2022/01/06(木) - 16:54
この10月にモデルチェンジした日産「キャラバン」。AD"VAN"TUREというテーマを掲げ、アウトドアアクティビティにピッタリなワンボックスとして生まれ変わった新型キャラバンの世界観を体験できるイベントに参加してきたレポートをお届けしよう。
今回、編集部のもとに届いたのはなんと珍しいことに日産からのイベントの案内。トヨタのハイエースと並び、キャブオーバータイプのビジネスバンとして知られる同社のキャラバンがアウトドアユースに向けてモデルチェンジしたのだという。
ADVANTURE、バンを駆使した新しい冒険のカタチ、と銘打ち、キャラバンに荷物を満載して釣りやMTBといったアクティビティを楽しみ、車中泊する。まさにアウトドアアクティビティの基地として使いやすい1台に進化したのだとか。
今回は、その世界観を体感してもらうため、300組のなかから選ばれた幸運な1組の親子をADVANTUREライフへと招待し、その様子を取材してほしいのだという。そんなわけで、茨城県の北部、自然豊かな高萩市へ。東北道高萩ICを降りて15分ほど、海が見えるダム、という花貫ダムのすぐそばにあるキャンプ場「花貫ふるさと自然センター」が目的地だ。
会場で新型キャラバンの進化について、軽くレクチャーを受ける。シートをより乗り心地に優れたものへ変更し、ハンドル形状もブラッシュアップしたのだという。さらに、レーダーとカメラを併用する方式へと進化したエマージェンシーブレーキも搭載されるほか、上位グレードにはカメラ映像をルームミラーに映す「インテリジェントルームミラー」や車の周囲360度を把握できる「アラウンドビューモニター」といった機能も搭載。
なるほど、確かに後ろに自転車を積んでいると後方の視界を確保しづらい時もある。キャンプなどで荷物を山積みしていればなおのことだろう。確かにこれは良さそうだフムフム、と納得。それでは早速お目に掛けましょうということで、実車のもとへ移動した。
木漏れ日の差し込む林の中にたたずむ真っ白な車体。ホワイトのワンボックスというとどうしても商用車感は否めないものだけど、どこか垢ぬけた雰囲気を醸し出すのは、新色「ピュアホワイトパール」の奥行きのある高級感によるものだろう。
リアゲートを開けると、そこにはぎっしりと様々なアイテムが。E-MTB2台にSUPボード、ロッド2本、クーラーボックスやタックルケース、工具箱などなど、まるで魔法の箱のようにいろんな道具が運び出されてくる。
極めつけは引き出し式のキッチンラック。2口IHクッキングヒーターや電動ポンプを利用した蛇口までついたハンドメイドの一品で、なんならワンルームのキッチンスペースよりも贅沢な仕様である。荷物を引き出した後は、トランクルームに板を渡し、マットを敷けばあっという間にベッドルームに変身だ。
車中泊。それはCW編集部員にはなじみ深いもの。なけなしの給料を自転車用品やらなんやらにつぎ込みがちで、万年金欠の編集部員にとって、出張時の宿泊補助を懐に収めるべくシクロワイアード号に寝泊まりするのは常套手段である。特にイベント取材を多く手掛ける私、安岡にとっては。
そんなやむにやまれぬ(?)事情で、イベント会場の駐車場に深夜にたどり着き、後部ベンチシートに敷いた飛行機輪行用のOS-500の上で夜を明かし、取材に入るというルーチンをこなしている私にとって、同じ車中泊という言葉で表現するのは憚られるラグジュアリーさである。
こう、車中泊ってのは、もっと殺伐としてるものだという先入観がガラガラと音を立てて崩れ落ちていく、というより別物過ぎてもはやショックも受けないレベルではある。
「最近はモーターホーミング、っていうんですよ」とレクチャーしてくれている先生の言葉に深く納得する。別の概念には、別のラベルを貼るべきだ。そう、野宿とグランピングが別物であるように、僕のが車中泊で、これはモーターホーミングだ。実に横文字が似合う、小洒落たアクティビティである。チクショー。
一通り設備の説明を受けた後は、アクティビティ体験へ。キャンプといえば焚火である。なんと今度高萩にはブッシュクラフト専用のフィールドができるということで、私たちも経験できることに。
