2013/05/06(月) - 18:58
連載でお届けするプロバイクレポート。今回はJプロツアー第4戦・群馬CSCロードレースを走ったチームバイクにフォーカス。第1弾はマトリックスパワータグ、VAX RACING with SAITAMA、シエルヴォ奈良MERIDA、那須ブラーゼンのバイクをピックアップする。
マトリックスパワータグ
フォーカス IZALCO TEAM
マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)のフォーカス IZALCO TEAM photo:So.Isobe
窪木一茂選手がみごと優勝を飾ったマトリックスパワータグからは、Jプロツアー第3戦白浜クリテを制し、第4戦群馬でも4位に入るなど好調のマリウス・ヴィズィアック選手のバイクをピックアップ。使用するバイクはフォーカス Izalco Team。メインコンポーネントにシマノ9070Di2を使用する。フレームが電動コンポに対応していないためコード類は外装仕様になっており、コードの保護には自動車用の小物を流用し、日々の洗車や雨中走行に耐え得る強固な固定力を確保している。
メカニックこだわりのごみ取り用チェーン photo:So.Isobe
チェーンはゼッケンプレート台座に一体化されている photo:So.Isobe
回転系の軽さにこだわりを持つマリウス選手のみスギノのセラミックベアリング仕様のBBを使用。もともとBBシェル規格はBB30であったが、アダプターを介してねじ切り仕様に変換されている。また、ホイールのフリーハブにも加工を加え、回転の軽さを追求。加えて、リムにバランスウエイトを貼ることによって、重量のバラつきを無くし、不要な振動や共振の発生を抑制している。
メインコンポーネントはデュラエース9070Di2 photo:So.Isobe
自動車用の小物を使って配線されたケーブル photo:So.Isobe
BBはアダプターを介してノーマルBB用の物を使用 photo:So.Isobe
タイヤはパナレーサーの新作「レースタイプC」 photo:So.Isobe
タイヤはパナレーサーの新製品である「レースタイプC」がアッセンブルされる。気圧はマリウス選手の脚力でよれない様に9.5barと高めに設定。そして、UCIプロチームのFDJがツアー・ダウンアンダーにて使用していたものにアイデアを得たタイヤのゴミ取り用チェーンを装着。しかもゼッケンプレート取付台座と一体化した手作りの改良版だ。ライダーとメカニックのこだわりが詰まった興味深いレースバイクとなっている。
VAX RACING with SAITAMA
グラファイトデザイン T800 プロトタイプ
小林海(VAX RACING with SAITAMA)のグラファイトデザイン T800 プロトタイプ photo:So.Isobe
今回ピックアップしたバイクはT800の開発段階に製作されたプロトタイプ。ライダーは小林 海選手だ。フォークやカーボンの材質は4度のレイアップ(積層方法)見直しを行った最終版で、カラーリングだけが製品版との相違点だ。
ハンドルとステム、シートポストにはフレームと同じくグラファイトデザインの製品を使用。ハンドル回りのボルトとステムキャップは陽極酸化処理が艶めかしい、日本特殊螺旋工業によるチタン製のものに換装し、軽量化を図る。
ヘッドチューブに記されたPROTOの文字 photo:So.Isobe
BB周辺を積極的にしならせ、推進力につなげるというのがGDRのコンセプトだ photo:So.Isobe
ステムのボルトはすべてチタン製のボルト、サイクルコンピュータはシマノ・サイクリンク photo:So.Isobe
タイヤはハッチンソンの定番品「カーボンコンプ」 photo:So.Isobe
ホイールはブレーキ面にセラミックコーティングを施し、耐熱性と表面の硬さを向上させることによって耐久力を高めたエドコのFURKA LIGHTを使用。タイヤはハッチンソンの定番品であるカーボンコンプ・プロ。サイクルコンピュータは多機能なものが主流になる中で、シンプルかつフィットネス指向のシマノ・サイクリンクが用いられる。
シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム
メリダ SCULTURA SL TEAM
栂尾大知(シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム)のメリダ SCULTURA SL TEAM photo:So.Isobe
シエルヴォ奈良MERIDAからは、チームキャプテンの栂尾大知選手が乗る、メリダのSCULTURA SL TEAMをピックアップ。メインコンポはスラム・レッド2012を使用し、基本的に市販の完成車そのままであり、変更してある点はステム、シートポスト、サドル、タイヤの4点のみだ。供給されてから時間が経っていないためか、ステムの上にはまだ多めのコラムスペーサーが積まれていた。これはポジションが決まれば切り落とされるのだろう。
