2017/08/23(水) - 08:53
サイクルイベントにて出会ったライダーとバイクを紹介する企画「あなたの自転車を見せてください」。今回は海の日定番のエンデューロレース「CSC5時間耐久チームサイクルロードレース」からこだわりのバイクを紹介します。
字引佑麿さん(KILLER MOUNTAIN)タイム SCYLON
「限定という言葉に弱いんですよね」と字引佑麿さんが笑顔を見せながら紹介してくれたのは、タイム SCYLONの数量限定フランスエディション。このバイクの購入に至った経緯は事故で自転車が壊れてしまったため。「この(タイム)の次に買い換えることを考えたら、体力も衰えているだろうし、体力がピークの今フラッグシップバイクに選ばないと乗る機会が無いのかなと思って…」と字引さん。
「はじめてSCYLONに乗った時、ボトムブラケットにモーターが仕込まれているかのように進んでくれてびっくりしました。山に登っているときもずっと追い風に押されているのかと思うほどでした」とインプレッション。
タイムの旗艦バイクにはカンパニョーロSUPER RECORD、BORA ULTRA 35、ローター2inpower、カーボンプレートのQ-Ringsが装着されている。「車体とコンポーネントはヨーロッパで統一したくて、SUPER RECORDを選びました。あとはカーボンが見えるデザインであることもポイントでもありますね」と言うとおり、カーボン柄が綺麗なバイクコーディネートに仕上げられていた。
eeブレーキは軽さを重視したセレクト。タイヤはヴェロフレックスのエクストリーム。「贅を尽くしたバイクですね。バイクは完璧に仕上げたので、言い訳ができません。後は自分が頑張って追い込むしか無いです。」と字引さんは語った。
小山智也さん(イナーメ信濃山形)ヨネックス CARBONEX HR
CSC5時間耐久にブース出展していたGOKISOとヨネックスのどちらからもサポートを受ける小山智也をピックアップ。小山さんは、ヨネックスのスポーツサイクルアドバイザーを務める日隈優輔さんが代表を務めるグローバルレーシングプロジェクトの一員で、サポートを受けながらフランスで武者修行を行うレーサー。
シーズン前半を終え日本に帰国している今は、国内の実業団レースに出場し己を磨いている。ジャージがフランスのチームではなく、国内有数の強豪チーム、イナーメ信濃山形のものであるのはそのためだ。
そんな小山さんが乗るバイクはもちろんヨネックスのCARBONEX HRで、ホイールはGOKISOのもの。「フランスのレースでは平坦を50km/hで巡航することがあるんですが、GOKISOと普通のホイールでは進みの良さが全然違いますね。機材で走ってると実感できるほどです」とインプレッション。パワーメーターは知人から譲ってもらったというSRM。シマノR9100系DURA-ACEは実家のある大阪でお世話になっているプロショップが小山さんの渡仏に際して用意したものだという。
ペダルがルックKEOであることの理由は、フランスのレースではルックが一般的で、ニュートラルサポートのサブバイクもルックを装着している事が多いからだという。渡仏前まではシマノユーザーだったが、現地で対応するためにルックを用意したという。
シーズン後半の渡仏は未定だそう。「日本の登りが厳しいレースよりは自分にあっていると思います。今は日本で自分の力をあげて、来年勝負をかけにいくつもりです」と小山さんは言う。高校を卒業したばかりで、フランスに乗り込む若手レーサーの今後に期待がかかる。
梅林康典さん(ワイズロード名古屋支部)BH ULTRALIGHT EVO
ワイズロード名古屋店の店長を務める梅林康典さんの愛車BH ULTRALIGHT EVOを紹介する。メーカーとの協力でインプレッションを兼ねてテスト使用しているというULTRALIGHT EVO。よく見るとそのカラーリングは、2016年のツール・ド・フランス前までディレクト・エネルジーの選手が使用していたデザインとなっている。国内にはごく少数しか入荷していないモデルが、ひょんなことから国内代理店に渡ってきたという。
旧型のULTRALIGHT EVOだが、トマ・ヴォクレールや、ツール2017で区間優勝を果たしたリリアン・カルメジャーヌが山岳ステージで最新型を差し置いて投入するバイクだ。梅林さんは「軽量フレームにありがちなヒラヒラとバイクが安定しないという性格はなく、ダンシングで安心してバイクを振りやすいです。組み上げて3日目というタイミングで、CSC5時間耐久に参加しているのですが、70km/h近い速度からのコーナリングでも曲がっていける良さはあります」とインプレッションをする。
