2019/01/26(土) - 13:33
埼玉県川越市にあるモトクロスコース”オフロードヴィレッジ”を舞台に開催されている川越サイクルオフロードエンデューロ。1月19日に開催された第3戦に、オフロード初心者のシクロワイアード編集部員ムラタとカマタが参戦してきた。
何かとロードバイクに乗るのが億劫になってしまう冬。走り出すと身を切るような冷たい風が襲ってくるため、スピードを出そうという気分にならないし、登りで身体を温めても下りで冷えてしまう。高性能なウェアを着ればそんな悩みも解決してしまうのだろうけど、それでも腰は重いのだ。
スポーツサイクリング専門ウェブメディアたるCW編集部も例に漏れず、ムラタに至っては「自転車には乗りたいけど寒すぎますね。春が来るまで待ちましょう」なんて言い訳をしている。でも自転車に乗っていないと身体が日に日に怠けていっているような気がするし、何とも張り合いがない。
せめて、そんなにスピードが出なくても程よく楽しめて、あんまり遠くに行く必要が無くて、帰る時はラクラクの車移動ができれば良いのだけれど。ロードバイクだと速くて寒いから、せめてMTBかグラベルロードでオフロードを走るのはいいかもな、なんて考えていると、編集長がおもむろに「それなら川越サイクルオフロードエンデューロに行ってきたらどう?あれは結構オススメだよ」とレコメンドしてくれたのだ。
昨年11月より開催されている川越サイクルオフロードエンデューロ。モトクロスパークを舞台にしたオフロードイベントということで、今までのレースとは少し嗜好の異なるイベントとして話題らしい。なにより編集部のある東京からも近いということで参加決定。2018年はあまりジテカツ(自転車活動)が出来ていなかった編集部のムラタと私カマタが出向くことになったのだ。
実は今回参加するムラタ&カマタのコンビはオフロード初心者。ムラタは過去にMTBやシクロクロスレースに取材で参加したことはあるものの、それももう1~2年前の話。そして私カマタはオフロードイベントは初参加。オフロードバイクに乗ること自体も2、3回しかない。とは言っても両名共にオンロードで競技経験のある自転車乗り。きっとどうにかなるだろう。
そんなこんなでイベント当日。我々2名は豊富に機材を揃える編集長からハードテイルXCバイクとグラベルロードを借りて出場することにした。レーススタートは昼の13時からなので、編集部に集合し、諸々準備をしてから余裕を持って出発できるのもこのイベントの良いところ。
編集部から会場となるオフロードヴィレッジ(通称オフビ)までは下道で1時間ほど。途中コンビニで補給食を調達しつつ車を進めればあっという間に到着だ。参加者の中には東京から自走で来たという人もいるほどで、アクセスの良さもイベントの盛り上がりに拍車をかけているようだ。
オフビのある入間川と荒川の中洲のようなところに車を進めていくと、モトクロスバイクの雄々しいエンジン音が響き渡る。ここはモトクロス全日本選手権も開催される関東モトクロスの聖地ということもあり、週末にはキッズから大人まで多くのモトクロスライダーが訪れるという。
そんなコースは自転車にとっては幅広コースで走りやすそう。コースの途中には小山があったり、鋭角なコーナーがあったりとバラエティに富んでいて楽しそうではないか。初オフロードだけど楽勝そうじゃないかと高を括りながら準備する。空気圧もよく分からなかったので、とりあえずMTBタイヤを2気圧にセットしてみた。
レーススタート前には参加必須のブリーフィングが行われ、注意事項が説明される。12月に開催された前回大会と比較するとおおよそ2倍に当たる約120人のエントリーがあったといい、広がりを見せている様子。きっとシクロワイアードを読んでくれたのかな? 参加者が増えたことで、新たに120分クラスは6位までが賞金獲得の対象となったという。今後さらに多くのエントリーがあれば、60分/30分のクラスも入賞の範囲が広がっていくというから楽しみである。
