2019/06/18(火) - 12:00
北海道の東側に広がる自然豊かな北海道の川湯地域を舞台に開催されたロングライドイベント、グランフォンド摩周が開催された。2日間に渡って摩周湖や屈斜路湖を満喫したレポートをお届けしよう。まずは1日目のレポートから。
中標津空港や女満別空港、釧路空港から車で1時間半ほど。どの道を選んでも、山や丘を越えることになる。そう、今回の訪問先である弟子屈町は巨大なカルデラの中に位置している。かの有名な阿蘇カルデラを凌駕し、日本一の大きさを誇る屈斜路カルデラは、東西約26km、南北約20kmというスケール。
そんな屈斜路カルデラの中を2日間で満喫するイベントが、グランフォンド摩周。屈斜路湖と摩周湖、2つの美しい湖と周りを取り囲む豊かな森林、そして地元のグルメを満喫できる雄大なロングライドイベントへとお邪魔した。
2日間を通してメイン会場となるのは、釧路圏摩周観光文化センターだ。会場に到着すると「がんばれ!!グランフォンド摩周」と大書された横断幕が掲げられている。JAてしかがのゆるキャラ、牛山豚彦君、そして弟子屈町のお隣である鶴居村のゆるキャラ、つるぼーまで会場に駆けつけた。このイベントが地元の方々から注目と期待を集めていることが実感できる。
様々なアクティビティに積極的に取り組むマルチアスリートの布袋田沙織さんがスタート前にストレッチをリードしてくれ、しっかり体をほぐしたら、早速コースへ飛び出そう。1日目は屈斜路湖を望む津別峠へチャレンジするヒルクライムコースへジョイン。80kmと短めで、2日目を控えた足慣らしにはピッタリだ。
二転三転していた天気予報だったけれど、蓋を開けてみればなんてことはない、気持ちいい青空が一面に広がっている。涼やかな北海道の空気と、抜けるような青空で最高のサイクリング日和となりそうだ。
まずは一路北へと向かう。屈斜路湖と摩周湖のちょうど真ん中を貫く国道391号線を走っていく。北海道らしいまっすぐな道をサポートライダーのペーシングで快走していく。そうそう、このイベントは巡航速度別に30km/h、25km/h、20km/hと3つのグループに分かれて先導してもらえるのだ。脚の揃った集団で走っていくと、走りやすい北海道の道も更に快適に。
391号線を左に曲がり、川湯温泉方面へ。しばらく行くとツン、と刺激的な匂いが鼻をつく。なんの匂いだろうといぶかしんでいると、答えはすぐに見えてきた。第1エイドにもなっている硫黄山がすぐそばに迫っていたのだ。
山腹からは今も硫黄を含んだ噴煙がもうもうと立ち上り、周辺は薄黄色に染まっている。今も火山活動が続いていることを実感できる風景に圧倒されてしまいそう。レストハウス内に設けられたエイドステーションでは、そんな風景をみながらアツアツの豚汁とゆで卵がいただけるのだ。地熱を利用して作られる温泉卵は本当に熱くて、持っているだけで大変なくらい。
あまりにも雄大な景色に見惚れつつ、豚汁を冷ましながらいただいていると、あっという間に時間が過ぎてしまい、もと居たグループが出発してしまったことに気づかなかったほど。ということで、もう少しゆっくりペースの集団に乗っかって、次なる目的地へ向かう。
川湯温泉を抜け、屈斜路湖畔を右手に見ながら今度は南へと向かっていく。穏やかなアップダウンをこなしつつ、向かうは第2エイドの屈斜路プリンスホテル。こちらでは、ホテル自慢のパンがいくつも用意されており、少し減り始めたお腹を満たすことが出来た。
さて、ここからが本日のメインディッシュ、津別峠へのヒルクライムの始まりだ。11km、平均勾配役8%というプロフィールの津別峠は、過去にヒルクライムレースが開催されていたという本格的な峠。森の中を九十九折れで標高を上げていくコースは、北海道の峠の中では少数派。
台風によって土砂崩れが起きてしまった津別峠だが、昨年の春から再び通行可能となっている。怪我の功名というべきか否か、土砂崩れが起きた箇所は屈斜路湖を眼下に眺める新たな絶景ポイントにもなっていた。ここで景色に力をもらって、この先の急勾配区間へと挑んでいく。
