2013/09/22(日) - 01:12
9月22日のチームタイムトライアルを皮切りに、イタリア・フィレンツェを舞台にしたロード世界選手権が開幕する。開催されるのは男女全カテゴリー合わせて12レース。開幕前に、レーススケジュールやコースの特徴をチェックしておこう。
フィレンツェを舞台にした世界一決定戦
イタリア中部、トスカーナ州の州都フィレンツェ(英名フローレンス)。人口37万人の「花の都」が第86回ロード世界選手権を迎え入れる。イタリアでロード世界選手権が行なわれるのは13回目。トスカーナ州では初開催。なお、2004年から2011年までジロ・デ・イタリアの総合ディレクターを務めていたアンジェロ・ゾメニャン氏が大会を取り仕切っている。
世界遺産の宝庫フィレンツェは、年間750万人の観光客が訪れる一大観光地。2004年に中田英寿がプレーしていたACFフィオレンティーナ(セリエA)の本拠地であり、映画「冷静と情熱のあいだ」の舞台として登場するなど、日本人にもなじみが深い。
開催されるのはチームタイムトライアル、個人タイムトライアル、ロードレースの三種目。個人タイムトライアルとロードレースはそれぞれ男女ジュニア、男子U23、男女エリートの5カテゴリー行なわれる。
大会本部はフィレンツェ北部にあるスポーツ複合施設。スタディオ・アルテミオ・フランキ(ACFフィオレンティーナ本拠地)やマンデラフォーラムに隣接したパスクアーレ・パオリ通りにフィニッシュラインが引かれている。
フィニッシュ地点は全カテゴリー共通で、スタート地点が種目やカテゴリーによって異なるのが特徴。近郊のモンテカティーニ・テルメやピストイア、ルッカをスタートしてフィレンツェを目指す。
タイムトライアルのコースはチーム/個人ともにほぼフラットなコースで行なわれる。ロードレースはカテゴリーによってスタート地点が異なるものの、フィレンツェを中心とした16.57kmの周回コースは共通だ。
フィレンツェの周回コースは起伏に富んでおり、前半には高低差226mの「フィエーゾレ」の登りが登場する。フィレンツェを見下ろす標高295mの高台の街フィエーゾレに向かう登りは、登坂距離4370mで平均勾配5.2%、最大勾配9%。スリップストリームが有効に働くような緩斜面区間も多く、インナーリングの出番は少ない。
ハイスピードなダウンヒルと短い平坦区間を挟んで、試走した選手が口々に「壁だった」と語る「サルヴィアーティ通り」の登りがスタート。90度の右コーナーから始まるこの直線的な登りは、登坂距離600mで平均勾配10.2%。後半にかけて勾配が増し、最大勾配は16%に達する(感覚的には20%前後)。
この「サルヴィアーティ」を越えるとフィニッシュラインまで5km。緩斜面のダウンヒルと短い登りを挟み、テクニカルなコーナーを抜けて最終ストレートへ。フィニッシュラインまでは1400mの直線だ。
ロード世界選手権2013スケジュール(出場する日本人選手)
9月22日(日)エリート女子・チームタイムトライアル 42.79km
エリート男子・チームタイムトライアル 57.2km
9月23日(月)ジュニア女子・個人タイムトライアル 16.27km(坂口)
U23男子・個人タイムトライアル 43.49km
9月24日(火)ジュニア男子・個人タイムトライアル 22.05km(岡)
エリート女子・個人タイムトライアル 22.05km(與那嶺)
9月25日(水)エリート男子・個人タイムトライアル 57.9km
9月27日(金)ジュニア女子・ロードレース 82.85km(坂口)
U23男子・ロードレース 173.19km
9月28日(土)ジュニア男子・ロードレース 140.05km(岡・黒枝・横山)
エリート女子・ロードレース 140.05km(上野・與那嶺)
9月29日(日)エリート男子・ロードレース 272.26km
カテゴリー別レースプレビュー
エリート男子/エリート女子チームタイムトライアル 9月22日(日)
世界選手権はいわゆる国対抗戦。どの選手もナショナルジャージを着て出場するのが通例だが、チームタイムトライアルに限り、出場権を得たUCIチーム(世界選手権ではトレードチームと呼ばれる)によるチーム戦であり、通常のチームジャージを着用して争われる。
