2013/05/20(月) - 13:27
フランスのガリビエ峠にゴールする第15ステージは、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)がステージを制した。新人賞争いは、ステージ2位のカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)に移行。総合1位、山岳賞、ポイント賞に変化はなかった。
ステージ優勝のジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
この数年のジロでの体験で、自分は寒いときに上手く乗れないことを自覚した。5月や6月に結果を出せたときのほとんどが暑いときだった。でも、レースでトップになったときに、寒くて雨が降るかなんてことは誰もわからない。プロトンにいるときに、そういう事態になると最悪だ。今日は、日光も出ていたし、記念碑的なステージだった。最初から最後まで、しっかり走ることができて満足だ。
ある程度までは計画通りの勝利だった。今日はアタックしようと決めていた。これまでジロでは、いつも記念碑的なステージで逃げグループに入れていて、今日もその通りだった。ぼくは父や友人に、特別なステージで特別な逃げグループに入りたいと語っている。これまでヴィンチェンツォ・ニーバリが、こういったステージの前方で走っているときに何を考えているか想像できなかった。今日は彼の想いがわかった。
(パンターニにゆかりのあるステージであることについて)最後の数kmは、ぼくが泣いているのがわかったと思う。最後の3kmでは心の中で泣いていた。このステージで勝てるとわかって、マルコ・パンターニのメモリアル近くでゴールすることに運命を感じた。
ぼくと彼は誕生日が同じだ。パンターニのことを考え、パンターニにゴールまで行ける力を願った。誰かが今日“運命の輪がつながった”と言っていた。1年前、ぼくは第15ステージでリタイアして、今日の第15ステージで優勝した。今日が、ぼくのキャリアの新たな出発点となることを願っている。
総合1位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
(モンセニス山塊でのスローペースについて)今日は逃げに乗るだけの脚を持つ選手が多くなかった。山のふもとで集団が別れて、約80人の選手はゆっくりと走った。ぼくたちは全員、この過酷な1週間を味わっている。たくさんの山岳を越えるだけじゃなくて、雨も降った。誰もが雨と寒さを警戒している。だから、全員がためらいがちに走った。
(総合リーダーのアタックについて)アタックして勝負を決めるのは、ぼくの性格的なものだ。マリア・ローザを着ているあいだに、他の直接対決しそうなライバルたちに大きな差をつけたかった。今日は僅かな時間差をつけるのも難しかった。ガリビエ峠はとても長いし、ゴールのある山頂に向かって次第に傾斜がきつくなっていく。アタックはしてみたが、とても難しかった。それで集団に戻って、ライバルをチェックしていた。
いまは去年のツールと同じときのように好調を維持できていると思う。でも、ツールとジロは違う。ツールでは可能性は乏しかった。山岳のふもとでのゴールもあったし、合計で110kmになるタイムトライアルが2つもあった。今回のジロは、ぼくのスタイルに合っている。
山岳賞を維持したステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
今日の目的は、できるだけ多くのポイントを獲得することだった。充分に達成できたと思う。モンセニスでは、集団が通常ペースで走ることになって、3kmほど待ってから山頂のポイントにアタックした。ぼくがトップ通過しながら、チームメイトのフランチェスコ・ボンジョルノが2位通過して他の山岳賞候補のポイントを潰す重要な役目を果たしてくれた。
2番目の山岳では、山岳賞にまったく関係のないピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)が、ぼくより先にポイントを取ろうとした理由がよくわからなかった。残念ながら、ガリビエ峠はぼくの脚には厳しかったし、ヴィスコンティを捕まえるほどのスピードも出せなかった。今日のヴィスコンティは、とても強かった。明日はしっかりと休養を取って、この大切なジャージの守りを固めたいと思う。
ステージ2位で新人賞を獲得したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)
この白いジャージが目標だった。チームが一丸となって、ぼくをよく助けてくれて、今日このジャージを手にすることができた。
残念だったのは、チームメイトのドメニコ・ポッツォヴィーヴォが失速してしまい、このステージの優勝を手にする機会を逸してしまったことだ。ステージ優勝できるかの運試しは続けてみるつもりだし、この白い新人賞ジャージを最後までキープできるようにがんばるつもりだ。
総合2位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
今日のコンディションは、アタックを試みるにはあまり好ましくなかった。バッドデイというわけではないし、しっかり回復もできている。タイムを失わなかったけど、稼ぐこともなかった。
選手として、ここまで天候が変わる状況での体調管理は本当に難しい。ぼくたちが衣服を着替えるよりも早く、天気のほうが目まぐるしく変わっていく。ようやくジロの第3週になる。第1週は予想よりハードだった。第2週は天気のせいで予想よりハードになった。
総合5位のミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)
昨日よりはずっと調子がよかった。昨日のバルドネッキアでの走りとは、あまり変わらないように見えるかもしれないが。集団にいたときは、あまり力が出なくなっていて、マリア・ローザのグループに付いていくだけで精一杯だった。
一応アタックしてみて、自分の調子の確認はしておいた。今日でジロの第2週が終わった。それほど良くない日と好調な日が入れ替わりでやってきた週だった。最終週では、注目のステージでもっといつも通りの良い走りを目指したい。
ステージ3位・総合6位のプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
今日のレースのあいだはずっと好調だった。最後の数kmでも、まだ余力はあった。ベタンクールとレオナルド・ドゥケ(コロンビア、コロンビア)とラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)がアタックしたときは、集団が反応しなかったので、飛び出して彼らのアタックを追いかけた。
脚の調子も良かったので、ベタンクールのところまで届いた。現在、総合6位だが、この位置をジロの最終日まで守り抜くのはかなり厳しいということはわかっている。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
