2019/10/04(金) - 12:29
地元グルメたっぷりの前夜祭に続き、山形らしいフルーツ盛り合わせの第1エイドでおもてなし攻勢を受けたじろで庄内。だんだんと日差しが強くなる中を走り抜けた210kmのレポートをお届けします。
第1エイドとなる月山高原牧場でたっぷりフルーツ盛り合わせを頂き、しっかり補給を受けた後は、もう少しのヒルクライム区間が待っている。そして、峠を上り切った後は、第2エイドの道の駅しょうない風車市場までは、下り基調の快走路が登場。
風も追い風基調となり、スイスイとサイクルコンピューターの距離表示も回っていく。一方で、太陽もかなり空高く上り、ジリジリとした日差しも強く照りつけるようになってきた。吹き付ける風も爽やかとは言いがたい熱気のこもったものに。
飛び込むように第2エイドに到着すると、バケツいっぱいに掛け水が用意されている。まずは駆け付け一杯!とばかりに頭からザバリと被り、熱中症をすんでのところで免れる。
こちらのエイドでは新鮮な野菜スティックやスイカ、ごま団子などが振る舞われ、210kmコースのみに登場するヒルクライム区間に備えてしっかり補給。なかでも白眉は鳥海高原のヨーグルトとはらぺこファームのラズベリーソースが夢のコラボを果たしたというヨーグルトドリンク。私はといえば、背中に熱がこもる原因となる取材用バッグを大会車両に無理を言って預かっていただき、再度コースイン。
風車の里というのは伊達でなく、周辺には大きな風力発電用の風車が立ち並んでいる。遮るもののない田園地帯とあって、相当効率良く発電が出来そうだ。この日もブンブンとブレードが回転しているが、ハッピーなことに羽根は私達の方を向いている。つまり追い風ということ!その恩恵を最大限に受けながら先へ向かって進んでいく。
山形最大の河川である最上川沿いを下流へ向かって走っていくと、ロングコースとミドルコースの分岐点に。ミドルコースはこのまま最上川を下って日本海を目指すのだが、ロングコースは一旦北へ進路を取り、一山超えるコースとなる。
登りの手前には、臨時エイドが開かれておりOS-1のゼリーをいただく。既に気温は30度を越えており、いかにして熱中症にならないかが完走のカギとなるサバイバルライドの様相を呈してきている。正直、ここはショートカットしてミドルコースへ向かいたいところ。でも残念だけど僕は仕事なんですよね……。そんな使命を帯びていなくて、体力に自信のない方はショートカットすべきです(笑)
さて、実走取材という形式を考え出した誰かへの愚痴を呟きながら、2つ目の峠へ向かう。山へと入れば、生い茂る木々によって出来た日陰で一息つけるというもの。暑さをしのぎつつ、どうにか第3エイドとなる「ふれあいの滝産直ららら」へ到着した。
ロングコースはこの時点で92kmと、短めのイベントであればフィニッシュしている距離。そろそろお腹も空いてこよう頃合いを見計らったかのように提供されたのはひんやりとした山菜そばと玉こんにゃく。大量発汗で塩分を失った身体には、そばつゆが甘く感じられるほど。あつかましくも2杯目をおかわりし、なんとか人心地つく。
ちなみに、この近くには山形最大の名瀑「玉簾の滝」もあるそうで、時間に余裕があればぜひともお目にかかりたいところ。なんとなれば滝行しても構わないほどの暑さであったけれど、どうにも時間が厳しいので泣く泣く先を急ぐことに。
さて、ここからしばらくは平坦なコース。第3エイドから最上川沿いまでダウンヒルを楽しんだら、再び稲穂の海へダイブ。茫漠と広がる田園風景はあまりにスケールが大きすぎて、全く進んでいる気がしない(笑)。そして直射日光を遮るものもない。常に水をかぶりながら走らないと干上がってしまいそうである。