ボトルケージをステンレス製のカブト製品としている点がユニークなポイントだ。「曲がるから良いんですよ。耐久レースやハードなトレーニングを行っている時、ボトルの抜き差しが乱暴になりますよね。その時に、硬いボトルケージの場合ではケージやマウントのボルトが破損しやすくなってしまうんですよね。ステンレスの場合では曲がってくれるので、壊れるところが少ないんです」とステンレスを選んだ理由を教えてくれた。
加えて「ケージを使い込むうちに、自分のボトルを抜き差しする動作にフィットするのも良い点です。あまりに曲がりすぎると折れてしまいますが、価格も非常にこなれているのでお財布にも優しいです。私は今使っているので3本めです。」と更にメリットを語ってくれた。
シマノR1950系DURA-ACEのリアディレイラーに装着されているビッグプーリーは、ワイズロードロゴが入ったカーボンドライとのコラボ品。カラーリングも特徴的な緑だ。ブレーキが前DURA-ACE、後ろFSAゴッサマー。パワーメーターはPower2Maxとディレクト・エナジーの雰囲気を演出するアッセンブリも特徴的だ。
佐藤新さん(Team Jhon)フジ SL ELITE
5月に購入したばかりという新車をお披露目してくれたのは、CSC5時間耐久で総合優勝を決めたTeam Johnの一員である佐藤新さん。結果を残すためガッツリ乗り込んでいる駒沢大学の自転車競技部員は、性能とコストパフォーマンスに優れるフジ SL ELITEをチョイスした。
初めてのカーボンバイクに驚愕したという佐藤さんは「ガシガシ進むというより、静かに進んでくれることが自分の足にマッチしていて気に入っています。軽さも際立ついいバイクですね」とインプレッション。
パワーメーターはPower2Maxは譲ってもらったものだという。「パワートレーニングは自分が不調な時、目指す方向がわかりやすいので使いやすいですね」とパワーメーターを評価する。サドルはいくつも試した中で見つけたというプロロゴ製。バーテープはサポートを受けるリデアだ。
西谷雅史さん(チームオーベスト)キャノンデール SUPERSIX EVO Hi-Mod
ツール・ド・おきなわやジャパンカップ・オープンなど国内ビッグレースでの優勝経験を持つ西谷雅史さんの愛車はキャノンデール SUPERSIX EVO Hi-Modだ。東京都調布市のプロショップ「オーベスト」店主のこだわりは3点。サドルとハンドル、ホイールだ。
シマノ STEALTHというノーズまで幅広のサドルをチョイスする理由は「前後のポジションどこでも座りやすく、前傾姿勢としやすいので使用しています。私は前乗りすることが多く、そこでも座りやすくパワーを出しやすいことが重要な点です」という。
ハンドルはドロップ部が外側にフレアしており、力を込めやすいことがポイント。コスミックカーボン・クリンチャーホイールはパワーの伝達能力が高いことから、登りが多い修善寺のコースでもチョイスした。タイヤはIRC ASPITE DRYの26C。「グリップ力が良いことはもちろんですが、パンクしないという安心感もあります。レースでパンクしにくいというのは信頼感に繋がるので」と西谷さんは言う。
ドライブトレインはシマノR9100 DURA-ACEのチェーンリングとチェーン、スラム RED eTapを組合せて使用する。あえてシマノを使用するのは変速性能などの信頼感だという。「トルクがかかる時は楕円のほうが良いという理由から、インナーのチェーンリングはバロックギアだ。
佐野和矢さん(C-Viento)東洋フレーム オーダーバイク
「ロードとシクロクロス同時に、同デザインでオーダーしました」という佐野和矢さんの愛車は東洋フレームのステンレス製オーダーフレーム。「パイプ径が太いせいか、少し硬めの乗り味に感じます。ステンレス製にしているので通常のスチールより100gほど軽いですよ」とインプレッション。
こだわりのパーツはマヴィックのCOSMIC CARBON ULTIMATE。このホイールが登場したときの初期型だそうで、約10年選手になるのだとか。続々と新製品がリリースされる自転車パーツにあって、使い続けるとは、まさに愛用パーツ。これぞ愛車自慢である。
