2013/08/26(月) - 10:35
第2ステージで早くも山岳ステージが登場したブエルタ2013。ゴールを制したのはグランツール11回目の出場にして初勝利となったニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)。ロッシュはポイント賞・山岳賞・複合賞も獲得。総合1位はヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)へと移行した。
ステージ1位・ポイント賞・山岳賞・複合賞・総合2位のニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)
祝福を受けるニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ) photo:Cor.Vos(グランツール11回の出場での初勝利について)ホッとしている。これまでのグランツールでの成績を考えると、自分の能力に疑問を感じて、優勝できないことにストレスを感じていた。この前、チームメイトのマイケル・ロジャース(オーストラリア)が近いうちに絶対に優勝するはずだと言ってくれた。そしてようやくチーム・タイムトライアルの次のステージで勝つことができた。グランツールのなかでもブエルタは大好きだ。とても満足している。
表彰台に立つニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ) photo:Cor.Vos(チーム内での役割の決定について)自分についてのことだが、11月から12月のあいだに、すべてが決まっていた。つまり、ツール・ド・フランスでチーム、そしてアルベルト・コンタドール(スペイン)のために走ることになっていた。同時に、ブエルタでは自由に走ってよいことも決まっていた。
(今日の優勝でチームのエースになったのでは?)ぼくたちはチームとして仕事をすることになっている。ぼくとロマン・クロイツィゲル(チェコ)に関しては、総合成績を期待されている。ラファル・マイカ(ポーランド)も同じようなことを望まれている。彼はまだ若く、今年のジロで総合7位になった。経験が不足しているが、とても強い。ブエルタは、まだまだ始まったばかりだ。
(ツール・ド・フランス後にオーナーのオレグ・ティンコフ氏がチームを批判したことについて)チーム全員が落ち込んでいた。アルベルト・コンタドールとチームメイトは、ツールで全力を出していたことは保証できる。でも、ぼくたちより強いチームがいた。それだけのことだ。ティンコフ氏は思い通りのことを言える立場だが、残念だ。
総合1位・ステージ16位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
ゴール直後のヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Cor.Vos最後の登りでは、エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)とシルヴェスタ・シュミット(ポーランド、モビスター)が中心となってモビスターのチーム勢が、ペースをかなり上げていた。最後のスプリントになる残り500mまで、ずっとコントロールされていた。とても速いゴールで、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)向けのゴールだった。
自分としては総合を目指した走りをしただけだった。パオロ・ティラロンゴ(イタリア)とヤコブ・フグルサング(デンマーク)が、しっかり牽いてくれた。チームメイトたちはスタートからゴールまで働いた。状況のコントロールについても、かなりうまくいったと思う。
マイヨ・ロホを纏ったヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Cor.Vosアレクサンドル・シェーファー監督が、[サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)やセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)などの]脱落した選手たちの情報をずっと教えてくれた。彼らはがんばった分のツケを払ったのだろう。昨日のチーム・タイムトライアルの後だから考えられることだ。今年のブエルタは山頂ゴールの数が多い。だから、毎日の調子を確かめていくつもりだ。
マイヨロホのキープは挑戦する価値がある。アスタナのチームメイトたちと挑戦してみたい。今のところ、要注意の選手はホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)だ。だけど、今日に限ってはニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)が、ステージ優勝に向けて重要な動きをしていた。[レース公式リリースより]
今日は一日中、集団がナーバスだった。山岳の登り口となる残り30kmの地点で、向かい風が強くなった。チームメイトたちはペースを維持してコントロールした。残り1kmまで効果的にコントロールしていたけど、そこでニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)が飛び出した。チームメイトたちと追いかけてタイム差を縮めようとしたけど、功を奏さず、かなり消耗してしまった。重要なのは、まだ第2ステージで、マドリードまでかなりの距離があることだ。[チーム公式リリースより]
敢闘賞のアレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・シャープ)
逃げるアレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・シャープ) photo:Vuelta a Espana
グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)と一緒にステージの序盤に集団から飛び出した。そのまま逃げられたのは、単に運が良かったからだ。簡単に逃げられるとは予想していなかった。
ステージ優勝を逃したダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) photo:Cor.Vosいつもなら、あんな形で逃げられることはない。逃げが成功したので、ぼくたちはできるだけ長く先頭を走り続けようとしたが、風が強かった。自分でも驚くほど走れたと思う。脚の調子もよいので、ずっと気持ちよく走れていた。
ステージ2位のダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