なんとか金色の海から抜け出しちょっとした市街地へ。目についたセブンの看板に吸い寄せられるように入ると、そこにはなんと「臨時エイド」の文字が。これなら気兼ねなく立ち寄ることが出来るというものである。
気付けにアイスコーヒーと、冷却用の氷を一袋。ボトルに氷をめいっぱい詰め込み、余った分は背中へ入れて再出発。最上川の河川敷道路を走っていくと、日陰で休む参加者がちらほら。臨時エイドのおかげで何とか次なるエイドステーションにたどり着くころには、背中の氷はすっかり水になっていた。
さて、第4エイドとなるのは、東北公益文科大学酒田キャンパスの学生食堂だ。こちらの食堂は市民に開放されており、誰でも自由に利用することができるのだという。そんなオープンな雰囲気の大学食堂で振舞われたのは烏賊をゴロっと一匹丸ごと使ったイカめしだ。
しっかりと煮込まれて味が染みたイカは、むっちりとした食感が最高。そんなイカの中に炊き込みご飯が詰め込まれ、腹持ちのいい補給としてお昼時のエイドとしては満点だ。さらに、なんと梨が食べ放題に!日差しで干上がった身体には、しゃくしゃくと瑞々しい梨はこれ以上ない甘露のよう。間違いなく人生で一番美味しい梨でございました。
ここからは海岸線沿いの国道を南へ下っていく。とはいえ、次なる給水ポイントの湯野浜温泉までは防風林に遮られており、海は見えないのだけれども。このあたりになってくると、関門時間が迫ってきており、かなり急ぎ足に。といっても、急ぐ足も大して残ってはいないのが悲しい現実でもある。
防風林地帯を抜けると、湯野浜温泉の給水所に。多くのホテルや民宿が立地するプチリゾートな雰囲気を味わいながら、さらに先へと向かっていく。そのすぐ先にある白山島駐車場に設けられた第6エイドへ駆け込むと、つや姫のおにぎりと具だくさんの庄内風芋煮が待っていた。
裸足で歩くことが出来るほど細かな砂浜の由良海岸、そして沖合に見える白山島は、東北の江の島とも呼ばれる美景。白砂の海岸から、ぽつりとたたずむ小島に伸びる朱色の橋のコントラストは一見の価値ありだ。
いつまでも見惚れていたい景色だが、実はこの先の交差点における関門時間が迫っている。ロングコースとミドル&ショートコースの分岐となる交差点を時間までに通過せねば、ロングコースを完走することができないのだ。というわけで、最後のエイドステーションとなる農家レストランきらりに向かって、ひた走る。
奇岩が続く海岸沿いの国道を行き、温海温泉の入り口を左折。鄙びた雰囲気の温海温泉街を通過し、谷あいを流れる温海川を上流へ。温海川ダム沿いにはトンネルが登場するが、どれもひんやりした空気で気持ちいい。なんならずっとトンネルが続いてほしいくらいである。
そしてなんとか最終エイドの農家レストランきらりへ到着。ここからは、2つほどのアップダウンをこなせば、フィニッシュに向かって下りと平坦のみとなる。気づけば日も傾き始め、道の駅庄内みかわ いろり火の里へと帰還するころには、空もオレンジに染まりだしていた。
時間にして12時間ほどのロングライドに、脚はもう大満足である。聞くところによると、最初は270kmのコースも候補に挙がっていたという。それはもう見どころ満載のコースだったかもしれないが、最後までたどり着ける人もかなり限られただろうことを考えれば210kmコースになったことは良かったのではないだろうか。もしくは、2日間で合計270kmとして、脚に自信のない人でも楽しめるような種目があってもいいかもしれない。
ちなみに今年は台風の影響もあり猛暑の中での開催となったが、例年であれば「長袖で一日中農作業してても苦にならないんだよー」というほどの気温なのだという。できれば、そのコンディションで再び挑戦してみたいな、と思えるグッドでビッグなじろで庄内。来年の開催も今から楽しみだ。
