2013/08/14(水) - 17:53
プロアマ問わず、コンポーネントの電動化、数値のデジタル化が進む現在の自転車界。その中において各社がこぞって開発競争を進め、今最も急速な伸びを見せているジャンルがPM、つまりパワーメーターだ。そんなパワーメーター界に一石を投じるのが、Q-RINGSでお馴染みのスパニッシュブランド、ROTOR(ローター)だ。開発エンジニアが"最も画期的・高精度"と謳うROTOR POWERのテクノロジーへと迫っていく。
ROTOR POWER+Q-Ringsセット
ROTOR POWERが掲げるテーマは、"Knowledge is Power(知識は力なり)"。現在一般に存在するどのパワーメーターよりも、はるかに出力を緻密かつ詳細に、そしてスマートにデータ化して理解することで、速さと強さを手に入れることができるという意味だ。
東京で開催されたROTOR Powerセミナーのために来日したアントワン・ベルテ氏(Rotor社ゼネラルマネジャー) UCIプロチームであるガーミン・シャープとの数年間に渡るパートナーシップを経て研究開発が行われ、遂にリリースに至ったROTOR POWERの特徴は大きく分けて、計測上・アウトプット上での多機能性、軽量であること、幅広いフレームに対応すること、そしてROTOR独自のMAS spiderによって細かなQ-ringsの設定ができること。ROTOR POWERは妥協なき性能を求めた末に生まれたパワーメーターだ。
3月、東京と大阪でROTOR社のゼネラルマネジャー、アントワン・ベルテ氏を招いてのディーラー向けテクニカルセミナーが開催された。セミナーの中ではROTOR POWERのテクノロジーと使い方、まだ理解の進んでいないQ-ringsの特徴なども交えて解説された。セミナー内でのプレゼンテーションで説明された内容も含め、ROTOR POWERのおもな特徴を解説してゆこう。
軽量、簡単操作、幅広い拡張性を持つ
ANT+に100%の互換性を持つ。
3D+クランクをベースとし、クランクそのものの性能は証明済み
電源はボタン電池を使用し、ユーザーが自身で交換を行うことができる ROTOR POWERは様々な計測方式があるパワーメーターの中で、いわゆる「クランク型」に当てはまるもの。しかし特徴的なのは、左右に独立した2つのパワーメーターを統合していることだ。サンプリングレート500HZという、従来のパワーメーターの常識を覆す高精度のひずみゲージを左右のクランクホール内に4つずつ配置し、クランクアームの歪みを測定することでパワーを算出する。
クランクアーム内にゲージを設けることで、スパイダー部分に取り付けているものは異なり熱膨張による影響を受けず、8つのセンサーを採用したことでシフトチェンジや、路面状況によるノイズを受けることが少ないという。
それにより単に出力を計るだけではなく、左右別に円周運動上でのペダリングのスムーズネス測定(引き足側クランクがペダリングに与えるマイナス側のパワーも検知)や、トルク効率を測定できる。
ROTOR POWERはANT+規格に100%互換性を持つため、ガーミンのEdgeシリーズや、キャットアイのSTEALTH50など、対応するサイクルコンピューターが豊富なことも魅力の一つ。特にROTORはガーミン・シャープに供給を行い、開発を進めたため、ガーミンEdgeシリーズとの親和性が高いという。
MASにより、楕円率の細やかな調整を可能としている
気温による誤差が発生せず、防水性も完備している
EdgeシリーズはファームウェアのアップデートでROTOR POWERの全項目を表示可能で、今後はトルク効率の解析などを実装できるアップデートを予定しているという。ROTOR POWER自体のファームウェアは専用サイトからダウンロード可能で、ANT+対応のPC用受信機を介してアップロードを行うことができる。データを取り込み、パワーグラフなどより細かな情報を一覧表示できるWINDOWS用ソフトウェアも用意され、ユーザー登録を行うと無料でダウンロードが可能だ。
パワーメーターを使う上で問題となる電池交換も安易に行う事ができるのも、ユーザーにとっては嬉しい情報と言えるだろう。電源に一般的なボタン電池(CR2477)を使用し、樹脂製のキャップを緩める簡単操作で交換が可能。他のパワーメーターよりも多くの情報を発信するにも関わらず、連続300時間に渡るバッテリーライフを実現している。決して長くはないが、電池交換の手軽さはそれを十分にカバーできるだろう。
ROTOR POWERの詳細データを確認できるソフトウェア
またその軽量性と対応フレームが豊富なことも大きな魅力で、重量は556g(±3%)、MASクランクと比較した際の重量増はわずかに30g。UBB30アクスルを採用したことで、BB90とBB94規格を除く幅広いフレームに対応する。
クランク内に3つのホールを設けることで、軽量性と剛性を両立 MASは、Q-RINGSのポジション調整システムOCPのセッティングをより細かくできるようになった画期的な調整機構。エアロ形状のスパイダーアームを生かしてチェーンリング取付け穴を2カ所に増やすことで、今まで1~5までの5つのポジションだったものが、1.5/2.5といったプラス1/2づつ合計10箇所のポイントで固定できるようになり、より細かなセッティングが可能に。
クランク本体は3D+と同様で、鍛造アルミニウムにCNC加工を施したもの。クランク内には縦方向に3本の穴が開けられ、軽量化とボックス構造による剛性を獲得し、性能的にも十分。これはガーミン・シャープやソジャサンが実戦で使用していることでも証明されているといって良いだろう。
ROTORがサポートするガーミンチーム
バリエーションも豊富に揃い、MTB用、ロード用2種類(PCD110、130)、クランク長は170、172.5、175mmの3種類。ROTOR POWERは、数あるパワーメーターの中で最も先進的かつ最軽量、豊富なデータ量と幅広い互換性、ユーザーフレンドリーを成し遂げた新世代のパワーメーターだ。8月13日より日本でも販売開始されたが、現在、世界的な人気により流通数が非常に限られている状態だという。販売状況については、随時ROTOR取扱店舗へ相談して欲しいとのことだ。