フォークに輝くトヨタの文字。なぜなんですか?という問に対して返ってきた応えは「TOYOTA、TOYO……。アルミテープによって性能向上を実証したという大企業へのリスペクトも込めています」。銀色に輝くステッカーの正体はトヨタが考案したアルミテープチューニングだ。
車体が帯電してしまうとエアロダイナミクスを最大限に発揮できないため、アルミテープによって放電させることでエアロ効果を発揮させようというもの。佐野さん自身は、そのチューニング効果を体感できているという。ホームセンターのアルミテープでも効果を得られるとのことなので、筆者も試してみたいと思わされたのだった。
NITTOファンの佐野さんはハンドル、ステム、ボトルケージを同ブランドで統一している。ハンドルバーは日東創業90周年を記念し、グラファイトデザインと共同開発を行ったMod.90。カーボンの網目を活かすため、クリアカラーのバーテープを巻いている。ステムもカーボン製だったが剛性を重視し、アルミに切り替えたという。加えて、強度が必要ない部分のボルトを樹脂製に交換しているなど、佐野さんのこだわりが細部まで行き届いたバイクだった。
橋爪大樹さん(Peek-a-Boo) マキノ フルオーダーバイク
「クロモリのバイクが1台欲しかったというのと、マキノで作りたかった」という理由でフルオーダーバイクを選んだという橋爪さん。普段は山がちなコースに練習に出かけることが多く、カーボンバイクに乗っているが、現在乗れない状態になっているとのことで、スチールバイクでCSC5時間ソロに挑むという。
アッセンブルされるパーツを見てみると、シマノDURA-ACE、ULTEGRA、105という主要コンポーネントがミックスされている。最初のロードバイクからパーツを移植しながら、アップデートを繰り返しているという。
ルックス面で際立つR9100系DURA-ACEのクランクセットについては「3グレード全て試したことがあるんですが、DURA-ACEが一番力のかかり方が良いと感じたので、クランクだけはハイエンドを入れています」とのことだ。
足回りはフルクラム RACING SPEED35Tに、ヴィットリアCORSAという組合せ。橋爪さんは「CORSAは性能も素晴らしく、価格も手頃で、今あるチューブラータイヤの中で一番いいと思ってます」とインプレッション。オールラウンドなホイールとタイヤの組合せは気に入っているとのことでした。
text&photo:Gakuto.Fujiwara
字引佑麿さん(KILLER MOUNTAIN)タイム SCYLON
「限定という言葉に弱いんですよね」と字引佑麿さんが笑顔を見せながら紹介してくれたのは、タイム SCYLONの数量限定フランスエディション。このバイクの購入に至った経緯は事故で自転車が壊れてしまったため。「この(タイム)の次に買い換えることを考えたら、体力も衰えているだろうし、体力がピークの今フラッグシップバイクに選ばないと乗る機会が無いのかなと思って…」と字引さん。
「はじめてSCYLONに乗った時、ボトムブラケットにモーターが仕込まれているかのように進んでくれてびっくりしました。山に登っているときもずっと追い風に押されているのかと思うほどでした」とインプレッション。
タイムの旗艦バイクにはカンパニョーロSUPER RECORD、BORA ULTRA 35、ローター2inpower、カーボンプレートのQ-Ringsが装着されている。「車体とコンポーネントはヨーロッパで統一したくて、SUPER RECORDを選びました。あとはカーボンが見えるデザインであることもポイントでもありますね」と言うとおり、カーボン柄が綺麗なバイクコーディネートに仕上げられていた。
eeブレーキは軽さを重視したセレクト。タイヤはヴェロフレックスのエクストリーム。「贅を尽くしたバイクですね。バイクは完璧に仕上げたので、言い訳ができません。後は自分が頑張って追い込むしか無いです。」と字引さんは語った。
小山智也さん(イナーメ信濃山形)ヨネックス CARBONEX HR
CSC5時間耐久にブース出展していたGOKISOとヨネックスのどちらからもサポートを受ける小山智也をピックアップ。小山さんは、ヨネックスのスポーツサイクルアドバイザーを務める日隈優輔さんが代表を務めるグローバルレーシングプロジェクトの一員で、サポートを受けながらフランスで武者修行を行うレーサー。
シーズン前半を終え日本に帰国している今は、国内の実業団レースに出場し己を磨いている。ジャージがフランスのチームではなく、国内有数の強豪チーム、イナーメ信濃山形のものであるのはそのためだ。
