ベルギー体験は"百聞は一見にしかず"

「宇都宮ブリッツェン」。若いチームだけに共に成長していける若い選手の育成にも余念が無く、中山選手も武者修行でベルギーに。現地に赴かなくても様々な情報が入る世の中。それでも彼は「肌で感じる」ことの大切さを悟った。

ベルギーのレース、スタート前の中山ベルギーのレース、スタート前の中山 Photo:Ken Hashikawa皆さんこんにちは。宇都宮ブリッツェンの中山卓士です。地域密着型チーム「BLITZEN宇都宮プロレーシングチーム」で活動するハタチです。

高校時代は自転車競技部に所属していましたが、卒業後、レース活動を生活の中心に置くようになって今年で2年目。選手としては、まだわからない事だらけです。

昨シーズンは、毎週のようにやってくるレースに参戦する事で精一杯で、計画性は全くない、“出たとこ勝負”な日々でした。2年目の今年は宇都宮ブリッツェンに移籍し、少しでも先への展望を持ちたいと思っています。

そんな中、4月5月の2ヶ月間、ベルギー遠征に行けるチャンスを頂きました。「もっと強くなりたい」という事しか頭になかった自分にとっては大きなチャンスです。

ベルギーでは、主に「アマチュア」というカテゴリーのレースに参戦していました。

アマチュアという言葉は、日本では「趣味」という捉え方をされると思いますが、ベルギーでは「プロの下」という位置付け。オープンレースなどでは、現ベルギーU23チャンピオンや、プロコンチネンタルチームに所属する選手、元プロ選手もゴロゴロしていて、中にはかつてパリ・ルーベで勝ったようなトップスター選手までいるのです。


「テレビでしか見た事無い選手が同じ集団で走るなんて!」

そしてレースは、ベルギーの端から端のいろいろな所で毎日行われています。自分が住んでいた町「ゼべゲム」からも、レースに行く時はだいたい半径30km以内。日帰りレースは当たり前です。

日本では野球やサッカーがメジャー競技ですが、地球の裏側のヨーロッパでは、何と言ってもロードレースがメジャー! テレビでは常にロードレースが放送されています! 「こんな素晴らしい世界があったのか!」と驚きました。

レースを熱いまなざしで見守るおじさん。選手にゲキを飛ばす監督。アタックの瞬間、石畳を走る時の手の痺れ。体を芯から冷やす冷たい雨。連日の悪天候。強い横風…。
国内でしか活動経験がなかった僕には、それら全てが新鮮な経験でした。

ヨーロッパでの自転車選手はアマチュアと言えどスターの卵的存在。熱心なファンから写真やサインをねだられることもあるヨーロッパでの自転車選手はアマチュアと言えどスターの卵的存在。熱心なファンから写真やサインをねだられることもある Photo:Ken Hashikawaベルギーのパヴェ(石畳)。こんな路面が欧州のレースには頻繁に登場するベルギーのパヴェ(石畳)。こんな路面が欧州のレースには頻繁に登場する

今こうして僕が書いている事って、かつて欧州で走った先輩方には当たり前の事なのかも知れませんが、初めて経験した僕にとっては、驚きの連続。百聞は一見にしかず!

でも、帰国してから周りのみんなに自分の体験談を話すと、「そんなの知ってるよ」という反応が。実際にベルギーで走った事が無いのに?

僕自身も、インターネットなどでベルギーのレース情報は見てたけど、実際に走ったら違うのに!という気持ちが湧き上がりました。

しかし僕自身、走った事もないベルギーの事を分かったつもりでいた訳ですから、実際に走ってみなければわからない事をリアルに伝えることって、凄く大切だと思うんです。
だからこそ、今後は僕なりの方法や言葉で伝えて行こうと思っています。

今の僕がベルギーの強豪を相手に戦うには、あらゆる面で強くならなくてはならないけど、何と言っても足らないのはトップスピードとその持続力です。

150kmのレースでも、前半の50kmまでで付いて行けなくなってしまう訳ですから、200km走るトレーニングよりも先にやる事があると思います。

集団内で走る中山。ヨーロッパのレーススピードを肌で感じ、学びとる集団内で走る中山。ヨーロッパのレーススピードを肌で感じ、学びとる 独走を試みることも。積極性と独走力がレースの明暗を分ける独走を試みることも。積極性と独走力がレースの明暗を分ける Photo:Ken Hashikawa

パンクしても必ず追い付いてくるベルギーの選手を見ていると、集団のスピード以上のハイスピードで走れる能力を持っている。

僕はパナレーサーのタイヤを使っているのでパンクは無かったけど、でもパンクしても当たり前のように追い付いてくる。そういう選手になりたい。

今後のトレーニングでは、トラック競技の要素を取り入れて、タイムやスピードといった普遍的な数字を基準にトレーニングしようと考えています。ベルギーに行かなくても、同じ基準で比較ができるように。

