダーに、是非乗ってみてほしい」小西裕介(なるしまフレンド)
まさに、長距離用エンデュランスロードバイクという印象です。軽快さを損なわずに、全体的に安定感を出しているので、気持ち良く長い距離走りきれると思います。フレーム自体も振動吸収と剛性感を両立させた面白い作りですね。

フロントとリアバックもエンデュランスバイクにしてはしっかりしている印象ですが、キチンと振動をカットしてくれるという興味深いフィーリングを受けました。
ダンシングで軽快に進んでいくというよりは、シッティングで緩やかにスピードを増していく場合に気持ちよい進み具合を味わうことができました。登りの場面ではインナーギアを選択して、シッティングでケイデンスを出したほうが、スピードの伸びがよく気持ちよく登ってくれますね。
エンデュランスバイクに良く見受けられる先細りのフロントフォークが振動をカットしていますが、たわみなど不安定な要素は目立ちません。ヘッド周りの高い剛性とも相まって、ハードブレーキング時や荒れた路面でもフォークが弾かれてしまうことありませんでした。これならば誰でも安心してダウンヒルを楽しめるはずです。
ジオメトリーはヘッドが長くアップライトポジションを可能にするエンデュランス系である一方、チェーンステーなどはオーソドックスな長さですから、どんな乗り心地なのだろうと思っていました。ですがしっかりと乗り心地を高めている裏側には、造形の工夫やカーボン素材そのものの工夫があるのでしょう。
このバイクはトッププロ選手が使うフレームに、ロングライドを目的にしたパーツアッセンブルが行われています。脚に優しく、舗装が良好な路面では普段よりも1枚重いギアを使っても足にストレスがかかることがありません。ロングライドに挑む場合には、乗り心地が良く巡航性能も上がるようにディープリムのカーボンホイールを合わせたら良いでしょう。
ベストな使用用途は、グランフォンドや上り下り、悪路ありのロングライドでしょう。レースで使う場合には、短距離の周回サーキットレースよりも、ツール・ド・おきなわや耐久レースのようなロングレースが適しています。その場合はクランク長の変更や、より硬めなタイヤに替えてみるとメリハリのついた乗り方ができると思います。是非長い距離を走るライダーに乗ってほしいバイクです。

メリダ RIDE CF 97
フレーム:Ride Carbon Pro-E
サイズ:47、50、52、54
カラー:ランプレ・チームモデル(EWG6)
フォーク:Ride Carbon Superlight
ヘッドセット:Big Conoid A-bearing neck pro
コンポーネント:シマノ 6800系アルテグラ
ホイール:フルクラム Racing 3
完成車重量:7.4kg
価 格:469,000円
インプレライダーのプロフィール

ロード、MTB、シクロクロスとジャンルを問わず活躍する現役ライダー。かつては愛三工業レーシングに所属し、2005年の実業団チームランキング1位に貢献。1999年MTB&シクロクロスU23世界選手権日本代表。ロードでは2002年ツール・ド・台湾日本代表を経験し、また、ツール・ド・ブルギナファソで敢闘賞を獲得。埼玉県日高市の「じてんしゃPit」店主としてレースの現場から得たノウハウを提供している。愛称は「えしけん」。
じてんしゃPit

なるしまフレンド立川店店長。登録レーサーを経験し、メカニックの知識も豊富で走ることからメカのことまでアドバイスできるノウハウを持つ。レース歴は19年。過去ツール・ド・台湾などの国際レースにも出場するなど、トップレベルのロードサイクリストとして活躍した経歴を持つ。脚質はサーキットコースを得意とするスピードマンだ。
なるしまフレンド
ウェア協力:ビエンメ
text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO
Amazon.co.jp