2019/02/14(木) - 12:03
2月11日に、東京は稲城市の多摩川河川敷で開催されたシクロクロスイベント、稲城クロスをレポート。東京五輪のロードレースコース組み込みを機に「自転車のまち」を目指す稲城市がバックアップした大会には、ビギナーカテゴリー中心ながら350名が集い、アットホームな雰囲気の中レースを楽しんだ。
昨年9月に続く2回目の開催を迎えた稲城クロスの会場は、大会を主催するチャンピオンシステム・ジャパンとCROSS COFFEEからほど近い稲城市の多摩川河川敷。JR矢野口駅から自転車で5分ほどの稲城北緑地公園には、各カテゴリー合わせて350名が集った。
「コース幅が取れないため稲城クロスはC4とC3、女子L2やキッズレースをメインとしているのですが、これほどエントリーが集まってくれたので嬉しいです。スポーツを支えるのはトップライダーではなくエントリー層の方々ですし、そういった方々がもっと気軽に集えるレースを作りたかったんです」と言うのは、チャンピオンシステム・ジャパンの代表であり、シクロクロス東京やスターライトクロスを成功に導いてきた棈木亮二さん。今回は東京都観光財団の活動の一環として開催されたため、エントリーフィーはたったの1,000円。もちろんAJOCC管轄の一戦として開催され、上位に食い込めばカテゴリー昇格も可能だ。
「チャンピオンシステムが拠点を置く稲城市に集客できるイベントを作りたかった」とも棈木代表は言う。会場には朝から「自転車のまち稲城」を掲げる高橋勝浩市長も応援に駆けつけ、大の自転車ファンでおなじみの安田大サーカス団長がMCを務めたことも手伝って、会場は朝から終盤まで終始賑やかな雰囲気に包まれた。
開催カテゴリーはキッズや、2レースが行われるC4、C3、M2/M3、L2/L3、3日後の2月14日にちなんで男女ミックス(のように見える仮装)ペアで仮装や演技力の完成度を争う「バレンタインレース」など8レース。普段C2やC1を走るレーサーのために性別やカテゴリーを問わないオープンレースも開催。風が吹き付け底冷えする河川敷だったものの、会場にはCROSS COFFEEブースも用意され、自慢のコーヒーやホットレモネードがレース前後の参加者や、応援に駆けつけたギャラリーを温める。
ボランティアスタッフの草刈りによって切り開かれたコースは、多摩川沿いに長いスペースをフルに使ったもの。非常に長いホームストレートや、180度ターンが目まぐるしく続くテクニカルセクション、そして堤防上のサイクリングロードまで駆け上がる階段区間。コース幅が狭く差が付きにくいレイアウトであり、多くのカテゴリーで階段区間を味方につけた参加者が有利に運ぶレースが展開された。
超マッドの初回大会とは異なる完全ドライコンディションで開催されたため、ビギナーにも機材にも優しいレース。実力者が集ったオープンカテゴリーでは(ほぼ)地元レースの安藤光平(SHIDO-WORKS)と17歳の上野悠佑太(TEAM GRM)による一騎打ちが展開され、2連シケインを全てバニーホップで飛び切り会場を沸かせた上野が優勝。3位に入った向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)はCROSS COFFEEでシクロクロスの講師も務めるレーサーだ。
今シーズン2レースを開催した稲城クロスだが、来シーズンも同規模・同会場での開催が予定されているという。「日本の強化体制を図る上でもエントリー層の充実は無視してはいけません。来年以降もショーアップされたスターライト幕張と、ローカルな稲城クロスの2つを同時進行で開催していきたいんです」と棈木代表は言う。この日は東京ヴェントスによるキッズを対象にしたスクールも開催され、参加者の子供達がトップレーサーの走りに目を輝かせていたことも印象的だった。
さて、先にも記したが、今回の稲城クロスは東京五輪のロードレースコース組み込みを機に「自転車のまち」を掲げた稲城市のイベントとしても開催された。稲城市としては2017年の10月に五輪コースの誘致を都に働きかけ、その頃から自転車を利用した地域振興に力を入れ始めた。
以前から矢野口駅周辺は神奈川や奥多摩方面に走り出すロードサイクリストの拠点として定着してきたが、CROSS COFFEEのオープンでそのムーブメントがより一層加速。稲城クロスも稲城市からチャンピオンシステム・ジャパンにラブコールが送られて実現し、稲城市はこれからも様々な施策を実施することで、より多くのサイクリストが立ち寄れるよう工夫していくという。
「五輪のロードレースを盛り上げたいのはもちろんですが、レースは男女それぞれ一回だけ。ですから一過性のものにするのではなく、例えば五輪コースを表すモニュメントの設置であったり、自転車ファンが集えるようなカフェや、拠点として使えるサイクルステーションの設置を通し、稲城市の自転車ムーブメントをより確かなものにしていきたい」と高橋市長は言う。
「稲城クロスは現在市内で唯一の自転車イベントですが、多くの参加者が集まってくれて嬉しいですね。道路を封鎖するロードレースの開催はなかなか難しいのですが、これからもこのイベントを"自転車のまち"の中心的なものとしてバックアップしていきたいと思います。
東京ヴェルディや読売ジャイアンツと市内には有名プロスポーツチームも多く、他よりもスポーツに対する意識が強いことが特徴ですが、その中で自転車は裾野が広く、健康にも良いし、環境にも良く、観光も、なおかつスポーツとしても成り立つ存在です。これから多くのアイディアを形にしていきますので、期待しておいて下さいね」。