レースは120分ソロ、120分チームの順でスタートしていく。モトクロスレースでも登場するスターティングゲートがそのまま使用され、ガシャっとバーが下がったら飛び出す方式だ。我々CW編集部チームも120分チームの出走枠でスタートさせてもらう。
スターティングゲートが勢い良く下がり、飛び出すようにスタートを切る…ことは出来なかった。なぜならタイヤをゲートに当て過ぎて、バーに引っかかってしまったのだ。気をとりなおして落ち着いてクリートを嵌め、集団最後尾からスタートしていく。
出だしは遅れたがダンシングで加速していき1コーナーへ。フカフカのウッドチップが撒かれているダートの上を少しビビりながらコーナリングしていく。そのまま間髪入れずに壁のような小山を登り、そのままの勢いで下っていく。フロントサスペンションとタイヤのエアボリュームのおかげで恐怖心こそ無いが、目まぐるしく変わる状況に対処しなければいけなく、目が回る思いでコースを駆け抜ける。
路面は普段、モトクロスバイクが走ることもあり、荒れ放題で自転車で走ると想像以上の振動が伝わってくる。その中でトラクションをどう掴むか試行錯誤しながらペダリングやラインを考え走るのはロードにはない楽しさだ。
2つ目の小山を登る頃には心拍数が跳ね上がり、非常にきつい。ただここまで一気にペースを上げたのにロードのクリテリウムのように脚に乳酸が一気に貯まらないのはオフロードならでははのだろうか。だとしてもともかく呼吸は非常に辛い。だが1周で交代するのも、と思い5周ほど走った所でムラタにバトンタッチした。
ひょうひょうと走り出すムラタ。ここまでオープン参加でリザルトこそつかないものの、良いペースでバトンを渡したと思っている私にとっては少し拍子抜けする走りで何とも腑に落ちない。こっちはあんなに辛かったのにずっと笑顔で走っているではないか。「もう少し真面目に走れ!」と檄を飛ばすが、その様子は変わらず。
シクロワイアードの編集部員として少しはやる気を見せてもらいたいところだが、サイクリングペースはそのまま。なかなかにムカついてきたので交代してやらずに10周くらいを走らせておいたのだが、そのうち「交代してよ~」とコース上に立つ私に近づいてきたので、「分かったー」と生返事だけしておいた。スタンバイはしないで更にコースを泳がせて、プラス5周ほど走ったところでしょうがないので交代してやることにした。
「結構頑張っていたのになんで交代してくれないんすか!!」と私に抗議するムラタ。私にはそうは見えなかったが、あれで頑張っていたのか。元JBCFのE2ライダーの誇りはどこかに消え去ったらしい。
2回目になるとオフロードでのバイクの使い方も慣れ、楽しさが分かってくる。パワーだけではなく重心移動やハンドル捌きを含めたバイクコントロールが肝になってくるのはオフロードの魅力の1つだろう。このコースに至っては縦の動くが多く、体全体で衝撃を和らげたりスピードを維持したりする動きが楽しい。なかなかそんなコースを走る機会はなく、参加人数が増える訳も分かるというものだ。
バイクカテゴリーの制限がないため、E-BIKEが一緒に走っているのも面白いところ。こちらが小山やちょっとしたウェット区間で苦労しているところをすまし顔でクリアしていく。しかしパワーがない初心者や女性でもレースを楽しむことが出来る機材としては最適であり、E-BIKEの楽しみ方としてマッチした方法だと感じた。
全カテゴリーの中で最も周回を重ねたのは120分ソロの澤木紀雄選手。38周と前回大会よりは2周少なかったが、XCエリミネーター競技の全日本チャンプ&世界選手権代表選手として意地を見せた。2位は佐藤誠示選手。タイム差はコンマ84秒と全日本王者相手に迫る走りを見せた。
オフロード初心者のムラタとカマタが参加してみた川越サイクルオフロードエンデューロ。初めてのオフロードレースとなったが、十分楽しめるイベントだった。次回は賞金目指してガチ参戦したいところである。
次回、第4戦の開催は2月9日(土)。以下を参照してエントリーを忘れずに!
