2019/05/27(月) - 12:34
秋田県男鹿半島にて行われたグレートアースあきた白神男鹿なまはげライドの様子をレポート。前編は大会初となるバスツアー、そして水族館の大水槽前で行われた前夜祭というプレミアムな企画が目白押しの1日目から。
秋田県男鹿半島にて行われたグレートアースあきた白神男鹿なまはげライド
羽田から飛行機で1時間すこし。ドリンクサービスから間もなく着陸のアナウンスが流れてくる。イメージとしては、アツアツのコンソメスープを頼むのはオススメしない、というくらいだろうか。
あっという間に降り立ったのは、秋田空港。世界遺産・白神山地を有する秋田県の空の玄関口だ。今回の目的地は、秋田の中でも北側に位置する男鹿半島。能登半島から北へ向かって滑らかに孤を描く日本海沿いの海岸線にちょこんと突き出したロケーションが、グレートアースの舞台となる。
メイン会場となるなまはげオートキャンプ場
キャンプ場にはいたるところになまはげ看板が
準備に余念のないスタッフ
今年で5年目の節目を迎えることとなったグレートアース男鹿なまはげライド。昨年は「スーパーロングコース」と銘打って、男鹿半島から白神山地までを舞台とした220kmのビッグライドが開催された。
昨年のダイナミズム溢れるコース設定は好評だったようで、もっと初心者の方でも走ることがでるようにと、今年は昨年のスーパーロングコースを2日間に分けて体験できるような形式へとアップデートされた。
1日目に用意されたのが、八郎潟を有する大潟村から白神山地のある能代市へと向かう約50kmのサイクリング。メイン会場となる男鹿半島からスタート地点までバスで移動。そこからライドを楽しんだのち、バスで帰ってくるというのんびりしたツアーだ。
土曜日の朝、参加者の皆さんがメイン会場となるなまはげオートキャンプ場へやってくる。快晴に恵まれ、最高の一日になりそうな予感に、皆さんすでに笑顔がいっぱい。クロスバイクやE-BIKEのレンタルも用意されている。レンタルバイクを借りる方の中には、このイベントがスポーツバイクデビューという方もおり、出発前にはレクチャーも行われた。
参加者のバイクをトラックに積載中
グレートアースの過去のTシャツを販売中
今回はE-BIKEのレンタルもありました 男鹿でレンタサイクルとして使用されているものなのだとか
E-BIKEの操作方法をレクチャーする
受付が終わったら、自転車をトラックに積み込み、人はマイクロバスへと搭乗。MCの片岡さんが点呼をとる様子が、なんだか大人の修学旅行という感じで微笑ましい。海岸線をなぞるように北側へ向かっていくと、一基で400戸の電力を賄うという風力発電の風車が連なっている。「このあたりは風が強いんですよね」とは地元秋田テレビの佐藤さん。
ムム。登りと向かい風はホビーライダーの天敵である。少し表情が険しくなっていたのだろうか。「安心してください。この時期は南風がほとんどなので、今日は追い風ですから(笑)」との言に改めて風車を見ると、確かに私たちと正対するようにその大きな羽根を回している。同じ風でも追い風は大歓迎。ぜひ盛大に吹きみだれてくれたまえ。
それではバスに乗り込みます
いってらっしゃーい!とスタッフさんが見送ってくれました
砂だけで作られたなまはげ像が迎えてくれました
沢山の風車が並んでいます
周辺はメロン栽培が盛んなのだとか
バスに揺られること40分ほど、スタート地点となる三種町の「砂丘温泉 ゆめろん」に到着。さて、それじゃあ走り出すか、と思ったら「まあまあこれでも食べていきなさいよ」とお鍋からぷうんといい匂いをさせたスープをよそって渡してくれた。
なんとスタート前にいきなりの振る舞いが用意されていたのである。渡されたのは、三種町が日本一の生産量を誇るじゅんさいをたっぷり使ったお鍋。比内地鶏のガラからとったスープの中にぷるっぷるのじゅんさいともちもちのだまこ(きりたんぽのお団子版のようなもの)が入っており、朝ごはんには豪華すぎるというもの。つるつるぷるりんとしたじゅんさいの食感はクセになりそうだ。タピオカの次に来るのはじゅんさいブーム、間違いない。
スタート地点でいきなりだまこ汁のおもてなしが!
さっそくだまこ汁に舌鼓をうつ
自転車を下ろしてスタート準備中です
みなさん準備万端ですね
交通安全啓蒙のため警察の方に来ていただきました
それではいってきますー!
