2019/10/08(火) - 15:18
道東オホーツクエリアの絶景コースと地元グルメを堪能できる2日間のガイドツアー「もぐもぐライドinオホーツク」。昨年見た充実のおもてなしライドは今年も健在。更にパワーアップしたライドをレポートしましょう。
9月20日18時、女満別空港、11.9℃。残暑厳しい東京から2時間ほどで降り立ったオホーツクの玄関口は完全に初冬の空気で迎えてくれた。薄手のチノパンにTシャツ一枚の姿には寒すぎる。昨年の記憶を紐解いても、こんなに寒かった覚えは無いのだけれど、あまりの楽しさゆえにただ忘れていただけかもしれない。
バックパックに詰め込まれているのは完全に夏用のウエアばかり。長袖なのは雨用のレインウェアくらい。なぜパッキング時に天気予報を確認しなかったのか。初歩的なミスに臍をかみつつ、女満別空港のセブンイレブンでホットカフェラテを注ぎ温まる。知っているセブンのカフェラテと少し異なる味わいに、北海道に来たことを実感する。北海道のセブンではよつば牛乳が使われているのだ。
程なくやってきた迎えの車のハンドルを握るのは北見市役所の泉さん。昨年のもぐもぐライド、今年の初頭に行われた流氷ライドを企画した、オホーツク圏の自転車推進政策のキーマンである。後部座席には、明日からのツアーに参加されるお客さんと、ゲストライダーの絹代さんらも。
「ウトロのほうへ行ってたんですよー」。なんと午前入りしていた皆さんは知床まで足を延ばしていたらしい。う、うらやましい……。ちなみにこの知床観光は完全に泉さんのおもてなしである。「わざわざこんなところまで来てくれたんだから、とにかく楽しんでほしいですよ!」その言葉に嘘偽りがないことは、過去2回の経験が証明している。女満別空港から30分ほど走り、網走市街へ。今夜は顔合わせということで、市内の居酒屋にて食卓を囲みそれぞれの宿泊先へと向かうのだった。
さて、あくる朝。網走駅前のロータリーに参加者たちが集まった。ガイドの西原さんやサポートライダーも合わせれば、10名弱になる。さらにサポートカーが一台随行し、荷物の運搬やいざという時のトラブルなどにも備えてくれる。
綺麗に晴れた空からはぽかぽかと陽射しが注ぎ、昨日の夜のような肌寒さは感じず。おかげで夏用ウエアしか持ってこなかった自分でも全く問題ないほどの陽気にホッと一安心である。
今日のコースの大まかなレクチャーのもと、早速サイクリングスタート。網走駅前を出発し、一路網走湖方面へ。全面結氷した湖面をファットバイクで駆け回り、ワカサギの穴釣りを楽しんだ冬の流氷ライドが嘘のように、普通の湖の姿を取り戻している。
最後尾を行く絹代さんの後ろには大きなトレーラーが。2人の子供と一緒にサイクリングを楽しもうと、この日のために用意してきたのだとか。幅広の2人乗りトレーラーでも安心して走ることができるのは、道幅も広く、交通量も少ないオホーツクだからこそ。乗っている2人からは「お母さん頑張ってー!」と声援が飛んでいる。一見微笑ましい光景だが、母の威厳を見せるためには一瞬たりとも手を(脚を?)抜けない背水の陣でもあるのではないだろうか?