text:Kosuke.Kamata
photo:Kosuke.Kamata,Yuto.Murata
川越サイクルオフロードエンデューロ 第4戦
開催場所:埼玉県川越市 オフロードヴィレッジ
開催日:第4戦 2月9日(土)(雨天決行)
種目:120分チーム/ソロ、60分ソロ、30分レディース/キッズ
参加費:120分 チーム 7,000円
ソロ 4,000円
60分 ソロ 3,000円
30分 レディース 2,000円
30分 キッズ 1,000円
エントリー人数に応じて120分チームと120分ソロ上位には賞金授与
ソロ60分/レディース30分/キッズ30分には各1位~3位まで賞品授与
申込み方法:メール、現金書留、FAX、オフロードヴィレッジにて直接エントリー
※エントリー締切は開催日の前日のAMまで
何かとロードバイクに乗るのが億劫になってしまう冬。走り出すと身を切るような冷たい風が襲ってくるため、スピードを出そうという気分にならないし、登りで身体を温めても下りで冷えてしまう。高性能なウェアを着ればそんな悩みも解決してしまうのだろうけど、それでも腰は重いのだ。
スポーツサイクリング専門ウェブメディアたるCW編集部も例に漏れず、ムラタに至っては「自転車には乗りたいけど寒すぎますね。春が来るまで待ちましょう」なんて言い訳をしている。でも自転車に乗っていないと身体が日に日に怠けていっているような気がするし、何とも張り合いがない。
せめて、そんなにスピードが出なくても程よく楽しめて、あんまり遠くに行く必要が無くて、帰る時はラクラクの車移動ができれば良いのだけれど。ロードバイクだと速くて寒いから、せめてMTBかグラベルロードでオフロードを走るのはいいかもな、なんて考えていると、編集長がおもむろに「それなら川越サイクルオフロードエンデューロに行ってきたらどう?あれは結構オススメだよ」とレコメンドしてくれたのだ。
昨年11月より開催されている川越サイクルオフロードエンデューロ。モトクロスパークを舞台にしたオフロードイベントということで、今までのレースとは少し嗜好の異なるイベントとして話題らしい。なにより編集部のある東京からも近いということで参加決定。2018年はあまりジテカツ(自転車活動)が出来ていなかった編集部のムラタと私カマタが出向くことになったのだ。
実は今回参加するムラタ&カマタのコンビはオフロード初心者。ムラタは過去にMTBやシクロクロスレースに取材で参加したことはあるものの、それももう1~2年前の話。そして私カマタはオフロードイベントは初参加。オフロードバイクに乗ること自体も2、3回しかない。とは言っても両名共にオンロードで競技経験のある自転車乗り。きっとどうにかなるだろう。
そんなこんなでイベント当日。我々2名は豊富に機材を揃える編集長からハードテイルXCバイクとグラベルロードを借りて出場することにした。レーススタートは昼の13時からなので、編集部に集合し、諸々準備をしてから余裕を持って出発できるのもこのイベントの良いところ。
編集部から会場となるオフロードヴィレッジ(通称オフビ)までは下道で1時間ほど。途中コンビニで補給食を調達しつつ車を進めればあっという間に到着だ。参加者の中には東京から自走で来たという人もいるほどで、アクセスの良さもイベントの盛り上がりに拍車をかけているようだ。
オフビのある入間川と荒川の中洲のようなところに車を進めていくと、モトクロスバイクの雄々しいエンジン音が響き渡る。ここはモトクロス全日本選手権も開催される関東モトクロスの聖地ということもあり、週末にはキッズから大人まで多くのモトクロスライダーが訪れるという。
そんなコースは自転車にとっては幅広コースで走りやすそう。コースの途中には小山があったり、鋭角なコーナーがあったりとバラエティに富んでいて楽しそうではないか。初オフロードだけど楽勝そうじゃないかと高を括りながら準備する。空気圧もよく分からなかったので、とりあえずMTBタイヤを2気圧にセットしてみた。
レーススタート前には参加必須のブリーフィングが行われ、注意事項が説明される。12月に開催された前回大会と比較するとおおよそ2倍に当たる約120人のエントリーがあったといい、広がりを見せている様子。きっとシクロワイアードを読んでくれたのかな? 参加者が増えたことで、新たに120分クラスは6位までが賞金獲得の対象となったという。今後さらに多くのエントリーがあれば、60分/30分のクラスも入賞の範囲が広がっていくというから楽しみである。
レースは120分ソロ、120分チームの順でスタートしていく。モトクロスレースでも登場するスターティングゲートがそのまま使用され、ガシャっとバーが下がったら飛び出す方式だ。我々CW編集部チームも120分チームの出走枠でスタートさせてもらう。