ブッシュクラフトとは、できるだけ自然の中で便利な技術を使わずに知恵を絞って生活していこう、というアクティビティ。例えば、普通のキャンプであれば、着火剤を使ってライターで火をつけるところを、あえてそれらを使わずに火を起こしてみよう、というような、あえて「不便」を楽しむものなのだとか。
なんでわざわざそんな手間なことを、とお思いの方もいるかもしれないが、意外にサイクリストははまりそうな気がするアクティビティだ。車やバイクがあるのにわざわざ自転車に乗っているのと、根底は一緒である。
今回は入門ということで、ナイフとファイアスターター(火打石の現代版)を使った火起こしを体験。ナイフで薪を割って焚き付けを作り、さらに燃えやすいように表面を薄く削ることで表面積を増やした「フェザースティック」を作り、火口となる麻紐にファイアスターターで着火すると、あっという間にフェザースティックから焚き付け、そして薪へと火が移っていき、火起こしに成功。ガスや着火剤の力を借りずに起こした火は、なんだか一味違うような。
じんわり焚火で温まったころ合いで、今度はトレイルへ。トレックのE-MTBであるRailが用意されており、元プロライダーの先導のもとMTB体験が出来た。花貫川を中心とした谷の中腹に位置するだけに、なかなかの急こう配の登りもあり、E-MTBの本領発揮。
今回のイベントではMTB初体験という方も多く、あちこちで黄色い悲鳴が聞こえつつも戻ってくると皆さん笑顔で、「あと一周」、「もう一周」、「もう一回だけお願いします」と、かなり自転車の魅力に取りつかれた様子。
我々取材班は、残念ながら1日目で撤収したものの、招待されたお二人はキャラバンで一夜を明かし、翌日は海でSUPフィッシングを体験。2人が2日で4つのアクティビティを体験できるのも、キャラバンの積載力あってこそだろう。特にかさばる29インチフルサスバイクを積んでも余裕があるのは3050㎜というクラス最大の荷室長を誇るキャラバンならでは。
しかしこんな楽しみ方を知ってしまったら自分でもやりたくなってしまうものである。勢い込んで、次なるシクロワイアード号はモーターホーミング仕様のキャラバンが有力候補ですよ!と経理に上奏したところ、「え?車中泊してるなら宿泊費いらなくない?返してもらえる?」とまさかの事態に……。金欠編集部員の明日はどっちだ?(続きません)
今回、編集部のもとに届いたのはなんと珍しいことに日産からのイベントの案内。トヨタのハイエースと並び、キャブオーバータイプのビジネスバンとして知られる同社のキャラバンがアウトドアユースに向けてモデルチェンジしたのだという。
ADVANTURE、バンを駆使した新しい冒険のカタチ、と銘打ち、キャラバンに荷物を満載して釣りやMTBといったアクティビティを楽しみ、車中泊する。まさにアウトドアアクティビティの基地として使いやすい1台に進化したのだとか。
今回は、その世界観を体感してもらうため、300組のなかから選ばれた幸運な1組の親子をADVANTUREライフへと招待し、その様子を取材してほしいのだという。そんなわけで、茨城県の北部、自然豊かな高萩市へ。東北道高萩ICを降りて15分ほど、海が見えるダム、という花貫ダムのすぐそばにあるキャンプ場「花貫ふるさと自然センター」が目的地だ。
会場で新型キャラバンの進化について、軽くレクチャーを受ける。シートをより乗り心地に優れたものへ変更し、ハンドル形状もブラッシュアップしたのだという。さらに、レーダーとカメラを併用する方式へと進化したエマージェンシーブレーキも搭載されるほか、上位グレードにはカメラ映像をルームミラーに映す「インテリジェントルームミラー」や車の周囲360度を把握できる「アラウンドビューモニター」といった機能も搭載。
なるほど、確かに後ろに自転車を積んでいると後方の視界を確保しづらい時もある。キャンプなどで荷物を山積みしていればなおのことだろう。確かにこれは良さそうだフムフム、と納得。それでは早速お目に掛けましょうということで、実車のもとへ移動した。
木漏れ日の差し込む林の中にたたずむ真っ白な車体。ホワイトのワンボックスというとどうしても商用車感は否めないものだけど、どこか垢ぬけた雰囲気を醸し出すのは、新色「ピュアホワイトパール」の奥行きのある高級感によるものだろう。