出場権を得たのは、UCIプロチームの他、各UCIコンチネンタルサーキットの上位チーム。各チーム6名ずつの出場で、エリート男子は57.2km、エリート女子は42.79kmを駆ける。昨年の覇者オメガファーマ・クイックステップを中心に、オリカ・グリーンエッジやスカイプロサイクリング、BMCレーシングチームが優勝に絡んでくるだろう。昨年はスペシャライズドルルレモンが女子エリートのチャンピオンに輝いている。
ジュニア女子個人タイムトライアル 9月23日(月)
フィレンツェの街中を駆け抜ける16.27kmのジュニア女子個人タイムトライアルには、同種目の全日本チャンピオン坂口聖香(パナソニックレディース)が出場。昨年の優勝はエリノア・バーカー(イギリス)。地元イタリアは2002年以降表彰台から遠ざかっている。
ジュニア男子・個人タイムトライアル 9月24日(火)
大会3日目に行なわれるジュニア男子個人タイムトライアルには、同種目の全日本チャンピオン岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム)が出場。コースはジュニア女子のものを延長した22.05kmで、フィレンツェの歴史地区を抜けるテクニカルな後半部分は共通している。昨年の優勝はオスカー・スヴェンセン(ノルウェー)。
エリート女子・個人タイムトライアル 9月24日(火)
同日のジュニア男子と共通した22.05kmコースで行なわれるエリート女子個人タイムトライアルには、全日本チャンピオンの與那嶺恵理(チームフォルツァ)が出場。昨年大会連覇を果たしたユーディト・アルント(ドイツ)は現役を引退しており、新チャンピオンの誕生に注目が集まる。
エリート男子個人タイムトライアル 9月25日(水)
世界最速を決めるエリート男子個人タイムトライアルは、モンテカティーニ・テルメをスタートする全長57.9kmで行なわれる。コースはチームタイムトライアルとほぼ共通であり、スタート後すぐに標高差100mの登りをクリア。そこからフィレンツェまではひたすら直線的&フラットな幹線道路が続く。ドゥオーモ前を含むフィレンツェ歴史地区を駆け抜けるレイアウトは他カテゴリーと共通。
注目はトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)の新旧世界チャンピオン対決だ。2006年、2007年、2009年、2010年の優勝者カンチェラーラと、2011年と2012年の優勝者マルティン。今シーズン復活を遂げたカンチェラーラが、マルティンから「世界最速」の称号を奪い返すことが出来るか。近年、平坦系の個人TTでマルティンは無敵を誇っていたが、ブエルタ・ア・エスパーニャの個人TTではカンチェラーラに37秒差で敗れている。
この二強にブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)やテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)が割って入るか。例年よりも距離が長く、ビッグギアを踏む大柄なスペシャリスト向きのコースだ。
ジュニア女子ロードレース 9月27日(金)
ジュニア女子ロードレースは、16.57kmのフィレンツェ周回コースを5周する82.85km。日本からは全日本チャンピオンの坂口聖香(パナソニックレディース)が単騎出場。坂口はアジア選手権ロードレースで2位に入っている。なお、昨年連覇を果たした1994年生まれのルーシー・ガーナー(イギリス)は今シーズンからエリートに出場する。
ジュニア男子ロードレース 9月28日(土)
ジュニア男子ロードレースは、フィレンツェの西に位置するモンテカティーニ・テルメをスタート。フィレンツェ歴史地区を経て57.2km地点で周回コースに入り、5周してフィニッシュを迎える。コースの全長は140.05km。日本からは岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム)、黒枝咲哉(日出暘谷高校)、横山航太(篠ノ井高校)の3名が出場する。昨年優勝したマテイ・モホリッチ(スロベニア)はU23レースに出場。
