2009/01/19(月) - 00:57
待ちに待ったロードレースシーズンが南半球オーストラリアでスタート!ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)の出場で話題を集めるツアー・ダウンアンダー初日、ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)がアデレード市内で行なわれたクリテリウムを制した。
オーストラリアを意味するダウンアンダーは、本来「(イギリスから見て)地球の裏側」という意味を持つ。当然のことながら、北半球と南半球は季節が真逆。ヨーロッパが寒さに震える1月に、オーストラリアでは夏の盛りを迎えている。
プロツアーレースに組み込まれて2年目を迎えるツアー・ダウンアンダーは、そんな真夏のオーストラリア・アデレードを舞台に開幕した。かつては2月から3月にかけてシーズンインするのが常だったが、今やこの1月のダウンアンダーがシーズン初戦として定着しつつある。出場するのは18のプロツアーチームと、オーストラリア選抜のサウスオーストラリア大学(UniSA)だ。
7連覇を達成した2005年のツール・ド・フランスを最後に「一時引退」していたアームストロングの復帰戦でもあり、レースは開幕前からかつてない熱を帯びた。
初日のキャンサーカウンシルクラシックは、アデレード市内のライミル公園に敷設された1.7kmの周回コースで行なわれるクリテリウム。プロツアーレースには組み込まれていないものの、本戦と同じ19チーム(計133名)が出場する。顔見せ的な意味合いが強く、コースの沿道には幾重もの人垣ができた。その観客数は実に138000人。過去最高を記録したという。
30周・51kmのレースは、5周回ごとに設定されたスプリントポイントに向かって序盤からアタックが連発した。
30度を越える暑さの中、1月7日に開催されたオーストラリア選手権U23タイムトライアル優勝のジャック・ボブリッジ(オーストラリア、UniSA)やマチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス)、ジェレミー・ロワ(フランス、フランセーズデジュー)らが懸命な逃げを見せる。しかしスプリント勝負にもちこみたいチームが全ての逃げを封じ、集団一つのまま最終周回へと突入した。
最も積極的に集団を率いたのは、前年大会でステージ4勝&総合優勝に輝いたアンドレ・グライペル(ドイツ)擁するチームコロンビア・ハイロードと、2005年TOJ(ツアー・オブ・ジャパン)の大阪ステージを制した若きスプリンターのマシュー・ゴス(オーストラリア)擁するチームサクソバンクだ。
最終コーナーを抜け、マーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア)が早めにグライペルを発射。しかし後方から見慣れないジャージに身を包んだロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)が追い上げてグライペルを抑え込んでゴール。大歓声に包まれる中、マキュアンが両手を挙げた。
昨年までのティンコフをベースに、ロシア企業の強力なバックアップにより誕生したカチューシャ。ロシアの新時代を感じさせるチームに、36歳のベテランスプリンターが初勝利をもたらした。ダウンアンダーのステージ13勝目を飾ったマキュアンは「この1週間で1勝することができればファンタスティックだと思っていた。それが早くも達成されたんだ。抜群の形でシーズンをスタートすることができて、これ以上の幸せは無い」と語る。かつてロット時代に「史上最高の発射台」とマキュアンに言わしめたヘルト・ステーグマン(ベルギー)のチーム合流が、今回の勝利に大きく繋がったようだ。
僅差の2位に入ったウィム・ストロティンガ(オランダ)はチームミルラム新加入の23歳スプリンターで、これまでトラック競技で成績を残している選手。2007年世界選手権トラックのスクラッチではワン・カンポー(香港)に次いで銀メダルを獲得している。今後が楽しみなスプリンターだ。
復帰第一戦のアームストロングは常に集団前方で周回をこなしていたが、集団スプリントのリスクを避けるために集団後方でゴール。1274日ぶりの実戦を、23秒遅れの64位で終えた。レース本戦は20日から25日までの6日間、アデレード近郊で行なわれる。
キャンサーカウンシルクラシック2009結果
1位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)1h04'32"
2位 ウィム・ストロティンガ(オランダ、ミルラム)
3位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
4位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)
7位 バーデン・クック(オーストラリア、UniSA)
8位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)
9位 ヒルトン・クラーク(オーストラリア、フジ・セルヴェット)
