2013/05/27(月) - 14:08
約200kmと最終日にしては長距離だった第21ステージ。ブレシアのゴールスプリントを制したのはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)。総合優勝はヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が確定させた。
総合優勝のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
今日まで数多くの質問を受けてきた。今日はまるでツールの最終日のようだった。今日のステージは総距離200kmにわたって、道沿いにたくさんの観客がいて、とても壮観な光景だった。ぼくや自転車競技の世界にとっては、説明しがたい、そして信じられないほど素晴らしい喜びだった。
ぼくは自分のトレーニングのデータを記録し続けている。しかし、あまり体系的というわけではない。走行距離も測定しないし、そういうものにはあまり興味がないんだ。
単にしっかり走れたかを毎日試しているだけだ。だから、今回のジロも同じように走った。毎日、しっかり走るようにして、ベストを尽くした。そして、最後には夢が実現した。
ぼくは自分自身のありかたを変えたことはない。ずっとこういう感じだった。この数年は選手として、自分自身を向上させようとしてきた。しかし、自分の性格は変わっていない。他人に対してオープンで丁寧でいたいと思う。たとえ、毎日のレースが過酷になったとしても。
ステージ優勝・ポイント賞のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
ぼくはごくシンプルに勝利依存症だ。子供のころから、自分の行動すべてについて、ベストを尽くすだけでは満足できず、誰よりも一番上になることを望んだ。そして、自分のまわりにチームができて、自分に尽くしてくれるなら、彼らに100%の自分を提供しなければならない。
ぼくは充分なお金をもらっているから勝利する必要がある。仮に、ぼくより強い選手が現われたなら、ぼくは家に帰ってハードな練習をこなして、より速くなってカムバックするだけだ。
山岳賞を確定させたステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
ジロが始まる前の目標は新人賞の白いジャージを獲得することだった。残念なことに、その望みは叶わなかった。でも、山岳賞のマリア・アズーラを獲得できて、第9ステージのフィレンツェからずっとキープできたことも誇らしく思う。
この山岳賞ジャージのことを考え始めたのは、この前の冬期トレーニングキャンプのことだった。いま、その夢が実現したことが信じられないし、自分の気持ちをうまく表現できない。いまこの場所に家族やチーム、スポンサーやファンの人々と一緒にいて、この喜びの感情を共有できることがなにより素晴らしいと思う。
この山岳賞ジャージを第9ステージから今日までキープするのは簡単ではなかった。毎日アタックしてポイントを稼いで、他の選手との差を広げる必要があった。クライマーにとっては、このジャージは特別に重要な意味がある。チームにとってもそうだろう。この素晴らしい結果を出発点にして、自分の新たな選手生活へと旅立ちたい——つまり、より責任のある役目への準備はできている。
新人賞のカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)
今年はアルゼンチン(ツール・ド・サンルイス)でシーズンインして以来、ずっと自分にとって良いことが続いている。自分のキャリアのなかでも最高の成績が出せている。この新人賞のマリア・ビアンカが今後の良い切っ掛けになればいいと思う。
ウランは将来に大きな可能性を秘めた選手だ。クライマーとしても優れているし、タイムトライアルも速い。だから、ぼくを打ち負かして、ジロで最初に優勝するコロンビア人になるのは、おそらくウランだと思う。
チーム総合優勝とリゴベルト・ウランの総合2位を喜ぶスカイプロサイクリングのマルクス・ユーンクイスト監督
最終ステージはいつも、落車やトラブルなしで終わってほしいと思うものだ。今日は最後まで無事に終わってほっとしている。
最初からずっと、このチームの実力が光っていたと思う。総合2位、チーム総合優勝、そしてステージ2勝という結果に満足せずにはいられない。マリア・ローザは次の機会にお預けとなった。今日は最強の選手がこのレースで総合優勝を果たした。ヴィンチェンツォ・ニーバリと彼のチーム全員を祝福したい。彼らは総合優勝するにふさわしかった。しかし、このチームにとっては、早い段階でブラドレー・ウィギンズを欠いたにも関わらず、総合2位の成績は大きな成果だ。
天候のせいで本当にハードなレースだったが、良いレースだった。ウランはまったく不調な日を迎えることなく乗り切った。彼は、他の選手たちが少し調子を落としても、自分のレベルをしっかり維持することができる。それで差をつけることができた。チーム総合優勝は、選手やスタッフにとっても非常に良いことだ。後になって、このレースを振り返ろうとしたときに、すぐに思い出すことができる。この賞を獲得できて、本当に良かった。
総合3位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
初日から言っている通り、今回の出場目的はレース生活への復帰だった。昨年は病気になってしまったから、まずは自分のベストに戻すことだった。成績に注目するのではなく、パフォーマンスという目的に注目すれば、とても成功したレースだった。結果として表彰台に立てたのはある意味、単なるトレーニングの走行だったにしても意義がある。
みんなも楽しめばいいと思う。ぼくのモットーは最大限の力を出すことで、実際にそうした。いくつかの間違いもしたし、失敗もした——そういった事態は予想できなかった。しかし、起きてしまった。でも、結果として最大限の力を出すという目的は発揮できたし、表彰台に立てたという事実に満足している。
ステージ2位のサーシャ・モードロ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
自転車は不思議なスポーツだ。ぼくは昨日、ストレスいっぱいに最後尾でゴールしたのに、今日はあと一歩で優勝という位置でゴールした。カヴェンディッシュのコースを予想しようとしたのは、ぼくが彼に勝てる唯一の方法だったからだ。
しかし、彼は強すぎる。最後の数メートルで、ぼくを抜き去ってしまった。最終的には、この2位の順位は自分としては可能な限りベストな順位だと思う。不運なことも多かったけど、最後にはしっかりスプリント勝負に絡める余裕もあった。それに、世界最速のスプリンターと問題なく競り合える実力も示せた。
ステージ5位のルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)
初めてのグランツールが終わった。完走して疲れた! アルゴス・シマノのみんなとイタリアでの素晴らしい3週間を過ごせて感謝している!