そんな小山さんが乗るバイクはもちろんヨネックスのCARBONEX HRで、ホイールはGOKISOのもの。「フランスのレースでは平坦を50km/hで巡航することがあるんですが、GOKISOと普通のホイールでは進みの良さが全然違いますね。機材で走ってると実感できるほどです」とインプレッション。パワーメーターは知人から譲ってもらったというSRM。シマノR9100系DURA-ACEは実家のある大阪でお世話になっているプロショップが小山さんの渡仏に際して用意したものだという。
ペダルがルックKEOであることの理由は、フランスのレースではルックが一般的で、ニュートラルサポートのサブバイクもルックを装着している事が多いからだという。渡仏前まではシマノユーザーだったが、現地で対応するためにルックを用意したという。
シーズン後半の渡仏は未定だそう。「日本の登りが厳しいレースよりは自分にあっていると思います。今は日本で自分の力をあげて、来年勝負をかけにいくつもりです」と小山さんは言う。高校を卒業したばかりで、フランスに乗り込む若手レーサーの今後に期待がかかる。
梅林康典さん(ワイズロード名古屋支部)BH ULTRALIGHT EVO
ワイズロード名古屋店の店長を務める梅林康典さんの愛車BH ULTRALIGHT EVOを紹介する。メーカーとの協力でインプレッションを兼ねてテスト使用しているというULTRALIGHT EVO。よく見るとそのカラーリングは、2016年のツール・ド・フランス前までディレクト・エネルジーの選手が使用していたデザインとなっている。国内にはごく少数しか入荷していないモデルが、ひょんなことから国内代理店に渡ってきたという。
旧型のULTRALIGHT EVOだが、トマ・ヴォクレールや、ツール2017で区間優勝を果たしたリリアン・カルメジャーヌが山岳ステージで最新型を差し置いて投入するバイクだ。梅林さんは「軽量フレームにありがちなヒラヒラとバイクが安定しないという性格はなく、ダンシングで安心してバイクを振りやすいです。組み上げて3日目というタイミングで、CSC5時間耐久に参加しているのですが、70km/h近い速度からのコーナリングでも曲がっていける良さはあります」とインプレッションをする。
ボトルケージをステンレス製のカブト製品としている点がユニークなポイントだ。「曲がるから良いんですよ。耐久レースやハードなトレーニングを行っている時、ボトルの抜き差しが乱暴になりますよね。その時に、硬いボトルケージの場合ではケージやマウントのボルトが破損しやすくなってしまうんですよね。ステンレスの場合では曲がってくれるので、壊れるところが少ないんです」とステンレスを選んだ理由を教えてくれた。
加えて「ケージを使い込むうちに、自分のボトルを抜き差しする動作にフィットするのも良い点です。あまりに曲がりすぎると折れてしまいますが、価格も非常にこなれているのでお財布にも優しいです。私は今使っているので3本めです。」と更にメリットを語ってくれた。
シマノR1950系DURA-ACEのリアディレイラーに装着されているビッグプーリーは、ワイズロードロゴが入ったカーボンドライとのコラボ品。カラーリングも特徴的な緑だ。ブレーキが前DURA-ACE、後ろFSAゴッサマー。パワーメーターはPower2Maxとディレクト・エナジーの雰囲気を演出するアッセンブリも特徴的だ。
佐藤新さん(Team Jhon)フジ SL ELITE
5月に購入したばかりという新車をお披露目してくれたのは、CSC5時間耐久で総合優勝を決めたTeam Johnの一員である佐藤新さん。結果を残すためガッツリ乗り込んでいる駒沢大学の自転車競技部員は、性能とコストパフォーマンスに優れるフジ SL ELITEをチョイスした。
初めてのカーボンバイクに驚愕したという佐藤さんは「ガシガシ進むというより、静かに進んでくれることが自分の足にマッチしていて気に入っています。軽さも際立ついいバイクですね」とインプレッション。
パワーメーターはPower2Maxは譲ってもらったものだという。「パワートレーニングは自分が不調な時、目指す方向がわかりやすいので使いやすいですね」とパワーメーターを評価する。サドルはいくつも試した中で見つけたというプロロゴ製。バーテープはサポートを受けるリデアだ。
西谷雅史さん(チームオーベスト)キャノンデール SUPERSIX EVO Hi-Mod
