2017/12/11(月) - 09:12
11月18~19日にかけて行われた南アルプスロングライド。2日間にわたって3つのロングライドが開催されるこのイベントの中でも最長カテゴリーの「ツール・ド・富士川」ステージのレポートをお届けしましょう。
山梨県を水源とし、太平洋へと注ぐ富士川。その流域を舞台として開催されるロングライドイベントが南アルプスロングライドである。初日に2つ、2日目に1つと、2日間で3つのライドが行われる中で、もっとも長く起伏に富んだ走りごたえのあるコースとなるのが、日曜日の「ツール・ド・富士川ステージ」である。
天気予報を覆しほとんど雨が降ることは無かったとはいえ、曇り空に覆われていた1日目とは打って変わって、一面の青空が参加者たちを迎えてくれる。これ以上ないサイクリング日和となった「ツール・ド・富士川ステージ」。メイン会場に集まったひとりひとりの笑顔が輝いて見えたのは、陽の光だけのせいじゃないはずだ。
2日間連続で参加している方も多いのがこの大会の特徴。1日目に白州・韮崎ステージを走った人は、2日間合計で185kmを走破することになる。寒さが本格的に厳しくなり始めたこの時期としては、相当な距離となるはずなのだが、そんなものはどこ吹く風といったふうの参加者さんもたくさんだ。
昨年は、朝方は天気も優れず富士川から大量の靄が発生していたけれど、今年はそんなこともなく周囲の山々もくっきりとその稜線を表している。これまでにない最高の景色が味わえそうだ、と大きな期待を抱きつつ取材準備に取り掛かった。
朝は冷えるものの、昼間はかなり気温が上がりそう。コースプロファイルからすると、そのタイミングで大きな登坂区間が現れるはずなので、あまり厚着をするのもためらわれる。あれこれ考えながらウエアを選ぶのも夏場には味わえないウィンターライドの楽しみでもある。
今回は上は長袖アンダー+薄手の起毛ジャケット。その上からCWジャージを羽織り(あくまで取材なので)、下りの保険にウィンドブレーカーを持つ。下は起毛のビブショーツにメリノウールのニーウォーマー。ペダリングの違和感も少ない一方で、5℃あたりまでなら寒さも感じづらい組み合わせだ。
さて、準備を済ませたら会場へ。昨日に引き続き、チャリたぬくん像がスタートゲートの下で大人気を集めている。入れ代わり立ち代わり記念撮影をする人が絶えない。ちなみに私が昨日もらった参加賞のストラップはサドルの下でぷらぷらしている。あと6色買ってもいいかもしれない……。もしくは、各地のチャリたぬ君を尋ねるライドなんかも楽しいかも?
他にもチャリダーの取材チームも盛り上がっているし、第0エイドのねじりがしとコーヒーは今日もいただくことができる。朝ごはん代わりに、ねじりがしを一本いただきあったかいコーヒーで流し込む。甘さと苦みが程よく混ざり合って、意識を急激に覚醒させてくれるうれしい組み合わせだ。
そして、開会式の時間に。やまなしサイクルプロジェクトの青木理事長の今日もエネルギッシュなあいさつを皮切りに、今中さんや佐藤さん、エース栗原さんらゲストライダーが次々にあいさつしていく。晴れ渡った空のもと、「いくぞー!エイエイ、オー!」の掛け声で開会式が終われば、さあ出発だ!
