ディスクローターは6ボルト。センターロック版も用意され、本体形状も変更されている
REDをメインに、EAGLEのリアディレイラーとカセットを投入したグラベルロード。互換性がもたらす広がりは大きい
フロントシングルとロー50T。スラムが考える究極のファンバイクだ
HRDシフト/ブレーキシステムの構造は従来品を踏襲する。肌と触れる部分を中心に改良が施された
12速化とトップ10T、従来よりも小さなチェーンリングを組み合わせた「X-RANGE ギアリング」
リアディレイラーは内部に油圧ダンパーを取り入れるなど大幅に進化した(詳細は次章にて)
プレゼン会場に用意された新型RED搭載の試乗車。全世界が注目するコンポーネントが姿を現した
ホテルから離れた駐車場がメイン会場。数十台の試乗車が用意されていた
岩山とサボテンが無限に続く、アリゾナ州ツーソンの景色
プレゼンテーションを受けるロードバイク班のメンバー
TT/トライアスロン用のフロントシングルエアロチェーンリング。1x用リングは合計8種類用意される
初披露されたRED eTAP AXS。革新をもたらす新時代のロードコンポーネントだ
チェーンリングはダイレクトマウント化に伴いデザインを一新。2xの場合50/37、48/35、46/33の3種類が用意される
カセットはXDよりも1.8mm広いXDRフリーボディの採用で12速化、そしてトップ10T化を果たした
「高速化するプロレース、多様化するホビーユーザーの走り方をカバーするギアがX-RANGE」
シクロクロスバイクに取り付けられた38Tチェーンリング
ロードのシフトスイッチでロックショックスの新型ワイヤレス電動ドロッパーポスト「Reverb AXS」を操作可能に
シフトモード選択や各ボタンの役割設定、バッテリー残量のチェックなどがワイヤレスで操作可能
シフトモードは2種類。新たにフロント変速を自動で行う「シーケンシャル」モードが追加された
スマートフォンのアプリを介してコンポーネントの各種設定が可能。これがAXS(アクセス)たる所以だ
最大4箇所設置可能な変速ボタン、BLIPSも継続。TT用も用意され、そのメリットは計り知れない
新機軸を多数盛り込んで生まれたX-RANGE ギアリング
従来の歯数構成に対するX-RANGE ギアリングの構成例
従来ギアに比べワイドレンジ化を達成していることが分かる。12速化がもたらす恩恵は大きい
トップ〜ミドル域のクロスレシオ化も達成し、変速性能の向上やより細やかなケイデンス調整が可能に
チェーンリングセットは3種類。写真の48/35は一般ライダー向けだ
スプロケットは3種類に集約。削り出しによる一体構造(X-Dome)を引き継いでいる
変速ポイントを工夫し、徹底的な変速性能向上が行われている
最もワイドレシオな10-33Tであってもトップ側5枚は1T刻みだ
1xの50Tと48TはTT/トライアスロン用のエアロタイプ
前シクロクロス世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー)のバイク。1xの46Tを使う
トップ10Tを実現するXDRドライバー。対応ホイールも市場に数多く存在する
外周部が平らな特殊形状を採用したフラットトップチェーン
特殊形状によってチェーンの強度と耐久性を補う。駆動音の低減も同時に叶えた
リアディレイラーは変速系統を司る。ファンクションボタンでスマートフォンとのペアリングが可能だ
ディレイラー内部に油圧ダンパーを搭載。従来以上に緻密かつスムーズなチェーン制御が可能に
モーションコントロールシステム「Orbit(オービット)」を搭載したリアディレイラー
テンションプーリーはナローワイド形状で確実にチェーンを捉える
クランクセットにはダイレクトマウントや新規格BBなど多数のアップデートが加えられた
パワーメーター「DZero」。クランクと同時開発することで大幅な軽量化と計測精度の向上を果たした
BBは7種類が用意される。アダプターと組み合わせることで対応BBの種類も広がる
世界選手権を走ったマリアンヌ・フォス(オランダ)のバイク。未舗装路での信頼性は大幅に向上している
スラムが提唱するDUB(ダブ)BB。1種類のクランクをほとんどのBB規格に対応させることができる
ブラケット部分の形状は変わらず、滑り止めのパターンがアップデートされた
シフトボタンは滑り止め加工が施された。画像で見るよりも実際の効果は大きい
デビューと同時に発売が開始されるRED eTAP AXS。手元に届くのも間も無くだ
筆者と、RED eTAP AXSを組み込んだスペシャライズドのS-WORKS TARMAC DISC
緩やかなアップダウンが続くツーソン郊外。乾いた空気と暖かな気温が嬉しい
小休止中にアプリを使い、異なるシフトモードを試した
軽やかなチェーン駆動と変速性能。RED eTAP AXSは見た目と同じく性能面でも大きく進化を見た
トップ〜ミドル域のクロスレシオは緩やかな勾配変化で大きな味方となってくれる
岩山に巨大なサボテンが立ち並ぶ。地名や食文化などにもラテン文化が色濃くにじむ土地だ
局所的に15%以上を刻んだ本格的な登り。ギアのワイドレシオが効く場面だ
テストライドにはスラムのオフィシャルサポートカーが随行してくれた
乾いた砂が覆う、スリッピーなグラベル登り。ワイドなギア設定がありがたく感じる
グラベルライドに供されたのはジャイアントのDEFY ADVANCED
チェーンリングは最小サイズの46/33。ギア板が小さく見えないデザインも良い
カセットはロードバイクと同じく10-33だった。この組み合わせでギア比1.0のローギアードを達成する
広大なフラットグラベルが数10kmにも続く区間。しかし路面にはキャタピラの跡が刻まれ、洗濯板のような過酷な振動を受けた
革新性と高性能、そして上質な操作感を融合したRED eTAP AXS。魅力溢れるロードコンポーネントだった
2日間のライドにも同行したマッカーシー氏。健脚の持ち主であった
3Tのグラベルロードを駆る開発スタッフの一人。スラムのメンバーは全員熱心なサイクリストだ
限られたスケジュールを縫って各メディアの質問時間が設けられた
「一般的なギアと比べてフロントギアの落差を20%減少。これがスムーズな変速に貢献している」
「変速系統を全て同時開発したことが性能向上の鍵でした」
「X-RANGEギア誕生の最大の理由は、フロント変速をよりスムーズにするため」
チーフシステムエンジニアのアンソニー・メデリア氏(左)と、ロードプロダクトマネージャーのJP・マッカーシー氏に話を聞いた
「RED eTAP AXSは一般ユーザーのためを思って作り上げた自信作。全く新しい体験をしてもらえるはずです」