photo:Cor.Vos,Riccardo Scanferla
ステージ優勝のジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
この数年のジロでの体験で、自分は寒いときに上手く乗れないことを自覚した。5月や6月に結果を出せたときのほとんどが暑いときだった。でも、レースでトップになったときに、寒くて雨が降るかなんてことは誰もわからない。プロトンにいるときに、そういう事態になると最悪だ。今日は、日光も出ていたし、記念碑的なステージだった。最初から最後まで、しっかり走ることができて満足だ。
ある程度までは計画通りの勝利だった。今日はアタックしようと決めていた。これまでジロでは、いつも記念碑的なステージで逃げグループに入れていて、今日もその通りだった。ぼくは父や友人に、特別なステージで特別な逃げグループに入りたいと語っている。これまでヴィンチェンツォ・ニーバリが、こういったステージの前方で走っているときに何を考えているか想像できなかった。今日は彼の想いがわかった。
(パンターニにゆかりのあるステージであることについて)最後の数kmは、ぼくが泣いているのがわかったと思う。最後の3kmでは心の中で泣いていた。このステージで勝てるとわかって、マルコ・パンターニのメモリアル近くでゴールすることに運命を感じた。
ぼくと彼は誕生日が同じだ。パンターニのことを考え、パンターニにゴールまで行ける力を願った。誰かが今日“運命の輪がつながった”と言っていた。1年前、ぼくは第15ステージでリタイアして、今日の第15ステージで優勝した。今日が、ぼくのキャリアの新たな出発点となることを願っている。
総合1位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
(モンセニス山塊でのスローペースについて)今日は逃げに乗るだけの脚を持つ選手が多くなかった。山のふもとで集団が別れて、約80人の選手はゆっくりと走った。ぼくたちは全員、この過酷な1週間を味わっている。たくさんの山岳を越えるだけじゃなくて、雨も降った。誰もが雨と寒さを警戒している。だから、全員がためらいがちに走った。
(総合リーダーのアタックについて)アタックして勝負を決めるのは、ぼくの性格的なものだ。マリア・ローザを着ているあいだに、他の直接対決しそうなライバルたちに大きな差をつけたかった。今日は僅かな時間差をつけるのも難しかった。ガリビエ峠はとても長いし、ゴールのある山頂に向かって次第に傾斜がきつくなっていく。アタックはしてみたが、とても難しかった。それで集団に戻って、ライバルをチェックしていた。
いまは去年のツールと同じときのように好調を維持できていると思う。でも、ツールとジロは違う。ツールでは可能性は乏しかった。山岳のふもとでのゴールもあったし、合計で110kmになるタイムトライアルが2つもあった。今回のジロは、ぼくのスタイルに合っている。
山岳賞を維持したステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)
今日の目的は、できるだけ多くのポイントを獲得することだった。充分に達成できたと思う。モンセニスでは、集団が通常ペースで走ることになって、3kmほど待ってから山頂のポイントにアタックした。ぼくがトップ通過しながら、チームメイトのフランチェスコ・ボンジョルノが2位通過して他の山岳賞候補のポイントを潰す重要な役目を果たしてくれた。
2番目の山岳では、山岳賞にまったく関係のないピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)が、ぼくより先にポイントを取ろうとした理由がよくわからなかった。残念ながら、ガリビエ峠はぼくの脚には厳しかったし、ヴィスコンティを捕まえるほどのスピードも出せなかった。今日のヴィスコンティは、とても強かった。明日はしっかりと休養を取って、この大切なジャージの守りを固めたいと思う。
ステージ2位で新人賞を獲得したカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)
この白いジャージが目標だった。チームが一丸となって、ぼくをよく助けてくれて、今日このジャージを手にすることができた。
残念だったのは、チームメイトのドメニコ・ポッツォヴィーヴォが失速してしまい、このステージの優勝を手にする機会を逸してしまったことだ。ステージ優勝できるかの運試しは続けてみるつもりだし、この白い新人賞ジャージを最後までキープできるようにがんばるつもりだ。
総合2位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
今日のコンディションは、アタックを試みるにはあまり好ましくなかった。バッドデイというわけではないし、しっかり回復もできている。タイムを失わなかったけど、稼ぐこともなかった。
選手として、ここまで天候が変わる状況での体調管理は本当に難しい。ぼくたちが衣服を着替えるよりも早く、天気のほうが目まぐるしく変わっていく。ようやくジロの第3週になる。第1週は予想よりハードだった。第2週は天気のせいで予想よりハードになった。
総合5位のミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)
昨日よりはずっと調子がよかった。昨日のバルドネッキアでの走りとは、あまり変わらないように見えるかもしれないが。集団にいたときは、あまり力が出なくなっていて、マリア・ローザのグループに付いていくだけで精一杯だった。
一応アタックしてみて、自分の調子の確認はしておいた。今日でジロの第2週が終わった。それほど良くない日と好調な日が入れ替わりでやってきた週だった。最終週では、注目のステージでもっといつも通りの良い走りを目指したい。
ステージ3位・総合6位のプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
今日のレースのあいだはずっと好調だった。最後の数kmでも、まだ余力はあった。ベタンクールとレオナルド・ドゥケ(コロンビア、コロンビア)とラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)がアタックしたときは、集団が反応しなかったので、飛び出して彼らのアタックを追いかけた。
脚の調子も良かったので、ベタンクールのところまで届いた。現在、総合6位だが、この位置をジロの最終日まで守り抜くのはかなり厳しいということはわかっている。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
photo:Cor.Vos,Riccardo Scanferla
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