最後の区間で先行していたので、そのままアタックした。調子はよかったけど、絶好調というわけではなかった。長い休み明けのグランツールの最初の2〜3日では、いつもこういう調子だ。ステージ優勝できなかったのは残念だけど、2位になれた。今日のことを考えると、良い成績だ。
ステージ3位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)
今日の登りは自分向きではなかった。だけど、自分の運を試そうとした。ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)とダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)が、ぼくより速くゴールしてしまった。だけど、今日の手応えに満足している。ステージ優勝できる可能性が増してきた。
ステージ6位・総合24位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ダニエル・モレーノ(スペイン)のアタックに気づいたけど、すぐには付いていけなかった。調子は良いのだけど、レースをできるまでにパフォーマンスを調整できていない。ともかく、ツール・ド・フランスが終わってからからの長い休養明けだから当然だと思う。
数秒遅れたバウク・モレマ(オランダ、ベルキンプロサイクリング) photo:Cor.Vosステージ9位のバウク・モレマ(オランダ、ベルキンプロサイクリング)
レースをするにはベストな状態ではなかった。それで、スプリント勝負にちょっと出遅れてしまって、ゴール間際で数秒を失ってしまった。でも、あまり影響はないと思う。(結果には)満足している。[レース公式リリースより]
グランツールの序盤に山頂ゴールがあるのは、ちょっと無茶がある。でも、うまく乗り切ることができたと思う。[チーム公式リリースより]
ステージ14位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
満足している。今日が初めての山頂ゴールだった。あまり興奮することもなく、今の自分の気持ちをうれしく思う。これでブエルタの終盤に向けて楽観的になることができた。スタート前は、自分があまりレースできないのではないかと少し不安だった。
でも、自分向けではない登りを走り終えたことで、その気持ちはすっかり消え失せてしまった。登り口では、あまり良い位置取りではなかった。風の影響もあったので、残り3kmで前方に上がるのに、かなり消耗してしまった。だから、もっと良い成績になれたかもしれない。でも、それはあまり重要だとは思わない。
総合4位のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
集団内で走るクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) photo:www.radioshackleopardtrek.com登りのペースは速かったがハードではなかった。でも、風が強かった! 緩やかな区間も多かったので、疲弊していた選手たちも快復できていた。アスタナはずっとハイペースで牽いて、モビスターも後からそれに続いた。
終盤に3人がアタックしたが、そこに総合候補がいなかったので、アスタナもモビスターも互いを見合ってから、彼らのアタックを容認していた。そこでペースが落ちて、脱落した選手たちが合流できた。その中にはモビスターの選手もいた。合流直後にモビスターがこの集団でのスプリント勝負を仕掛けてきた。
登りで大きく遅れたサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
今日はバッドデイだった。強さを維持することが出来なかった。競技とはこういうものだ。それほどハードなステージではなかった。今日、自分の経験したことは、他の選手にも起こりうることだ。これで世界が終わるわけでもないし、自分のモチベーションも健在だ。まだまだブエルタには意欲をもって挑むつもりだ。
ニコラス・ロッシュの勝利を喜ぶ宮島マッサー(サクソ・ティンコフ)
ニコラス・ロッシュ選手の美しい勝利。グランツールの前半戦での勝利ゲットによってチームの雰囲気も一段と良くなっています。マッテオ・トザット、エフジェニー・ペトロフを今回のヴエルタでは担当していますが、二人とも嬉しそうにしていました。
そして、チームに帯同している、チームのヘッドのビヤルネ・リース氏もとても喜んでいて、チームカーを飛び下り、ロッシュのために働いて、集団から遅れてきたチームメート全員を待ち、全員を褒めていたそうです。
われわれは、フィニッシュ後の駐車場が大変で、どうやってホテルにスムーズに戻るかを中野マッサーと話していましたが、勝利は嬉しい悲鳴。フィニッシュ地点を出発するころは、山頂付近も大混雑‥‥。今日のマッサージも遅くなってしまいました。
[宮島正典マッサーのブログ「Soigneurの独り言…: 第2ステージ 勝利!!」より抜粋]
※ソースはレース公式リリース、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
ステージ1位・ポイント賞・山岳賞・複合賞・総合2位のニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)
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(今日の優勝でチームのエースになったのでは?)ぼくたちはチームとして仕事をすることになっている。ぼくとロマン・クロイツィゲル(チェコ)に関しては、総合成績を期待されている。ラファル・マイカ(ポーランド)も同じようなことを望まれている。彼はまだ若く、今年のジロで総合7位になった。経験が不足しているが、とても強い。ブエルタは、まだまだ始まったばかりだ。
(ツール・ド・フランス後にオーナーのオレグ・ティンコフ氏がチームを批判したことについて)チーム全員が落ち込んでいた。アルベルト・コンタドールとチームメイトは、ツールで全力を出していたことは保証できる。でも、ぼくたちより強いチームがいた。それだけのことだ。ティンコフ氏は思い通りのことを言える立場だが、残念だ。
総合1位・ステージ16位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
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自分としては総合を目指した走りをしただけだった。パオロ・ティラロンゴ(イタリア)とヤコブ・フグルサング(デンマーク)が、しっかり牽いてくれた。チームメイトたちはスタートからゴールまで働いた。状況のコントロールについても、かなりうまくいったと思う。