最初の目的地となるのは、ジェラートショップ「RIMO」。石北本線をまたぐ跨線橋を越えてすぐ、左手に現れるログハウスが目印だ。店長の髙田さんは、2017年にイタリア・シチリア島パレルモにて開催されたジェラートの世界大会のチャンピオンに輝いた経歴の持ち主とあって、ここ網走観光に訪れたら一度は足を運ぶべき名店として知られている。
この日も、開店の5分ほど前に到着したにもかかわらず、駐車場はすでに満車。お店の前には何組かの待機列も出来ている盛況ぶりだ。この日は、世界大会で優勝を果たしたオリジナルフレーバー「凪」もショーケースの中に並んでいる。他にも季節ごとに旬の味を楽しめる。
思い思いのフレーバーを選んだら、天気もいいことだしテラス席にてスイーツタイム。「そっちのは何味ですかー?」「あ、これ美味しい!」なんて、自分も気になっていたフレーバーを交換しあえば、あっという間に初対面の人とも打ち解けられる。これがほんとのアイスブレイク、なんちって。
スタートしてわずか30分ほどで、絶品ジェラートに舌鼓。ここから先もこのペースでグルメを詰め込まれていてはせっかく下降局面に入りつつあった体重が再び成層圏を突破するのも目前である。少し自重せねば……、と考えているといつの間にか女満別の絶品パン屋さん、ブーランジェリーアンジュさんに到着。気づけばブルーベリーデニッシュを手にしていた。
いやまあ、そんな自制心が働けばいまこんな体重にはなっていないので、当然の帰結といえば当然なのだが、過去に2回訪れてこのパン屋さんのおいしさを知っている身からすれば、女満別へ訪れてアンジュのパンを食べないほうがどうかしている。北海道産の小麦と牛乳やバターを使用し、焼き上げられたパンはどれも絶品。みんなどれにしようか迷っている。むしろひとつだけに決めた自分を褒めてやりたいくらいである。
各々戦利品を手に入れたら、一旦パンはサポートカーへ。この先に待つ絶景ポイントでいただこうという作戦だ。なんでも網走湖を眼下に望む絶景スポットということで、つまりは登りが待っているということだ。
普段であれば、登りか……(遠い目)となるところだけれども、ここに至っては少しでもカロリーを消費できるとあってなんだかウェルカムな雰囲気に。恐るべしもぐもぐライド。
いざ登り始めると、まあ結構な斜度の坂なのだけれど距離はそこまででもなく、2分ほど我慢すれば登り切れるほど。でも、一旦強度を上げて運動した達成感があれば、パンを食べる大義名分もたとうというものだ。
登り切った先に待っていた朝日丘展望台は美しいひまわり畑に囲まれた絶景スポット。西側には網走湖、東には斜里岳をはじめとした知床連山までを望む大パノラマが開けている。そんな景色を楽しみながら頂くパンが美味しくないわけがない。パクパクペロリとあっという間に平らげてしまう。
ここからはしばらくオホーツクの丘陵地帯を走っていく。玉ねぎやジャガイモ、ビートの畑を貫くように真っすぐな道が格子状に張り巡らされた、いかにも北海道といったコースだ。ジェットコースターのようなアップダウンをいくつも走っていく。目指すは東、斜里岳聳える方角へ。
何度も丘を越えた先に、大きな湖が見えてくる。ラムサール条約にも登録された濤沸湖だ。毎年何万もの渡り鳥たちが飛来するという汽水湖で、最近はタンチョウの繁殖も確認されたのだという。そんな濤沸湖を渡った先の道の駅「はなやか小清水」でランチタイムだ。
アウトドアブランドのモンベルストアも併設されているこの道の駅は、ちょうど斜里と網走の中間地点にあり、ひっきりなしにお客さんが訪れる人気スポット。レストランではオホーツク海で採れたホタテや、小清水産のジャガイモを使った様々なメニューがたくさん。あれやこれやと迷いつつ、ホタテフライカレーを頂くことに。
ホタテを混ぜたコロッケとかじゃないの?なんて疑いながら頂くと、じゅわっとホタテのうま味が口いっぱいに広がった。丸ごと一つ、大粒のホタテを贅沢に使ったフライがなんと4つも乗せられたカレーはここでしか食べれられない絶品だ。
大満足のランチを終えたところに泉さんから「これデザートに!」とひんやり冷えたスイートポテトが配られた。どれどれといただくと、これがまたほっぺが落ちる甘さで美味しい!