楽しい一日の様子はムービーでもご覧ください。
text:So.Isobe
photo&movie:Makoto.AYANO
昨年9月に続く2回目の開催を迎えた稲城クロスの会場は、大会を主催するチャンピオンシステム・ジャパンとCROSS COFFEEからほど近い稲城市の多摩川河川敷。JR矢野口駅から自転車で5分ほどの稲城北緑地公園には、各カテゴリー合わせて350名が集った。
「コース幅が取れないため稲城クロスはC4とC3、女子L2やキッズレースをメインとしているのですが、これほどエントリーが集まってくれたので嬉しいです。スポーツを支えるのはトップライダーではなくエントリー層の方々ですし、そういった方々がもっと気軽に集えるレースを作りたかったんです」と言うのは、チャンピオンシステム・ジャパンの代表であり、シクロクロス東京やスターライトクロスを成功に導いてきた棈木亮二さん。今回は東京都観光財団の活動の一環として開催されたため、エントリーフィーはたったの1,000円。もちろんAJOCC管轄の一戦として開催され、上位に食い込めばカテゴリー昇格も可能だ。
「チャンピオンシステムが拠点を置く稲城市に集客できるイベントを作りたかった」とも棈木代表は言う。会場には朝から「自転車のまち稲城」を掲げる高橋勝浩市長も応援に駆けつけ、大の自転車ファンでおなじみの安田大サーカス団長がMCを務めたことも手伝って、会場は朝から終盤まで終始賑やかな雰囲気に包まれた。
開催カテゴリーはキッズや、2レースが行われるC4、C3、M2/M3、L2/L3、3日後の2月14日にちなんで男女ミックス(のように見える仮装)ペアで仮装や演技力の完成度を争う「バレンタインレース」など8レース。普段C2やC1を走るレーサーのために性別やカテゴリーを問わないオープンレースも開催。風が吹き付け底冷えする河川敷だったものの、会場にはCROSS COFFEEブースも用意され、自慢のコーヒーやホットレモネードがレース前後の参加者や、応援に駆けつけたギャラリーを温める。
ボランティアスタッフの草刈りによって切り開かれたコースは、多摩川沿いに長いスペースをフルに使ったもの。非常に長いホームストレートや、180度ターンが目まぐるしく続くテクニカルセクション、そして堤防上のサイクリングロードまで駆け上がる階段区間。コース幅が狭く差が付きにくいレイアウトであり、多くのカテゴリーで階段区間を味方につけた参加者が有利に運ぶレースが展開された。
超マッドの初回大会とは異なる完全ドライコンディションで開催されたため、ビギナーにも機材にも優しいレース。実力者が集ったオープンカテゴリーでは(ほぼ)地元レースの安藤光平(SHIDO-WORKS)と17歳の上野悠佑太(TEAM GRM)による一騎打ちが展開され、2連シケインを全てバニーホップで飛び切り会場を沸かせた上野が優勝。3位に入った向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)はCROSS COFFEEでシクロクロスの講師も務めるレーサーだ。
今シーズン2レースを開催した稲城クロスだが、来シーズンも同規模・同会場での開催が予定されているという。「日本の強化体制を図る上でもエントリー層の充実は無視してはいけません。来年以降もショーアップされたスターライト幕張と、ローカルな稲城クロスの2つを同時進行で開催していきたいんです」と棈木代表は言う。この日は東京ヴェントスによるキッズを対象にしたスクールも開催され、参加者の子供達がトップレーサーの走りに目を輝かせていたことも印象的だった。
さて、先にも記したが、今回の稲城クロスは東京五輪のロードレースコース組み込みを機に「自転車のまち」を掲げた稲城市のイベントとしても開催された。稲城市としては2017年の10月に五輪コースの誘致を都に働きかけ、その頃から自転車を利用した地域振興に力を入れ始めた。
以前から矢野口駅周辺は神奈川や奥多摩方面に走り出すロードサイクリストの拠点として定着してきたが、CROSS COFFEEのオープンでそのムーブメントがより一層加速。稲城クロスも稲城市からチャンピオンシステム・ジャパンにラブコールが送られて実現し、稲城市はこれからも様々な施策を実施することで、より多くのサイクリストが立ち寄れるよう工夫していくという。
「五輪のロードレースを盛り上げたいのはもちろんですが、レースは男女それぞれ一回だけ。ですから一過性のものにするのではなく、例えば五輪コースを表すモニュメントの設置であったり、自転車ファンが集えるようなカフェや、拠点として使えるサイクルステーションの設置を通し、稲城市の自転車ムーブメントをより確かなものにしていきたい」と高橋市長は言う。
「稲城クロスは現在市内で唯一の自転車イベントですが、多くの参加者が集まってくれて嬉しいですね。道路を封鎖するロードレースの開催はなかなか難しいのですが、これからもこのイベントを"自転車のまち"の中心的なものとしてバックアップしていきたいと思います。
東京ヴェルディや読売ジャイアンツと市内には有名プロスポーツチームも多く、他よりもスポーツに対する意識が強いことが特徴ですが、その中で自転車は裾野が広く、健康にも良いし、環境にも良く、観光も、なおかつスポーツとしても成り立つ存在です。これから多くのアイディアを形にしていきますので、期待しておいて下さいね」。
楽しい一日の様子はムービーでもご覧ください。
text:So.Isobe
photo&movie:Makoto.AYANO
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