この最終日に家族や友人たちの顔を見ることができたのは、とてもうれしかった。メスゲツがツィートした写真
現役を引退する2000年のジロの覇者ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)
この日を迎えることができて、誰よりも特別に感謝したい人物が3人いる。ぼくのことを信じてくれた(監督の)ルーカ・シントと(チームマネージャーの)アンジェロ・チトラッカ。そして、ぼくの兄のマークだ。マークは去年、ぼくがジロに出場できず、さらにチームが解散したことに心を痛め、今日のような日を迎えることができるように全力を尽くしてくれた。ぼくはもう満足だし、これ以上のことは望まない。
自分のジロの成績は確実に全盛期には及ばない。しかし、2000年にジロで総合優勝したことは、確実に自分に感動を与えてくれた。ぼくに暖かい声援を投げかけてくれたすべての人々に感謝したい。RAI(イタリア放送協会)が作ってくれたビデオクリップは美しかった。ぼくは良い思い出とともに去る。なによりも、ぼくはずっと皆と共に正しく行動してきたことを誇りに思う。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
photo:Kei.Tsuji,Riccardo Scanferla,CorVos
総合優勝のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
今日まで数多くの質問を受けてきた。今日はまるでツールの最終日のようだった。今日のステージは総距離200kmにわたって、道沿いにたくさんの観客がいて、とても壮観な光景だった。ぼくや自転車競技の世界にとっては、説明しがたい、そして信じられないほど素晴らしい喜びだった。
ぼくは自分のトレーニングのデータを記録し続けている。しかし、あまり体系的というわけではない。走行距離も測定しないし、そういうものにはあまり興味がないんだ。
単にしっかり走れたかを毎日試しているだけだ。だから、今回のジロも同じように走った。毎日、しっかり走るようにして、ベストを尽くした。そして、最後には夢が実現した。
ぼくは自分自身のありかたを変えたことはない。ずっとこういう感じだった。この数年は選手として、自分自身を向上させようとしてきた。しかし、自分の性格は変わっていない。他人に対してオープンで丁寧でいたいと思う。たとえ、毎日のレースが過酷になったとしても。
ステージ優勝・ポイント賞のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
ぼくはごくシンプルに勝利依存症だ。子供のころから、自分の行動すべてについて、ベストを尽くすだけでは満足できず、誰よりも一番上になることを望んだ。そして、自分のまわりにチームができて、自分に尽くしてくれるなら、彼らに100%の自分を提供しなければならない。
ぼくは充分なお金をもらっているから勝利する必要がある。仮に、ぼくより強い選手が現われたなら、ぼくは家に帰ってハードな練習をこなして、より速くなってカムバックするだけだ。
山岳賞を確定させたステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
ジロが始まる前の目標は新人賞の白いジャージを獲得することだった。残念なことに、その望みは叶わなかった。でも、山岳賞のマリア・アズーラを獲得できて、第9ステージのフィレンツェからずっとキープできたことも誇らしく思う。
この山岳賞ジャージのことを考え始めたのは、この前の冬期トレーニングキャンプのことだった。いま、その夢が実現したことが信じられないし、自分の気持ちをうまく表現できない。いまこの場所に家族やチーム、スポンサーやファンの人々と一緒にいて、この喜びの感情を共有できることがなにより素晴らしいと思う。
この山岳賞ジャージを第9ステージから今日までキープするのは簡単ではなかった。毎日アタックしてポイントを稼いで、他の選手との差を広げる必要があった。クライマーにとっては、このジャージは特別に重要な意味がある。チームにとってもそうだろう。この素晴らしい結果を出発点にして、自分の新たな選手生活へと旅立ちたい——つまり、より責任のある役目への準備はできている。
新人賞のカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)
今年はアルゼンチン(ツール・ド・サンルイス)でシーズンインして以来、ずっと自分にとって良いことが続いている。自分のキャリアのなかでも最高の成績が出せている。この新人賞のマリア・ビアンカが今後の良い切っ掛けになればいいと思う。