ROTOR POWER
なお、3月にアントワン・ベルテ氏を招いて東京で開催されたROTOR POWERディーラー向けテクニカルセミナーにおけるプレゼンテーションの模様を動画で紹介する。(販売店向けの内容であることをご了承下さい)
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ROTOR POWERが掲げるテーマは、"Knowledge is Power(知識は力なり)"。現在一般に存在するどのパワーメーターよりも、はるかに出力を緻密かつ詳細に、そしてスマートにデータ化して理解することで、速さと強さを手に入れることができるという意味だ。
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3月、東京と大阪でROTOR社のゼネラルマネジャー、アントワン・ベルテ氏を招いてのディーラー向けテクニカルセミナーが開催された。セミナーの中ではROTOR POWERのテクノロジーと使い方、まだ理解の進んでいないQ-ringsの特徴なども交えて解説された。セミナー内でのプレゼンテーションで説明された内容も含め、ROTOR POWERのおもな特徴を解説してゆこう。
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独立した左右のパワーメーターで高精度の出力計測が可能
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クランクアーム内にゲージを設けることで、スパイダー部分に取り付けているものは異なり熱膨張による影響を受けず、8つのセンサーを採用したことでシフトチェンジや、路面状況によるノイズを受けることが少ないという。
それにより単に出力を計るだけではなく、左右別に円周運動上でのペダリングのスムーズネス測定(引き足側クランクがペダリングに与えるマイナス側のパワーも検知)や、トルク効率を測定できる。
ROTOR POWERはANT+規格に100%互換性を持つため、ガーミンのEdgeシリーズや、キャットアイのSTEALTH50など、対応するサイクルコンピューターが豊富なことも魅力の一つ。特にROTORはガーミン・シャープに供給を行い、開発を進めたため、ガーミンEdgeシリーズとの親和性が高いという。
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EdgeシリーズはファームウェアのアップデートでROTOR POWERの全項目を表示可能で、今後はトルク効率の解析などを実装できるアップデートを予定しているという。ROTOR POWER自体のファームウェアは専用サイトからダウンロード可能で、ANT+対応のPC用受信機を介してアップロードを行うことができる。データを取り込み、パワーグラフなどより細かな情報を一覧表示できるWINDOWS用ソフトウェアも用意され、ユーザー登録を行うと無料でダウンロードが可能だ。
パワーメーターを使う上で問題となる電池交換も安易に行う事ができるのも、ユーザーにとっては嬉しい情報と言えるだろう。電源に一般的なボタン電池(CR2477)を使用し、樹脂製のキャップを緩める簡単操作で交換が可能。他のパワーメーターよりも多くの情報を発信するにも関わらず、連続300時間に渡るバッテリーライフを実現している。決して長くはないが、電池交換の手軽さはそれを十分にカバーできるだろう。
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またその軽量性と対応フレームが豊富なことも大きな魅力で、重量は556g(±3%)、MASクランクと比較した際の重量増はわずかに30g。UBB30アクスルを採用したことで、BB90とBB94規格を除く幅広いフレームに対応する。
MASスパイダーを投入 より細かな楕円調整を可能に
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クランク本体は3D+と同様で、鍛造アルミニウムにCNC加工を施したもの。クランク内には縦方向に3本の穴が開けられ、軽量化とボックス構造による剛性を獲得し、性能的にも十分。これはガーミン・シャープやソジャサンが実戦で使用していることでも証明されているといって良いだろう。
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バリエーションも豊富に揃い、MTB用、ロード用2種類(PCD110、130)、クランク長は170、172.5、175mmの3種類。ROTOR POWERは、数あるパワーメーターの中で最も先進的かつ最軽量、豊富なデータ量と幅広い互換性、ユーザーフレンドリーを成し遂げた新世代のパワーメーターだ。8月13日より日本でも販売開始されたが、現在、世界的な人気により流通数が非常に限られている状態だという。販売状況については、随時ROTOR取扱店舗へ相談して欲しいとのことだ。
ROTOR POWER詳細データ
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重 量 | 513g(PCD130mm、クランク長172.5mm) |
クランク長 | 170、172.5、175m |
PCD | 130、110mm |
種 類 | ロード用、MTB用 |
使用電池 | CR2477×2 |
電池寿命 | 約300時間 |
対応BB規格 | UBB30 |
サンプリング レート | 500HZ |
価 格 | 210,000円 |
なお、3月にアントワン・ベルテ氏を招いて東京で開催されたROTOR POWERディーラー向けテクニカルセミナーにおけるプレゼンテーションの模様を動画で紹介する。(販売店向けの内容であることをご了承下さい)
編集:シクロワイアード 提供:ダイアテックプロダクツ