2018/08/01(水) - 12:08
海の日恒例のイベントである「CSC5時間耐久チームサイクルロードレース」の第21回大会が7月16日(月・祝)、日本サイクルスポーツセンターにて開催された。日本列島を猛暑が襲う中、暑さに負けず修善寺の厳しい登りにも負けずコースを駆け抜けた、イベントの様子をレポートします。
毎年恒例、7月の海の日に開催されるCSC5時間耐久チームサイクルロードレース
ホームストレートには各チームがテントを立てチームパドックを構える
スタンドには各チームのバイクがズラリ
今年で第21回を数える「CSC 5時間耐久チームサイクルロードレース」。毎年7月の”海の日”に合わせて行われるその名の通り5時間耐久のエンデューロレースイベントであり、今年も例によって7月16日の祝日に開催された。ソロから最大5人のチームエントリーが可能で、今年は昨年よりもやや多い135チーム、400人近い参加者が集まった。
大会会場は自転車乗りにはお馴染みのCSCこと日本サイクルスポーツセンター。静岡県伊豆市に位置し、東名道や中央道を利用し関東甲信地方や東海地方からも足を運べるとあって、常連となっているチームも多々いる様子。ツアー・オブ・ジャパンを始め、JBCFやJCRC、学連などのレースでも度々使用される1周5.15kmのロードサーキットは、ほぼ登りと下りのみで構成された厳しいコースレイアウトで、今回は時計回りに走る設定だ。
初めてイベントに参加する初心者には講習会も開かれた
レンタルのロードバイクも大量に用意がある日本CSC
試走の時間はチームみんなでコースを走れる貴重な時間にもなっただろう
日本サイクルスポーツセンターと言えば、国内唯一の板張り250mバンクであるベロドロームや競輪選手デビューを目指ししのぎを削る競輪学校を併設し、2020年の東京オリンピックではトラックとMTB種目の会場にも選ばれている、国内自転車競技のメッカとも言える場所だろう。さらには様々な遊具やアトラクションも用意され、家族連れでのレジャー施設としても人気は高い。
さて一般的なエンデューロレースと同じく、5時間という決められた時間内でコースを何周出来たかで争うこのイベント。男子・女子・混合の部でカテゴリーが分けられるとともに、チームメンバー1~5人の人数に応じてそれぞれ表彰対象となるため、入賞の機会が多いのも大きな特徴だ。総合優勝チームには強化助成金として賞金が用意されるところも魅力的なポイントだろう。
チームメイトに日傘をさしつつ待機する人も
メカニックサービスも受けられるため、マシントラブルにもその場で対応できる
各チーム第1走者がスタートラインにズラリと並ぶ。やる気は十分!
コントロールタワーのあるホームストレートをメイン会場とし、日除け兼チームパドックとするためのテントを朝一から各チームが組み立て場所取りをしていく。朝方は曇っていたためやや涼し気な空気だったものの、日が昇るにつれ天気は好転し、日中は最高気温35度近くまで上がるほどの真夏日に。会場では熱中症に気をつけるよう頻繁にアナウンスがされるとともに、冷たい水とスポーツドリンクが無料で補給できるエイドステーションも設けられた。
普段来場者のアトラクション用に貸し出しの自転車を豊富に用意している日本CSCだけに、今回も事前申請した大会参加者向けにロードバイクのレンタルも行われた。”ロードバイクを持っていないけど仲間と出場してみたい”といった希望も叶えてくれ、より気軽にエントリーできるよう配慮されている。今回も30名ほどの参加者がレンタルバイクを利用したとのことだ。
バイクに先導され、5時間に及ぶ耐久レースがスタート!