リアゲートを開けると、そこにはぎっしりと様々なアイテムが。E-MTB2台にSUPボード、ロッド2本、クーラーボックスやタックルケース、工具箱などなど、まるで魔法の箱のようにいろんな道具が運び出されてくる。
極めつけは引き出し式のキッチンラック。2口IHクッキングヒーターや電動ポンプを利用した蛇口までついたハンドメイドの一品で、なんならワンルームのキッチンスペースよりも贅沢な仕様である。荷物を引き出した後は、トランクルームに板を渡し、マットを敷けばあっという間にベッドルームに変身だ。
車中泊。それはCW編集部員にはなじみ深いもの。なけなしの給料を自転車用品やらなんやらにつぎ込みがちで、万年金欠の編集部員にとって、出張時の宿泊補助を懐に収めるべくシクロワイアード号に寝泊まりするのは常套手段である。特にイベント取材を多く手掛ける私、安岡にとっては。
そんなやむにやまれぬ(?)事情で、イベント会場の駐車場に深夜にたどり着き、後部ベンチシートに敷いた飛行機輪行用のOS-500の上で夜を明かし、取材に入るというルーチンをこなしている私にとって、同じ車中泊という言葉で表現するのは憚られるラグジュアリーさである。
こう、車中泊ってのは、もっと殺伐としてるものだという先入観がガラガラと音を立てて崩れ落ちていく、というより別物過ぎてもはやショックも受けないレベルではある。
「最近はモーターホーミング、っていうんですよ」とレクチャーしてくれている先生の言葉に深く納得する。別の概念には、別のラベルを貼るべきだ。そう、野宿とグランピングが別物であるように、僕のが車中泊で、これはモーターホーミングだ。実に横文字が似合う、小洒落たアクティビティである。チクショー。
一通り設備の説明を受けた後は、アクティビティ体験へ。キャンプといえば焚火である。なんと今度高萩にはブッシュクラフト専用のフィールドができるということで、私たちも経験できることに。
ブッシュクラフトとは、できるだけ自然の中で便利な技術を使わずに知恵を絞って生活していこう、というアクティビティ。例えば、普通のキャンプであれば、着火剤を使ってライターで火をつけるところを、あえてそれらを使わずに火を起こしてみよう、というような、あえて「不便」を楽しむものなのだとか。
なんでわざわざそんな手間なことを、とお思いの方もいるかもしれないが、意外にサイクリストははまりそうな気がするアクティビティだ。車やバイクがあるのにわざわざ自転車に乗っているのと、根底は一緒である。
今回は入門ということで、ナイフとファイアスターター(火打石の現代版)を使った火起こしを体験。ナイフで薪を割って焚き付けを作り、さらに燃えやすいように表面を薄く削ることで表面積を増やした「フェザースティック」を作り、火口となる麻紐にファイアスターターで着火すると、あっという間にフェザースティックから焚き付け、そして薪へと火が移っていき、火起こしに成功。ガスや着火剤の力を借りずに起こした火は、なんだか一味違うような。
じんわり焚火で温まったころ合いで、今度はトレイルへ。トレックのE-MTBであるRailが用意されており、元プロライダーの先導のもとMTB体験が出来た。花貫川を中心とした谷の中腹に位置するだけに、なかなかの急こう配の登りもあり、E-MTBの本領発揮。
今回のイベントではMTB初体験という方も多く、あちこちで黄色い悲鳴が聞こえつつも戻ってくると皆さん笑顔で、「あと一周」、「もう一周」、「もう一回だけお願いします」と、かなり自転車の魅力に取りつかれた様子。
我々取材班は、残念ながら1日目で撤収したものの、招待されたお二人はキャラバンで一夜を明かし、翌日は海でSUPフィッシングを体験。2人が2日で4つのアクティビティを体験できるのも、キャラバンの積載力あってこそだろう。特にかさばる29インチフルサスバイクを積んでも余裕があるのは3050㎜というクラス最大の荷室長を誇るキャラバンならでは。
しかしこんな楽しみ方を知ってしまったら自分でもやりたくなってしまうものである。勢い込んで、次なるシクロワイアード号はモーターホーミング仕様のキャラバンが有力候補ですよ!と経理に上奏したところ、「え?車中泊してるなら宿泊費いらなくない?返してもらえる?」とまさかの事態に……。金欠編集部員の明日はどっちだ?(続きません)
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