エリート女子ロードレース 9月28日(土)
エリート女子ロードレースのコースはジュニア男子と共通。フィレンツェ周回コースを5周する。昨年、5年連続2位から脱して2度目の世界チャンピオンに輝いたマリアンヌ・フォス(オランダ)や、2010年から2連覇を果たしたジョルジャ・ブロンジーニ(イタリア)らが有力。日本からは上野みなみ(鹿屋体育大学)と與那嶺恵理(チームフォルツァ)が出場する。
エリート男子ロードレース 9月29日(日)
世界選手権の最後を飾るのが、エリート男子のロードレース。ティレニア海に近いルッカをスタートし、「モンテカルロ(登坂距離3750m・平均勾配3.5%)」と「サンバロント(登坂距離3900m・平均勾配7.1%)」を経てフィレンツェに向かう。106.6km地点でフィニッシュラインを通過し、そこから16.57kmのフィレンツェ周回コースを10周。コース全長は272.26kmに達する。
合計10回登場する「フィエーゾレ」と「サルヴィアーティ」の登りで集団は人数を減らし、終盤にかけてアタック合戦が繰り広げられるだろう。コース的にスプリンターが勝負に残る可能性は低い。
地元イタリアの期待を背負うのは、今年ジロ・デ・イタリアを制し、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合争いを繰り広げたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)。采配を振るうのはパオロ・ベッティーニ監督だ。
勝負の行方は、ペーター・サガン(スロバキア)やフィリップ・ジルベール(ベルギー)といったスプリント力のある選手が勝負に残れるかどうかに懸かっている。イタリアの他、アレハンドロ・バルベルデ擁するスペインやクリス・フルーム擁するイギリスが積極的に集団を率い、タフな展開に持ち込むはずだ。ダークホースとしてファビアン・カンチェラーラ(スイス)にも注目したい。
text&photo:Kei Tsuji in Firenze, Italy
フィレンツェを舞台にした世界一決定戦
イタリア中部、トスカーナ州の州都フィレンツェ(英名フローレンス)。人口37万人の「花の都」が第86回ロード世界選手権を迎え入れる。イタリアでロード世界選手権が行なわれるのは13回目。トスカーナ州では初開催。なお、2004年から2011年までジロ・デ・イタリアの総合ディレクターを務めていたアンジェロ・ゾメニャン氏が大会を取り仕切っている。
世界遺産の宝庫フィレンツェは、年間750万人の観光客が訪れる一大観光地。2004年に中田英寿がプレーしていたACFフィオレンティーナ(セリエA)の本拠地であり、映画「冷静と情熱のあいだ」の舞台として登場するなど、日本人にもなじみが深い。
開催されるのはチームタイムトライアル、個人タイムトライアル、ロードレースの三種目。個人タイムトライアルとロードレースはそれぞれ男女ジュニア、男子U23、男女エリートの5カテゴリー行なわれる。
大会本部はフィレンツェ北部にあるスポーツ複合施設。スタディオ・アルテミオ・フランキ(ACFフィオレンティーナ本拠地)やマンデラフォーラムに隣接したパスクアーレ・パオリ通りにフィニッシュラインが引かれている。
フィニッシュ地点は全カテゴリー共通で、スタート地点が種目やカテゴリーによって異なるのが特徴。近郊のモンテカティーニ・テルメやピストイア、ルッカをスタートしてフィレンツェを目指す。
タイムトライアルのコースはチーム/個人ともにほぼフラットなコースで行なわれる。ロードレースはカテゴリーによってスタート地点が異なるものの、フィレンツェを中心とした16.57kmの周回コースは共通だ。
フィレンツェの周回コースは起伏に富んでおり、前半には高低差226mの「フィエーゾレ」の登りが登場する。フィレンツェを見下ろす標高295mの高台の街フィエーゾレに向かう登りは、登坂距離4370mで平均勾配5.2%、最大勾配9%。スリップストリームが有効に働くような緩斜面区間も多く、インナーリングの出番は少ない。
