2010/12/03(金) - 09:52
気軽に参加できることで人気のバイクナビ・グランプリシリーズ戦。日本全国各地で年間8戦が行われる人気大会だが、その中でも大好評の「秋のひたちなかエンデューロ」に、今年は公道ロードレースが加わってパワーアップした。さらに2日間の開催となってビギナーからエリートまでが楽しめるイベントとしてますます充実したのだ。
バイクナビ・グランプリは一般の自転車愛好家を対象にした、シリーズ型の自転車ロードレースイベントだ。今回の“ツール・ド・ひたちなか”がバイクナビ・グランプリ2010の第8戦となる。
土曜・日曜の2日間の開催となった今回は人気のエンデューロに加え、なんと公道を使用したロードレースとサイクルマラソンが加わり、大会名も「ツール・ド・ひたちなか」へと生まれ変わった。
茨城港しおかぜロードレース
公道を交通規制した1周9.7kmの周回コース 高速道路も走る!
初日の27日(土)は「茨城港しおかぜロードレース」と「ひたちなか地区サイクルマラソン」が開催された。
コースは1周9.7kmの交通規制した公道を利用する。その一部にはなんと自動車専用道の一区間を完全に交通規制し、レースのためだけに使用する。コースのすべてが公道。これだけ広々とした自動車専用道やループ橋が、自転車レースのためだけのコースとなるのは画期的だ。
国営ひたち海浜公園をスタート&ゴール地点に、海岸沿いを走り、アップダウンも適度にある変化に富んだコース設定だ。
土曜日の「茨城港しおかぜロードレース」は、実力別や車種別に分かれたカテゴリーで、初心者から上級者まで楽しめるように各クラスが設定されている。
ロードレース派の選手にとって、このコースのアップダウン程度なら坂は無いに等しいかも知れない。しかし、海沿いのコースでは海風が吹き、集団のペースも大きく落ちるほど。この風の影響をどれだけ受けずに走るかが攻略法のひとつのようだった。足のある人はアタックして集団の人数を減らしたそうだ。
コースの一部分になっている自動車専用道路は、海側の工場施設に行き来するクルマのみが通る道路ということで、休日に交通規制をしても大きな影響はないという。
自動車専用道が合流するループ橋状の立体交差は高度差があり、海に向かって落ちるジェットコースターのよう。すべて広々と2車線以上を使うというコースを自転車で走れるのは、なんとも贅沢な開放感がいっぱいだ。
しおかぜロードの勝者たちに聞きました
「ひたちなか攻略のポイントは?」
レディース優勝 下澤千亜紀さん(明治学院大学)
学連選手でもある下澤千亜紀さんは明治学院大学の女子学生レーサー。「普段もっと厳しいコースの学連レースを走っているので今日のコースは余裕でした」と、余裕たっぷり。
インターミディエイトAに優勝の小松晃さん(ノスモーキンス)
「レースでは初めての優勝です。海側に出たときの風が強くて大変でしたが、最後は抜け出すことができました」
エリート優勝の武井きょうすけさん(フォルツァ)
「優勝賞金が5万円と聞いてハッスルしました!(笑)。公道を走れるコースは最高で、気持ちが良かったですね。ツール・ド・おきなわは体調が最悪で勝負ができませんでしたが、ここで勝って気持よくオフを迎えられますね」
シニア優勝 遠山良夫さん(BOUNCE)
ベテラン揃いのシニアを制したのは川越のクラブBOUNCEの遠山良夫さん。遠山さんは同日のフラットハンドルの部にも出場し、2位。一日をフルに楽しんだ。
ルーキーA優勝の平原隆雄さん(小森コーポレーション)
すぐ近くに住んでいて地元なので、コースを十分下見して備えました。ゴール前の風向きが変わって楽になるポイントで飛び出して狙い通り優勝できました。印刷関連機械製作会社の小森コーポレーションにつとめています。会社がスポンサーです!」
ひたちなか地区サイクルマラソン
ママチャリOK 競わない、40kmの完走を目指す誰もが走れるイベント
土曜の午後のメインイベント「ひたちなか地区サイクルマラソン」はコース4周(約40km)の完走を目指して走るマラソンイベント。ママチャリ、小径車、そしてロードレーサーと、車種別に並んでいっせいにコースに出ていく。順位を争わず、電動アシスト自転車でも参加OKという自由なイベント。自分のペースで景色を見ながら走っても、タイムを計測して飛ばしても、楽しみ方は自由だ。
合言葉はファイト一発~!? 俳優の渡辺裕之さん、モデルの美崎 悠さんがゲスト参加
公開中の映画「桜田門外ノ変」に出演している地元茨城出身の俳優 渡辺裕之さんがゲスト参加。
渡辺さんは電動デュラエース装備のトレック・マドンに乗って登場。
ジャパンカップのキャンペーンガールもつとめたモデルの美崎 悠さんも、渡辺裕之さんと共にサイクルマラソンを走った。土曜日には2人のトークショーがメイン会場で開催された。
渡辺裕之さんと言えば「ファイト~! 一発~!」のリポビタンDのCMがあまりに有名。だからスタート前にはMCからのその掛け声でレースは始まった。もはや、お約束??
イバライガーR登場!? 地元ヒーローが踊る
茨城県で人気のご当地ヒーロー、「時空戦士イバライガーR」のショーがメイン会場で行われた。なんでも地元では相当な人気があるというキャラクターで、子供たちも大喜び。表彰や昼食の合間にショーを楽しめるのは、なかなか楽しい。
イバライガーRは3輪オートバイに乗ってサイクルマラソンを先導。このちょっとユニークなシーンはツール・ド・ひたちなかのメインビジュアルになりそうだ。
ほかにも会場にはハッスル黄門君とイモゾー君の着ぐるみが人気。次々と記念写真をせがまれていた。
会場には地元飲食ブースなどが出る「ひたちなか地区サイクルグリーンフェスタ」も同時開催とあって、グルメも楽しめた。
ひたちなかオータムエンデューロ
安全運転中央研修所の特設コースで恒例のエンデューロ
2日目の28日(日)は、安全運転中央研修所にコースを移し、キッズクラスのロードレースと、そして秋の恒例「ひたちなかオータムエンデューロ」が開催された。
例年通りの人気イベント「ひたちなかオータムエンデューロ」は、安全運転中央研修所の中低速周回路の1周4.2kmのコースを使用する。今年は午前に3時間、午後に2時間のエンデューロを開催。さらに両方参加のキングの部も開催された。
初日はロードレース、2日目は仲間とエンデューロを楽しむといった参加者も多く、2日間たっぷり楽しめるのがツール・ド・ひたちなかの良いところ。都内からも1時間ちょっとで行けるアクセスの良さで、レースを満喫できる点は魅力だ。とくに一般公道を使ったコースの素晴らしさが光った。本格レース派、お気楽派が一緒になって楽しめる懐の広さも嬉しい大会だ。
photo&text:MakotoAYANO
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