「これ、実はジャガイモなんですよ」
明かされる衝撃の事実。なんとサツマイモではなく、小清水産のジャガイモでできたスイートポテトなのだという。しかもこの道の駅で製造されており、1日限定250個ですぐに完売してしまう人気商品をわざわざ確保してくれていたのだとか。そういうことは先に教えてほしい、もっとありがたりながら食べたのに!泉さん、そういうとこですよ(笑)
道の駅からほど近くには、近年人気急上昇のオホーツク土産、「ほがじゃ」の製造工場があるという。ほがじゃは、小清水のじゃがいもでんぷんをベースに、ホタテやイカ、タラコなどがふんだんに使われたフリッターおせん。おせんべいと名乗らないのは、きっと米を使っていないからだろう。
自転車で2分もかからない距離でほぼ隣接しているといってもいいほど。少なくとも北海道のスケール感ではお隣さんだろう。工場、というイメージから少し遠い外観なのだが、それもそのはず、もともと学校であった建物を再利用する形で工場となったのだという。
建物へと入るとアートな空間が広がっている。北陽小学校に通っていた生徒たちが、描き上げた絵にデザイナーが着色した作品が壁一面に飾られているのだ。ガラスの向こうに生産ラインが見えていて、ちょうど袋詰め作業を行っているところを見学できた。機械のアームが次々流れてくるほがじゃを2枚1組にしていく様は見ていて飽きない。
工場直営とあって、お得な「お徳用われせん」など、ここでしか購入できない商品も。オホーツクを代表するお土産をみなさんしこたま買い込んで、サポートカーへと積み込む。私もわれせんを編集部用に購入するのだった。
さて、ここからは一路網走市内へと戻っていく。オホーツク海と湯沸湖に挟まれた砂嘴の上を快走。小清水原生花園を通り過ぎ、世界遺産登録を目指す釧網線の車両とすれ違い、西へと走る。冬には流氷に閉ざされ、まるで鏡のように凪いでいたオホーツク海も初秋には力強い波が押し寄せている。海岸線沿いには、カラフトマスやシロザケを狙うアングラーが等間隔で竿を何本も並べているのも、北海道の秋の風物詩だ。
道の駅流氷街道あばしりにて少し休憩をはさみ、最後に向かったのが網走の中心部にあるかまぼこ屋「あばしり」。こちらは北見食品工業さんの直営店で、なんとすりみを購入するとその場で揚げてくれ、揚げたてのかまぼこを頂くことが出来るのだ。
「北見からこっちに来たら、お土産で絶対買って帰るんだよねー」と泉さん。実際、地元の人に教えてもらわなければ、観光客が入ろうとは思わないような佇まいの地域密着型のお店。ほたて天やたい天、かぼちゃ天などの他に、フライなども!
それぞれ好きなタネを揚げてもらい、アツアツのかまぼこを店先で頂く至福の時間を楽しめば、フィニッシュである網走駅は目と鼻の先。大満足の1日目を終えたのであった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
9月20日18時、女満別空港、11.9℃。残暑厳しい東京から2時間ほどで降り立ったオホーツクの玄関口は完全に初冬の空気で迎えてくれた。薄手のチノパンにTシャツ一枚の姿には寒すぎる。昨年の記憶を紐解いても、こんなに寒かった覚えは無いのだけれど、あまりの楽しさゆえにただ忘れていただけかもしれない。
バックパックに詰め込まれているのは完全に夏用のウエアばかり。長袖なのは雨用のレインウェアくらい。なぜパッキング時に天気予報を確認しなかったのか。初歩的なミスに臍をかみつつ、女満別空港のセブンイレブンでホットカフェラテを注ぎ温まる。知っているセブンのカフェラテと少し異なる味わいに、北海道に来たことを実感する。北海道のセブンではよつば牛乳が使われているのだ。
程なくやってきた迎えの車のハンドルを握るのは北見市役所の泉さん。昨年のもぐもぐライド、今年の初頭に行われた流氷ライドを企画した、オホーツク圏の自転車推進政策のキーマンである。後部座席には、明日からのツアーに参加されるお客さんと、ゲストライダーの絹代さんらも。
「ウトロのほうへ行ってたんですよー」。なんと午前入りしていた皆さんは知床まで足を延ばしていたらしい。う、うらやましい……。ちなみにこの知床観光は完全に泉さんのおもてなしである。「わざわざこんなところまで来てくれたんだから、とにかく楽しんでほしいですよ!」その言葉に嘘偽りがないことは、過去2回の経験が証明している。女満別空港から30分ほど走り、網走市街へ。今夜は顔合わせということで、市内の居酒屋にて食卓を囲みそれぞれの宿泊先へと向かうのだった。
さて、あくる朝。網走駅前のロータリーに参加者たちが集まった。ガイドの西原さんやサポートライダーも合わせれば、10名弱になる。さらにサポートカーが一台随行し、荷物の運搬やいざという時のトラブルなどにも備えてくれる。
綺麗に晴れた空からはぽかぽかと陽射しが注ぎ、昨日の夜のような肌寒さは感じず。おかげで夏用ウエアしか持ってこなかった自分でも全く問題ないほどの陽気にホッと一安心である。
今日のコースの大まかなレクチャーのもと、早速サイクリングスタート。網走駅前を出発し、一路網走湖方面へ。全面結氷した湖面をファットバイクで駆け回り、ワカサギの穴釣りを楽しんだ冬の流氷ライドが嘘のように、普通の湖の姿を取り戻している。
最後尾を行く絹代さんの後ろには大きなトレーラーが。2人の子供と一緒にサイクリングを楽しもうと、この日のために用意してきたのだとか。幅広の2人乗りトレーラーでも安心して走ることができるのは、道幅も広く、交通量も少ないオホーツクだからこそ。乗っている2人からは「お母さん頑張ってー!」と声援が飛んでいる。一見微笑ましい光景だが、母の威厳を見せるためには一瞬たりとも手を(脚を?)抜けない背水の陣でもあるのではないだろうか?