ツール・ド・おきなわやジャパンカップ・オープンなど国内ビッグレースでの優勝経験を持つ西谷雅史さんの愛車はキャノンデール SUPERSIX EVO Hi-Modだ。東京都調布市のプロショップ「オーベスト」店主のこだわりは3点。サドルとハンドル、ホイールだ。
シマノ STEALTHというノーズまで幅広のサドルをチョイスする理由は「前後のポジションどこでも座りやすく、前傾姿勢としやすいので使用しています。私は前乗りすることが多く、そこでも座りやすくパワーを出しやすいことが重要な点です」という。
ハンドルはドロップ部が外側にフレアしており、力を込めやすいことがポイント。コスミックカーボン・クリンチャーホイールはパワーの伝達能力が高いことから、登りが多い修善寺のコースでもチョイスした。タイヤはIRC ASPITE DRYの26C。「グリップ力が良いことはもちろんですが、パンクしないという安心感もあります。レースでパンクしにくいというのは信頼感に繋がるので」と西谷さんは言う。
ドライブトレインはシマノR9100 DURA-ACEのチェーンリングとチェーン、スラム RED eTapを組合せて使用する。あえてシマノを使用するのは変速性能などの信頼感だという。「トルクがかかる時は楕円のほうが良いという理由から、インナーのチェーンリングはバロックギアだ。
佐野和矢さん(C-Viento)東洋フレーム オーダーバイク
「ロードとシクロクロス同時に、同デザインでオーダーしました」という佐野和矢さんの愛車は東洋フレームのステンレス製オーダーフレーム。「パイプ径が太いせいか、少し硬めの乗り味に感じます。ステンレス製にしているので通常のスチールより100gほど軽いですよ」とインプレッション。
こだわりのパーツはマヴィックのCOSMIC CARBON ULTIMATE。このホイールが登場したときの初期型だそうで、約10年選手になるのだとか。続々と新製品がリリースされる自転車パーツにあって、使い続けるとは、まさに愛用パーツ。これぞ愛車自慢である。
フォークに輝くトヨタの文字。なぜなんですか?という問に対して返ってきた応えは「TOYOTA、TOYO……。アルミテープによって性能向上を実証したという大企業へのリスペクトも込めています」。銀色に輝くステッカーの正体はトヨタが考案したアルミテープチューニングだ。
車体が帯電してしまうとエアロダイナミクスを最大限に発揮できないため、アルミテープによって放電させることでエアロ効果を発揮させようというもの。佐野さん自身は、そのチューニング効果を体感できているという。ホームセンターのアルミテープでも効果を得られるとのことなので、筆者も試してみたいと思わされたのだった。
NITTOファンの佐野さんはハンドル、ステム、ボトルケージを同ブランドで統一している。ハンドルバーは日東創業90周年を記念し、グラファイトデザインと共同開発を行ったMod.90。カーボンの網目を活かすため、クリアカラーのバーテープを巻いている。ステムもカーボン製だったが剛性を重視し、アルミに切り替えたという。加えて、強度が必要ない部分のボルトを樹脂製に交換しているなど、佐野さんのこだわりが細部まで行き届いたバイクだった。
橋爪大樹さん(Peek-a-Boo) マキノ フルオーダーバイク
「クロモリのバイクが1台欲しかったというのと、マキノで作りたかった」という理由でフルオーダーバイクを選んだという橋爪さん。普段は山がちなコースに練習に出かけることが多く、カーボンバイクに乗っているが、現在乗れない状態になっているとのことで、スチールバイクでCSC5時間ソロに挑むという。
アッセンブルされるパーツを見てみると、シマノDURA-ACE、ULTEGRA、105という主要コンポーネントがミックスされている。最初のロードバイクからパーツを移植しながら、アップデートを繰り返しているという。
ルックス面で際立つR9100系DURA-ACEのクランクセットについては「3グレード全て試したことがあるんですが、DURA-ACEが一番力のかかり方が良いと感じたので、クランクだけはハイエンドを入れています」とのことだ。
足回りはフルクラム RACING SPEED35Tに、ヴィットリアCORSAという組合せ。橋爪さんは「CORSAは性能も素晴らしく、価格も手頃で、今あるチューブラータイヤの中で一番いいと思ってます」とインプレッション。オールラウンドなホイールとタイヤの組合せは気に入っているとのことでした。
text&photo:Gakuto.Fujiwara
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