スターティングゲートが勢い良く下がり、飛び出すようにスタートを切る…ことは出来なかった。なぜならタイヤをゲートに当て過ぎて、バーに引っかかってしまったのだ。気をとりなおして落ち着いてクリートを嵌め、集団最後尾からスタートしていく。
出だしは遅れたがダンシングで加速していき1コーナーへ。フカフカのウッドチップが撒かれているダートの上を少しビビりながらコーナリングしていく。そのまま間髪入れずに壁のような小山を登り、そのままの勢いで下っていく。フロントサスペンションとタイヤのエアボリュームのおかげで恐怖心こそ無いが、目まぐるしく変わる状況に対処しなければいけなく、目が回る思いでコースを駆け抜ける。
路面は普段、モトクロスバイクが走ることもあり、荒れ放題で自転車で走ると想像以上の振動が伝わってくる。その中でトラクションをどう掴むか試行錯誤しながらペダリングやラインを考え走るのはロードにはない楽しさだ。
2つ目の小山を登る頃には心拍数が跳ね上がり、非常にきつい。ただここまで一気にペースを上げたのにロードのクリテリウムのように脚に乳酸が一気に貯まらないのはオフロードならでははのだろうか。だとしてもともかく呼吸は非常に辛い。だが1周で交代するのも、と思い5周ほど走った所でムラタにバトンタッチした。
ひょうひょうと走り出すムラタ。ここまでオープン参加でリザルトこそつかないものの、良いペースでバトンを渡したと思っている私にとっては少し拍子抜けする走りで何とも腑に落ちない。こっちはあんなに辛かったのにずっと笑顔で走っているではないか。「もう少し真面目に走れ!」と檄を飛ばすが、その様子は変わらず。
シクロワイアードの編集部員として少しはやる気を見せてもらいたいところだが、サイクリングペースはそのまま。なかなかにムカついてきたので交代してやらずに10周くらいを走らせておいたのだが、そのうち「交代してよ~」とコース上に立つ私に近づいてきたので、「分かったー」と生返事だけしておいた。スタンバイはしないで更にコースを泳がせて、プラス5周ほど走ったところでしょうがないので交代してやることにした。
「結構頑張っていたのになんで交代してくれないんすか!!」と私に抗議するムラタ。私にはそうは見えなかったが、あれで頑張っていたのか。元JBCFのE2ライダーの誇りはどこかに消え去ったらしい。
2回目になるとオフロードでのバイクの使い方も慣れ、楽しさが分かってくる。パワーだけではなく重心移動やハンドル捌きを含めたバイクコントロールが肝になってくるのはオフロードの魅力の1つだろう。このコースに至っては縦の動くが多く、体全体で衝撃を和らげたりスピードを維持したりする動きが楽しい。なかなかそんなコースを走る機会はなく、参加人数が増える訳も分かるというものだ。
バイクカテゴリーの制限がないため、E-BIKEが一緒に走っているのも面白いところ。こちらが小山やちょっとしたウェット区間で苦労しているところをすまし顔でクリアしていく。しかしパワーがない初心者や女性でもレースを楽しむことが出来る機材としては最適であり、E-BIKEの楽しみ方としてマッチした方法だと感じた。
全カテゴリーの中で最も周回を重ねたのは120分ソロの澤木紀雄選手。38周と前回大会よりは2周少なかったが、XCエリミネーター競技の全日本チャンプ&世界選手権代表選手として意地を見せた。2位は佐藤誠示選手。タイム差はコンマ84秒と全日本王者相手に迫る走りを見せた。
オフロード初心者のムラタとカマタが参加してみた川越サイクルオフロードエンデューロ。初めてのオフロードレースとなったが、十分楽しめるイベントだった。次回は賞金目指してガチ参戦したいところである。
次回、第4戦の開催は2月9日(土)。以下を参照してエントリーを忘れずに!
text:Kosuke.Kamata
photo:Kosuke.Kamata,Yuto.Murata
川越サイクルオフロードエンデューロ 第4戦
開催場所:埼玉県川越市 オフロードヴィレッジ
開催日:第4戦 2月9日(土)(雨天決行)
種目:120分チーム/ソロ、60分ソロ、30分レディース/キッズ
参加費:120分 チーム 7,000円
ソロ 4,000円
60分 ソロ 3,000円
30分 レディース 2,000円
30分 キッズ 1,000円
エントリー人数に応じて120分チームと120分ソロ上位には賞金授与
ソロ60分/レディース30分/キッズ30分には各1位~3位まで賞品授与
申込み方法:メール、現金書留、FAX、オフロードヴィレッジにて直接エントリー
※エントリー締切は開催日の前日のAMまで
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