津別峠の頂上へ辿り着いたと思ったら、エイドは分岐する林道のさらに先だという。津別峠展望台まであと2km、という看板に、覚悟を決めてペダルに力を込めなおす。明日の足慣らしにちょうど良いと言っていた過去の自分を呪いつつ、なんとか登り切った先にはまるでお城のような津別峠展望台が現れた。
なんとかエイドにたどり着いた皆さん、息を切らしながら芝生に倒れ込む方、振る舞いの温泉まんじゅうを堪能する方、それぞれの方法で体力回復に勤しんでいる。ここまで登ってきたのだから展望台に上らねば、と震える膝に鞭打って塔のてっぺんへ。
塔の一番上からは何にも邪魔されることない屈斜路湖の湖面が広がっており、登ってきた甲斐もあろうというもの。ちなみに、時期によっては早朝に屈斜路カルデラが雲海に沈むさまを見る事もできるのだという。それはそれは幻想的だそうで、気になる方は「津別峠 雲海」で画像検索してみてください。
さて、ここまで来たらあとは会場へと戻るのみ。ウインドブレーカーを羽織り、来た道を気持ちよく下っていく。畑の中を貫く農道を経由して、平坦基調の道をしばらく走れば、スタートした釧路圏摩周観光文化センターまであっという間だ。
フィニッシュ後はよもぎシフォンケーキを地元で絞った牛乳でいただけるというシンプルにして至高の組み合わせで幸せいっぱいに。こうして1日目のライドは締めくくられた、のだったが、この後は毎年恒例の前夜祭へ。
エイドとして登場した屈斜路プリンスホテルを舞台に開催された前夜祭には参加者の方々を始め、はるばる台湾からやってこられたツアー一行や大会を支えるスタッフの皆さんなど、たくさんのメンバーが参加し、大いに盛り上がる。
乾杯はもちろんサッポロクラシックで。そしてオリジナルカクテルの「摩周ハイボール」なども振舞われ、地元の食材を活かした料理と共に頂けば、地元の魅力を丸ごと味わえる。摩周の美味しいグルメとお酒に囲まれ、皆さん舌も滑らかになっている様子。
宴もたけなわとなってきたころには、豪華な景品が当たる抽選会も開催された。目玉となる屈斜路プリンスホテルのペアチケット。他にも協賛するレイクのグッズや、地元の銘酒など様々な景品が次々に現れ、会場は大盛り上がり。明日へ向けてテンションを高めるのだった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
中標津空港や女満別空港、釧路空港から車で1時間半ほど。どの道を選んでも、山や丘を越えることになる。そう、今回の訪問先である弟子屈町は巨大なカルデラの中に位置している。かの有名な阿蘇カルデラを凌駕し、日本一の大きさを誇る屈斜路カルデラは、東西約26km、南北約20kmというスケール。
そんな屈斜路カルデラの中を2日間で満喫するイベントが、グランフォンド摩周。屈斜路湖と摩周湖、2つの美しい湖と周りを取り囲む豊かな森林、そして地元のグルメを満喫できる雄大なロングライドイベントへとお邪魔した。
2日間を通してメイン会場となるのは、釧路圏摩周観光文化センターだ。会場に到着すると「がんばれ!!グランフォンド摩周」と大書された横断幕が掲げられている。JAてしかがのゆるキャラ、牛山豚彦君、そして弟子屈町のお隣である鶴居村のゆるキャラ、つるぼーまで会場に駆けつけた。このイベントが地元の方々から注目と期待を集めていることが実感できる。
様々なアクティビティに積極的に取り組むマルチアスリートの布袋田沙織さんがスタート前にストレッチをリードしてくれ、しっかり体をほぐしたら、早速コースへ飛び出そう。1日目は屈斜路湖を望む津別峠へチャレンジするヒルクライムコースへジョイン。80kmと短めで、2日目を控えた足慣らしにはピッタリだ。
二転三転していた天気予報だったけれど、蓋を開けてみればなんてことはない、気持ちいい青空が一面に広がっている。涼やかな北海道の空気と、抜けるような青空で最高のサイクリング日和となりそうだ。
まずは一路北へと向かう。屈斜路湖と摩周湖のちょうど真ん中を貫く国道391号線を走っていく。北海道らしいまっすぐな道をサポートライダーのペーシングで快走していく。そうそう、このイベントは巡航速度別に30km/h、25km/h、20km/hと3つのグループに分かれて先導してもらえるのだ。脚の揃った集団で走っていくと、走りやすい北海道の道も更に快適に。