ハイスピードなダウンヒルと短い平坦区間を挟んで、試走した選手が口々に「壁だった」と語る「サルヴィアーティ通り」の登りがスタート。90度の右コーナーから始まるこの直線的な登りは、登坂距離600mで平均勾配10.2%。後半にかけて勾配が増し、最大勾配は16%に達する(感覚的には20%前後)。
この「サルヴィアーティ」を越えるとフィニッシュラインまで5km。緩斜面のダウンヒルと短い登りを挟み、テクニカルなコーナーを抜けて最終ストレートへ。フィニッシュラインまでは1400mの直線だ。
ロード世界選手権2013スケジュール(出場する日本人選手)
9月22日(日)エリート女子・チームタイムトライアル 42.79km
エリート男子・チームタイムトライアル 57.2km
9月23日(月)ジュニア女子・個人タイムトライアル 16.27km(坂口)
U23男子・個人タイムトライアル 43.49km
9月24日(火)ジュニア男子・個人タイムトライアル 22.05km(岡)
エリート女子・個人タイムトライアル 22.05km(與那嶺)
9月25日(水)エリート男子・個人タイムトライアル 57.9km
9月27日(金)ジュニア女子・ロードレース 82.85km(坂口)
U23男子・ロードレース 173.19km
9月28日(土)ジュニア男子・ロードレース 140.05km(岡・黒枝・横山)
エリート女子・ロードレース 140.05km(上野・與那嶺)
9月29日(日)エリート男子・ロードレース 272.26km
カテゴリー別レースプレビュー
エリート男子/エリート女子チームタイムトライアル 9月22日(日)
世界選手権はいわゆる国対抗戦。どの選手もナショナルジャージを着て出場するのが通例だが、チームタイムトライアルに限り、出場権を得たUCIチーム(世界選手権ではトレードチームと呼ばれる)によるチーム戦であり、通常のチームジャージを着用して争われる。
出場権を得たのは、UCIプロチームの他、各UCIコンチネンタルサーキットの上位チーム。各チーム6名ずつの出場で、エリート男子は57.2km、エリート女子は42.79kmを駆ける。昨年の覇者オメガファーマ・クイックステップを中心に、オリカ・グリーンエッジやスカイプロサイクリング、BMCレーシングチームが優勝に絡んでくるだろう。昨年はスペシャライズドルルレモンが女子エリートのチャンピオンに輝いている。
ジュニア女子個人タイムトライアル 9月23日(月)
フィレンツェの街中を駆け抜ける16.27kmのジュニア女子個人タイムトライアルには、同種目の全日本チャンピオン坂口聖香(パナソニックレディース)が出場。昨年の優勝はエリノア・バーカー(イギリス)。地元イタリアは2002年以降表彰台から遠ざかっている。
ジュニア男子・個人タイムトライアル 9月24日(火)
大会3日目に行なわれるジュニア男子個人タイムトライアルには、同種目の全日本チャンピオン岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム)が出場。コースはジュニア女子のものを延長した22.05kmで、フィレンツェの歴史地区を抜けるテクニカルな後半部分は共通している。昨年の優勝はオスカー・スヴェンセン(ノルウェー)。
エリート女子・個人タイムトライアル 9月24日(火)
同日のジュニア男子と共通した22.05kmコースで行なわれるエリート女子個人タイムトライアルには、全日本チャンピオンの與那嶺恵理(チームフォルツァ)が出場。昨年大会連覇を果たしたユーディト・アルント(ドイツ)は現役を引退しており、新チャンピオンの誕生に注目が集まる。
エリート男子個人タイムトライアル 9月25日(水)
世界最速を決めるエリート男子個人タイムトライアルは、モンテカティーニ・テルメをスタートする全長57.9kmで行なわれる。コースはチームタイムトライアルとほぼ共通であり、スタート後すぐに標高差100mの登りをクリア。そこからフィレンツェまではひたすら直線的&フラットな幹線道路が続く。ドゥオーモ前を含むフィレンツェ歴史地区を駆け抜けるレイアウトは他カテゴリーと共通。