最初の目的地となるのは、ジェラートショップ「RIMO」。石北本線をまたぐ跨線橋を越えてすぐ、左手に現れるログハウスが目印だ。店長の髙田さんは、2017年にイタリア・シチリア島パレルモにて開催されたジェラートの世界大会のチャンピオンに輝いた経歴の持ち主とあって、ここ網走観光に訪れたら一度は足を運ぶべき名店として知られている。
この日も、開店の5分ほど前に到着したにもかかわらず、駐車場はすでに満車。お店の前には何組かの待機列も出来ている盛況ぶりだ。この日は、世界大会で優勝を果たしたオリジナルフレーバー「凪」もショーケースの中に並んでいる。他にも季節ごとに旬の味を楽しめる。
思い思いのフレーバーを選んだら、天気もいいことだしテラス席にてスイーツタイム。「そっちのは何味ですかー?」「あ、これ美味しい!」なんて、自分も気になっていたフレーバーを交換しあえば、あっという間に初対面の人とも打ち解けられる。これがほんとのアイスブレイク、なんちって。
スタートしてわずか30分ほどで、絶品ジェラートに舌鼓。ここから先もこのペースでグルメを詰め込まれていてはせっかく下降局面に入りつつあった体重が再び成層圏を突破するのも目前である。少し自重せねば……、と考えているといつの間にか女満別の絶品パン屋さん、ブーランジェリーアンジュさんに到着。気づけばブルーベリーデニッシュを手にしていた。
いやまあ、そんな自制心が働けばいまこんな体重にはなっていないので、当然の帰結といえば当然なのだが、過去に2回訪れてこのパン屋さんのおいしさを知っている身からすれば、女満別へ訪れてアンジュのパンを食べないほうがどうかしている。北海道産の小麦と牛乳やバターを使用し、焼き上げられたパンはどれも絶品。みんなどれにしようか迷っている。むしろひとつだけに決めた自分を褒めてやりたいくらいである。
各々戦利品を手に入れたら、一旦パンはサポートカーへ。この先に待つ絶景ポイントでいただこうという作戦だ。なんでも網走湖を眼下に望む絶景スポットということで、つまりは登りが待っているということだ。
普段であれば、登りか……(遠い目)となるところだけれども、ここに至っては少しでもカロリーを消費できるとあってなんだかウェルカムな雰囲気に。恐るべしもぐもぐライド。
いざ登り始めると、まあ結構な斜度の坂なのだけれど距離はそこまででもなく、2分ほど我慢すれば登り切れるほど。でも、一旦強度を上げて運動した達成感があれば、パンを食べる大義名分もたとうというものだ。
登り切った先に待っていた朝日丘展望台は美しいひまわり畑に囲まれた絶景スポット。西側には網走湖、東には斜里岳をはじめとした知床連山までを望む大パノラマが開けている。そんな景色を楽しみながら頂くパンが美味しくないわけがない。パクパクペロリとあっという間に平らげてしまう。
ここからはしばらくオホーツクの丘陵地帯を走っていく。玉ねぎやジャガイモ、ビートの畑を貫くように真っすぐな道が格子状に張り巡らされた、いかにも北海道といったコースだ。ジェットコースターのようなアップダウンをいくつも走っていく。目指すは東、斜里岳聳える方角へ。
何度も丘を越えた先に、大きな湖が見えてくる。ラムサール条約にも登録された濤沸湖だ。毎年何万もの渡り鳥たちが飛来するという汽水湖で、最近はタンチョウの繁殖も確認されたのだという。そんな濤沸湖を渡った先の道の駅「はなやか小清水」でランチタイムだ。
アウトドアブランドのモンベルストアも併設されているこの道の駅は、ちょうど斜里と網走の中間地点にあり、ひっきりなしにお客さんが訪れる人気スポット。レストランではオホーツク海で採れたホタテや、小清水産のジャガイモを使った様々なメニューがたくさん。あれやこれやと迷いつつ、ホタテフライカレーを頂くことに。
