2018/09/14(金) - 12:02
全国的な猛暑に襲われた平成最後の夏。8月の最終週に山梨県の峡東エリアで新たな魅力あふれるロングライドが本格開催されることとなった。フルーツライドの名の通り、多くの果樹園の合間をめぐる丘陵ライドをレポート。
8月の最終週、夏休みの終わりを告げる週末に、甲府盆地の東側を舞台に開催された山梨フルーツライド。多くの果樹園が集まる勝沼や笛吹エリアを舞台に甲府盆地を見下ろす絶景と、旬の果実を楽しむことができる欲張り系のロングライドイベントだ。
向かいにはローソンもあり、補給を調達するにも便利。立地の良さも相まって、今年から
会場となる勝沼中学校へは、東京から中央道勝沼ICを降りて10分もかからない。駐車場の本格的なイベントとして始動し始めたにもかかわらず、定員を達成する人気ぶりを見せつけた。
勝沼中学校のグラウンドに、ずらりと集まった500名のサイクリストたち。なんと台湾から参加されているグループもあり、国境を越えて注目を集めていたようだ。また、ゲストライダーとして、Ag2rで走った経験を持ち、現在は山中湖村で働くトム・ボシスさんも参加するとあって、インターナショナルなイベントとなった。
さて、定刻通りにスタート。針路を一路南へ取り、笛吹市方面へと向かっていく。走りだして気づくのは、道沿いに立地する果樹園の多さ。この時期は葡萄が収穫の時期を迎えていたようで、ぶどう狩りと大書された看板がずらり。
辺り一帯にフルーティーな香りが満ちているのは気のせいではない。立ち並ぶ観光農園に近づくたびに、葡萄の香りが濃くなる。もう少し遅い時間であれば、多くの観光客が訪れるであろうこのエリアも、まだ朝早いこのタイミングでは車も少なく走りやすい。
勝沼の観光農園街を抜けると、いきなり周囲の景色が一変する。果樹園の真ん中を貫く広域農道は、甲府盆地が見下ろせる絶景ポイントだ。あたりに広がるのは桃農園で、この時期は既に青々とした葉をつけているが、春先にはまさに桃源郷といった景色が広がるスポットでもある。
ちなみに、その時期の甲府盆地を舞台とした「桃と桜のサイクリング」とも、進行方向は逆向きとなるが一部コースが重なっており、両方参加した身としては、どちらも甲乙つけがたい。
淡々とした登りをこなしたのち目の前に現れるのは、下から見ると青空へと向かうような激坂区間。体感でいうと13%くらいだろうか、かなりの斜度であるがその分距離は短いので、押して歩いても大丈夫。
そんな壁を越えた先に待っているのは「リニアの見える丘公園」の大パノラマだ。甲府盆地を一望できる絶景に加え、将来日本の大動脈となるだろう国家プロジェクトたるリニアの実験線を間近に望むこの展望は、直前に苦しい思いをしたことをけろりと忘れさせてくれるだけのインパクトある景色でもある。
ほとんどすべての参加者が一旦自転車から降り、思い思いに記念撮影タイム。ついでに激坂でのダメージも回復し、再び元気よく走りだせば一つ谷を渡った向こう側にある第1エイドの八代ふるさと公園へはすぐ到着だ。
リニアの見える丘公園に匹敵する眺望を持つこの八代ふるさと公園はコース全体の約1/4あたりに位置するのだが、なんだかすでにかなりの達成感が身を包んでいるのは、かなり密度の濃いコースだからだろう。
まだお昼には遠いタイミングであるが、このエイドにたどり着くころには気温はかなり上昇し、体から水分が失われていることを実感する。日陰に集まる参加者たちに振る舞われたのは、地元産の桃ジュースとピオーネ、桔梗信玄餅味のカントリーマァム、そして石和温泉に本店を置く納豆屋「せんだい屋」の納豆ドーナツ。……納豆ドーナツ??