text&photo:Naoki.Yasuoka
第1エイドとなる月山高原牧場でたっぷりフルーツ盛り合わせを頂き、しっかり補給を受けた後は、もう少しのヒルクライム区間が待っている。そして、峠を上り切った後は、第2エイドの道の駅しょうない風車市場までは、下り基調の快走路が登場。
風も追い風基調となり、スイスイとサイクルコンピューターの距離表示も回っていく。一方で、太陽もかなり空高く上り、ジリジリとした日差しも強く照りつけるようになってきた。吹き付ける風も爽やかとは言いがたい熱気のこもったものに。
飛び込むように第2エイドに到着すると、バケツいっぱいに掛け水が用意されている。まずは駆け付け一杯!とばかりに頭からザバリと被り、熱中症をすんでのところで免れる。
こちらのエイドでは新鮮な野菜スティックやスイカ、ごま団子などが振る舞われ、210kmコースのみに登場するヒルクライム区間に備えてしっかり補給。なかでも白眉は鳥海高原のヨーグルトとはらぺこファームのラズベリーソースが夢のコラボを果たしたというヨーグルトドリンク。私はといえば、背中に熱がこもる原因となる取材用バッグを大会車両に無理を言って預かっていただき、再度コースイン。
風車の里というのは伊達でなく、周辺には大きな風力発電用の風車が立ち並んでいる。遮るもののない田園地帯とあって、相当効率良く発電が出来そうだ。この日もブンブンとブレードが回転しているが、ハッピーなことに羽根は私達の方を向いている。つまり追い風ということ!その恩恵を最大限に受けながら先へ向かって進んでいく。
山形最大の河川である最上川沿いを下流へ向かって走っていくと、ロングコースとミドルコースの分岐点に。ミドルコースはこのまま最上川を下って日本海を目指すのだが、ロングコースは一旦北へ進路を取り、一山超えるコースとなる。
登りの手前には、臨時エイドが開かれておりOS-1のゼリーをいただく。既に気温は30度を越えており、いかにして熱中症にならないかが完走のカギとなるサバイバルライドの様相を呈してきている。正直、ここはショートカットしてミドルコースへ向かいたいところ。でも残念だけど僕は仕事なんですよね……。そんな使命を帯びていなくて、体力に自信のない方はショートカットすべきです(笑)
さて、実走取材という形式を考え出した誰かへの愚痴を呟きながら、2つ目の峠へ向かう。山へと入れば、生い茂る木々によって出来た日陰で一息つけるというもの。暑さをしのぎつつ、どうにか第3エイドとなる「ふれあいの滝産直ららら」へ到着した。
ロングコースはこの時点で92kmと、短めのイベントであればフィニッシュしている距離。そろそろお腹も空いてこよう頃合いを見計らったかのように提供されたのはひんやりとした山菜そばと玉こんにゃく。大量発汗で塩分を失った身体には、そばつゆが甘く感じられるほど。あつかましくも2杯目をおかわりし、なんとか人心地つく。
ちなみに、この近くには山形最大の名瀑「玉簾の滝」もあるそうで、時間に余裕があればぜひともお目にかかりたいところ。なんとなれば滝行しても構わないほどの暑さであったけれど、どうにも時間が厳しいので泣く泣く先を急ぐことに。
さて、ここからしばらくは平坦なコース。第3エイドから最上川沿いまでダウンヒルを楽しんだら、再び稲穂の海へダイブ。茫漠と広がる田園風景はあまりにスケールが大きすぎて、全く進んでいる気がしない(笑)。そして直射日光を遮るものもない。常に水をかぶりながら走らないと干上がってしまいそうである。
なんとか金色の海から抜け出しちょっとした市街地へ。目についたセブンの看板に吸い寄せられるように入ると、そこにはなんと「臨時エイド」の文字が。これなら気兼ねなく立ち寄ることが出来るというものである。