澄んでいれば富士山も見えるロケーションだが、この日はやや靄がかった天気に
また初めてCSCのコースを走る初心者に向けた講習会も開かれ、コースの安全な走り方やバイク操作の注意点などを聞くことができる。諸々の準備を終えたら、スタート前のコース試走に繰り出そう。本大会ではレース中の事故防止のため試走が必須となっており、4つのグループに分けて全参加者が走り出す。テクニカルな下りのコーナーも度々現れるだけに、安全に走行できるライン取りやスピードを確かめておこう。
1時間みっちり試走の時間が取られた後は、いよいよ5時間に及ぶレースの始まりだ。各チーム第1走目の選手がスタートラインに並ぶ。中には待ち時間の間、選手に日傘をさし体力温存に気を使うチームもちらほら。コース外からのチーム員との会話も挟みつつ穏やかなムードで号砲を待つ。
先導のバイクは日々生徒たちを鍛え上げている競輪学校の教官が務め、安心のペーシングでローリングスタートを導いてくれる。ホームストレートはかなり道幅も広いため選手同士が接触するようなこともなく、余裕を持ってスタートできたことだろう。時刻は午前9時、ここから昼の2時まで5時間ノンストップでレースが行われる。
この時期、緑が生い茂る日本CSCのコース
登った後はスピードに乗った下りで風を切って走る
サイクルスポーツセンターを遠目に眺めつつペダルを回す
スタート/ゴール地点にはチームピットが設けられ、各チームが好きなタイミングで走者を交代できる。足に巻いた計測タグの付け替え時には完全停止が義務付けられており、またピット内での追い抜きも禁止することで、追突事故等のないよう大会側の配慮も十分に凝らされていた。皆が決まりを守ることでお互いに気持ちの良いレースができるというものだ。
開始から30分間は安全に配慮しピットクローズされ、その時間帯は第1走者が走り切らねばならない。トップ選手で1周10分ほど、ビギナーライダーで20~30分ほどの時間をかけて周回をこなしていく。平坦の多いサーキットエンデューロであれば走力の同じグループでトレインを組めるのだが、ここCSCのコースはいかんせん登りばかり。すぐに集団はバラバラになり、あとは無理のない個々のペースで地道に距離を稼いでいく。
チーム員と協力して効率的に周回を稼ごう
伊豆ベロドロームを木々の間から眺めるロケーション
先頭集団を率いてレースを展開する「山の神」森本誠さん
気持ちが休まる貴重な平坦区間だけに思わず笑みが溢れる
スタート直後からコースは約1kmほどの登りに差し掛かるが、始めはどのライダーもフレッシュな表情を浮かべ軽快に登っていく。ただそれも2周、3周と重ねると暑さと疲労で次第に息は上がり、顔が曇っていく様子からもコースのキツさが伝わってくる。周りには緑が生い茂っているが、木々を避けるように上手い具合にコース上には日が照り、容赦なくライダーの体力を奪っていく。
登り終えた後の下りで気を緩めてはいけないのもここのコースの注意点。特に秀峰亭過ぎは12%の下り勾配でかつ左右に曲がりくねるタイトなコーナーが続くのだ。ただ、安全に気をつけスピードに乗ってしまえば気持ちよく風を切るダウンヒルが味わえたに違いない。その後再び登り下り登りを繰り返し、ようやくスタート地点に戻ってくる。
いやらしいのが最後の登りとストレート。見通しが良いため遠目にCSCの建物が見えているのだが、これが中々近づいてこないのだ。仲間の声援の力も借りて最後のひと踏ん張りを耐えれば、計測ラインの”ピッ”という音でその周回は完了だ。さてその後あなたはピットイン?それとももう1周?
アップダウンを繰り返し、目線はサイクルスポーツセンターの建物と同じ高さだ
スピードに乗ったコーナーは外側へ膨らまないよう、しっかりバイクコントロールをしよう
テクニカルなコーナリングが続くためコース脇には注意喚起の看板も
さてお昼が近づくと、なにやら会場は芳しい香りで包まれる。というのも、10区画限定でバーベキューピットが用意されており、申込時にピットを確保できたチームが肉やら野菜やらを焼いているではないか。毎年このBBQ目当てに参加してくるチームもいるとかいないとか。出走中のメンバーには「全部食べておくから~」と冗談を飛ばしつつ、仲間同士でワイワイお昼ご飯を楽しむ。