正直言って全く結びつかない二つの食べ物だが、おからドーナツとか豆乳ドーナツもあるし、納豆ドーナツがあってもおかしくはないと意を決して食べてみると、意外にあっさりした普通のドーナツ。やっぱり、すこしねっとりしてたりするのだろうか、と思っていたが、油を使っていないため普通のドーナツよりも食感は軽やか。決して糸を引いたりはしない(笑)
そうそう、この大会の面白いところは、エイドの提供品が目的に別にしっかりと考えられているところ。「水分補給」「カロリー補給」「塩分補給」「フルーツ」と、4つのカテゴリ―の品々が各エイドで用意されている。このエイドでいうならば、水分補給が桃ジュース、カロリー補給が納豆ドーナツとクッキー、塩分補給に塩飴、そしてフルーツとしてピオーネが用意されているというわけだ。
そんなサイクリスト目線なところは、イベントを企画する久保田さん自身が生粋のサイクリストであるところも大きいだろう。特に今回のように、厳しい気候の中開催されたロングライドでは補給は重要。そこがしっかりしているだけで安心できること間違いなし。十分に補給を済ませ、再度出発。この先には更なるフルーツと絶景が待っている。
text&photo:Naoki.Yasuoka
8月の最終週、夏休みの終わりを告げる週末に、甲府盆地の東側を舞台に開催された山梨フルーツライド。多くの果樹園が集まる勝沼や笛吹エリアを舞台に甲府盆地を見下ろす絶景と、旬の果実を楽しむことができる欲張り系のロングライドイベントだ。
向かいにはローソンもあり、補給を調達するにも便利。立地の良さも相まって、今年から
会場となる勝沼中学校へは、東京から中央道勝沼ICを降りて10分もかからない。駐車場の本格的なイベントとして始動し始めたにもかかわらず、定員を達成する人気ぶりを見せつけた。
勝沼中学校のグラウンドに、ずらりと集まった500名のサイクリストたち。なんと台湾から参加されているグループもあり、国境を越えて注目を集めていたようだ。また、ゲストライダーとして、Ag2rで走った経験を持ち、現在は山中湖村で働くトム・ボシスさんも参加するとあって、インターナショナルなイベントとなった。
さて、定刻通りにスタート。針路を一路南へ取り、笛吹市方面へと向かっていく。走りだして気づくのは、道沿いに立地する果樹園の多さ。この時期は葡萄が収穫の時期を迎えていたようで、ぶどう狩りと大書された看板がずらり。
辺り一帯にフルーティーな香りが満ちているのは気のせいではない。立ち並ぶ観光農園に近づくたびに、葡萄の香りが濃くなる。もう少し遅い時間であれば、多くの観光客が訪れるであろうこのエリアも、まだ朝早いこのタイミングでは車も少なく走りやすい。
勝沼の観光農園街を抜けると、いきなり周囲の景色が一変する。果樹園の真ん中を貫く広域農道は、甲府盆地が見下ろせる絶景ポイントだ。あたりに広がるのは桃農園で、この時期は既に青々とした葉をつけているが、春先にはまさに桃源郷といった景色が広がるスポットでもある。
ちなみに、その時期の甲府盆地を舞台とした「桃と桜のサイクリング」とも、進行方向は逆向きとなるが一部コースが重なっており、両方参加した身としては、どちらも甲乙つけがたい。
淡々とした登りをこなしたのち目の前に現れるのは、下から見ると青空へと向かうような激坂区間。体感でいうと13%くらいだろうか、かなりの斜度であるがその分距離は短いので、押して歩いても大丈夫。
そんな壁を越えた先に待っているのは「リニアの見える丘公園」の大パノラマだ。甲府盆地を一望できる絶景に加え、将来日本の大動脈となるだろう国家プロジェクトたるリニアの実験線を間近に望むこの展望は、直前に苦しい思いをしたことをけろりと忘れさせてくれるだけのインパクトある景色でもある。
ほとんどすべての参加者が一旦自転車から降り、思い思いに記念撮影タイム。ついでに激坂でのダメージも回復し、再び元気よく走りだせば一つ谷を渡った向こう側にある第1エイドの八代ふるさと公園へはすぐ到着だ。
リニアの見える丘公園に匹敵する眺望を持つこの八代ふるさと公園はコース全体の約1/4あたりに位置するのだが、なんだかすでにかなりの達成感が身を包んでいるのは、かなり密度の濃いコースだからだろう。
まだお昼には遠いタイミングであるが、このエイドにたどり着くころには気温はかなり上昇し、体から水分が失われていることを実感する。日陰に集まる参加者たちに振る舞われたのは、地元産の桃ジュースとピオーネ、桔梗信玄餅味のカントリーマァム、そして石和温泉に本店を置く納豆屋「せんだい屋」の納豆ドーナツ。……納豆ドーナツ??
正直言って全く結びつかない二つの食べ物だが、おからドーナツとか豆乳ドーナツもあるし、納豆ドーナツがあってもおかしくはないと意を決して食べてみると、意外にあっさりした普通のドーナツ。やっぱり、すこしねっとりしてたりするのだろうか、と思っていたが、油を使っていないため普通のドーナツよりも食感は軽やか。決して糸を引いたりはしない(笑)
そうそう、この大会の面白いところは、エイドの提供品が目的に別にしっかりと考えられているところ。「水分補給」「カロリー補給」「塩分補給」「フルーツ」と、4つのカテゴリ―の品々が各エイドで用意されている。このエイドでいうならば、水分補給が桃ジュース、カロリー補給が納豆ドーナツとクッキー、塩分補給に塩飴、そしてフルーツとしてピオーネが用意されているというわけだ。
そんなサイクリスト目線なところは、イベントを企画する久保田さん自身が生粋のサイクリストであるところも大きいだろう。特に今回のように、厳しい気候の中開催されたロングライドでは補給は重要。そこがしっかりしているだけで安心できること間違いなし。十分に補給を済ませ、再度出発。この先には更なるフルーツと絶景が待っている。
text&photo:Naoki.Yasuoka