2013/06/08(土) - 04:47
現在開催中のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと同時進行で、スイスでは第77回ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が開催される。「第4のグランツール」と呼ばれる歴史ある大会にはヴァンガーデレンやクロイツィゲル、Aシュレク、サガン、ジルベールらが出場予定だ。
2日目に山頂フィニッシュ登場 フィナーレは山岳個人TT
同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並んで、ツール・ド・フランス前哨戦として知られるツール・ド・スイス。7月のツールを狙うオールラウンダーやスプリンターたちが挙って出場する。
その歴史は古く、第1回大会が開催されたのは今から79年前の1933年。ドーフィネよりも14年歴史が長く、今年で開催76回目を迎える。全9ステージで、歴史だけではなく開催期間もドーフィネよりも長い。かつては12ステージで行なわれていたことから「第4のグランツール」とも呼ばれていた。
コースの特徴として、スイスにはスプリンターにチャンスがある平坦ステージが多く設定される。そのため、ツールに向けて最終調整に入るスプリンターたちの出場は、ドーフィネではなくこのスイスに集中する。
2013年はスイス南部イタリア語圏のクイントで開幕する。イタリア語圏から西部のフランス語圏に入り、後半は北部〜東部のドイツ語圏を走る。「スイス一周レース」という名に相応しく、スイス全土を巡るイメージだ。
初日は8.1kmの個人タイムトライアル。第1ステージとしてカウントされているが、実質的には顔見せ要素の強いプロローグだ。第2ステージには早速2つの難関山岳が登場。今大会唯一の山頂フィニッシュである標高1672m・1級山岳クランモンタナで早くもリーダージャージは優勝候補の手に渡る。
ゴール16km手前に1級山岳が置かれた第3ステージと、ゴール9km手前で超級山岳アルブラ峠を越える第7ステージ、そして最終日の個人タイムトライアルで総合争いは決する。それ以外のステージ(第4・5・6・8ステージ)はスプリンター向きだと言っていい。
最終個人TTは登りを含む厳しいもの。全長は26.8kmでゴール手前の10.3kmで標高差928mを駆け上がる。平均勾配9.0%という急勾配の登りがツール・ド・スイスのフィナーレだ。
ツール・ド・スイス2013ステージリスト
6月8日(土)第1ステージ クイント〜クイント 8.1km(個人TT)
6月9日(日)第2ステージ クイント〜クラン・モンタナ 161.3km
6月10日(月)第3ステージ モントロー〜マイリンゲン 204.9km
6月11日(火)第4ステージ インナートキルヒェン〜ブオクス 174.4km
6月12日(水)第5ステージ ブオクス〜ロイッガーン 178.4km
6月13日(木)第6ステージ ロイッガーン〜マイレン 187.9km
6月14日(金)第7ステージ マイレン〜ラ・プント 206.0km
6月15日(土)第8ステージ ツェルネツ〜バート・ラガツ 180.5km
6月16日(日)第9ステージ バート・ラガツ〜フルムサーベルク 26.8km(個人TT)
ドーフィネ同様マイヨジョーヌ狙いのオールラウンダーが揃う
ディフェンディングチャンピオンのルイ・コスタ(ポルトガル)はモビスターのエースとして出場する。しかし今年は例年以上に総合狙いの面子が豪華。コスタの大会連覇は難しいものになるはずだ。
ツアー・オブ・カリフォルニアで総合優勝を果たし、ツールでBMCレーシングチームのサブエースを務めるティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)が優勝候補の筆頭だ。スイスでの走り如何によってツールでエースを任される可能性も出てくるだろう。
アムステル・ゴールドレースを制したロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)にも注目。クロイツィゲルは今から5年前、22歳の時にツール・ド・スイスで総合優勝を果たし、一躍その名を世界に轟かせた。
2009年大会の総合優勝者ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)はアンディ・シュレク(ルクセンブルク)とともに出場。今年は厳しい山岳が設定されているため総合優勝には絡まないと思われるが、個人タイムトライアルを中心に地元スイスを沸かせるはずだ。
連覇が懸かったジロ・デ・イタリアを途中リタイアしたライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)は、ツールに向けて調子を見ながらの出場。おそらくリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの覇者ダニエル・マーティン(アイルランド)がエースを担う。
ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ)やペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)、モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)、イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)、そしてジロを2年連続総合4位で終えたミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らも総合上位に絡んでくるだろう。
注目すべきスプリンターは数多いが、中でもペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)の動きには注意したい。昨年ツールでマイヨヴェールを獲得したサガンは、前哨戦のこのスイスでステージ4勝&ポイント賞を獲得している。
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)やタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)、トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、マーク・レンショー(オーストラリア、ブランコプロサイクリング)、マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、アルノー・デマール(フランス、FDJ)ら、グランツール並のスプリンターが勢揃い。世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)はそろそろシーズン1勝目が欲しいところだ。