そしてもう一つ、僕が身につけたい事は、英語力。
彼らのレースに対する考え方を、もっと知りたい。僕の考え方と違う事、共通する事を。

より多くの人と話し、もっと沢山レースを走る中で、これから自分が進んで行く方向をクリアにして行きたい。全ての経験が自分の糧になるように。

これから僕がどんなレーサーになるのか、自分自身に期待です。


プロフィール
中山 卓士 なかやま たかし
1989年生 20歳
チームのイケメンレーサー。ベルギーで武者修行後、全日本選手権U23で堂々の2位を獲得。ハイスピードのアップダウンコースを得意とし、最後は持ち前のゴールスプリントで勝利を目指す。彼のブログのタイトル「甘いの大好き」にあるようにスィーツが大好物。練習中に子犬にあとをつけられ、可愛そうに思いその場を離れられなくなってしまい、柿沼監督に「どうしたら良いか?」と電話で相談をしてしまう心優しき一面を持つ。

BLITZEN宇都宮プロレーシングチーム公式サイト

ジャパンカップ2009 マル得情報! by BLITZEN宇都宮プロレーシングチーム

1990年の世界選手権開催の頃から、宇都宮市が提唱し続けてきた「サイクルシティ」構想。ジャパンカップという国際レースの開催を18年間に渡り継続してきた功績は大きいと思います。

今や国内だけでなく、世界的にも名を馳せるようになったジャパンカップとその歴史は、宇都宮市の財産でもあります。

昨年までヨーロッパでレース活動を続けた廣瀬佳正選手(現ブリッツェン選手)は、ヨーロッパの選手にこう言われる事もしばしばだったとか。

「ヒローセ、ミーもウツノミーヤのレースを走りたいよ。ジャパンカップに招待してくれーよ!」(*あくまでもイメージです)

今年発足したばかりの宇都宮ブリッツェンですが、サイクルシティ構想の風に乗り、市民の皆さんに認知して頂けるようになって来ました。

野村証券・宇都宮支店に飾られたロードレースシーンのディスプレイ野村証券・宇都宮支店に飾られたロードレースシーンのディスプレイ その中でも宇都宮市内で一際目立つスポットをご紹介したいと思います。

市外の中心部にある野村証券・宇都宮支店さんのディスプレイには、シクロワイアード提供のジャパンカップやヨーロッパのレースの写真が掲示されています。

エントランスの真上に掲示された写真には、“挑戦する事を忘れていないか”の文字が。私自身、このディスプレイの前を通るたびにハッとさせられます。

ジャパンカップを観戦にお越しの方々には、市外を訪問する際に是非見て頂きたいですね。

そして実は、この他にもあるんです。今も現役の、日本を代表する選手が描かれた壁画が。これは見つけてのお楽しみということで、クイズにしておきます。ヒントは”山の上のタワー”。宇都宮にお越しの際は、是非探してください!

ジャパンカップに挑む宇都宮ブリッツェンの面々ジャパンカップに挑む宇都宮ブリッツェンの面々
Panaracer バリアントEVO3 PT
BLITZEN宇都宮プロレーシングチームが愛用するオールラウンドレーシングタイヤ。天候を問わないグリップ力で、「ジャパンカップ」のコースとも相性はバツグン。近日、レッドカラーが鮮やかな色合いにマイナーチェンジされる。

700×23C/230g
700×25C/260g
ブラックサイド、レッドサイド
注)重量は平均重量のため実際の製品重量とは多少の誤差があります。

税込参考価格:5660円
Panaracerサポート選手の注目リザルト 2009年9月
Jサイクルツアー第10戦 飯田ロード 4位
佐野淳哉選手(NIPPOコルナゴ)
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トキめき新潟国体2009ロードレース 優勝
中島康晴選手(福井県=EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)
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全日本実業団クリテリウムinいわき 2位
辻善光選手(マトリックス・パワータグ)
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ブエルタ・チワワ(UCI2.1)第6ステージ 2位
宮澤崇史選手(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)
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全日本実業団対抗サイクルロードレース大会 TRクラス 優勝 & 3位
優勝 マリウス・ヴィズィアック選手(NIPPOコルナゴ)
3位 辻善光選手(マトリックスパワータグ・コラテック)
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トライアスロン NTTジャパンカップ 銚子マリーナ国際レース 優勝
細田雄一選手(グリーンタワー・稲毛インター)
提供:パナソニック ポリテクノロジー株式会社