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マイヨロホのキープは挑戦する価値がある。アスタナのチームメイトたちと挑戦してみたい。今のところ、要注意の選手はホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)だ。だけど、今日に限ってはニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)が、ステージ優勝に向けて重要な動きをしていた。[レース公式リリースより]
今日は一日中、集団がナーバスだった。山岳の登り口となる残り30kmの地点で、向かい風が強くなった。チームメイトたちはペースを維持してコントロールした。残り1kmまで効果的にコントロールしていたけど、そこでニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)が飛び出した。チームメイトたちと追いかけてタイム差を縮めようとしたけど、功を奏さず、かなり消耗してしまった。重要なのは、まだ第2ステージで、マドリードまでかなりの距離があることだ。[チーム公式リリースより]
敢闘賞のアレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・シャープ)
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グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)と一緒にステージの序盤に集団から飛び出した。そのまま逃げられたのは、単に運が良かったからだ。簡単に逃げられるとは予想していなかった。
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ステージ2位のダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
最後の区間で先行していたので、そのままアタックした。調子はよかったけど、絶好調というわけではなかった。長い休み明けのグランツールの最初の2〜3日では、いつもこういう調子だ。ステージ優勝できなかったのは残念だけど、2位になれた。今日のことを考えると、良い成績だ。
ステージ3位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)
今日の登りは自分向きではなかった。だけど、自分の運を試そうとした。ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)とダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)が、ぼくより速くゴールしてしまった。だけど、今日の手応えに満足している。ステージ優勝できる可能性が増してきた。
ステージ6位・総合24位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ダニエル・モレーノ(スペイン)のアタックに気づいたけど、すぐには付いていけなかった。調子は良いのだけど、レースをできるまでにパフォーマンスを調整できていない。ともかく、ツール・ド・フランスが終わってからからの長い休養明けだから当然だと思う。
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レースをするにはベストな状態ではなかった。それで、スプリント勝負にちょっと出遅れてしまって、ゴール間際で数秒を失ってしまった。でも、あまり影響はないと思う。(結果には)満足している。[レース公式リリースより]
グランツールの序盤に山頂ゴールがあるのは、ちょっと無茶がある。でも、うまく乗り切ることができたと思う。[チーム公式リリースより]
ステージ14位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
満足している。今日が初めての山頂ゴールだった。あまり興奮することもなく、今の自分の気持ちをうれしく思う。これでブエルタの終盤に向けて楽観的になることができた。スタート前は、自分があまりレースできないのではないかと少し不安だった。
でも、自分向けではない登りを走り終えたことで、その気持ちはすっかり消え失せてしまった。登り口では、あまり良い位置取りではなかった。風の影響もあったので、残り3kmで前方に上がるのに、かなり消耗してしまった。だから、もっと良い成績になれたかもしれない。でも、それはあまり重要だとは思わない。
総合4位のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
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終盤に3人がアタックしたが、そこに総合候補がいなかったので、アスタナもモビスターも互いを見合ってから、彼らのアタックを容認していた。そこでペースが落ちて、脱落した選手たちが合流できた。その中にはモビスターの選手もいた。合流直後にモビスターがこの集団でのスプリント勝負を仕掛けてきた。
登りで大きく遅れたサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
今日はバッドデイだった。強さを維持することが出来なかった。競技とはこういうものだ。それほどハードなステージではなかった。今日、自分の経験したことは、他の選手にも起こりうることだ。これで世界が終わるわけでもないし、自分のモチベーションも健在だ。まだまだブエルタには意欲をもって挑むつもりだ。
ニコラス・ロッシュの勝利を喜ぶ宮島マッサー(サクソ・ティンコフ)
ニコラス・ロッシュ選手の美しい勝利。グランツールの前半戦での勝利ゲットによってチームの雰囲気も一段と良くなっています。マッテオ・トザット、エフジェニー・ペトロフを今回のヴエルタでは担当していますが、二人とも嬉しそうにしていました。
そして、チームに帯同している、チームのヘッドのビヤルネ・リース氏もとても喜んでいて、チームカーを飛び下り、ロッシュのために働いて、集団から遅れてきたチームメート全員を待ち、全員を褒めていたそうです。
われわれは、フィニッシュ後の駐車場が大変で、どうやってホテルにスムーズに戻るかを中野マッサーと話していましたが、勝利は嬉しい悲鳴。フィニッシュ地点を出発するころは、山頂付近も大混雑‥‥。今日のマッサージも遅くなってしまいました。
[宮島正典マッサーのブログ「Soigneurの独り言…: 第2ステージ 勝利!!」より抜粋]
※ソースはレース公式リリース、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
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