391号線を左に曲がり、川湯温泉方面へ。しばらく行くとツン、と刺激的な匂いが鼻をつく。なんの匂いだろうといぶかしんでいると、答えはすぐに見えてきた。第1エイドにもなっている硫黄山がすぐそばに迫っていたのだ。
山腹からは今も硫黄を含んだ噴煙がもうもうと立ち上り、周辺は薄黄色に染まっている。今も火山活動が続いていることを実感できる風景に圧倒されてしまいそう。レストハウス内に設けられたエイドステーションでは、そんな風景をみながらアツアツの豚汁とゆで卵がいただけるのだ。地熱を利用して作られる温泉卵は本当に熱くて、持っているだけで大変なくらい。
あまりにも雄大な景色に見惚れつつ、豚汁を冷ましながらいただいていると、あっという間に時間が過ぎてしまい、もと居たグループが出発してしまったことに気づかなかったほど。ということで、もう少しゆっくりペースの集団に乗っかって、次なる目的地へ向かう。
川湯温泉を抜け、屈斜路湖畔を右手に見ながら今度は南へと向かっていく。穏やかなアップダウンをこなしつつ、向かうは第2エイドの屈斜路プリンスホテル。こちらでは、ホテル自慢のパンがいくつも用意されており、少し減り始めたお腹を満たすことが出来た。
さて、ここからが本日のメインディッシュ、津別峠へのヒルクライムの始まりだ。11km、平均勾配役8%というプロフィールの津別峠は、過去にヒルクライムレースが開催されていたという本格的な峠。森の中を九十九折れで標高を上げていくコースは、北海道の峠の中では少数派。
台風によって土砂崩れが起きてしまった津別峠だが、昨年の春から再び通行可能となっている。怪我の功名というべきか否か、土砂崩れが起きた箇所は屈斜路湖を眼下に眺める新たな絶景ポイントにもなっていた。ここで景色に力をもらって、この先の急勾配区間へと挑んでいく。
津別峠の頂上へ辿り着いたと思ったら、エイドは分岐する林道のさらに先だという。津別峠展望台まであと2km、という看板に、覚悟を決めてペダルに力を込めなおす。明日の足慣らしにちょうど良いと言っていた過去の自分を呪いつつ、なんとか登り切った先にはまるでお城のような津別峠展望台が現れた。
なんとかエイドにたどり着いた皆さん、息を切らしながら芝生に倒れ込む方、振る舞いの温泉まんじゅうを堪能する方、それぞれの方法で体力回復に勤しんでいる。ここまで登ってきたのだから展望台に上らねば、と震える膝に鞭打って塔のてっぺんへ。
塔の一番上からは何にも邪魔されることない屈斜路湖の湖面が広がっており、登ってきた甲斐もあろうというもの。ちなみに、時期によっては早朝に屈斜路カルデラが雲海に沈むさまを見る事もできるのだという。それはそれは幻想的だそうで、気になる方は「津別峠 雲海」で画像検索してみてください。
さて、ここまで来たらあとは会場へと戻るのみ。ウインドブレーカーを羽織り、来た道を気持ちよく下っていく。畑の中を貫く農道を経由して、平坦基調の道をしばらく走れば、スタートした釧路圏摩周観光文化センターまであっという間だ。
フィニッシュ後はよもぎシフォンケーキを地元で絞った牛乳でいただけるというシンプルにして至高の組み合わせで幸せいっぱいに。こうして1日目のライドは締めくくられた、のだったが、この後は毎年恒例の前夜祭へ。
エイドとして登場した屈斜路プリンスホテルを舞台に開催された前夜祭には参加者の方々を始め、はるばる台湾からやってこられたツアー一行や大会を支えるスタッフの皆さんなど、たくさんのメンバーが参加し、大いに盛り上がる。
乾杯はもちろんサッポロクラシックで。そしてオリジナルカクテルの「摩周ハイボール」なども振舞われ、地元の食材を活かした料理と共に頂けば、地元の魅力を丸ごと味わえる。摩周の美味しいグルメとお酒に囲まれ、皆さん舌も滑らかになっている様子。
宴もたけなわとなってきたころには、豪華な景品が当たる抽選会も開催された。目玉となる屈斜路プリンスホテルのペアチケット。他にも協賛するレイクのグッズや、地元の銘酒など様々な景品が次々に現れ、会場は大盛り上がり。明日へ向けてテンションを高めるのだった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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