ホタテを混ぜたコロッケとかじゃないの?なんて疑いながら頂くと、じゅわっとホタテのうま味が口いっぱいに広がった。丸ごと一つ、大粒のホタテを贅沢に使ったフライがなんと4つも乗せられたカレーはここでしか食べれられない絶品だ。
大満足のランチを終えたところに泉さんから「これデザートに!」とひんやり冷えたスイートポテトが配られた。どれどれといただくと、これがまたほっぺが落ちる甘さで美味しい!
「これ、実はジャガイモなんですよ」
明かされる衝撃の事実。なんとサツマイモではなく、小清水産のジャガイモでできたスイートポテトなのだという。しかもこの道の駅で製造されており、1日限定250個ですぐに完売してしまう人気商品をわざわざ確保してくれていたのだとか。そういうことは先に教えてほしい、もっとありがたりながら食べたのに!泉さん、そういうとこですよ(笑)
道の駅からほど近くには、近年人気急上昇のオホーツク土産、「ほがじゃ」の製造工場があるという。ほがじゃは、小清水のじゃがいもでんぷんをベースに、ホタテやイカ、タラコなどがふんだんに使われたフリッターおせん。おせんべいと名乗らないのは、きっと米を使っていないからだろう。
自転車で2分もかからない距離でほぼ隣接しているといってもいいほど。少なくとも北海道のスケール感ではお隣さんだろう。工場、というイメージから少し遠い外観なのだが、それもそのはず、もともと学校であった建物を再利用する形で工場となったのだという。
建物へと入るとアートな空間が広がっている。北陽小学校に通っていた生徒たちが、描き上げた絵にデザイナーが着色した作品が壁一面に飾られているのだ。ガラスの向こうに生産ラインが見えていて、ちょうど袋詰め作業を行っているところを見学できた。機械のアームが次々流れてくるほがじゃを2枚1組にしていく様は見ていて飽きない。
工場直営とあって、お得な「お徳用われせん」など、ここでしか購入できない商品も。オホーツクを代表するお土産をみなさんしこたま買い込んで、サポートカーへと積み込む。私もわれせんを編集部用に購入するのだった。
さて、ここからは一路網走市内へと戻っていく。オホーツク海と湯沸湖に挟まれた砂嘴の上を快走。小清水原生花園を通り過ぎ、世界遺産登録を目指す釧網線の車両とすれ違い、西へと走る。冬には流氷に閉ざされ、まるで鏡のように凪いでいたオホーツク海も初秋には力強い波が押し寄せている。海岸線沿いには、カラフトマスやシロザケを狙うアングラーが等間隔で竿を何本も並べているのも、北海道の秋の風物詩だ。
道の駅流氷街道あばしりにて少し休憩をはさみ、最後に向かったのが網走の中心部にあるかまぼこ屋「あばしり」。こちらは北見食品工業さんの直営店で、なんとすりみを購入するとその場で揚げてくれ、揚げたてのかまぼこを頂くことが出来るのだ。
「北見からこっちに来たら、お土産で絶対買って帰るんだよねー」と泉さん。実際、地元の人に教えてもらわなければ、観光客が入ろうとは思わないような佇まいの地域密着型のお店。ほたて天やたい天、かぼちゃ天などの他に、フライなども!
それぞれ好きなタネを揚げてもらい、アツアツのかまぼこを店先で頂く至福の時間を楽しめば、フィニッシュである網走駅は目と鼻の先。大満足の1日目を終えたのであった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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