20名ほどのグループに、3名の程度のサポートライダーがついたグループが時間を空けてコースインしていく。第1グループがスタートした後には、チャリダーのロケ班が走り出し、第2、第3グループと続いて行く。20個のグループが形成されるが、遅い人ほど早めのグループに入ってくださいというアナウンスもあるのはうれしいところだ。
さて、スタートすると昨年は工事のため使えなかった河川敷を行き、富士川を渡る。身延線沿いに走って丘を一つ越えて身延町へ。実は3年連続でこのイベントにお邪魔しているのだけれど、来るたびに中部横断道の工事が進んでいる様子が分かるのも面白い。去年はなかったところに、大きな高速道路がほぼ完成していたりすると、人間ってすごいなあ、なんて感慨にふけってみたり。
久那土の集落を抜けると、下部射撃場への登りが現れる。そんなに距離は長くないけれど、登りの途中で視界が開ける瞬間には山に囲まれた久那土の風景も望むことができる、ちょっとお得な感じの登りである。
その先は下部温泉郷に向けて走っていく。甲州の奥座敷として知られる秘湯であり、金山があったことでも有名なスポットで、昨年までの第1エイドともなった下部温泉だが、今年はそのまま通り過ぎていく。
そのまま本栖みちの旧道に入り、再度富士川を渡った先にあるのが、今年の第一エイドとなった富士川クラフトパークだ。銀杏並木の登りをこなしてたどり着いた先に広がる広大な公園の一角を利用したエイドステーションでは、フランス料理のシェフが腕を振るった洋菓子が振る舞われた。
シュークリーム、そしてベリーを使ったギモーヴがセットで用意されている。ちなみにギモーヴとはフランスのマシュマロ、と呼ばれている洋菓子なんだそうだが、マシュマロよりもしっとりした食感で、よりゼリーに近いような。あまり耳慣れないお菓子だけど、かなり気に入りました!
そして、サクサクの皮にその場でクリームを詰めてくれたシュークリーム、これがまた絶品。普通にちょっとお高めのパティスリーでお土産に買って帰るようなレベルの逸品で、こんなものをわざわざ用意してくれるサイクリングイベントがあるとは、驚きである。
甘いスイーツを堪能した後は、ちょっとクラフトパーク内を散策するもよし。なんと公園の敷地内にはカヌー場や生垣でできた迷路などもあるような広大さで、この日は公園内でランニング大会が行われているほど。なので、すべてを見て回ることはできないけれど、エイドが設けられたエリアの近くには色とりどりの花が咲き誇るバラ園も。花ごとに開花時期があるようで、花をつけていないエリアもあるが、一面にバラが咲き乱れるところもあり、目でも舌でも楽しめる満足感の高いエイドステーションとなっていた。
富士川クラフトパークを楽しんだら、再び富士川を渡って南下していく。目指すは日蓮宗総本山たる身延山だ。大会中最大の斜度を誇る難関へと向かう一行のレポートは、後編へと続きます。
山梨県を水源とし、太平洋へと注ぐ富士川。その流域を舞台として開催されるロングライドイベントが南アルプスロングライドである。初日に2つ、2日目に1つと、2日間で3つのライドが行われる中で、もっとも長く起伏に富んだ走りごたえのあるコースとなるのが、日曜日の「ツール・ド・富士川ステージ」である。
天気予報を覆しほとんど雨が降ることは無かったとはいえ、曇り空に覆われていた1日目とは打って変わって、一面の青空が参加者たちを迎えてくれる。これ以上ないサイクリング日和となった「ツール・ド・富士川ステージ」。メイン会場に集まったひとりひとりの笑顔が輝いて見えたのは、陽の光だけのせいじゃないはずだ。
2日間連続で参加している方も多いのがこの大会の特徴。1日目に白州・韮崎ステージを走った人は、2日間合計で185kmを走破することになる。寒さが本格的に厳しくなり始めたこの時期としては、相当な距離となるはずなのだが、そんなものはどこ吹く風といったふうの参加者さんもたくさんだ。
昨年は、朝方は天気も優れず富士川から大量の靄が発生していたけれど、今年はそんなこともなく周囲の山々もくっきりとその稜線を表している。これまでにない最高の景色が味わえそうだ、と大きな期待を抱きつつ取材準備に取り掛かった。
朝は冷えるものの、昼間はかなり気温が上がりそう。コースプロファイルからすると、そのタイミングで大きな登坂区間が現れるはずなので、あまり厚着をするのもためらわれる。あれこれ考えながらウエアを選ぶのも夏場には味わえないウィンターライドの楽しみでもある。
今回は上は長袖アンダー+薄手の起毛ジャケット。その上からCWジャージを羽織り(あくまで取材なので)、下りの保険にウィンドブレーカーを持つ。下は起毛のビブショーツにメリノウールのニーウォーマー。ペダリングの違和感も少ない一方で、5℃あたりまでなら寒さも感じづらい組み合わせだ。
さて、準備を済ませたら会場へ。昨日に引き続き、チャリたぬくん像がスタートゲートの下で大人気を集めている。入れ代わり立ち代わり記念撮影をする人が絶えない。ちなみに私が昨日もらった参加賞のストラップはサドルの下でぷらぷらしている。あと6色買ってもいいかもしれない……。もしくは、各地のチャリたぬ君を尋ねるライドなんかも楽しいかも?