text:Kei Tsuji
2日目に山頂フィニッシュ登場 フィナーレは山岳個人TT
同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並んで、ツール・ド・フランス前哨戦として知られるツール・ド・スイス。7月のツールを狙うオールラウンダーやスプリンターたちが挙って出場する。
その歴史は古く、第1回大会が開催されたのは今から79年前の1933年。ドーフィネよりも14年歴史が長く、今年で開催76回目を迎える。全9ステージで、歴史だけではなく開催期間もドーフィネよりも長い。かつては12ステージで行なわれていたことから「第4のグランツール」とも呼ばれていた。
コースの特徴として、スイスにはスプリンターにチャンスがある平坦ステージが多く設定される。そのため、ツールに向けて最終調整に入るスプリンターたちの出場は、ドーフィネではなくこのスイスに集中する。
2013年はスイス南部イタリア語圏のクイントで開幕する。イタリア語圏から西部のフランス語圏に入り、後半は北部〜東部のドイツ語圏を走る。「スイス一周レース」という名に相応しく、スイス全土を巡るイメージだ。
初日は8.1kmの個人タイムトライアル。第1ステージとしてカウントされているが、実質的には顔見せ要素の強いプロローグだ。第2ステージには早速2つの難関山岳が登場。今大会唯一の山頂フィニッシュである標高1672m・1級山岳クランモンタナで早くもリーダージャージは優勝候補の手に渡る。
ゴール16km手前に1級山岳が置かれた第3ステージと、ゴール9km手前で超級山岳アルブラ峠を越える第7ステージ、そして最終日の個人タイムトライアルで総合争いは決する。それ以外のステージ(第4・5・6・8ステージ)はスプリンター向きだと言っていい。
最終個人TTは登りを含む厳しいもの。全長は26.8kmでゴール手前の10.3kmで標高差928mを駆け上がる。平均勾配9.0%という急勾配の登りがツール・ド・スイスのフィナーレだ。
ツール・ド・スイス2013ステージリスト
6月8日(土)第1ステージ クイント〜クイント 8.1km(個人TT)
6月9日(日)第2ステージ クイント〜クラン・モンタナ 161.3km
6月10日(月)第3ステージ モントロー〜マイリンゲン 204.9km
6月11日(火)第4ステージ インナートキルヒェン〜ブオクス 174.4km
6月12日(水)第5ステージ ブオクス〜ロイッガーン 178.4km
6月13日(木)第6ステージ ロイッガーン〜マイレン 187.9km
6月14日(金)第7ステージ マイレン〜ラ・プント 206.0km
6月15日(土)第8ステージ ツェルネツ〜バート・ラガツ 180.5km
6月16日(日)第9ステージ バート・ラガツ〜フルムサーベルク 26.8km(個人TT)
ドーフィネ同様マイヨジョーヌ狙いのオールラウンダーが揃う
ディフェンディングチャンピオンのルイ・コスタ(ポルトガル)はモビスターのエースとして出場する。しかし今年は例年以上に総合狙いの面子が豪華。コスタの大会連覇は難しいものになるはずだ。
ツアー・オブ・カリフォルニアで総合優勝を果たし、ツールでBMCレーシングチームのサブエースを務めるティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)が優勝候補の筆頭だ。スイスでの走り如何によってツールでエースを任される可能性も出てくるだろう。
アムステル・ゴールドレースを制したロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)にも注目。クロイツィゲルは今から5年前、22歳の時にツール・ド・スイスで総合優勝を果たし、一躍その名を世界に轟かせた。
2009年大会の総合優勝者ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)はアンディ・シュレク(ルクセンブルク)とともに出場。今年は厳しい山岳が設定されているため総合優勝には絡まないと思われるが、個人タイムトライアルを中心に地元スイスを沸かせるはずだ。
連覇が懸かったジロ・デ・イタリアを途中リタイアしたライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)は、ツールに向けて調子を見ながらの出場。おそらくリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの覇者ダニエル・マーティン(アイルランド)がエースを担う。
ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ)やペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)、モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)、イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)、そしてジロを2年連続総合4位で終えたミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らも総合上位に絡んでくるだろう。
注目すべきスプリンターは数多いが、中でもペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)の動きには注意したい。昨年ツールでマイヨヴェールを獲得したサガンは、前哨戦のこのスイスでステージ4勝&ポイント賞を獲得している。
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)やタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)、トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、マーク・レンショー(オーストラリア、ブランコプロサイクリング)、マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、アルノー・デマール(フランス、FDJ)ら、グランツール並のスプリンターが勢揃い。世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)はそろそろシーズン1勝目が欲しいところだ。
text:Kei Tsuji
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