注目はトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)の新旧世界チャンピオン対決だ。2006年、2007年、2009年、2010年の優勝者カンチェラーラと、2011年と2012年の優勝者マルティン。今シーズン復活を遂げたカンチェラーラが、マルティンから「世界最速」の称号を奪い返すことが出来るか。近年、平坦系の個人TTでマルティンは無敵を誇っていたが、ブエルタ・ア・エスパーニャの個人TTではカンチェラーラに37秒差で敗れている。
この二強にブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)やテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)が割って入るか。例年よりも距離が長く、ビッグギアを踏む大柄なスペシャリスト向きのコースだ。
ジュニア女子ロードレース 9月27日(金)
ジュニア女子ロードレースは、16.57kmのフィレンツェ周回コースを5周する82.85km。日本からは全日本チャンピオンの坂口聖香(パナソニックレディース)が単騎出場。坂口はアジア選手権ロードレースで2位に入っている。なお、昨年連覇を果たした1994年生まれのルーシー・ガーナー(イギリス)は今シーズンからエリートに出場する。
ジュニア男子ロードレース 9月28日(土)
ジュニア男子ロードレースは、フィレンツェの西に位置するモンテカティーニ・テルメをスタート。フィレンツェ歴史地区を経て57.2km地点で周回コースに入り、5周してフィニッシュを迎える。コースの全長は140.05km。日本からは岡篤志(キャノンデールチャンピオンシステム)、黒枝咲哉(日出暘谷高校)、横山航太(篠ノ井高校)の3名が出場する。昨年優勝したマテイ・モホリッチ(スロベニア)はU23レースに出場。
エリート女子ロードレース 9月28日(土)
エリート女子ロードレースのコースはジュニア男子と共通。フィレンツェ周回コースを5周する。昨年、5年連続2位から脱して2度目の世界チャンピオンに輝いたマリアンヌ・フォス(オランダ)や、2010年から2連覇を果たしたジョルジャ・ブロンジーニ(イタリア)らが有力。日本からは上野みなみ(鹿屋体育大学)と與那嶺恵理(チームフォルツァ)が出場する。
エリート男子ロードレース 9月29日(日)
世界選手権の最後を飾るのが、エリート男子のロードレース。ティレニア海に近いルッカをスタートし、「モンテカルロ(登坂距離3750m・平均勾配3.5%)」と「サンバロント(登坂距離3900m・平均勾配7.1%)」を経てフィレンツェに向かう。106.6km地点でフィニッシュラインを通過し、そこから16.57kmのフィレンツェ周回コースを10周。コース全長は272.26kmに達する。
合計10回登場する「フィエーゾレ」と「サルヴィアーティ」の登りで集団は人数を減らし、終盤にかけてアタック合戦が繰り広げられるだろう。コース的にスプリンターが勝負に残る可能性は低い。
地元イタリアの期待を背負うのは、今年ジロ・デ・イタリアを制し、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合争いを繰り広げたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)。采配を振るうのはパオロ・ベッティーニ監督だ。
勝負の行方は、ペーター・サガン(スロバキア)やフィリップ・ジルベール(ベルギー)といったスプリント力のある選手が勝負に残れるかどうかに懸かっている。イタリアの他、アレハンドロ・バルベルデ擁するスペインやクリス・フルーム擁するイギリスが積極的に集団を率い、タフな展開に持ち込むはずだ。ダークホースとしてファビアン・カンチェラーラ(スイス)にも注目したい。
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