他にもチャリダーの取材チームも盛り上がっているし、第0エイドのねじりがしとコーヒーは今日もいただくことができる。朝ごはん代わりに、ねじりがしを一本いただきあったかいコーヒーで流し込む。甘さと苦みが程よく混ざり合って、意識を急激に覚醒させてくれるうれしい組み合わせだ。
そして、開会式の時間に。やまなしサイクルプロジェクトの青木理事長の今日もエネルギッシュなあいさつを皮切りに、今中さんや佐藤さん、エース栗原さんらゲストライダーが次々にあいさつしていく。晴れ渡った空のもと、「いくぞー!エイエイ、オー!」の掛け声で開会式が終われば、さあ出発だ!
20名ほどのグループに、3名の程度のサポートライダーがついたグループが時間を空けてコースインしていく。第1グループがスタートした後には、チャリダーのロケ班が走り出し、第2、第3グループと続いて行く。20個のグループが形成されるが、遅い人ほど早めのグループに入ってくださいというアナウンスもあるのはうれしいところだ。
さて、スタートすると昨年は工事のため使えなかった河川敷を行き、富士川を渡る。身延線沿いに走って丘を一つ越えて身延町へ。実は3年連続でこのイベントにお邪魔しているのだけれど、来るたびに中部横断道の工事が進んでいる様子が分かるのも面白い。去年はなかったところに、大きな高速道路がほぼ完成していたりすると、人間ってすごいなあ、なんて感慨にふけってみたり。
久那土の集落を抜けると、下部射撃場への登りが現れる。そんなに距離は長くないけれど、登りの途中で視界が開ける瞬間には山に囲まれた久那土の風景も望むことができる、ちょっとお得な感じの登りである。
その先は下部温泉郷に向けて走っていく。甲州の奥座敷として知られる秘湯であり、金山があったことでも有名なスポットで、昨年までの第1エイドともなった下部温泉だが、今年はそのまま通り過ぎていく。
そのまま本栖みちの旧道に入り、再度富士川を渡った先にあるのが、今年の第一エイドとなった富士川クラフトパークだ。銀杏並木の登りをこなしてたどり着いた先に広がる広大な公園の一角を利用したエイドステーションでは、フランス料理のシェフが腕を振るった洋菓子が振る舞われた。
シュークリーム、そしてベリーを使ったギモーヴがセットで用意されている。ちなみにギモーヴとはフランスのマシュマロ、と呼ばれている洋菓子なんだそうだが、マシュマロよりもしっとりした食感で、よりゼリーに近いような。あまり耳慣れないお菓子だけど、かなり気に入りました!
そして、サクサクの皮にその場でクリームを詰めてくれたシュークリーム、これがまた絶品。普通にちょっとお高めのパティスリーでお土産に買って帰るようなレベルの逸品で、こんなものをわざわざ用意してくれるサイクリングイベントがあるとは、驚きである。
甘いスイーツを堪能した後は、ちょっとクラフトパーク内を散策するもよし。なんと公園の敷地内にはカヌー場や生垣でできた迷路などもあるような広大さで、この日は公園内でランニング大会が行われているほど。なので、すべてを見て回ることはできないけれど、エイドが設けられたエリアの近くには色とりどりの花が咲き誇るバラ園も。花ごとに開花時期があるようで、花をつけていないエリアもあるが、一面にバラが咲き乱れるところもあり、目でも舌でも楽しめる満足感の高いエイドステーションとなっていた。
富士川クラフトパークを楽しんだら、再び富士川を渡って南下していく。目指すは日蓮宗総本山たる身延山だ。大会中最大の斜度を誇る難関へと向かう一行のレポートは、後編へと続きます。
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