メインコンポーネントはスラム・レッド2012 photo:So.Isobe
ステムはワン・バイ・エス 77ステムに換装されている photo:So.Isobe
珍しいBBBのサドルが装着される photo:So.Isobe
タイヤはマキシス ラディエール photo:So.Isobe
ステムは東京サンエスのオリジナルブランド「ワン・バイ・エス」の77ステムを使用。他社ではあまり見られない角度のステムで、ハンドルのドロップがと相まって、下ハンの落差は見た目以上に大きい。
サドルは珍しいBBBのアローアナトミックを選択し、通常の2本レールに合わせるため、メリダのロゴが入ったアルミ製シートポストを使用。タイヤはスポンサーであるマキシスのラジアルケーシングのレーシングタイヤ「ラディエール」がアッセンブルされていた。
那須ブラーゼン
コルナゴ CLX3.0
清水良行(那須ブラーゼン)のコルナゴ CLX3.0 photo:So.Isobe
イエローのフレームが印象的な那須ブラーゼンのチームバイクはコルナゴのCLX3.0だ。ライダーはチームキャプテンの清水良行選手。メインコンポは選手によってまちまちであったが、おもにシマノ・アルテグラを使用。ハンドルやステム、サドル、ボトルケージにはコルナゴのロゴが入ったものが使われており、統一感の高い仕上がりになっている。サイクルコンピュータは新興GPSメーカーのブライトン Rider40がセットされていた。
サドルやハンドル回りはコルナゴオリジナルパーツで固められる photo:So.Isobe
サイクリングコンピュータはブライトン・Rider40 photo:So.Isobe
フレームとのコントラストが鮮やかなゴキソハブ photo:So.Isobe
新たなグラフィックが採用されたリム photo:So.Isobe
このバイクのアッセンブル上の最大の特徴はゴキソの完組ホイールを使用していることだ。今回のレースには、全員がブルーのゴキソハブで組まれたホイールを装着。リムのグラフィックが市販品と異なっており、より完組ホイールとしての統一感が高くなっていた。
また、シフト用インナーケーブルはライナー管によって覆われており、ワイヤーの腐食や変速性能の低下を防ぐ狙いがあると思われる。
text:Yuya.Yamamoto
photo:So.Isobe
マトリックスパワータグ
フォーカス IZALCO TEAM
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窪木一茂選手がみごと優勝を飾ったマトリックスパワータグからは、Jプロツアー第3戦白浜クリテを制し、第4戦群馬でも4位に入るなど好調のマリウス・ヴィズィアック選手のバイクをピックアップ。使用するバイクはフォーカス Izalco Team。メインコンポーネントにシマノ9070Di2を使用する。フレームが電動コンポに対応していないためコード類は外装仕様になっており、コードの保護には自動車用の小物を流用し、日々の洗車や雨中走行に耐え得る強固な固定力を確保している。
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回転系の軽さにこだわりを持つマリウス選手のみスギノのセラミックベアリング仕様のBBを使用。もともとBBシェル規格はBB30であったが、アダプターを介してねじ切り仕様に変換されている。また、ホイールのフリーハブにも加工を加え、回転の軽さを追求。加えて、リムにバランスウエイトを貼ることによって、重量のバラつきを無くし、不要な振動や共振の発生を抑制している。
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VAX RACING with SAITAMA
グラファイトデザイン T800 プロトタイプ
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ハンドルとステム、シートポストにはフレームと同じくグラファイトデザインの製品を使用。ハンドル回りのボルトとステムキャップは陽極酸化処理が艶めかしい、日本特殊螺旋工業によるチタン製のものに換装し、軽量化を図る。
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シエルヴォ奈良MERIDAサイクリングチーム
メリダ SCULTURA SL TEAM
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那須ブラーゼン
コルナゴ CLX3.0
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また、シフト用インナーケーブルはライナー管によって覆われており、ワイヤーの腐食や変速性能の低下を防ぐ狙いがあると思われる。
text:Yuya.Yamamoto
photo:So.Isobe
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