また会場には焼きそばなどの軽食や、冷えた飲み物、暑い夏にぴったりのかき氷などの飲食販売ブースも設けられるため、買い込んだ昼食が足りなかったという人も安心。特に火照った身体を冷やすかき氷は大盛況のようだった。
コース脇から「がんばれ~」と声をかけ応援する
真夏の陽気で冷たいかき氷が盛況の様子だった
プールに浸かり「気持ちいい~」と恍惚の表情の参加者
ステージライブを披露してくれた「あいぜっちゅー」の皆さん
メーカーブースとしては高性能ハブで有名な「GOKISO」が出展しており、参加者へホイールの貸出を行った。加えて出展者枠のオープン参加として、山の神こと森本誠さんとオランダのチームに所属している牧瀬翼さん(マースランドスターインターナショナル)も出走しており、一般参加者に混じりレベルの高い走りを見せつけていた。
午前と午後の2回に渡り歌とダンスで会場を盛り上げてくれたのが、伊豆のPRユニット「あいぜっちゅー」の皆さんだ。2016年大会から毎年パフォーマンスのために駆けつけてくれ、ステージイベントはもはや定番となっている。周回を重ね自転車が目の前を通り過ぎていく風景にも飽きた頃だろう、ハツラツとしたライブで気分をリフレッシュさせるのもまた一興だ。
カメラに向かって笑顔を向ける牧瀬翼さん(マースランドスターインターナショナル)
ラストの勾配10%にもなる登りが参加者を苦しめる
普段とは反対の時計回りで進む。道幅の広いサーキットコースを存分に味わう
フィニッシュが近づく13時から14時というと、一日で一番暑い時間帯に差し掛かる。熱中症対策や参加者のクールダウンとしてパドックに1ヶ所、コース上に1ヶ所シャワーゾーンも用意され、身体を冷やせるよう工夫されていた。
さらには水を溜めたビニールプールも完備。サイクルジャージのまま水に浸かる様子は、見ているこちらも涼しさを感じられる。走っているライダーもボトルの水を首にかけたり、ハイドレーションバッグを背負いこまめに補給したりする姿も見られ、パフォーマンスを落とさないよう各々が気をつけている様子が窺えた。
スタート直後の登りには身体を冷やすシャワーを設置
フィニッシュが見えているのに中々近づいてこないこの距離感
そしてスタートから5時間、続々と参加者がフィニッシュに飛び込んでくる。走り切って疲れた様子の人から、満足げな表情を浮かべる人、仲間と手を繋いだりガッツポーズを決めたりとそのスタイルは様々。ゴール地点で待ち受けるチームメンバーとその感動を分かち合う姿に、カメラを構える筆者も心打たれてしまう。チームエンデューロっていいなあとしみじみ。
今回あまりの暑さに計測用の機器が不調をきたしたらしく、詳細なタイムが出ないトラブルもあったものの、最も周回を重ねた「チーム鉄下駄」は4人で31周を刻み単独首位で総合優勝を勝ち取った。表彰式では各カテゴリーの1~3位が登壇。5人の部では表彰台があふれるほどの密集度合いで、なんとも賑やかな様子が印象的であった。
長い長いレースを終えガッツポーズで帰ってくる参加者
仲間と手をつなぎ仲良くゴール!
5人の部の表彰式はなんとも賑やかな様子。15人も上がると流石に表彰台からはみ出るほど
男子ソロを制したのは各種レースで入賞経験も多い銀山耕一さん(Roppongi Express)
総合優勝のチームには強化助成金として賞金5万円が授与された
大会を運営した日本CSCの木庭さんは「これだけの暑い中、熱中症になる人もおらず無事に終えることができました。エントリー数も今年は増えたのでもっともっと盛り上げていきたいところですが、来年はオリンピックの準備期間もあり大会が開催できるのか、まだハッキリ決まっていません。開催できるよう調整していきます」とコメントしてくれた。
レース後は伊豆の温泉に寄っていくのもいいだろう。もしくは高速道路の渋滞を考慮してすぐ帰路についた人もいただろうか。筆者はと言えば一目散に温泉へ駆け込みベタついた汗を流してさっぱり。少しばかり仮眠をして帰りの運転に備える。安全に帰ってこそのレースであるから、疲れていても最後まで気を抜かず帰宅して欲しい。参加者の皆さん、お疲れ様でした。
総合優勝の「チーム鉄下駄」がバイクを掲げ記念撮影
常連チーム「甲府青年会議所サイクリング倶楽部」の皆さんもお疲れ様でした!