ウランは将来に大きな可能性を秘めた選手だ。クライマーとしても優れているし、タイムトライアルも速い。だから、ぼくを打ち負かして、ジロで最初に優勝するコロンビア人になるのは、おそらくウランだと思う。
チーム総合優勝とリゴベルト・ウランの総合2位を喜ぶスカイプロサイクリングのマルクス・ユーンクイスト監督
最終ステージはいつも、落車やトラブルなしで終わってほしいと思うものだ。今日は最後まで無事に終わってほっとしている。
最初からずっと、このチームの実力が光っていたと思う。総合2位、チーム総合優勝、そしてステージ2勝という結果に満足せずにはいられない。マリア・ローザは次の機会にお預けとなった。今日は最強の選手がこのレースで総合優勝を果たした。ヴィンチェンツォ・ニーバリと彼のチーム全員を祝福したい。彼らは総合優勝するにふさわしかった。しかし、このチームにとっては、早い段階でブラドレー・ウィギンズを欠いたにも関わらず、総合2位の成績は大きな成果だ。
天候のせいで本当にハードなレースだったが、良いレースだった。ウランはまったく不調な日を迎えることなく乗り切った。彼は、他の選手たちが少し調子を落としても、自分のレベルをしっかり維持することができる。それで差をつけることができた。チーム総合優勝は、選手やスタッフにとっても非常に良いことだ。後になって、このレースを振り返ろうとしたときに、すぐに思い出すことができる。この賞を獲得できて、本当に良かった。
総合3位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
初日から言っている通り、今回の出場目的はレース生活への復帰だった。昨年は病気になってしまったから、まずは自分のベストに戻すことだった。成績に注目するのではなく、パフォーマンスという目的に注目すれば、とても成功したレースだった。結果として表彰台に立てたのはある意味、単なるトレーニングの走行だったにしても意義がある。
みんなも楽しめばいいと思う。ぼくのモットーは最大限の力を出すことで、実際にそうした。いくつかの間違いもしたし、失敗もした——そういった事態は予想できなかった。しかし、起きてしまった。でも、結果として最大限の力を出すという目的は発揮できたし、表彰台に立てたという事実に満足している。
ステージ2位のサーシャ・モードロ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
自転車は不思議なスポーツだ。ぼくは昨日、ストレスいっぱいに最後尾でゴールしたのに、今日はあと一歩で優勝という位置でゴールした。カヴェンディッシュのコースを予想しようとしたのは、ぼくが彼に勝てる唯一の方法だったからだ。
しかし、彼は強すぎる。最後の数メートルで、ぼくを抜き去ってしまった。最終的には、この2位の順位は自分としては可能な限りベストな順位だと思う。不運なことも多かったけど、最後にはしっかりスプリント勝負に絡める余裕もあった。それに、世界最速のスプリンターと問題なく競り合える実力も示せた。
ステージ5位のルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)
初めてのグランツールが終わった。完走して疲れた! アルゴス・シマノのみんなとイタリアでの素晴らしい3週間を過ごせて感謝している!
この最終日に家族や友人たちの顔を見ることができたのは、とてもうれしかった。メスゲツがツィートした写真
現役を引退する2000年のジロの覇者ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)
この日を迎えることができて、誰よりも特別に感謝したい人物が3人いる。ぼくのことを信じてくれた(監督の)ルーカ・シントと(チームマネージャーの)アンジェロ・チトラッカ。そして、ぼくの兄のマークだ。マークは去年、ぼくがジロに出場できず、さらにチームが解散したことに心を痛め、今日のような日を迎えることができるように全力を尽くしてくれた。ぼくはもう満足だし、これ以上のことは望まない。
自分のジロの成績は確実に全盛期には及ばない。しかし、2000年にジロで総合優勝したことは、確実に自分に感動を与えてくれた。ぼくに暖かい声援を投げかけてくれたすべての人々に感謝したい。RAI(イタリア放送協会)が作ってくれたビデオクリップは美しかった。ぼくは良い思い出とともに去る。なによりも、ぼくはずっと皆と共に正しく行動してきたことを誇りに思う。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
photo:Kei.Tsuji,Riccardo Scanferla,CorVos
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