10位 クリス・サットン(オーストラリア、ガーミン)+01"
64位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+23"
オーストラリアを意味するダウンアンダーは、本来「(イギリスから見て)地球の裏側」という意味を持つ。当然のことながら、北半球と南半球は季節が真逆。ヨーロッパが寒さに震える1月に、オーストラリアでは夏の盛りを迎えている。
プロツアーレースに組み込まれて2年目を迎えるツアー・ダウンアンダーは、そんな真夏のオーストラリア・アデレードを舞台に開幕した。かつては2月から3月にかけてシーズンインするのが常だったが、今やこの1月のダウンアンダーがシーズン初戦として定着しつつある。出場するのは18のプロツアーチームと、オーストラリア選抜のサウスオーストラリア大学(UniSA)だ。
7連覇を達成した2005年のツール・ド・フランスを最後に「一時引退」していたアームストロングの復帰戦でもあり、レースは開幕前からかつてない熱を帯びた。
初日のキャンサーカウンシルクラシックは、アデレード市内のライミル公園に敷設された1.7kmの周回コースで行なわれるクリテリウム。プロツアーレースには組み込まれていないものの、本戦と同じ19チーム(計133名)が出場する。顔見せ的な意味合いが強く、コースの沿道には幾重もの人垣ができた。その観客数は実に138000人。過去最高を記録したという。
30周・51kmのレースは、5周回ごとに設定されたスプリントポイントに向かって序盤からアタックが連発した。
30度を越える暑さの中、1月7日に開催されたオーストラリア選手権U23タイムトライアル優勝のジャック・ボブリッジ(オーストラリア、UniSA)やマチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス)、ジェレミー・ロワ(フランス、フランセーズデジュー)らが懸命な逃げを見せる。しかしスプリント勝負にもちこみたいチームが全ての逃げを封じ、集団一つのまま最終周回へと突入した。
最も積極的に集団を率いたのは、前年大会でステージ4勝&総合優勝に輝いたアンドレ・グライペル(ドイツ)擁するチームコロンビア・ハイロードと、2005年TOJ(ツアー・オブ・ジャパン)の大阪ステージを制した若きスプリンターのマシュー・ゴス(オーストラリア)擁するチームサクソバンクだ。
最終コーナーを抜け、マーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア)が早めにグライペルを発射。しかし後方から見慣れないジャージに身を包んだロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)が追い上げてグライペルを抑え込んでゴール。大歓声に包まれる中、マキュアンが両手を挙げた。
昨年までのティンコフをベースに、ロシア企業の強力なバックアップにより誕生したカチューシャ。ロシアの新時代を感じさせるチームに、36歳のベテランスプリンターが初勝利をもたらした。ダウンアンダーのステージ13勝目を飾ったマキュアンは「この1週間で1勝することができればファンタスティックだと思っていた。それが早くも達成されたんだ。抜群の形でシーズンをスタートすることができて、これ以上の幸せは無い」と語る。かつてロット時代に「史上最高の発射台」とマキュアンに言わしめたヘルト・ステーグマン(ベルギー)のチーム合流が、今回の勝利に大きく繋がったようだ。
僅差の2位に入ったウィム・ストロティンガ(オランダ)はチームミルラム新加入の23歳スプリンターで、これまでトラック競技で成績を残している選手。2007年世界選手権トラックのスクラッチではワン・カンポー(香港)に次いで銀メダルを獲得している。今後が楽しみなスプリンターだ。
復帰第一戦のアームストロングは常に集団前方で周回をこなしていたが、集団スプリントのリスクを避けるために集団後方でゴール。1274日ぶりの実戦を、23秒遅れの64位で終えた。レース本戦は20日から25日までの6日間、アデレード近郊で行なわれる。
キャンサーカウンシルクラシック2009結果
1位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)1h04'32"
2位 ウィム・ストロティンガ(オランダ、ミルラム)
3位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
4位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)
7位 バーデン・クック(オーストラリア、UniSA)
8位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)
9位 ヒルトン・クラーク(オーストラリア、フジ・セルヴェット)
10位 クリス・サットン(オーストラリア、ガーミン)+01"
64位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+23"
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