大会公式ページでは詳細なリザルトと、大会Facebookでは当日の様子をまとめたアルバムも公開中。ぜひそちらもチェックしてみて欲しい。
text&photo:Yuto.Murata
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大会会場は自転車乗りにはお馴染みのCSCこと日本サイクルスポーツセンター。静岡県伊豆市に位置し、東名道や中央道を利用し関東甲信地方や東海地方からも足を運べるとあって、常連となっているチームも多々いる様子。ツアー・オブ・ジャパンを始め、JBCFやJCRC、学連などのレースでも度々使用される1周5.15kmのロードサーキットは、ほぼ登りと下りのみで構成された厳しいコースレイアウトで、今回は時計回りに走る設定だ。
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さて一般的なエンデューロレースと同じく、5時間という決められた時間内でコースを何周出来たかで争うこのイベント。男子・女子・混合の部でカテゴリーが分けられるとともに、チームメンバー1~5人の人数に応じてそれぞれ表彰対象となるため、入賞の機会が多いのも大きな特徴だ。総合優勝チームには強化助成金として賞金が用意されるところも魅力的なポイントだろう。
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普段来場者のアトラクション用に貸し出しの自転車を豊富に用意している日本CSCだけに、今回も事前申請した大会参加者向けにロードバイクのレンタルも行われた。”ロードバイクを持っていないけど仲間と出場してみたい”といった希望も叶えてくれ、より気軽にエントリーできるよう配慮されている。今回も30名ほどの参加者がレンタルバイクを利用したとのことだ。
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1時間みっちり試走の時間が取られた後は、いよいよ5時間に及ぶレースの始まりだ。各チーム第1走目の選手がスタートラインに並ぶ。中には待ち時間の間、選手に日傘をさし体力温存に気を使うチームもちらほら。コース外からのチーム員との会話も挟みつつ穏やかなムードで号砲を待つ。
先導のバイクは日々生徒たちを鍛え上げている競輪学校の教官が務め、安心のペーシングでローリングスタートを導いてくれる。ホームストレートはかなり道幅も広いため選手同士が接触するようなこともなく、余裕を持ってスタートできたことだろう。時刻は午前9時、ここから昼の2時まで5時間ノンストップでレースが行われる。
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登り終えた後の下りで気を緩めてはいけないのもここのコースの注意点。特に秀峰亭過ぎは12%の下り勾配でかつ左右に曲がりくねるタイトなコーナーが続くのだ。ただ、安全に気をつけスピードに乗ってしまえば気持ちよく風を切るダウンヒルが味わえたに違いない。その後再び登り下り登りを繰り返し、ようやくスタート地点に戻ってくる。
いやらしいのが最後の登りとストレート。見通しが良いため遠目にCSCの建物が見えているのだが、これが中々近づいてこないのだ。仲間の声援の力も借りて最後のひと踏ん張りを耐えれば、計測ラインの”ピッ”という音でその周回は完了だ。さてその後あなたはピットイン?それとももう1周?
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また会場には焼きそばなどの軽食や、冷えた飲み物、暑い夏にぴったりのかき氷などの飲食販売ブースも設けられるため、買い込んだ昼食が足りなかったという人も安心。特に火照った身体を冷やすかき氷は大盛況のようだった。
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午前と午後の2回に渡り歌とダンスで会場を盛り上げてくれたのが、伊豆のPRユニット「あいぜっちゅー」の皆さんだ。2016年大会から毎年パフォーマンスのために駆けつけてくれ、ステージイベントはもはや定番となっている。周回を重ね自転車が目の前を通り過ぎていく風景にも飽きた頃だろう、ハツラツとしたライブで気分をリフレッシュさせるのもまた一興だ。
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今回あまりの暑さに計測用の機器が不調をきたしたらしく、詳細なタイムが出ないトラブルもあったものの、最も周回を重ねた「チーム鉄下駄」は4人で31周を刻み単独首位で総合優勝を勝ち取った。表彰式では各カテゴリーの1~3位が登壇。5人の部では表彰台があふれるほどの密集度合いで、なんとも賑やかな様子が印象的であった。
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大会を運営した日本CSCの木庭さんは「これだけの暑い中、熱中症になる人もおらず無事に終えることができました。エントリー数も今年は増えたのでもっともっと盛り上げていきたいところですが、来年はオリンピックの準備期間もあり大会が開催できるのか、まだハッキリ決まっていません。開催できるよう調整していきます」とコメントしてくれた。
レース後は伊豆の温泉に寄っていくのもいいだろう。もしくは高速道路の渋滞を考慮してすぐ帰路についた人もいただろうか。筆者はと言えば一目散に温泉へ駆け込みベタついた汗を流してさっぱり。少しばかり仮眠をして帰りの運転に備える。安全に帰ってこそのレースであるから、疲れていても最後まで気を抜かず帰宅して欲しい。参加者の皆さん、お疲れ様でした。


大会公式ページでは詳細なリザルトと、大会Facebookでは当日の様子をまとめたアルバムも公開中。ぜひそちらもチェックしてみて欲しい。
text&photo:Yuto.Murata
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