さて、予想外のおもてなしでお腹を満たしたらついにサイクリングスタート。周囲に広がる田んぼのど真ん中を貫く平坦路を走っていく。いくつか丘もあるけれど、基本的にはフラットなコースで、先ほども述べたように追い風基調の爽快ライドだ。
北へ向けて走っていくと、能代市街に到着。北前船の時代、銘木である秋田杉を全国へと流通させる一大拠点であった能代は東洋一の「木都」と呼ばれるほど栄えていた。その当時、最先端の技術であった杉の柾目材を贅沢に使用し建築されたの「旧料亭金勇」がこのツアーの第一エイドとして登場。
まっすぐな田園地帯を走っていきます
八幡神社を右に曲がると目的地はすぐそこです
能代のさまざまなお菓子が振舞われました
この日は裏千家の研究会が行われていた
能代のスイーツに元気をもらいました
由緒正しい元料亭「金勇」
現在は登録有形文化財として保存されている歴史的な建築物だが、今回のツアー参加者は特別に無料で中を見学させてもらえるという特典も。うるち米を使用した「志んこもち」や最中といった甘味を堪能したら、後半へ向けて走り出す。
さて、後半は一路海岸線沿いのコースへ。少しフィニシュッへ向けて緩やかに上り基調の道を行く。いくつか丘を越えた先に現れるのが、「ハタハタ館」。日本海を眺めつつ入ることのできる温泉施設だ。
綺麗な海岸線沿いの景色を楽しめます
金箔ソフトなんてのも登場
少し登り基調のコースを行きます
ハタハタ館に到着しました!
秋田名物きりたんぽが待っていました
海鮮丼ときりたんぽというコンビネーションは最高でしたね
ゴールからは自転車をトラックに積み、キャンプ場へと戻ります
皆さんちゃんといますかー! なんだか修学旅行の様
50㎞を走ってきたこともあり、まずは昼食タイムとなる。振る舞われるのは秋田名物「きりたんぽ」と海鮮丼!うるち米を半分搗いて(地元の人は半殺しにする、というらしい)、棒状にしたきりたんぽは、ご飯とお餅のちょうど中間のような食感。なかなかおなかにたまる感じで、ここに海鮮丼が加われば満腹間違いなし。
お腹一杯になったら、今度は温泉タイム。さらっとした泉質の温泉でさっぱりと汗を流すことができる。露天風呂からは日本海が一望できる大パノラマを楽しみ疲れを癒せば、あとはバスに乗って帰るだけ。こんな贅沢なライドツアーもなかなかない。
前夜祭のさらに前哨戦となったサンセットパーティー
まずはシャンパンで乾杯
GAOのテラスで夕陽を眺めつつシャンパンを頂く
さて、ここからはグレートアース恒例の前夜祭へ。いつもはオフィシャルホテルの大広間で開催されるのが常の前夜祭なのだけれど、今回は5周年ということで、スペシャルなロケーションが用意されたのだ。
メイン会場のなまはげオートキャンプ場からバスに揺られてたどり着いたのは、なんと男鹿水族館GAO。夕陽に染まるテラスで乾杯したのち、準備が整ったということで会場へと移動。そう、GAOが誇る大水槽の前が前夜祭会場となるのだ。男鹿半島の海を再現した深さ8m、2000匹の魚が泳ぐ巨大な水槽の前に、テーブルと食事が用意され、参加者を迎えてくれた。
そしてメイン会場は水族館の中へ…
豪華な刺身盛り合わせが!
白戸さんと片岡さんがMCを務める
大水槽の前にパーティー会場が用意されました
稲庭うどんやしょっつる汁など、秋田の食材を活かしたグルメがたくさん用意されていたけれど、もっとも豪華に目を引くのは男鹿の地魚を豪華に使った船盛り。ゆったりと魚たちが泳ぐ前で、お刺身を戴くというのはちょっと罪悪感があるけれど、おいしいものはおいしいのだ。仕方ない。
ゲストライダーの白戸太郎さんと男鹿市長によるカンパイを皮切りに豪華な宴が始まる。悠々と泳ぐ魚たちを眺めながら美味しい料理を戴けるなんて、自転車イベントの枠を超えたプレミアムな体験だ。
それではかんぱーい!
早速乾杯!
発売したばかりの秋田サワーが振舞われました
秋田サワーは最高でした
直前に発売されたばかりという秋田サワーを戴くと、皆さんかなり口が滑らかになってきた様子。本番のライドへ向けて仲間を作ればもっと自転車を楽しめるはず、というのがグレートアースが前夜祭を開催する狙い。そのコンセプト通り、皆さんどんどん仲良くなっていく。
水槽の中になまはげダイバーが現れ魚達に餌やりをするなんてサプライズも途中に挟み、会場のボルテージはうなぎ登り。(この水槽に鰻はいないけど)ちなみになまはげダイバーは、年に数回しか登場しないレアキャラクターで、わざわざこの前夜祭のためにご登場いただいたのだという。
トークタイムでカップルをいじりまくる白戸さん
初々しい様子に皆さんテンションアップ
じゃんけん大会に魚の前で大盛り上がり
みんなでおそろいのキャップをゲット!
なまはげダイバーが登場!