気付けにアイスコーヒーと、冷却用の氷を一袋。ボトルに氷をめいっぱい詰め込み、余った分は背中へ入れて再出発。最上川の河川敷道路を走っていくと、日陰で休む参加者がちらほら。臨時エイドのおかげで何とか次なるエイドステーションにたどり着くころには、背中の氷はすっかり水になっていた。
さて、第4エイドとなるのは、東北公益文科大学酒田キャンパスの学生食堂だ。こちらの食堂は市民に開放されており、誰でも自由に利用することができるのだという。そんなオープンな雰囲気の大学食堂で振舞われたのは烏賊をゴロっと一匹丸ごと使ったイカめしだ。
しっかりと煮込まれて味が染みたイカは、むっちりとした食感が最高。そんなイカの中に炊き込みご飯が詰め込まれ、腹持ちのいい補給としてお昼時のエイドとしては満点だ。さらに、なんと梨が食べ放題に!日差しで干上がった身体には、しゃくしゃくと瑞々しい梨はこれ以上ない甘露のよう。間違いなく人生で一番美味しい梨でございました。
ここからは海岸線沿いの国道を南へ下っていく。とはいえ、次なる給水ポイントの湯野浜温泉までは防風林に遮られており、海は見えないのだけれども。このあたりになってくると、関門時間が迫ってきており、かなり急ぎ足に。といっても、急ぐ足も大して残ってはいないのが悲しい現実でもある。
防風林地帯を抜けると、湯野浜温泉の給水所に。多くのホテルや民宿が立地するプチリゾートな雰囲気を味わいながら、さらに先へと向かっていく。そのすぐ先にある白山島駐車場に設けられた第6エイドへ駆け込むと、つや姫のおにぎりと具だくさんの庄内風芋煮が待っていた。
裸足で歩くことが出来るほど細かな砂浜の由良海岸、そして沖合に見える白山島は、東北の江の島とも呼ばれる美景。白砂の海岸から、ぽつりとたたずむ小島に伸びる朱色の橋のコントラストは一見の価値ありだ。
いつまでも見惚れていたい景色だが、実はこの先の交差点における関門時間が迫っている。ロングコースとミドル&ショートコースの分岐となる交差点を時間までに通過せねば、ロングコースを完走することができないのだ。というわけで、最後のエイドステーションとなる農家レストランきらりに向かって、ひた走る。
奇岩が続く海岸沿いの国道を行き、温海温泉の入り口を左折。鄙びた雰囲気の温海温泉街を通過し、谷あいを流れる温海川を上流へ。温海川ダム沿いにはトンネルが登場するが、どれもひんやりした空気で気持ちいい。なんならずっとトンネルが続いてほしいくらいである。
そしてなんとか最終エイドの農家レストランきらりへ到着。ここからは、2つほどのアップダウンをこなせば、フィニッシュに向かって下りと平坦のみとなる。気づけば日も傾き始め、道の駅庄内みかわ いろり火の里へと帰還するころには、空もオレンジに染まりだしていた。
時間にして12時間ほどのロングライドに、脚はもう大満足である。聞くところによると、最初は270kmのコースも候補に挙がっていたという。それはもう見どころ満載のコースだったかもしれないが、最後までたどり着ける人もかなり限られただろうことを考えれば210kmコースになったことは良かったのではないだろうか。もしくは、2日間で合計270kmとして、脚に自信のない人でも楽しめるような種目があってもいいかもしれない。
ちなみに今年は台風の影響もあり猛暑の中での開催となったが、例年であれば「長袖で一日中農作業してても苦にならないんだよー」というほどの気温なのだという。できれば、そのコンディションで再び挑戦してみたいな、と思えるグッドでビッグなじろで庄内。来年の開催も今から楽しみだ。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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