まさに宴もたけなわといった頃合いで、ずらずらと引き出されてきた机の上はいろんな箱や袋で埋め尽くされている。そう、前夜祭名物の豪華景品が用意されたじゃんけん大会の始まりだ。
ハタハタの焼きせんべいやサイクルキャップ、ヘルメット、さらに男鹿温泉郷の高級ホテル「つばき」のペア宿泊券など、商品が発表される度に歓声があがる。なかなかこんなに水槽前が騒がしいことも無いだろう、魚達に少し申し訳なく感じつつも賑やかな夜は更けていくのであった。
最高の前夜祭に皆さん大満足でした
text&photo:Naoki.Yasuoka
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今年で5年目の節目を迎えることとなったグレートアース男鹿なまはげライド。昨年は「スーパーロングコース」と銘打って、男鹿半島から白神山地までを舞台とした220kmのビッグライドが開催された。
昨年のダイナミズム溢れるコース設定は好評だったようで、もっと初心者の方でも走ることがでるようにと、今年は昨年のスーパーロングコースを2日間に分けて体験できるような形式へとアップデートされた。
1日目に用意されたのが、八郎潟を有する大潟村から白神山地のある能代市へと向かう約50kmのサイクリング。メイン会場となる男鹿半島からスタート地点までバスで移動。そこからライドを楽しんだのち、バスで帰ってくるというのんびりしたツアーだ。
土曜日の朝、参加者の皆さんがメイン会場となるなまはげオートキャンプ場へやってくる。快晴に恵まれ、最高の一日になりそうな予感に、皆さんすでに笑顔がいっぱい。クロスバイクやE-BIKEのレンタルも用意されている。レンタルバイクを借りる方の中には、このイベントがスポーツバイクデビューという方もおり、出発前にはレクチャーも行われた。
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受付が終わったら、自転車をトラックに積み込み、人はマイクロバスへと搭乗。MCの片岡さんが点呼をとる様子が、なんだか大人の修学旅行という感じで微笑ましい。海岸線をなぞるように北側へ向かっていくと、一基で400戸の電力を賄うという風力発電の風車が連なっている。「このあたりは風が強いんですよね」とは地元秋田テレビの佐藤さん。
ムム。登りと向かい風はホビーライダーの天敵である。少し表情が険しくなっていたのだろうか。「安心してください。この時期は南風がほとんどなので、今日は追い風ですから(笑)」との言に改めて風車を見ると、確かに私たちと正対するようにその大きな羽根を回している。同じ風でも追い風は大歓迎。ぜひ盛大に吹きみだれてくれたまえ。
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バスに揺られること40分ほど、スタート地点となる三種町の「砂丘温泉 ゆめろん」に到着。さて、それじゃあ走り出すか、と思ったら「まあまあこれでも食べていきなさいよ」とお鍋からぷうんといい匂いをさせたスープをよそって渡してくれた。
なんとスタート前にいきなりの振る舞いが用意されていたのである。渡されたのは、三種町が日本一の生産量を誇るじゅんさいをたっぷり使ったお鍋。比内地鶏のガラからとったスープの中にぷるっぷるのじゅんさいともちもちのだまこ(きりたんぽのお団子版のようなもの)が入っており、朝ごはんには豪華すぎるというもの。つるつるぷるりんとしたじゅんさいの食感はクセになりそうだ。タピオカの次に来るのはじゅんさいブーム、間違いない。
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北へ向けて走っていくと、能代市街に到着。北前船の時代、銘木である秋田杉を全国へと流通させる一大拠点であった能代は東洋一の「木都」と呼ばれるほど栄えていた。その当時、最先端の技術であった杉の柾目材を贅沢に使用し建築されたの「旧料亭金勇」がこのツアーの第一エイドとして登場。
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お腹一杯になったら、今度は温泉タイム。さらっとした泉質の温泉でさっぱりと汗を流すことができる。露天風呂からは日本海が一望できる大パノラマを楽しみ疲れを癒せば、あとはバスに乗って帰るだけ。こんな贅沢なライドツアーもなかなかない。
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ゲストライダーの白戸太郎さんと男鹿市長によるカンパイを皮切りに豪華な宴が始まる。悠々と泳ぐ魚たちを眺めながら美味しい料理を戴けるなんて、自転車イベントの枠を超えたプレミアムな体験だ。
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水槽の中になまはげダイバーが現れ魚達に餌やりをするなんてサプライズも途中に挟み、会場のボルテージはうなぎ登り。(この水槽に鰻はいないけど)ちなみになまはげダイバーは、年に数回しか登場しないレアキャラクターで、わざわざこの前夜祭のためにご登場いただいたのだという。
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まさに宴もたけなわといった頃合いで、ずらずらと引き出されてきた机の上はいろんな箱や袋で埋め尽くされている。そう、前夜祭名物の豪華景品が用意されたじゃんけん大会の始まりだ。
ハタハタの焼きせんべいやサイクルキャップ、ヘルメット、さらに男鹿温泉郷の高級ホテル「つばき」のペア宿泊券など、商品が発表される度に歓声があがる。なかなかこんなに水槽前が騒がしいことも無いだろう、魚達に少し申し訳なく感じつつも賑やかな夜は更けていくのであった。

text&photo:Naoki.Yasuoka
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